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2022年7月31日日曜日

何故日本人はオフビートが演奏できないのか ─── 縦乗りを克服しようシリーズその49 (oka01-ztenpukfvumymnzv)

『日本人はオフビートが演奏できない』と人はいいます。『日本人の演奏にはオフビートがない』とも人はいいます。では何故日本人の演奏にはオフビートがないのでしょうか。そこに疑問を持つと実は、その理由を誰も知らない ─── そんな日本のミュージックシーンに私はメスを入れるべく、ライフワークとして常日頃リズムに関していろいろな考察をしています。

そのなかでも最近私が気付いた日本人がオフビートの演奏ができない理由  ─── 理解してしまえば実に当然な理由 ─── を、本日はご紹介したいと思います。

その理由とは「日本人は自分がオフビートを演奏しようとしているから、逆にオフビートが演奏できなくなる」…これはどういう意味でしょうか。順を追って以下で見てみたいと思います。

日本語と英語のリズムの違い

はじめに

  1. 「日本人は自分がオフビートを演奏しようとしている。」
  2.  「すると結果的にオフビートがなくなる。」

…これはどういう意味でしょうか。

この1.と2.の間に、日本人自身が気がついていない驚くべき日本人の習性と、その習性がもたらす日本人の能力の限界がそこに隠れています。

この1.から2.へ至る経緯を順を追って見てみたいと思います。

メトロノームと演奏する日本人の独特な習性

まず皆様がメトロノームを鳴らして演奏する時、皆様は鳴らしているメトロノームはどの様に聴こえているでしょうか。何を当たり前の事を言うのか … と思われるかも知れません。しかしこれは人によって、そして時代によっても、そして実は母国語とする言語によって大きく変化するものです。

もしもそこにメトロノームが鳴っていたら、通常そのメトロノームはこの様に聴こえているのではないでしょうか。

このメトロノームをもし仮に以下の様に鳴っていると仮定して演奏してみてはどうでしょうか。

これは鳴っているメトロノームの音は全く同じですが、そのメトロノームの音に対する我々の聴覚上の認識自体を変える事を意味しています。

そこで既に鳴っているメトロノームを裏拍として認識しながら、表拍で手を叩く ─── たったそれだけのことですが、できません。

私は予言します。 これを読んでいる貴方も、メトロノームをこう鳴っていると仮定しながら手を叩く事が出来ません。

それは貴方だけではありません。

それは有名な音大を出て著名な演奏活動をしているような音楽家も例外ではありません。

なぜなら日本語を母国語とする人は、特別な矯正訓練を行うことなしに、このリズムを演奏することができないからです。

私は数多くの方々にリズム理論を教えて参りましたが、ほとんど全員が出来なかっただけでなく、相当な練習を積んでも尚、これを行うことが出来ませんでした。

貴方は仰るでしょう ─── 「こんな難しいことは出来ないのは当然だ!」

しかしとても残念なことなのですが、これが出来ないのは日本人だけなのです。ある研究によるとイランのある民族の方々も同じ習性を持っているという説がありますが、いずれにしても世界的にとても珍しい習性のひとつということは言えそうです。

日本人はこの日本語のリズムの独特さを認識することができません。

そして…

『メトロノームを裏拍と認識しながら自分が表拍で手を叩くことが出来ない。』

これは実は、日本人が、日本語のリズム認識の独特さを観察することが出来る唯一の機会なのです。

日本人のリズム認識の狂いを自分自身で観察してみる

フラメンコの演奏を見てみましょう。彼らは2グループに分かれ交互に手を叩いています。

彼らは決して修練を積んだミュージシャンという訳ではありませんが、普通に2手に分かれて交互に手を叩いています。これは彼らの民謡なので、上手下手の違いはあっても、誰でも同じ手の叩き方が出来ます。

一方日本人は、この様に交互に手を叩く事が極度に苦手です。

恐らくこれを読んでいる貴方も「そんな訳はないだろう」と仰るかも知れません。

しかし実際にやってみればわかるでしょう ─── ほぼ例外なくできません。

一番簡単に御自身の手で御自身の認識の狂いを観察する方法は、メトロノームを鳴らして交互に手を叩くことでしょう。

現在一般的なメトロノームは電子式で非常に正確にリズムを刻むことが出来るため、すこし慣れれば出来るようになるかも知れません。

しかし相手が人間の場合は、不正確で少しずつ早くなったり遅くなったりしますので、電子メトロノームの様には行きません。

彼らは、そのように動きのある中でも交互に手を叩くことができます ─── しかし日本人は動きのある中で自分の手を叩くタイミングを調整することができません。

日本人は、何らかの自分とは異なるタイミングで鳴っている拍に対して、交互に手を叩くことができません。

日本人は、相手のタイミングの狂いにとても神経質に反応するだけでなく、相手が速くなると逆に相手が遅くなったと錯覚するという、間違った方向に速度を認識するという独特な感覚の狂いを持っています。

その為に自分の手を叩く速度を逆向きに調節してしまうため、しばしばテンポがどんどん速くなったり、テンポがどんどん遅くなったりして、一定のテンポを維持すること自体ができなくなります。

そしてその認識の狂いを自分自身で認識できない為、相手のテンポが狂った様に間違った認識をしてしまいます。しばしばこのように、お互いがお互いの間違いを糾弾しあうことで喧嘩すら発生します。

では、今度はメトロノームと同時に手を叩いてみてはどうでしょうか ─── 今度は簡単に出来たのではないでしょうか。

このことから少なくとも次のことがいえるでしょう。

  1. 第三者によって示される一定間隔の時間に対して、その拍の長さを図り次の拍の位置を予想することができる。
  2. 第三者によって示される一定間隔の時間に対して、その拍の長さの二等分地点の時間を図り決定することができない。

実際には、一定間隔でなる拍を二等分に分割することと一定間隔でなる拍と同時に手を叩くことに身体動作のとしての違いはありません。

外国人の裏拍の認識の仕方

ただ単に相手の拍と自分の拍との距離が半分になるように調整しながら叩くだけです。

しかし日本語を母国語とする人はこれが出来ません。

何故でしょうか。

それはメトロノームを裏拍として手を叩くことができないことと関係があります。

最初に聞いた音が表拍に聴こえる病

その事を私は『最初に聞いた音が表拍に聴こえる病』と呼んでいます。

メトロノームを裏拍と認識して手を叩く事が出来ないのは、何故なら第三者が提示した拍が必ず表拍に聴こえるからです。

ここからとても当然なことがわかります。

  1. ここに裏拍を叩くAさんがいるとします。

  2. Aさんが裏拍を叩きます。

  3. そこにそれを聴いているBさんがいるとします。

  4. そのBさんはAさんの叩く裏拍が表拍と聞こえています。

  5. Bさんは、そのAさんが叩く裏拍を表拍と聞き間違えた状態のまま、Bさんは裏拍を叩きます。

  6. Aさんは、Bさんが叩き始めた裏拍が表拍として聞こえてしまいます。

  7. AさんBさんの双方が、自分の拍が裏拍なのか表拍なのかを見失います。

  8. 双方が相手が叩いている音が表拍として聞こえてきます。

  9. 自分が叩いている音も表拍に聞こえてきます。

  10. いつのまにかAさんBさん共に同時に手を叩いてしまいます。

何故裏拍が演奏できないのか。

私達がメトロノームを裏拍として認識しながら演奏する事ができないことを見ました。

つまりもし誰かが裏拍を弾いても、一緒に合奏する演奏者はそれを裏拍と認識することができないということを意味しています。

つまりどんなに裏拍を演奏しても、共演者がその演奏された裏拍を表拍として認識してしまう以上、それを無意識の内に表拍に聴こえる様に位置を修正してしまうため、どんなに裏拍を演奏してもそれは表拍として修正されてしまいます。

「そんなことはないはずだ。」

「何故ならば、日本人は裏拍を演奏しているではないか。」

しかし日本人の裏拍の認識の仕方は、裏拍が認識できない人が裏拍を認識しなくても良い様に考え出した一つの苦肉の策になっています。

それを次に見てみましょう。

日本人の裏拍の認識の仕方

勝手に例として挙げてしまい大変恐縮なのですが、裏拍が中心となる音楽を日本人が演奏するとどういうことが起こるのかが、とてもはっきりと観察できるとても良い例でしたので、ここで御紹介させて頂けましたら幸いです。

大変厳しい修練を積んでいる事がわかります。しかしパラパラと裏拍がずれていることが観察できます。また表拍でとても大きな足踏みをしていることも観察できます。

ここで起こっていることを模式図として表してみました。

日本人の裏拍の認識の仕方

日本人は相手が演奏する裏拍の位置を認識する事が出来ません。

この状態で裏拍を演奏する為には、まず2人の演奏者がお互いの表拍の位置を共有している事が全てにおいて最も重要な事となります。

この上図の様に前者と後者が共通の表拍の位置をしっかりと認識した上で分割する拍を演奏します。

しかしその分割した拍を認識する事が自体が出来ないことから、その分割した拍と拍の位置関係を正確に図ることができません。

何故なら裏拍の位置を認識できないからです。

そこで鳴っている裏拍を聞こうとすると、それが表拍として聞こえてしまうため、それ以上の拍の認識を行うことができません。

これが日本人の裏拍の位置が安定しない理由です。

この状態でどんなに厳しい訓練を行っても、絶対に裏拍の位置は安定しません。

相手が裏拍を演奏すると、それが表拍に聞こえてしまう。

その状態で裏拍を演奏する為には、裏拍を聞かない様に努力するしかありません。

何故ならそれは目をつぶってスイカ割りをしているのと全く同じ状況だからです。

どんなに厳しい訓練をしても絶対に裏拍の位置が安定しないのは、だからです。

裏拍を認識するとはどういうことか

そもそも裏拍を認識するとは一体どういうことでしょうか。

それを理解する為に、そもそも相手が叩く拍の裏拍で手を叩くとは一体どういうことなのかを考えてみましょう。

あるミュージシャンAさんが一定の時間間隔で手を叩いているとします。

そしてもう独りのミュージシャン(貴方)は、Aさんの拍に対して裏拍の位置で手を叩くとします。

そこで裏拍を叩く為にまず最初に必要な作業は何でしょうか。

まずAさんが叩く拍を何度か聞き、その距離を図ることです。

そうすることで貴方は、Aさんが叩く次の拍が来る位置を予想することができるでしょう。

そして貴方は、Aさんの拍を何度か聞きAさんが叩く拍の長さが図れた後で、その予想された拍が来る地点の半分の位置で手を叩くでしょう。

ここまでは問題ありませんでした。

次に必要なことは何でしょうか。

─── それは位置を修正することです。

人間はメトロノームと異なる為、必ずしも正確に時間を測定できる訳ではありません。

その拍の長さには誤差があります。

よって相手と自分の拍の位置は、何もしなければ徐々にずれていきます。

この表拍と裏拍で手を叩く2人は、お互いがこのずれを図りながら極端にお互いの拍の二等分地点から大きく逸脱してしまうことがないように、微調整を行う必要があります。

つまりここで必要なことは、Aさんが貴方が叩く裏拍の位置と、Aさんが自分で叩く表拍の位置の両方を認識しながら、Aさんの叩く拍の位置を調整する必要があります。

つまりこれは、メトロノームを裏拍と認識しながら表拍を叩く作業、そのものです。

最初に我々が、メトロノームを裏拍と認識しながら表拍を叩く作業が、出来ないということを見て参りました。

つまり相手が裏拍を叩いていても、その裏拍と自分の拍との距離を図ることができず、お互いがお互いの二等分地点から大きく逸脱することがないように調整する、という作業自体が出来ません。

そして、これは貴方がAさんの表拍との距離を図っている時にも起こります。

Aさんが叩く表拍の裏拍で手を叩く貴方は、数十秒後にその拍の感覚を認識する感覚に徐々に疲労が起こり、Aさんの叩く拍が裏拍として聞こえてくる瞬間がやってきます。 するとその裏拍と自分の表拍との二等分点を大きく逸脱しないように調整する必要がでてくるでしょう。

ところがこれは、メトロノームを裏拍と認識しながら表拍を叩く作業そのものです。我々がこの作業が苦手だということを先だって見てまいりました。

つまりここから、メトロノームを裏拍として認識しながら手を叩く作業は、正に裏拍を認識するという認知作業そのものを表していることがわかります。

つまり、相手の拍を表拍として認識しながら自分が裏拍を叩くという作業は、相手の拍を裏拍と認識しながら自分が表拍を認識する作業と表裏一体です。

ここから私達は、私達のリズムに対する感覚が実は半分欠落している事を観察することができた…と言えるのではないでしょうか。

何故私達は裏拍が認識できないのか

これは日本語の発音構造ととても大きな関係があります。

日本語と英語のリズムの違い

この図は、日本語の発音と英語の発音を模式的に表現したものです。これは必ずしも正確ではありませんが、感覚的にわかりやすくはあるのではないかと思います。

この様に日本語は必ず表拍から始まり裏拍へ移行する(子音から始まり母音で終わる)というリズム上の特徴があります。一方英語ではしばしばリズムは裏拍から始まり不規則に表拍の長さが伸び縮みしつつ再度裏拍からリズムが始まる…という複雑な変化をしながら進むという特徴があります。

またここでは便宜上英語を比較対象として出していますが、必ずしも英語だけに特徴的な違いではありません。私はタイ語・ラオ語を話すことができるのですが、タイ語・ラオ語共にほぼ同じリズムの違いが存在します。

日本語は英語などの他の言語と比べて、次の特徴があります。

  • 日本語には末子音がない
  • 日本語には冠詞がない
  • 日本語にはスコッチスナップがない
  • 日本語には二重子音がない

日本語にない概念を日本語で理解する為には、誤解を招かないように大変に慎重に言葉を選ぶ必要があります。

またあまりにも抽象的で感覚的につかみにくくならないように、熟考を重ねた平易な表現を使う必要があるでしょう。 

日本人と外人の裏拍の認識の大きな違い

  1. 日本人は裏拍が認識できない。 
  2. 裏拍が認識できないので、努力して自分が裏拍を演奏しようとする。
  3. それを聞いている共演者はそれが認識できない。
  4. 合わなくなって演奏できない。

というジレンマがあることを御紹介致しました。

外人はどうでしょうか。

  1. 相手が演奏する裏拍を認識している 
  2. 自分が表拍を演奏する。

まとめてみます。

裏拍を演奏する時、

  • 日本人は自分が裏拍を演奏する。
  • 外人は自分が表拍を演奏する。

当たり前の様で誰も気付かなかった当たり前な法則です。

 

終わりに

今回のこの記事はここで筆を置きたいと思います。

  • 末子音とは何なのか
  • 冠詞とは何か。
  • スコッチスナップとはなにか。
  • 二重子音とは何か。

これらは、私たち日本語話者の文脈から見ると、それぞれ数冊の本が出来るほどにとても複雑な要素を持っています。

しかし日本から一歩でも出てしまえば、それは学術的でも何でもない、その辺りの人々ですら当然のこととして受け容れている、ごく当たり前なことでもあります。

語学と音楽は同じだ。リズムは語学だ、語学は音楽だ、と刺激的なパフォーマンスで人を呼び寄せる人は大勢いるでしょう。

しかしそれは実は感覚的でも何でもないごく当たり前な違いの積み重ねでしかありません。

私は学者でも何でもありません(どころか私は高校すらまともに卒業できなかった中卒です)が、このことに気付いた数少ない日本人となってしまったようです。

当初はジャズの演奏方法として考え出したリズム矯正トレーニングでしたが、その本質は語学(英語)そのものだということが、徐々に明らかになってまいりました。

裏拍が取れないということは、英語が苦手になる理由と全く共通であり、裏拍を認識するトレーニングは英語のトレーニングにもなっているということが徐々に明らかになってまいりました。

この縦乗りを克服しようシリーズも50回を迎えることになりましたが、その50以降は外国語の発音構造の説明と、それが音楽の演奏にもたらす影響についてお話ししていこうかと思います。

どうか今後共によろしくおねがいいたします。

 

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Thomas.js (oka01-qslkpxkwvzoqvoaw)

演奏

リードシート

備考

Arranged between July 25 2022 ~ Jul 31 2022

2022年7月25日月曜日

Subconsciousness (oka01-ngdclsllolqdpdzr)

備考

2017年に作曲してそのまま放置していたものを2022年7月25日に公開した。

Lead Scheet

2022年7月18日月曜日

Loopback Latency (oka01-byptcptgcltelpys)

リードシート

備考

2021年1月23日頃に作曲してそのまま非公開となっていたものを2022年7月18日に公開したものです。

Illegal State Exception (oka01-buwbfbnvyrrmylyn)

Lead Sheet

一言

2020/10/13 に作ってそのまま放置していたものを2022/7/18 に公開したものです。

2022年7月15日金曜日

何も知らないロシア人 (oka01-ucftbpfnvnjnbwft)

ロシア外にいるロシア人が英語圏の自由な情報に触れて自国の醜態を知る。そこで知った真実を自国の大切な両親や友達に話しても耳を貸さない── そんな話を耳にする。何も知らないロシア人は可哀想だ…と。 果たしてそうだろうか。

私は英語でニュースを読んだりYouTubeを見たりするが、そこで見聞きしたことの中には、日本で当然とされていることが「人間として最も愚かな行為」レベルで貶されていることは珍しいことではない。

大体私がいうことは常識外れでおかしいことと思われがちだけども、実際にはただ単に海外のニュース記事で見聞きしたことの受け売りであることが大半だ。

それを「何も知らない可哀想な日本人」に伝えるべく、ブログ記事を書いたり、ツイートしたりするが、大抵の可哀想な日本人は、不機嫌になって耳を貸さずに無視する。

この教訓は何か。

ロシアにはロシアのプロパガンダがあり、それを当然の常識として受け入れて生活している。それを闇雲に否定するのは、その文化に対する侮辱でもある。どんな文化やどんな見解にも、一分の理がある。そこに尊敬と配慮を示す必要は常にある。

ロシアに配慮をするのが癪に障るなら、日本も実際のところロシアと大差ないほど酷く可哀想な情報弱小国なので、せいぜい頑張って語学を勉強しましょう。

2022年5月8日日曜日

日本人ジャズ批判 目次(oka01-iofedetfxzxaodfb)

誰も聴かない、誰も聴いていない、世界中から生暖かい目で見られて続けているという冷酷な現実から目をそらし、延々と『世界中から大人気』と現実否認を続け、ひたすら外国の権威を振りかざしてばかりいる残念な『一流』日本人ジャズプレーヤーに対して、飽くまでも日本人としての自己批判の一環として海外で日本人の名にふさわしい日本人としての謙虚さや礼儀正しさを身につける御提案をさせて頂く日本人による日本人の為の日本人ジャズ批判です。

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2022年5月3日火曜日

大阪オフビートカウント練習会を終えて ─── 縦乗りを克服しようシリーズその48 (oka01-vbbqpelgucdzbngx)

去る4月29日に大阪オフビートカウント練習会を開催しました。

大阪オフビートカウント練習会の告知

このタイトル画像の由来は「オフビートを起点にオンビートが動いているのに、オンビートを起点にしてオフビートが動いていると勘違いする日本人のリズム認識を地動説/天動説になぞらえて模式化したものです。詳しくは次のツイートを御覧下さい。

話がそれてしまいましたが、大阪オフビートカウント練習会の様子をオフビートカウント第一人者として頭角を顕しているスキゾスキップスドラマーの佐野大介さんがレポートして下さいました。そのレポートは次のツイートにまとめられています。

大阪オフビートカウント練習会の報告

大阪オフビートカウントを終え、私の感想に関して3つのスレッドを作成しました。

1

2

3

2021年12月6日月曜日

僕は頭の中でネコを飼っている (oka01-swvlpdhhtesyqqfs)

無反応な人々 (oka01-nlulmydkmncouwed)


2021年11月21日日曜日

ジャズのリズムはずれてない=オフビートを起点として演奏しよう ─── 縦乗りを克服しようシリーズその47(oka01-tnrqfewbvuazxrvq)


ジャズのリズムはずれている様に聴こえますが、実はオフビートを起点にして見てみると丁度あっている…ということをこのビデオで実証しています。ジャズの演奏者はオフビートをオンビートの様にして感じながら、オフビート位置から見たオフビートの位置をオンビートの様に感じてタイミングを調節している為、オンビートを起点にして数える人にはそれがずれている様に聴こえます。しかしオフビートの位置を起点として見てみると、実はずれているのはオンビートだということがわかります。 

このことを専門的な言葉で「スコッチスナップ」といいます。スコッチスナップのある音楽を記譜する時はこのビデオの様に8分音符全てをずらして記譜するととても表記しやすくなります。 

このビデオは、MuseScore 3.6.2を利用して作成しました。ここではオフビートをオンビートとして書き表した上で、段を変えてオンビートをもオフビートとして書き表しています。そして 各音符に MuseScoreの機能 Position 値 (オフセット量) を設定することでその音符を適切なオンビート位置まで移動させています。 ─── この様に書き表した方がオンビート位置のニュアンスを簡単に表現できるためです。

スネアの2と4が1/3以上遅れている点に注目して下さい。8分音符オフビートはずれないが、8分音符のオンビート ─── この場合は4分音符で見た時のオフビート ─── は、ずれています。

 

 

2021年10月31日日曜日

4分音符オンビート/オフビート乗り換え+8分音符オフビートカウント ─── 縦乗りを克服しようシリーズその46 (oka01-wcvnsfabcwxlzjtv)

貴方はジャズの4分音符をジャズらしく弾くことが出来ますか? このビデオの様に1拍目3拍目の裏拍にメトロノームを鳴らしながら普段どおりにアドリブを取ることは出来ますでしょうか。

2021年9月5日日曜日

極限の貧しさの中に音楽の本質はある(oka01-vmkonimgvjtnbmyw)

2021年8月31日火曜日

エデュプロイメントの発明(oka01-zypfbrlstpsnlpru)

2021年8月25日水曜日

生きた人間へのメッセージ(oka01-ylgznckxbekzvatj)


2021年8月22日日曜日

ぶつかる人々と僕の中の脳内関西人 (oka01-vrfbmrxgxscabfsz)

ぶつかる人々に関連した記事:
ぶつかる人々
ぶつかる人々、及び自分を知るということ

 

 

 

 

2021年8月14日土曜日

多すぎるプログラマは何も生まない(oka01-dnekaexricxpruri)

2021年8月8日日曜日

アラン・ホールズワースがギターをもっていない時のビデオ (oka01-oivahwrkvwgbvpuv)

アラン・ホールズワースがギターをもっていない時のビデオ。 行きつけ?のポークパイ屋に行った時のビデオらしい。

タイの東北にいたときしばらくアイリッシュ・レストランの店長をしていたことがあった。その時に店に来てた人々と全く同じ感じ。 このビデオに出てくる様な人ばかり大勢毎日来てた。

僕は彼らイギリスの奥地の人々が何を言ってるかさっぱり理解できず。 中にたまにニューヨークから来た人が混ざってたので、聞いてみた。
「何を言ってるかわかるの?」
「酒が入ったらもう何を言ってるかわからん。」

もうひとつあった…。僕にとってはもはや「オンリー・フールズ・アンド・ホーセズ」の世界。

「オンリー・フールズ・アンド・ホーセズ」というのは70〜80年代のイギリスのコメディのこと。

英語の勉強が好きな方は是非。(…と紹介して実際に見始めた日本人はオンラインでもオフラインでも未だに1人も見たことないけど。 たったの1人も見たことない。)

未だにアラン・ホールズワースが亡くなったということが信じられない…。

ごはん粒を残さない人(oka01-qmayzolkewrbsnph)

 面白いことを知った。ごはん粒を残さない習慣はどうも中国が起源なのだそうだ。

Always finish every grain of rice in your bowl. It’s believed that not finishing the rice in your bowl will lead to your future spouse being pockmarked. This popular Chinese superstition could have stemmed from the fact that rice is a staple food and wasting any would be in bad taste.

http://www.banana-mag.com/all-things-azn/2020/4/22/asian-superstitions-issue005

日本人の起源は…

 僕は知っている。タイの人は豪快にごはん粒を残す。食べ物が豊富だし米も自分で作っているから、基本的に「お百姓様に申し訳ない」という感覚がない。腹いっぱいになったら捨てる。それだけ。

日本ではごはん粒を残す人と残さない人が混在していてしばしば論争になるけども… 日本人の起源について色々と想像が膨らむ記事。

バナナ気質とユデタマゴ気質

しかし中国人って中国文化に対して全然客観性がないよな、と思う。そもそもアジア人を『黄色』と言ったのは当の中国人が最初で、それは欧米はアジア人を黄色と言ったことはないのに、中国人は『欧米が中国人を黄色と言った』と固く信じて疑わない。

在米中国人は在米中国人の事を「バナナという」という。『見かけ黄色いが中身は白い』と言いたいのだろうけど、中国人は本当に世界中どこに行って何世代たっても中身は中国人で、僕に言わせれば、『見かけ白いが中身は黄色い』のユデタマゴ気質だと思う  ─── でもそれは必ずしも悪いことではない。


2021年8月1日日曜日

Cubaseに乗り換える決心をした (oka01-syxjjoxqrihvmhqk)

 

 Cubase に乗り換える決心した。 Ableton のピアノロールの機能はとても貧弱で多分主要DAWのなかで最弱。 本格的な編曲(映画音楽的な)を考えるとCubase一択…とやっと気が付いた。

2021年7月27日火曜日

タイ人の会話の習性 (oka01-uzwicapbbrutnwwu)

2021年7月24日土曜日

オンビート・スリップストリームを克服する実践練習 ─── 縦乗りを克服しようシリーズその45 (oka01-jiwvxtrqleqhbmow)

これは僕のバンド・スキゾスキップスのリハの模様です。

この演奏でも充分聴けるかも知れませんが … 僕としては、どうしてもやはりリズムのオンビートが強いことが気になってしまいます。本来は、もっと頑張って練習して上手になって良い手本を見せなければいけない場面ですが、逆にこの演奏はオンビートが強くなる理由がとてもはっきりと見ることができるとても良い例なので、敢えて御紹介してみたいと思います。

2021年7月20日火曜日

裏拍基準のリズムの取り方について ─── 縦乗りを克服しようシリーズその44 (oka01-rarxklfocrnaozcb)

バンドのなかにある各楽器がそれぞれの音符の位置をややずらすことでメロディーのニュアンスを表現することはジャズという音楽の表現的な表現方法です。しかしニュアンスをわかりやすくつけようとして8分音符の表拍位置を遅らせると、しばしばそれに釣られて他のパートのの表拍位置が遅れてしまい、結果としてテンポが遅くなって、眠たい、けだるい、軽快さのない演奏になってしまうことがあります。

これを防ぐ為に表拍の位置を一切移動しないという習慣がついてしまうことがあります ─── 実はこれが、今回私が練習している時に私が無意識のうちにやっていたと気付いたことでした。

リズムが正確なことは大切ですが、かといって表拍の位置が全くかわらない演奏にもかなり強い違和感があるものです。

リード奏者が表拍の位置を変えると、リズムセクション全員がそれに釣られて表拍の位置をくっつけてしまう  ─── 何故こういうことが起こるのでしょうか。それは裏拍基準のリズムの取り方(リズム認識)が出来ていないことが原因して起こるということに私は気付きました。

今回はジャズの演奏者が一般的にどのようにリズムを認識し、どのように表拍の位置を決めているかのその手順について、具体的な例を示しながら説明してみたいと思います。

表拍の位置は移動する

表拍の位置が遅くなれば感情がこもった印象や、リラックスしてゆったりした印象を表現することができます。また表拍の位置が早くなるとスピード感や新鮮さを表現することができます。この表拍の位置がジャズの面白さの肝となります。

『表拍の位置を変えてしまったら、テンポが一定で演奏することが難しくなってしまうのではないか…。』そう思われるかたも多いかも知れません。表拍を聞いてリズムを合わせているのに、それが速くなってしまったり遅くなってしまったりしたら、一体どうやって演奏すればいいのでしょうか。 『ジャズミュージシャンのリズム感は理解できない!』  ───  ジャズミュージシャンは魔法使いではありません!

何故ジャズミュージシャンが表拍の位置を変えてもテンポを一定に保つことが出来るのかというと、単にリズムを表拍位置を聞いてあわせずに、裏拍の位置を聞いて音を合わせているからです。 

表拍の位置を変えるコツ

各楽器のスイング量がバンドアンサンブル内で異なる場合、音符を合わせる位置は裏拍に固定するのが基本です。バンドアンサンブル内全員の裏拍位置はそろっていますが、表拍の位置はメンバーによって前後します。こうすることによってニュアンスのあるグルーヴが実現します。

スピード感のあるベースの表拍の位置

ジャズ好きが集まって談義をすると◯◯のベースは速い、◯◯のベースは遅い…というベース打点の速さが話題になります。これを具体的に考えると次の様なことがいえるでしょう。

いわゆる早いベースは

  • 裏拍位置が固定
  • スイング量が他楽器より大きい

⇒ 結果として表拍の打点位置がその他の楽器の表拍の打点位置より前になります。

良く歌うメロディーの表拍位置

いわゆるニュアンスのある音符とは

  • 裏拍位置が固定
  • スイング量がその他の楽器より小さい 

⇒ 表拍位置が他楽器より後になる。

オンビートスリップストリームとは

『表拍の位置が早い/遅い』とは、飽くまでも裏拍固定のスイング量の多さ少なさがその本質にあります。よって『ベースの速さ』を求めるあまり、表拍が裏拍を追い越してしまうと、スイング感はなくなってしまいます。

このことを私は『オンビート(表拍) スリップストリーム現象』と呼んでいます。詳しくは

オンビート・スリップストリームについて ─── 縦乗りを克服しようシリーズその39

を参照してください。 

裏拍を聞いてリズムを合わせる練習

私は裏拍を聞いてリズムを合わせる練習として『8分音符裏拍メトロノーム練習』を推奨しています。個人練習・バンド練習をするとき常にメトロノームを鳴らし、しかもそのメトロノーム位置を演奏する全ての8分音符裏拍に合わせて演奏します。

これだけを聞くと絶対にできない気がするものです。しかし訓練することによって、ジャズで演奏されるリズムは全てラテン・スイング・バラード等々を含み全て例外なくこの8分音符裏拍メトロノームと共に自然に演奏することができます。

とても難しくこれを考案した私自身も3年以上練習しました。とても厳しい訓練ですが8分音符裏拍メトロノーム縦乗りを克服する究極の練習方法と断言しても良いほどにとても効果的な練習方法です。

一般的なスイング量はどれくらい?

バンドアンサンブルのなかでベースのスイング量が最も多い状態が自然に聞こえるようです。そして(スタイルにもよりますが)ドラムのライドシンバルはそれよりもスイング量が少ない方が自然に聞こえる傾向にあります。そして(スタイルにもよるが)リード楽器のスイング量がバンドアンサンブル中で最も少ないと自然な感じに聞こえるようです。


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更新記録:
『8分音符オンビートの理想的な位置について』から『裏拍基準のリズムの取り方について』にタイトルを変更しました。

2021年7月10日土曜日

飛べない蝿 (oka01-bvfowwxtnifbxeug)


昨夜から部屋に大きな蝿がいたが捕まらなかった。作業中のキーボードやディスプレイの周りを飛び回って鬱陶しかった。今日見たら元気なく畳の上に落ちていた。拾い上げたら飛べずにくるくると回りながら落ちた。死にそうだった。

タイで蝿が砂糖をよく食べていたのを思い出し、気まぐれに砂糖と爪楊枝の先一滴の水をあげたらむさぼる様に食べた。食べたら元気になった。しばらく部屋の中を飛び回っていたが、最終的に出口を見つけ、外に出て行った。

こんな汚い蝿でも必死に生きているし、砂糖を喜んで食べたうえ、その砂糖を糧にして飛び回り、再び世界に出ていくことができた。

僕はどうだろうか。僕はふと迷い込んだ部屋から出られなくなり、どうやっても外界に出られず苦しんでいる蝿の様なものだ。僕は果たして生きている間に外に出て外界を飛び回ることができるのだろうか…。

lofiについての研究とメモ (oka01-fgcmjohteumfnlnc)

日本人ジャズマンと口裂け女の共通点 (oka01-knlbkjwajeonrzig)

日本人ジャズマンは『縦乗り口裂け女』だ。 裏乗りの人にまとわりつくして「私グルーヴしてる?」と尋ねる。グルーヴしていると答えると縦乗りにされてしまう。グルーヴしていないと答えると殺してしまう。 ─── これを読んで怒るなら怒れ。どうせ最初から仕事なんか干されてるし、ご自由に。だけど事実を言っておく。

僕は日本で演奏したいけど、どうやっても演奏できない。誰と演奏してもリズムがずれる。何をやってもずれる。そして「お前のリズムはおかしい」と怒られる。そして「お前は自分が見えていない」と非難される。そして「お前は勝手すぎる」と非社会的人間扱いする。だけど僕はどうしても自分のリズムがおかしいと思えなかった。だから自分のリズムがおかしくないことを確認する為に次のような手法を使った。その手法とはとても単純だ。

2021年7月9日金曜日

クラシックが弾けてもジャズは弾けない理由 (oka01-zgfahhqpvojppkqq)

2021年7月6日火曜日

Giant Stepsを12キー全てに転調 (oka01-nzdbwnhaezwacexy)

今回はGiant Stepsを12キー全てに転調したリード・シートを御紹介致します。

2021年6月27日日曜日

自分は他人になれない (oka01-kuxfbyjvpakegjlc)

はっきりと見えないものと延々と戯れてはいけない (oka01-yyugxkcxqnptcofk)

2021年6月9日水曜日

グルーヴの基準位置についてメモ (oka01-zfrumjxmqutrjcyh)

 

 グルーヴを数値を使って考えていくと最終的に各楽器の位置は相対的なものでしかないことがわかる。早い遅いという問題ではなく、ある楽器に注目した時に相対的に前にある後ろにあるという問題でしかない。基準点をある前方の位置に揃えれば、全て後ろという風に見ても理論的には成立する。

僕は『オフビート位置を基準にしてオンビート位置を変更することでニュアンスを表現する。』という理論を考え出して、それが現実の『よい音楽』をある程度正確に近似することに気付いた。またこれがジャズというコミュニケーション方法の基礎にあることに気付いた。

だけど世の中のほとんどのDAWソフトはオンビート位置を基準にした数値によってデータを構成しており、特に音符が小節の開始位置を大きく逸脱して前方に移動してしまったときにほとんどの場合で正しく演奏されない。

つまり…

  •  DAW上では、やや遅めの位置にスイング位置を固定しそこを基準点として、その位置に対するオンビートの位置を指定する方がよい結果が得られる。

また転じて僕は次のことも言えることに気付いた。

  • リズムセクションがスピード感を持っているように聞こえるのは、ただ単にリード奏者が相対的に下がって(遅くなって)演奏しているからだ。現実でそれができないのは何故かといえば、リード奏者がタイミングを遅らせたとき、リズムセクションのテンポが独立していないと、リズムセクションのタイミングも共に遅れてしまうからだ。


2021年6月5日土曜日

ちり紙ブリッヂ (oka01-aabelyjqdtsfbvuj)

日本の常識に合わせるとは… (oka01-mvbtewstqlelhhjg)

僕はよく人のことを馬鹿にする (oka01-ptmqkrwcypbplgct)

視点

─── こうも言えるだろう。馬鹿な人は自分が馬鹿だという事を受け入れているので怒らない。 馬鹿でない人は自分の馬鹿さ加減を拒絶しているので怒る。

いわゆる『頭が良い』人は、馬鹿を馬鹿にして自分の自尊心を保っている。だから怒る。いわゆる『馬鹿』な人は、しばしば他人に対する尊敬を持っているので怒らない。

『頭がいい人』というのは心にいろいろな隙間を持っているものではないだろうか。

2021年5月31日月曜日

1/3^x スイング理論について (oka01-tpsuvfnaxobtjwti)

続きはツイートへのリプライとして記録してある。

Oewo (oka01-ogxztxctdfbzjneo)

Oewo ( Reharmonization of Oleo by Sonny Rollins )

今回 Oreo のリハーモニゼーションとして Oewoという曲を作ったので御紹介いたします。

ビデオ

リード・シート


コメント

1… 1/3^x スイング理論を応用してバッキングトラックを作成した。
2… MuseScore3でオフビート強調を行うプラグインを作成して実際に使って作成した。

2021年5月28日金曜日

日本のジャズ界におけるリスナとプレーヤーの捻れ現象について (oka01-gxddgpxhlnutrnfi)

前編:日本人ジャズリスナと日本人ジャズプレーヤーを隔てる残念な壁 

僕は、商人系日本人・農民系日本人が両方混ざっていて、商人と農民の両方の考え方が同時にわかる..だから商人的な打算的な考え方をしつつも、土着文化を大切にする農民的感覚を持っており、金銭を使って土着文化を踏みにじる人に強い反感も持っている。

僕は、商人系日本人・農民系日本人が両方混ざっていて、商人と農民の両方の考え方が同時にわかる..だから商人的な打算的な考え方をしつつも、土着文化を大切にする農民的感覚を持っており、金銭を使って土着文化を踏みにじる人に強い反感も持っている。

ジャズの世界で商業戦略を重視している人を見ると、土着のリズム文化を資本主義で滅茶苦茶に汚している様に僕からは見える。だが実は、土着の感覚ほうが日本人のごく一般的な感覚なのではないか。僕はジャズを演奏していて、土着を汚している様に見える感覚を常に持っているのだが、ジャズを演奏する人たちはそういう土着の感覚を決して理解しない。

ジャズを演奏する豊かな人々は商人系日本人が多い。だが日本全体から見れば実は少数派ではないか。

実は商人系ジャズマンのどんくさい土着感のないリズムは、農業系のジャズファンの反感を買っているのだが、それが表面化しない。それは何故なら、農業系の日本人は普通無口で主張が少なく、一方商人系の日本人は通常よく喋るし主張も強いからではないだろうか。

それが日本のジャズ捻れ構造の根底にある。

2021年5月27日木曜日

日本人ジャズリスナと日本人ジャズプレーヤーを隔てる残念な壁 (oka01-nutuxhemzvglowdm)

ジャズは難解だろうか。僕はこれまでこのことについていくつか記事を書いた。

前編(久しぶりにストリート演奏をして思い出したこと)


難解にならないジャズ
難解なジャズとは 〜 ジャズと権力6

縦乗りの何が問題なのか

ジャズを演奏しても聞いてもらえないのは、日本人にジャズが人気がないからではない。演奏しているジャズがグルーヴしていないからだ ───  実は日本人はジャズが好きだ。きちんとグルーヴした演奏をすればあたりに隠れていたジャズ好きのマニアがぞろぞろと集まってくる ─── 僕はこのことをストリート演奏の経験として知っていたのだ...と気付いた。

日本人ジャズマンにありがちな特徴

日本人のジャズマンは驚くほど大勢いる。東京のなかだけの狭い世界ではあるけども、それでも日本中からジャズ好きのジャズマンがたくさん集まってきており、フェースブックなどで見回すだけでも2〜3000人はいる。

僕は日本人ジャズマンのなかでもやや異色で、ジャズ以外の音楽を演奏する人とも少しだけ交流がある。それで思うのだが日本人ジャズマンは少し他のジャンルの音楽人と異なる毛色がある。

  • 優等生タイプが多い。
  • 勉強が得意でコード理論やスタンダードに対する知識量が多い。
  • 運動が苦手なタイプが多い。
  • リズム感が悪い。
  • 挫折に弱い。挫折を知らない。 
  • 傷つきやすい。
  • 排他的。異質な人たちとコミュニケーションを取ることが苦手。

 ブルースやレゲエ・ロカビリー系の人たちなどを見ると、全く真逆の気質を見かける。

  • 劣等生不良上がりが多い
  • 勉強苦手。勉強は嫌い。 
  • 運動は滅法得意。
  • リズム感が良い。
  • 挫折を多く経験。挫折に強い。挫けない。
  • ちょっとのことでは傷つかない。
  • 社交的。外部の人に対してオープン。

そういう中でも一頭抜きん出ている人は、必ずしもこの傾向に当てはまる人ではないが、でも一般的な傾向として上記のような漠然とした特徴は感じる。

ジャズが得意な優等生タイプの行動パターン

彼らは真面目でコツコツと地道な努力をすることが得意なのだが、その努力の範囲内で解決できない問題と出会うと他人に責任転嫁する傾向がある...と僕は思う。 

ジャズのなかでもコード理論は比較的よく整理されて勉強しやすい形になっている。だけどジャズのリズム理論はほとんど全く研究されておらず勉強によって習得することができない。ジャズを学習する上でもリズムだけはある程度の本能的な自分自身の感覚によって習得していくことが求められる部分だ。だからこそ彼らにとってリズムが悪いという点はとても受け入れがたい事実なようだ。

リズムが悪いことだけなら大きな問題ではない。問題の一番大きな点は「リズムが悪いということを他人に責任転嫁して、延々と他人の妨害をする」習性だ。

優等生タイプは小賢しく知恵が回るので、あらゆる理論を動員して自分のリズムの悪さに対して理論武装を固めていく。こうして優等生タイプはリズムが良い列島タイプの人々を蹴散らしていく。

僕は日本のジャズ好きな人々は実はむしろ本能的な感覚をつかって物事に突き進める劣等生タイプの人が多い。彼らは当然、そういう優等生タイプの人間が撒き散らす自己弁護などに興味はない。

独自に作ったリズム理論

僕はあまりリズムがよくなかったが、僕が所属していたジャズ研(早稲田ジャズ研)周りにはジャズマンなのにリズム感が良い人が多かったので、僕は劣等感が強かった。僕が東南アジアに放浪の旅に出て語学武者修行をするようになったのは、そのリズム感が悪いという劣等感を克服したかったからだ。

リズムを体得するほど僕は運動神経がよくなかったので、僕はそれを具体的に訓練によって習得するために、リズムを理論的に分析する様になった ─── それで10年以上掛かったが東南アジアで方言を学んで、その原理を体得してきた。 それを日本に持って帰って理論化したのが僕のオフビートカウント理論だ。

僕はリズム感が悪い優等生タイプを貶したり虐めたりする事に最初から興味がないというよりはむしろ、僕自身がリズム感が悪かったので僕が使うために理論を作ったわけで、是非皆様も活用してみてください!的な感覚でみんなにおすすめしているのだけども、僕はここで少し思うことがある。

彼らは自分がリズム感が悪いということを直視出来ておらず、できれば自分がリズム感が良いということを信じていたいらしいことだ。リズム感が悪いということにうすうす気付いてはいるのだけども、それを認めることができない。

だから僕がリズムが悪い彼らにリズム理論の学習を勧めると、薄毛の人にアートネーチャーを勧めることと全く同じ状況が起こって怒られてしまう。

或いは実はしばしばあるのは、実はリズム感がとても良いのだけども、それを認めてしまうとしばしばリズム感が悪い優等生タイプの仲間を貶すことになってしまう ─── 信頼する仲間を貶すことは自分の信義に背くので、自分のリズム感を認めることができない...というケースもある。これもまた仲間思いで義理堅い優等生タイプに多いケースではないか。

優等生タイプのジャズマンの方々が持っているリズム感に関する自己認識はとても複雑で、そこを的確に指摘することはなかなか簡単ではないようだ。

自分の思いを実現する方法

自分の演奏したグルーヴによって人々が陶酔する・・・そういう状態を夢見て楽器を演奏するのではないだろうか。だけどもそこには大きな障壁がある。

そこに横たわる問題を正しく理解して、具体性のある形で対応して、きちんと自分の思いを実現していく。

それが僕が オフビートカウント理論 を考え出した真意だ。

続編 : 日本のジャズ界におけるリスナとプレーヤーの捻れ現象について

久しぶりにストリート演奏をして思い出したこと (oka01-rsgewzbxpnzqigzw)


昨日は物凄く久しぶりにストリートで演奏した。

川崎駅前で久しぶりにジャズのストリート演奏

佐野大介さんは僕が知る限り、日本で最もグルーヴするドラマー。  ─── グルーヴに対するセンスはどんなに練習しても絶対に身につかない。そのピカイチのグルーヴセンスをもつ佐野大介さんのドラムセットがこれ。

本当はもっときちんとビデオを撮ったりして演奏レポートをつくりたかったけども、荷物の運搬方法などがこなれておらず、全くゆとりなくそこまで手が回らなかった...。

ストリート演奏して思い出したこと

演奏していていろいろ気付いたというか思い出したことがあった。

僕は日本に帰ってきて東京のジャズの世界に戻ってきてからというものずっと、東京のジャズマンがいつも口を揃えていう「ジャズは一般の人に受けない」という言葉に違和感を持っている。僕はいつも、ジャズがきちんとジャズとしてのグルーヴを携えているならジャズを聞いたことがない人にも喜んでもらえる、と思っている。

東京のジャズマンは本当にグルーヴしないのだが、ジャズがグルーヴしないというのは致命的な問題だと僕は思う。僕はこのことを指摘するのに『僕は思う』という枕詞を置かなければいけない事自体がおかしいことだと思っている。それはグルーヴしなければジャズではない、というのは当然のことだ。グルーヴしないジャズというのは、グルーヴを強調してリズムを楽しむ音楽というジャズの存在意義自体に反している。

ジャズの名曲「スイングしなけりゃ意味ないね」を演奏しても全くスイングしていない。完全なる自己矛盾の世界に突入している。 そこにいるリスナが誰も楽しんでいない。演奏する事自体が目的化しており演奏を聞くことが度外視されている。まるでハンディキャップ50の人ばかりが参加するゴルフコンペの様な状態になっている。この状態のジャズ演奏を誰が聴きたいと思うだろう。

 ─── のだけども、東京のジャズマンにこのことを説明してもしても、聞き入れてもらえない。あまり厳しく指摘すると場の雰囲気を破壊する迷惑者として扱われ、出入り禁止処分を受ける。

日本ジャズの皮肉な自己否定

  • 日本で人気がないジャズでもリズムがグルーヴしていれば喜んでもらえる
  • というよりもむしろ実は日本人はジャズが大好き。
  • 日本にはジャズリスナが大勢いる。
  • 日本人ジャズリスナは日本人ジャズプレーヤを完全に見限っている。

僕はこのことに気付いて大分経っているのだが、これを自分が何故気付いたのかを忘れていた。僕はストリート演奏をしてそのことを思い出した。僕が「日本人は日本人ジャズを聴かない」ということに気付いたのは、僕がかってジャズのストリートミュージシャンだったからだ。

僕は1998年頃から数年間ジャズのストリートミュージシャンとして活動していたことがあって、このときに今ではわりと有名になってしまった人と一緒にストリート演奏していた。彼らは当時、僕よりずっと上手だったので街中で演奏すると人が集まってきた。

リズムがグルーヴしていれば人は集まってくるし、リズムがグルーヴしていないと人は離れていく。

これは実に単純な法則だった。

ジャズは難解だといわれるが、実は『ジャズは難解だ』と言っているのは、ジャズを演奏している人だけだ。ジャズを演奏している人はその演奏が人に伝わらない理由を、「ジャズが難解だから」という理由で正当化している。それは正しくない。自分が演奏しているジャズが理解されないのは単にグルーヴしてないからだ。ジャズが難解だからではない。

僕はストリートでジャズ演奏していて、集まってくる人を見て思い出した。

ジャズを演奏しても聞いてもらえないのは、日本人にジャズが人気がないからではない。演奏しているジャズがグルーヴしていないからだ ───  実は日本人はジャズが好きだ。きちんとグルーヴした演奏をすればあたりに隠れていたジャズ好きのマニアがぞろぞろと集まってくる ─── 僕はこのことをストリート演奏の経験として知っていたのだ...と気付いた。

続く(日本人ジャズリスナと日本人ジャズプレーヤーを隔てる残念な壁 )


著者オカアツシについて


小学生の頃からプログラミングが趣味。都内でジャズギタリストからプログラマに転身。プログラマをやめて、ラオス国境周辺で語学武者修行。12年に渡る辺境での放浪生活から生還し、都内でジャズギタリストとしてリベンジ中 ─── そういう僕が気付いた『言語と音楽』の不思議な関係についてご紹介します。

特技は、即興演奏・作曲家・エッセイスト・言語研究者・コンピュータープログラマ・話せる言語・ラオ語・タイ語(東北イサーン方言)・中国語・英語/使えるシステム/PostgreSQL 15 / React.js / Node.js 等々




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