ダビディバ・カウントは、ビバップのリズム練習メソッドです。『ダービディーバ』とスキャットしながらアドリブすることで8分音符のオフビートや4分音符のオフビートを適切に認識できるようになり、効果的にグルーヴ感の向上を図ることができます。
今回このダビディバ・カウントについて本を著したので御紹介したいと思います。
リズムトレーニングについての詳しい情報は
にて公開しておりますので、合わせてご利用いただけましたら幸いです。
2022年5月29日更新: 末子音がない日本語 ─── 縦乗りを克服しようシリーズその22
2022年5月15日更新: 裏拍が先か表拍が先か ─── 縦乗りを克服しようシリーズその3
2022年5月11日更新: 頭合わせと尻合わせとは何か ─── 縦乗りを克服しようシリーズその2
ダビディバ・カウントは、ビバップのリズム練習メソッドです。『ダービディーバ』とスキャットしながらアドリブすることで8分音符のオフビートや4分音符のオフビートを適切に認識できるようになり、効果的にグルーヴ感の向上を図ることができます。
今回このダビディバ・カウントについて本を著したので御紹介したいと思います。
リズムトレーニングについての詳しい情報は
にて公開しておりますので、合わせてご利用いただけましたら幸いです。
【ポケットについて】グルーヴするポイントに落ちる感覚のことを『ポケット』としばしば呼ばれます。ポケットの正体は打点のずれにあります。しかし日本人はこのポケットを感覚的に認識することが出来ません。
その理由は日本人の『表拍を聴いた後に裏拍を聴く』というリズム認識の特殊さにあります。
裏拍を演奏しようと思う時、どの様に演奏するでしょうか。恐らく誰もが、表拍をまず聴いて、その位置を確認し、その音を聴いてから裏拍の位置を決めようとすると思います。日本人は有名なプロ演奏家から初心者の方まで、誰もが当然の様にそうします。 ─── しかしこれは日本人に独特な習慣です。
皆様が「ポケット」と呼んでいるリズムは、表拍がずれて裏拍がちょうどに合うリズムです ─── このリズムは、表拍を先に聴いて裏拍を後に聴いている状態で演奏することは出来ません。
彼らは裏拍を先に聴いて、その後で表拍を演奏しています。彼の場合は、特に意識しなくても表拍がずれて裏拍が合うのです。
私達は誰もが「タンタ、タンタ、タンタ、タンタ」とリズムを取っていると思います。 この私達が「ごく当たり前」だと思っていることが、海外の人にとって当たり前ではないのです。海外の人たちはしばしば(全員ではありませんが)「タタン、タタン、タタン、タタン」とリズムを取っています。
何故そうなるのかというと、彼らが『末子音のある言語』を話しているからです。日本語には末子音がありません。彼らは、末子音がリズムの先頭に来る様にリズムを認識している為、全音価でリズム認識の順番が日本人と異なるのです。
『グルーヴのポケット』の正体は、この様に分散して綺麗にずれあっている拍の響きです。
私達は当然のように音符を
4分音符 | |||
表 | 裏 | 表 | 裏 |
1 | 2 | 3 | 4 |
2分音符 | |||
表 | 裏 |
… の様に全ての音価で表拍から始まっている…と認識しています。
しかし彼ら(特にアフリカ/南米起源の人々は)4分音符 | |||
裏 | 表 | 裏 | 表 |
2 | 3 | 4 | 1 |
2分音符 | |||
裏 | 表 |
この様に2分音符で見たときも、4分音符で見たときも、必ず裏拍を先に認識しています。
この様に終わりで合わせるという認識が最終的に8分音符で裏拍が丁度に合って、表拍が適度にずれるニュアンスが生まれます。
私は、この頭で合わせる私達のリズム認識を改革する方法として「オフビートカウント」という練習方法を提唱させて頂いております。 詳しくは私のツイッターアカウントや、このブログ内で御紹介させて頂いておりますので、宜しければ御笑覧頂けましたら幸いです。
関連記事:65536最近(諸事情によりこの曲をよく聴いている。この曲のメロディーは縦乗りが強いのにあまり縦乗りが強くない。その理由はこの歌詞が英語だからだ。1音符毎に子音が2つ(場合によっては2単語で更に2つ)必要なため、音符1つを2つ以上に分割して認識する必要がある。https://t.co/Sxc7dXilbJ
— 岡敦 (@ats4u) July 28, 2022
サンプル音源1はこれかなと思う。
— 岡敦 (@ats4u) July 30, 2022
外国風を狙ったお洒落中国人の様にしか聴こえない。https://t.co/iMlkeuiz75
おぉ! リフの始まりが全て16分音符1つ弱起になっているではないか!
— 岡敦 (@ats4u) August 4, 2022
私が子供の頃に聞いた時は気付かなかったし、何なら数年前聞いたときも気付かなかった。だが今日、私は気付いた!https://t.co/jSGJOkc5aR
打点を早くずらす時、まずタラッ、タラッ という二音があり、自音をそれら打点の前のタにあわせるだけでなく、後ろのラにあわせることもできる必要がある。
— 岡敦 (@ats4u) August 3, 2022
結構ひさしぶりにシーカンソーの喜劇を見た…。それで思ったが、ラオ語は英語よりも末子音・頭子音のリズムの入れ替わりが強い。末子音の裏拍を聴き逃がすと全部聴き取れなくなるので、この部分のリズム認識を鍛える事が必要だと気付いた。https://t.co/hYOWJ9oBZS https://t.co/E8HE1T0ogo
— 岡敦 (@ats4u) August 6, 2022
先週このビデオを見てとても思うことがあった。フレーズ組み立ては頭合わせ(バイエル?)、メトロノームを打つ位置も頭合わせ、だけどリズムはいわゆる日本人の縦乗りの様に平坦にならない。
— 岡敦 (@ats4u) August 7, 2022
日本人の4分音符を認識する方法自体が違うことが浮き彫りになる例だった。
(比較する為のビデオを作成) https://t.co/AwPn54bRPW pic.twitter.com/zHQcjEVwsE
うーむ…。
— 岡敦 (@ats4u) August 7, 2022
何でドラムより後ろに下がるのかな…。遅い。気持ち悪い。これじゃ乗れない。どんなに楽器力があっても、このタイミングの悪さだけで全てが台無しに破壊されてしまうんだけど、彼ら真剣に、そのタイミングの違いが認識できないんだよな…。
ここに挙げきれなかったツイートは、基本的に次のスレッドを辿ると全て到達できる様になっている。
この数週間で気付いた事をまとめる時間が取れることを待つと終わらない。 取り敢えず今まで気付いた事を雑多なメモとしてリンクを集め、縦乗りを克服しようシリーズ(草稿)としてアップロードした。https://t.co/XGVse89OMj
— 岡敦 (@ats4u) August 7, 2022
… カッカッカッカッ
— 岡敦 (@ats4u) August 7, 2022
はいアウト!縦乗り!
(音を出す前から縦乗り判定が下るケース。本来は1拍目が始まる前から音を出す必要があるのに、氏は1拍目を待っている。1拍目を待つと、次の小節のフレーズが全て4拍遅れになることが確定し、リカバリも不能になる。)https://t.co/YnrWd4wTwu
あともうひとつ、日本人が絶対に出来ないのは交互手叩き。これも日本人がリエゾンを聴き取れないことと関連がある。これも多分同じ様に恐らく毎日10時間やっても恐らく習得まで大変に長い年月が掛かる。
— 岡敦🇯🇵 (@ats4u) September 23, 2022
Credit https://t.co/h0pSjp2e2F pic.twitter.com/W6YViF9ZFo
オフビートとリエゾンについての記事を執筆中です。
関連記事:65536コンピュータ上でスイングを演奏させると0.166という数字とよく出会う。完全に僕の経験則で見つけた数字で、何故この数字になるかはわからない
— オカアツシ (@ats4u) May 31, 2021
それで今思ったのだけどいわゆる深いスイングというのは 5/6 なのでは…。
— オカアツシ (@ats4u) May 31, 2021
リードの8分オフビートが1/2+1/6=2/3
ベースのオンビートが-1/6=5/6
リードだけ聞くとx/3スイング
ベースも加味するとx/6スイング
これでリードのオフをオンと考えるとベースのオンがリードのx/6スイングのオフになる。
続きはツイートへのリプライとして記録してある。
8分音符裏メトロノーム練習が非常に効果的だということが解りバンド練習に取り込んで2ヶ月程度たった。 8分音符裏メトロノーム練習の効果は絶大でバンドメンバーはみるみるグルーヴするようになった。
8分音符裏メトロノームを鳴らすと最小限の音でグルーヴを表現できるので僕はこれでソロ演奏もできるのではないか、と期待した。だがメトロノーム音はとても機械的であまり音楽的ではないという問題があった。
メトロノームを独奏に使うというアイデアについて僕はかなり長い間考えている。だがメトロノーム音はどうやってもとても機械的だった。フットドラムやドラムマシンなど本当に様々なことを試してみたが、なかなかよい解決策が見つからなかった。
今日思いついたのは8分音符裏でバスドラムを鳴らしたらより音楽的に聞こえるのではないか、というアイデアだった。やってみたらとても効果的だということがわかった。 8分音符裏拍バスドラムは、8分音符オフビートとアンサンブルのボトムエンドを同時に支えることができるのでより少ない楽器でグルーヴを表現できるようになった。
ジャズは難解だろうか。僕はこれまでこのことについていくつか記事を書いた。
ジャズを演奏しても聞いてもらえないのは、日本人にジャズが人気がないからではない。演奏しているジャズがグルーヴしていないからだ ─── 実は日本人はジャズが好きだ。きちんとグルーヴした演奏をすればあたりに隠れていたジャズ好きのマニアがぞろぞろと集まってくる ─── 僕はこのことをストリート演奏の経験として知っていたのだ...と気付いた。
日本人のジャズマンは驚くほど大勢いる。東京のなかだけの狭い世界ではあるけども、それでも日本中からジャズ好きのジャズマンがたくさん集まってきており、フェースブックなどで見回すだけでも2〜3000人はいる。
僕は日本人ジャズマンのなかでもやや異色で、ジャズ以外の音楽を演奏する人とも少しだけ交流がある。それで思うのだが日本人ジャズマンは少し他のジャンルの音楽人と異なる毛色がある。
ブルースやレゲエ・ロカビリー系の人たちなどを見ると、全く真逆の気質を見かける。
そういう中でも一頭抜きん出ている人は、必ずしもこの傾向に当てはまる人ではないが、でも一般的な傾向として上記のような漠然とした特徴は感じる。
彼らは真面目でコツコツと地道な努力をすることが得意なのだが、その努力の範囲内で解決できない問題と出会うと他人に責任転嫁する傾向がある...と僕は思う。
ジャズのなかでもコード理論は比較的よく整理されて勉強しやすい形になっている。だけどジャズのリズム理論はほとんど全く研究されておらず勉強によって習得することができない。ジャズを学習する上でもリズムだけはある程度の本能的な自分自身の感覚によって習得していくことが求められる部分だ。だからこそ彼らにとってリズムが悪いという点はとても受け入れがたい事実なようだ。
リズムが悪いことだけなら大きな問題ではない。問題の一番大きな点は「リズムが悪いということを他人に責任転嫁して、延々と他人の妨害をする」習性だ。
優等生タイプは小賢しく知恵が回るので、あらゆる理論を動員して自分のリズムの悪さに対して理論武装を固めていく。こうして優等生タイプはリズムが良い列島タイプの人々を蹴散らしていく。
僕は日本のジャズ好きな人々は実はむしろ本能的な感覚をつかって物事に突き進める劣等生タイプの人が多い。彼らは当然、そういう優等生タイプの人間が撒き散らす自己弁護などに興味はない。
僕はあまりリズムがよくなかったが、僕が所属していたジャズ研(早稲田ジャズ研)周りにはジャズマンなのにリズム感が良い人が多かったので、僕は劣等感が強かった。僕が東南アジアに放浪の旅に出て語学武者修行をするようになったのは、そのリズム感が悪いという劣等感を克服したかったからだ。
リズムを体得するほど僕は運動神経がよくなかったので、僕はそれを具体的に訓練によって習得するために、リズムを理論的に分析する様になった ─── それで10年以上掛かったが東南アジアで方言を学んで、その原理を体得してきた。 それを日本に持って帰って理論化したのが僕のオフビートカウント理論だ。
僕はリズム感が悪い優等生タイプを貶したり虐めたりする事に最初から興味がないというよりはむしろ、僕自身がリズム感が悪かったので僕が使うために理論を作ったわけで、是非皆様も活用してみてください!的な感覚でみんなにおすすめしているのだけども、僕はここで少し思うことがある。
彼らは自分がリズム感が悪いということを直視出来ておらず、できれば自分がリズム感が良いということを信じていたいらしいことだ。リズム感が悪いということにうすうす気付いてはいるのだけども、それを認めることができない。
だから僕がリズムが悪い彼らにリズム理論の学習を勧めると、薄毛の人にアートネーチャーを勧めることと全く同じ状況が起こって怒られてしまう。
或いは実はしばしばあるのは、実はリズム感がとても良いのだけども、それを認めてしまうとしばしばリズム感が悪い優等生タイプの仲間を貶すことになってしまう ─── 信頼する仲間を貶すことは自分の信義に背くので、自分のリズム感を認めることができない...というケースもある。これもまた仲間思いで義理堅い優等生タイプに多いケースではないか。
優等生タイプのジャズマンの方々が持っているリズム感に関する自己認識はとても複雑で、そこを的確に指摘することはなかなか簡単ではないようだ。
自分の演奏したグルーヴによって人々が陶酔する・・・そういう状態を夢見て楽器を演奏するのではないだろうか。だけどもそこには大きな障壁がある。
そこに横たわる問題を正しく理解して、具体性のある形で対応して、きちんと自分の思いを実現していく。
それが僕が オフビートカウント理論 を考え出した真意だ。
Oewo ( Reharmonization of Oleo by Sonny Rollins )
今回 Oreo のリハーモニゼーションとして Oewoという曲を作ったので御紹介いたします。
1… 1/3^x スイング理論を応用してバッキングトラックを作成した。
2…
MuseScore3でオフビート強調を行うプラグインを作成して実際に使って作成した。
『ビバップ』という名称の起源は「ビバップのフレーズが『ビーバップ!ビーバップ!』という音に聞こえるからそういう名前になったんだよ!」という話をしたら、そのことが実は意外と知られていないことに気付きました。ネット上を検索してもそのことを説明しているサイトはほとんどないという状況に気付きました。
英語が聞き取れる人でビバップを聞いたことがあれば、ビバップのフレーズはオフビートが強調された「ビーバッパリーバッパ」という様に聞こえます。ビバップの語源がビバップのフレージングの擬音語だということは自明で、だからこそ英語話者の間ではビバップの語源がフレージングにあるということ自体に言及がありません。
このフレージングは末子音の存在と密接に関係しています。末子音を持たない日本語話者は、このビバップのリズム自体が聞き取れず、それを聞いても『ビーバッパリーバッパ』と言っている様には聞こえません。
僕のこの文章は日本人が見えない事物を指差し、そこに見えない物の存在を示しているのと同じで、それはまるで幽霊を指差すのと同じようになってしまいます。しかしこれは幽霊ではありません。
ウィキペディアでは 英語と日本語で全く一致しない説明がされています。そこで2020/12/18 現在の英語版ウィキペディアの『ビーバップの語源』の部分の英語を簡単に訳してみました。
1.
The term "bebop" is derived from nonsense syllables (vocables) used in scat singing; the first known example of "bebop" being used was in McKinney's Cotton Pickers' "Four or Five Times", recorded in 1928.
─── ビバップという名称はスキャットをする時の意味のない歌詞から来ています。最初に『ビバップ』という歌詞が使われた例として知られているものは『マッキニーズ・コットンピッカー』1928年録音の『Four or Five Times』です。
2.
"In spite of the explanations of the origins of these words, players actually did sing the words "bebop" and "rebop" to an early bop phrase as shown in the following example."
─── ビバップという名称の起源として様々な説が挙げられていますが、演奏者は実際に「ビバップ」「リバップ」というフレーズを初期のバップ曲のなかで実際に歌っています。
https://en.wikipedia.org/wiki/Bebop#Etymology
という訳でビバップは擬音語なんですよ!というお話でした。
更新履歴:
ビデオへのリンクを追加し加筆訂正した。(Sat, 19 Dec 2020 13:52:24 +0900)