僕は文科系な事をしているけど、中身はかなり体育会系だ。 体育会系だと思う。 かつては体育会系が苦手だった。 だけど、19歳の時にS大のジャズ研に入ってから、体育会系になった。 バンド演奏中、アドリブがイモだと、後ろからアンディーフグが大好きな先輩ドラマーの必殺技ネリチャギが飛んでくる。 礼儀正しくないと、後で先輩から呼び出されて、チンチンにキンカンを塗られることもしばしばあった。 いやチンチンにキンカンを塗られないまでも、実力者ぞろいのバックバンドを背負いながら、大勢の観客を前で、見えないように音楽的な嫌がらせをされて、赤っ恥をかくなどということは、日常茶飯事だった。
何か非常に嫌な世界な様な気がするかもしれない。 だけど、実力が上がるにつれ、嫌がらせをし返したりすることもある。 まさに下克上の世界だった。 嫌がらせをする、ということは、ひとつの賭けだ。 自分の実力をみんなの前に出して「かかってこい」とやる。 「かかってこい」と言ってしまった以上、戦うしかない。 多くの場合、強烈な先輩実力者が集結してしまい、音楽的な集団リンチにあう。 しかし、そういう中で揉まれている内に、ある程度互角に戦えるようになってくる。 「なかなかやるなこいつ」というふうになるのである。 こういう風に仲良くなった人は、何十年も付き合える。