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2019年1月20日日曜日

日本人だけリズム解釈の違う件について ─── 縦乗りを克服しようシリーズその8 (oka01-zgvncyhqqqscfuae)

私自身アフタービートのリズムを聞き間違えていたことに気付いた。恥ずべきことだが、どんなに偉そうなことを書いても、私も日本人だということだ。その訂正とその理由を説明してみた。

何故、日本人は縦乗りなのかを書いてから丁度1年たった。この記事を公開したのは、2018年1月17日 ─── 本日は2019年1月20日だ。

この1年の間でいろいろなことを研究して訓練したが、結果として私自身がアフタービートのリズムを聞き間違えていたことに気付いた。その聞き間違えたリズムに基づいて、前述の記事を書いていた。恥ずべきことだが、どんなに偉そうなことを書いても、私も日本人だということだ。

訂正すると共に、どこをどう聞き間違えたのか、説明してみようと思う。


最初に聞いた音の解釈

バダムツーとは 何故、日本人は縦乗りなのかで説明した通り、日本の「ちゃんちゃん」みたいなものだ。




詳しい説明は、何故、日本人は縦乗りなのかに譲ろう。

そこで私は、この音を当初次のように書き記した。

だがこれは間違っている。

裏乗りとは、最初に聞いた音を裏拍と認識することだ。

私は最初の音を、8分音符の裏拍だということは認識していた。だがそれが4分音符として見た時にも裏拍になっているということを聞き逃していた。

これを加味して考えると、こうなる。



これで8分音符として見ても4分音符として見ても共に裏乗りとして解釈されている。

出ている音はどちらも同じだが記譜上1拍ずれていることがわかる。

これが正にリズムの解釈の違いだ。

ジャズはインプロヴィゼーション(即興演奏)が主体の音楽だ。その場で鳴っている音をどう解釈して音を乗せるかに全てが掛かっている。

ジャズだけでなく、ロックやヘビメタなどポピュラー音楽ならどんなジャンルの音楽でも「オフビート(2拍4拍目)が大切」といわれる。

だがそれは単純な音の強弱の問題ではなく本質的なリズムの解釈の問題だということがわかる ─── 日本人は最初に聞いた音をオンビートと認識する。だが日本人以外の人は最初に聞いた音をオフビートと認識する。 これが日本人とそれ以外の人のリズムの最大の違いだ。

日本語の発音の独特さに気付く難しさ

私は、アジアの辺境をあちこち歩いているとき、外国の人はリズムの解釈が日本人と違うということをよく感じていたのだが、その正体を掴みかねていた。だが長年海外で日本人を観察しているうちに、次第に日本人だけが非常に独特なリズムの解釈をする習慣があるのではないかということに気付くようになった。

日本のジャズマンはしばしば渡米し『本場米国のジャズマン』と演奏する。そして演奏がかみあわず手も足もでなくなって「やっぱり本場は凄い」という判で押したように全く同じみやげ話をしょって日本に帰ってくる。だが実際の所、演奏がかみあわないのは本場米国に限った話ではない。日本人は、日本の周辺諸国の大半の人と演奏がかみあわない。 韓国・朝鮮・中国・ロシア・ベトナム・タイ・ラオス・カンボジア…等々、まったくかみあっていないシュールな会話が永遠に続くかのように繰り広げられていく。

何故こういうことが起こるのだろうか ─── それは日本人のリズム解釈が独特だからだ。

節目がない言語・日本語 で書いたように日本人のリズムにはアナクルーシスがないという非常に独特な特徴がある。

ジャズではしばしばアウフタクトとして先行する3つの音が配置される。バダムツーはこれの非常によい例になっている。これはジャズのアドリブで非常によく出てくる定石で、この3つの音を聞いたら反射的に曲を開始するというような語法が守られる。


Keith "Wonderboy" Johnson - Be Right

この曲では、突然終わり突然始まるリズムトリックが何度も出てくる。これはバンドメンバーが全員、最初に聞いた音をオフビート(4拍目)と認識しているからこそできるトリックだ。この曲は黒人教会音楽の演奏だが、ジャズやロックでもしばしばでてくるリズムだ。

バンド演奏(ジャズやロックなどなど全てのポピュラー音楽の演奏)にあたって、そういう語法を理解しているかどうかが非常に大切になる。 そういう意味で音楽は、完全に語学の様相を帯びてくる。

日本人は、外国の人と演奏するとしばしば外国の人がよくつかうアナクルーシスが聴き取れず1拍・2拍・3拍とずれた地点を演奏し続けてしまうという、外国の人からすると非常に演りにくい独特なクセとなって表れる。

だからもし貴方が世界的なミュージシャンとして活動したいと考えているなら、これは必ず克服しなければいけない課題だ。 私が書いた縦乗りを克服しようシリーズは、その課題を克服するためにきっと役に立つと信じている。

未来の方々へ

さて私は今、毎日毎日私が言っていることが誰にも通じないことにイライラしながら、その苛立ちを紛らわすかの様にこの記事を書いている。書いても誰も読まない。例え読んだとしても理解できない。私が言っていることは「当たり前」なのだが、その「当たり前」が誰にも通じない。

ここに書いたことを日本人一般が理解するのは相当に遠い未来の話になるのかも知れない。恐らく私が生きている間に、この記事が理解されることはないだろう。

何のために書いているのか自分でもさっぱりわからないが、取り敢えず私は日本語のリズムと語学との関連について日本語で書き記した最初の日本人であることに違いはない。

私は文章を書くにあたって使いにくいことを承知で blogger を選んだ。 wordpress の方が高性能で綺麗に仕上がるのは重々承知だが、blogger は google が運営している。google が存続する限り、blogger に残したものは消えない。例え私がこの記事を書くことに完全に飽きてメンテナンスもせずに放置してしまっても、或いは私が予測不能な事故によって死んでしまっても、この記事は少なくともしばらくは生き残るだろう。

2019年の今、IT技術はこんなに進化したのに日本の人々は依然として無知のままとても遅れている。私が今編み出した知識を、何時の時代かこれを読んでくれた貴方にたくそうと思う。

更新記録:

新しいブロガーのHTML形式(ブロックタグに囲まれてないテキストがあるとエラーになる)に対応し加筆訂正した。(Mon, 21 Dec 2020 14:36:08 +0900)
空タグを削除した。(Fri, 29 Jan 2021 22:17:48 +0900)
一人称を僕から私に変更しました。(Sun, 29 May 2022 01:33:13 +0900)



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著者オカアツシについて


小学生の頃からプログラミングが趣味。都内でジャズギタリストからプログラマに転身。プログラマをやめて、ラオス国境周辺で語学武者修行。12年に渡る辺境での放浪生活から生還し、都内でジャズギタリストとしてリベンジ中 ─── そういう僕が気付いた『言語と音楽』の不思議な関係についてご紹介します。

特技は、即興演奏・作曲家・エッセイスト・言語研究者・コンピュータープログラマ・話せる言語・ラオ語・タイ語(東北イサーン方言)・中国語・英語/使えるシステム/PostgreSQL 15 / React.js / Node.js 等々




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