外国の人たちは日本人が作る音楽に独特なリズムを感じています。しかし日本人はそれを意識できません。そういう日本のリズムの一方向性を見てみたいと思います。
癒やし系『縦乗り』セガ・ゲーム・エンディング音楽集
これはメガドライブの古いゲームのエンディング音楽ばかりを集めたビデオです。
"downbeat" (表拍)という表現に注目しましょう。通常バラードをdownbeat とは形容しません。外国の人たちは日本人が作る音楽に独特なリズムを感じています。しかし日本人はそれを意識できません。
ヴェイパーウェーヴ
ヴェイパーウェーヴというのは主に日本の80年代の音楽をサンプリング音源にして回転数を落としてバラードにする独特な手法で音楽を作るジャンルです。日本人のダウンビート(表拍)の強い音楽は遅いテンポのバラードにすると独特な音楽効果を持つ…と感じている様です。
またしばしばボリューム・ダッキングというテクニックを使って、日本の音楽が持っていない4分音符のオフビート(裏拍)を補強する手法も使われます。
癒やし系スーパーファミコンの音楽集
ダウンビートという言葉こそ出てきませんが、日本人の作る音楽に独特なヴァイブレーションを感じていることは伝わってきます。
日本人の知らないところで日本人の想像も及ばないような受け止められ方をして日本人が全く知らない解釈をされて日本人が全く知らない使われ方をしている…そういう一例です。
余談 Beneath a Steel Sky
余談としてほぼ同時代の海外のゲーム音楽をひとつ挙げてみたいと思います。
Beneath a Steel Sky はイギリス制作1994年発表のサイバーパンクSFアドベンチャーゲームです。MS-DOS/AMIGA用で日本では未発表。まだフロッピーが主流だった時代にフロッピー15枚という巨大なデータサイズで配布された大作でした。ゲーム内で本格的な音楽が使われた最初の例の1つでもあります。
同じようなデジタル音楽でも、日本製のゲーム音楽と海外製のゲーム音楽で全く違うリズムがあることがわかりますでしょうか。