関西弁のリズムは
縦乗りだ。次のリズム譜を見て欲しい。
日本語のアクセントは頭に来るのは当たり前と思われるかも知れない。しかし実は、日本語の関西弁以外の各種方言ではしばしばアクセントは頭に来ない。例えば私のネイティブ方言の関東弁ではアクセントはしばしば後ろにくる。
「なんでやねん」を関東弁で言えば「なんでですか」になると思われるかも知れない。しかし関東弁がネイティブの人々が「なんでですか」という表現を使うことはまずない。
関西弁と関東弁の違いというとイントネーションの違いが主に挙げられる。しかしよく観察してみるとイントネーション以上にリズムのとり方に大きな違いがあることに気づく。この違いはとてもはっきりしたものだ。
その違いとは関西弁には弱起がないが関東弁にはあるという点だ。みなイントネーションの違いに意識が向いていても、リズムの違いにまでは意識が向いていないことが多く、ここが盲点になっている場合が多い。
そのリズムの違いはしばしば、ジャズのアドリブにも色濃く現れる。それはアドリブのリズムを聞くだけでその人が関西人か関東人か聞き分けることができるほどにはっきりしている。場合によっては曲が始まる前にテンポを出してカウントをしているそのカウントのとり方を聞くだけで関西人か関東人か区別が付くこともある。
関西人であることは
ジャズを演奏する上で大きな弱点となる。この関西弁のリズムの取り方は、関東弁だけでなく東北/九州の方言・欧米・アフリカ・東南アジアの各種言語と全く違うリズムの取り方だからだ。このリズムの取り方で外国語を発音するるとほぼ通じない。またこのリズムの違いがはっきり聞き取れていないと、外国語を聞き取ることも難しい。言語のリズムは音楽を演奏するリズムにも色濃く反映されれる
─── この
頭乗りのリズムは外国の人達に難解な印象を与える。このリズムで音楽を演奏しても外国の人達に訴えることはとても難しい。
─── そしてこのリズムは関西外の人に対してほとんど訴求力がない。
関東弁の中の関西リズムに関西人は気付かない。だが関東人は必ず気付いている。だがそれを言葉として出してしまえば大変な失礼に当たることである以上、それを指摘することは絶対にない。
何故こういうことが起こるのだろうか。
ここでは、関東弁と関西弁のリズムの違いをリズム譜やビデオなどを使って確認していこうと思う。