ヌルヌルとニュルニュルの違いは何か説明できる日本人はそう多くないでしょう。しかし『歯磨き粉がニュルニュル出てくる』という表現は正しいと感じても、『歯磨き粉がヌルヌル出てくる』という表現は正しくないと日本人なら誰もが即答できます ─── 何故でしょうか。
そこに『意味を理解する』という現象が、音の感触=リズムを理解しているということと等しいという現象が隠れています。
ニュルニュルと、ツルツルの違いは何でしょうか。ツルツルとスルスルの違いは何でしょうか。またスルスルとスルッスルの違いは何でしょうか。
それらを分類して意味をまとめて、それを外国人に教えて暗記させたら、それは彼らがオノマトペを理解しているといえるでしょうか ─── 私にはそう思えないのです。
何故なら漫画に出てくる無数のオノマトペ・擬態語は、常に新鮮さを求めて新しい表現を生み出しているからです。新しい表現に関しても暗記しなければ理解できないのであれば、それは日本語オノマトペ・擬態語を理解したとは言い難いものです。
オノマトペを理解する為には、日本語の発音の奥ゆかしさについての深い理解が必要ということが、ここに指摘できます。
日本語の発音に隠れる奥ゆかしさの理論を度外視し、日本語の擬態語を分類して辞書を作り外国人に暗記させる無意味さ = これこそが、日本人の英語の勉強法そのものだということが私は指摘したいのです。
ここに私のオフビートカウント練習法の真の狙いがあります。『リズムを理解する』ということ自体が言語を理解するということの本質なのです。『単語の意味は知らないし、文章の意味もわからないけど、最低限言っている事を解釈して聴き取れている。』という状態を最初に維持する ─── 言語を学習する時に最も大切なことがそこに含まれています。
リズムを理解する事を重視し、文法や単語の意味を理解する事は後で考える ─── そこに語学の究極奥義がある…そう私は確信しています。
昨日私は、一日中根を詰めてリズムトレーニングをしました。その結果ふと気付いたのですが、オフビートカウント・ワークショップ用プレイリストでモーゼスタイソンJrやリチャード・ホワイト司教が話している言葉が、突然はっきりと聴き取れる様になったのです。
昨日私は、三連符のオフビートメトロノーム合わせという練習を頭が痛くなるまで8時間程度続けて練習しました。
つまり彼らのアフリカ系米国人の発音の基礎には、恐らく3分割サブディヴィジョンというリズム要素が隠れているのではないか…と私は予想しています。
英語にも様々な方言がありますが、その中でも特に聴き取りが難しいアイルランド方言とアフリカ系米国人方言ですが、恐らくそこに共通するリズム要素は3分割サブディヴィジョンです。
三分割を極めることで英語聴き取りの幅を広げるというお話でした。
#オフビートで思考する語学
【オフビートがわからない=リズムがわからないという現象は、英語(等々の末子音のある言語)がわからないという現象と全く等しい】 日本語がわかるという事はどういうことでしょうか。それは単語の意味を理解するという事を超えたところにその本質があります。…
— 岡敦🇯🇵 (@ats4u) January 7, 2024