どん、どん、どん、どどんがどん。 どっどんがどんの、どんどんどん。
─── 恐らく貴方はこれまで色々なスクール/学校/大学で音楽の教育を受けて来たのではないでしょうか。そして音楽の能力に一定の自信も持っています。クラシックの著名な作曲がが作った難易度の高い難曲をたくさん弾きこなしてきました。
そんなある日、貴方にもジャズを演奏する機会がやってまいりました。お洒落で軽快な音楽を譜面もなく軽やかに弾く人々を見て『私の技巧があれば私だったああやって軽やかに弾ける筈』と思いました。そしてジャズを演奏してみると、全く同じような軽やな演奏にはなられない事を悟り、愕然とします。
『私には才能が...』
ここで『ジャズが演奏できない』と気付いた貴方は幸運でした。それは貴方が間違った音楽教育を受け破壊され続けてきた貴方の天性のリズムに対する感性がまだ完全に破壊されきっていなかった事を表しています。
ジャズは、これまでのクラシックやポピュラー音楽とは全く異なるリズムの構造を持っています。
クラシック
オンビート基準(オンビートにメトロノームを合わせてオフビートを移動することでニュアンスをつける)
頭合わせ(メロディーの先頭を小節の先頭に合わせる)
ジャズ
オフビート基準(オフビートにメトロノームを合わせてオンビートを移動することでニュアンスをつける)
尻合わせ(メロディーの末尾を小節の先頭に合わせる)
この小さな違いが、演奏に必要なリズムの学習方法全体を全く異なるものに変化させてしまいます
─── だから貴方はジャズが演奏できなかったのです。
重ね重ね、貴方がジャズを演奏できないことに気付いた事は幸運でした
───
世の中の99%のジャズ演奏者は自分がジャズを演奏できない事に気付いてすらいません。
ジャズを演奏できない
─── それは決して精神論ではありません。
譜面に書き表せばはっきりと目に見える形で違いが表れます。
そして実はこの日本人がジャズのリズムを演奏できない問題を歴史的に紐解いていくと、日本人はジャズだけではなくゲール人/ケルト人の民族音楽を起源とした音楽(つまりクラシック音楽です)のリズムも同様に演奏できないという問題に帰着します。
これはいささか恐ろしい結論を導き出します ───
実はクラシック音楽のリズムの起源とジャズのリズムの起源には共通点がある ───
即ち、私達が演奏できていると信じていたクラシック音楽のリズムも、実は正しく演奏できていなかったのではないか
・・・。
そしてこのジャズ音楽/クラシック音楽のリズムの演奏が出来ない問題は、実は日本人固有の問題である事を見ていく事になります。実は、日本人のリズム感が悪い問題の本質は、日本という島国に隔離された事で全く違った言語のリズム体系を発展させてきた日本人独自の問題だったのです。
この日本人独特なリズムの問題の事をこの本では『縦乗り』と呼んでいます。
この本では日本人が縦乗りになる理由と根拠について、そしてそもそも縦乗りではない音楽とは何なのか、そして縦乗りではない音楽の起源について順を追ってお話していきたいと思います。
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大目次自動作成プログラムを追加し、序文を大幅に更新しました。(Thu, 05 May 2022 01:48:15 +0900)
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体裁を修正しました。(Fri, 13 May 2022 09:02:45 +0900)
(Sat, 28 May 2022 19:05:08 +0900) ヘッダ文字列の取得時のアルゴリズムを non-greedy 検索に変更したことで、hタグ内に他のタグがあるときも正常動作するようになりました。
(Sat, 28 May 2022 20:12:59 +0900) TOC 生成ルーチンを共通化しました。