FLAGS

MENU

NOTICE

2020年7月29日水曜日

遅い音符を恐れてはいけない ─── 縦乗りを克服しようシリーズその23(oka01-friubhzmuzypqtnv)


打点の早さ/遅さは飽くまでも善悪ではなく音楽的な表現の言語のひとつだ。通常、ベース音の打点はドラム音の打点よりも早い方がバンド全体が軽快に聞こえる。だが昨日のバンド練習で気付いたことは、バラードではベースの打点がドラムの打点よりも遅い方が穏やかさを表現しやすいということだった。打点の早さ/遅さは、オフビートや尻合わせ/頭合わせ区別とも関連しているが、つまりこれらは全て重い/軽いという表現手法と考えることができる。

2020年7月26日日曜日

ドリフトカウントでは常に2から数え始める (oka01-uagykxsdwlesfcak)


声出しカウントをするときに拍数をずらして数えることを「ドリフトカウント」と呼ぶことにしよう。ドリフトカウントについては『正しいメトロノームとカウントのつかいかた ─── 縦乗りを克服しようシリーズその15』を参照のこと。

−1/8拍早く数え始めると通常カウントから見ると拍数も小節数も2から始まる。通常のドリフト無しカウントでは1から数え始めて4で数え終わるが、−1/8ドリフトカウントを行う場合、通常のドリフトなしカウントで見ると4から数え始めて3で終わる。逆に−1/8ドリフトカウントから見ると通常のドリフトなしカウントは2から数え始めて1で数え終わる。このことをはっきり意識すること。

最上段が通常カウントで以下1/8早いカウントになっている。

ずれ0
ずれ1/8 &2 &3 &4 &2
  &2 &3 &4 &3
  &2 &3 &4 &4
  &2 &3 &4 &1

※ 分母8で見て1/8 早く数え始めると、結果的に分母4で見て1/4早く数え始めてるのと同じことになることにも注意が必要だ。

2020年7月23日木曜日

末子音がない日本語 ─── 縦乗りを克服しようシリーズその22 (oka01-phmjtebzuemanabb)

日本人の語学音痴の原因と日本人のリズム音痴の原因は、共に縦乗り=日本語の独特な発音規則にあります。この『縦乗り』を克服する為の日本語を話す人向けの発音矯正法を考えついたので説明してみたいと思います。

スワグサーフィンと日本語の発音

このビデオを見てください ─── このビデオは2010年ごろに米国ヒップホップシーンで流行したヒット曲です。最初私はこれを聞いた時、私はこれが何を言ってるかさっぱり聞き取れませんでした。今でもほとんどききとれません。しかしこの音楽をよく聞いているうちに私は、私が単語のリズムの表拍と裏拍を完全に入れ違いとして聞き違えている事にだんだんと気付いてきました。つまり私が子音と思っていた場所が実は母音で、私が母音と思っていた場所が実は子音だったことに気付いたのです。

リズム音痴と英語の音痴の原因は共通 ─── このことは私が前からずっと思っていたことでした。しかし問題はこれをどうやったら日本語の世界で見える化できるかということです。

今回私がこれをどうやって見える化したかをここで説明してみたいと思います。

縦乗りの正体は日本語の発音にある

冒頭で『メナガテッスウェーッグ』と言っている様に聞こえますが、これは実は『 man, I got that swag 』 と言っているのだそうです。日本語の発音と英語の発音を比べてみると次のようなことがわかります。

  • メナガテッスウェーッグ
  • man, I got that swag

単語の終わりと頭が必ずくっついていることがおわかりいただけますでしょうか。

この違いを模式的に表すと次のようになります。

日本人の聞き間違い図説

メナガテスウェグ Men, I got that swag を日本語で認識した

これをよく観察してみると、次のような法則が見えてきます。

英語の音節解釈 音節 音節 音節 音節
英語の発音 子音 母音 子音 子音 母音 子音 子音 母音 子音 子音 母音 子音
日本人の発音解釈 子音 母音 子音 母音 子音 母音 子音 母音 -
日本語として解釈された音節 音節 音節 音節 音節 -

日本語には全ての発音が子音→母音/子音→母音と交互に現れるという法則があります。日本語を母国語とする日本人は、日本語以外の言語を話す時も無意識のうちにこの子音母音が交互に現れることを期待してしまうのです。

しかし英語には末子音があります。つまり英語では、子音→母音→子音/子音→母音→子音…という順番で発音が現れます。日本語にはこの末子音がないため、この末子音が次の音節の子音と重なり合ってしまい、その2つを分離することができません。つまり最後の子音が次の子音と繋がったまま発音しているが別な子音として分けて認識しています。

つまり日本人はこの後ろ側の子音=末子音を聞き逃してしまう。これは日本人がジャズのスイングを演奏すると3連符の最後の音符を聞き逃してリズムが狂ってしまうことと全く同じ現象です。3連符の最後の音符を聞き逃してリズムが狂ってしまう現象 ─── それがすなわち日本人ジャズマンの悪しき習慣『縦乗り』です。縦乗りは、日本人が英語が苦手な理由そのものなのです。 

他の例を見てみましょう。

What have you gotta do this weekend? を日本語で発音するとワタヴャガダドゥー

「これからどうするの?」 What have you got to do? を日本語の発音解釈で解釈するとまるで「ワタヴャガダドゥ」と言っている様に聞こえます。その発音解釈を模式図として表したものがこれです。 この例でも同じように末子音が次の子音に繋がって聴こえることが観察できます。

英語音痴とリズム音痴の共通点=縦乗り

日本語と英語では聞いている場所が違います。

  • 英語には末子音があります。
  • 英語には2重子音があります。
  • 日本語には末子音/二重子音がなく、常に子音母音が交互に現れます。

この発音の特徴の違いが私には音楽のリズムの特徴の違いととても似ている様に見えます。

  • 日本語では
    表・裏・表・裏
    という順番で区切れる。
  • 英語では
    裏表・裏表・裏表・裏表
    になる。

英語は必ず裏からリズムが始まり、日本語では必ず表からリズムが始まる ───

つまり、日本語の発音は縦乗りそのものではないでしょうか。


縦乗り矯正法の決定打『末子音探し』

今回私が思いついたのは、つまり日本語で語末の子音を分離する練習をしたら、英語のリスニング能力が上がるのではないか、ということでした。自分自身で試してみたら案外と効果がありましたので、その方法をここで紹介してみたいと思います。

それは日本語の発音上で3連符の表裏を逆の順番を読むことです。

例)七夕花火にカンパーイ『タナバタ・ハナビニ・カンパーイ』

  ↓↓↓

  • ターン
  • ナーブ
  • バート
  • ターハ
  • ナーブ
  • イーン
  • イーク
  • アーン
  • パーイ

日本語なのにまるで外国語のようになりました。

ここで適用した法則は次のようなものです ─── タナバタをローマ字で表すと TA NA BA TA になります。ここで各文字の母音とその次の文字の子音を繋げると TAN/NAB/BAT/TAH になります。つまり「ターン」「ナーブ」「バート」「ター」だ。この様にして音声を分解していく作業をすることで、英語の発音に慣れることができるのです。

なお上記例では「ターハ」になっている最後の文字が「ター」になってしまいましたが、これは上記例のタナバタの次はハナビとハから始まっているのに、タナバタのみの場合は後続の文字がないためターのみになってしまったことによるものです。

このように次に現れる文字によって最後の発音が変化する点が非常に重要なポイントです。英語では次に現れる音声によって最後の音声が変化しますが日本語では変化しません。この違いに慣れることが大切なのです。

別の例を見てみます。

例)かささぎの わたせる橋におく霜の 白きを見れば夜ぞふけにける
『カササギノ・ワタセルハシニ・オクシモノ・シロキヲミレバ・ヨルゾフケニケル』
  ↓↓↓

  • カース
  • サース
  • サーグ
  • ギーン
  • ノーウ
  • ワーット
  • タース
  • セール
  • ルーフ
  • ハース
  • シーン
  • イーオ
  • オーク
  • クース
  • シーム

カタカナ外来語の時はどうするか、漢字の音読みはどうするか、四文字熟語の読み方はどうするか等々の様々な変則パターンが存在します。これらの変則パターンをきちんと一貫性をもって処理する法則が必要だと私は思っているのですが、私はまだそれをどうやって処理するか考えていません。これはこの練習方法の今後の課題として残っています。

日本人のリズムは何故悪いのか

日本人のリズムが『悪い』原因をとても具体的に説明した。 日本人のリズムは日本の音楽から見れば悪くない。だけどここまでインターネットが普及し、情報が広く開かれて世界中の音楽が日本に押し寄せてくる中で、日本は他のリズム文化の価値観との比較のなかで『悪く』なる。

自分のリズム感を生かして真摯に純邦楽を演奏するのもひとつです。或いは外国のリズム文化を謙虚に学んでそこで自己表現方法を身につけていくということも、また一興ではないでしょうか。

関連記事:65536

更新記録:
タイトルを『英語と日本語の発音の違い』→『末子音がない日本語』に変更しました。
(Sun, 29 May 2022 01:12:02 +0900) 文体をですます体に変更しました。加筆訂正を行いました。


2020年7月22日水曜日

ずれない様に正確にずれる ─── 縦乗りを克服しようシリーズその21(oka01-yxtspkbgwnvxvjbi)


ウィリアムス・シスターズが住んでいるペンシルバニア州も今、コロナウィルスで自由に外出できない。自宅で録画したウィリアムス・シスターズからのメッセージがフェースブックで公開されていた。

Join us while we're quarantine in our home office singing some of your favorites from The Williams Sisters. Let us take...

Posted by The Williams Sisters on Saturday, May 2, 2020

2020年7月20日月曜日

難解にならないジャズ (oka01-anzmipyiqpjuitjz)

僕は元々チャーリーヘイデン/デニーザイトリン/ジョン・アバークロンビー/ジョン・テイラー等の抽象度が高いジャズが好きだった。


僕の演奏もそういう方々の演奏手法を採り入れていたのだが『演奏が難解だ!』と批判を受けることが非常に多かった。そんな難解な奴ばかり聞いていないで「もっとビバップみたいなオーソドックスな奴を聞け!」と言われた。それがきっかけでウェス・モンゴメリ/グラント・グリーン等々の古いバップを聞くようになった。現在僕がビバップが好きな理由はもともとは他人のアドバイスだったのだ。

だがビバップを聞くようになり結果的に僕はアフリカ系の方々の音楽に傾倒する様になった。ビバップの本質はアフリカ系民族の民族音楽が持っているリズムだ。ビバップからR&Bを聞くようになりゴスペルを聞くようになりアフリカの民族音楽を聞くようになった。

それでアフリカ系のリズムパターンを自分の演奏にも取り込むようになった。すると僕はまた「演奏が難解だ!」と非難を受ける様になった。

そもそもチャーリーヘイデンが80年代に弾いている変則的なリズムも、全てはアフリカ系の民族音楽のリズムを発展させたもので、その本質は共通だ。チャーリーヘイデンは4分音符のオフビートを極端に強調し8分音符のオフビートは控えめにすることで長さを調整する。それ以外は全てアフリカ系のリズムと共通だ。

抽象的だろうが具体的だろうがリズムは同じジャズだ。

抽象的な演奏をすると難解だというから、具体的な演奏を心がけたが、具体的になればなるほどまた難解という。

20〜30年代のスイングジャズをやっても
40年代のビッグバンドジャズをやっても
50年代のビバップをやっても
60年台のモードジャズをやっても
70年代のファンクジャズをやっても
80年台〜90年代の現代ジャズをやっても

何をやっても難解という。

僕は非常に強く思うのだがでは一体何なら難解ではないのか。

僕は今はわかる ─── 難解ではない音楽の正体は演歌だ。

ジャズは、メロディーが1小節目1拍目から左側に向かって伸びていく。メロディーの開始点は決まっておらず1小節目3拍目や2小節目の4拍目等々、思い思いの場所から始まって良い。だがメロディー終了点は必ず4小節目の4拍目裏で固定されている。僕はこのメロディー構成の事を尻合わせと呼んでいる。

だが演歌はこのジャズのメロティー構成と全く真逆をつかう。演歌ではメロディーが1小節目1拍目から右側に向かって伸びていく。メロディーの開始点は必ず1小節目1拍目と固定されており、メロディーの終了点は決まっておらず、むしろ終了点をはっきり示さないのが流儀だ。僕はこのメロディー構成の事を頭合わせと呼んでいる。

だからジャズと演歌は原理的に絶対に同時に演奏できない。終了点を決めないのが演歌のしきたりで、終了点を必ず決めるのがジャズのしきたりだ。この2つのしきたりは絶対に両立できない。『頭合わせ』『尻合わせ』を同時に満たすことはできない。

日本人はメロディーの開始地点がはっきりしていないと難解だと感じる。だが実は日本人以外の人は、メロディーの開始地点がはっきりしていると逆に難解だと感じている。終了地点がはっきり決まらないとどうやってリズムを解釈して良いのか理解できないからだ。

頭合わせには頭合わせの良さがある。僕はこれを無理に尻合わせに当てはめてはいけないと思う。頭合わせには頭合わせの伝統がある。また更にいうと日本は必ずしも頭合わせリズムを演奏する訳ではない。日本に存在する全てのリズムを例外なく頭合わせに改造しなければいけない理由も見当たらない。そして僕は尻合わせのリズムを難解とも思っていない。

僕は純国産できちんとリズムの多様性を実現したバンドを作りたい。

頭合わせ乗りを否定することもなく、尻合わせリズムを全て頭乗りに改造することもなく、両立したバンドを作ってみたい。

日本人が演奏する尻合わせリズム ─── それを日本人が目の前で演奏しているのを日本人が見たら、みな衝撃を受けて勇気づけられるだろう。

頭合わせに虐げられている人も、頭合わせを愛している人も、頭合わせに媚びている人も、頭合わせに執着している人も、頭合わせを憎んでいる人も、尻合わせが理解出来なくて悩んでいる人も、そして頭合わせから脱出できなくて悩んでいる人も。

尻合わせを憎んでいる人も、尻合わせを愛している人も、尻合わせに媚びている人も、尻合わせに執着している人も、尻合わせを憎んでいる人も、頭合わせが理解できなくて悩んでいる人も。

音楽は垣根を超えて人を結びつける。

更新記録:

カテゴリを音楽メモから日本のジャズを理解するに変更した。(Thu, 27 May 2021 18:09:37 +0900)

2020年7月17日金曜日

ヴァイブ機能の実装 ─── Lambda Music 開発メモ (oka01-tkthzegwvkckrkmk)


この数日間、グルーヴのずれをどうやったら自作シーケンサで実現できるかを考えている。ミュージシャンはよく「ヴァイブ」という言葉を使うが、これは細かな8分や16分のリズムではなく、4小節8小節という長い周期の音量/音質/リズムずれの周期のことを指している…というのが僕の仮説だ。

これを実証するには実際にそれを演奏させる以外にない。音量/音質はシーケンサのオートメーションという機能を使えば実現できる。だがリズムずれをオートメーションで設定できるシーケンサはまだ存在しないので、自分で作る必要がある。

あと MIDIのモノモードを実現するアルゴリズムを考えている。これはもちろんどんなシーケンサ/シンセにもついている機能だが、これが意外と難しい。これはプログラミングの基礎原理のひとつ FILOスタックを使って実装する必要がある。

音楽には多層に重なりあった様々な周期が現れる。これが音楽の奥行きを作り出している。現在あるシーケンサは音楽のデータを単層でしか操作できない。多層に重なりあったデータを作るためには人間のセンスが必要になる。人間はこれを感覚でしか理解していないからだ。

だけどヴァイブには単純な数学的構造が存在する。これを機械的に生成することができれば、もっと簡単に奥行きのある良い音楽を作ることが出来るようになる筈だ。

そのためにはある1つのパターンをそのパターンが持っている周期とは異なる周期によってモディファイすることを可能にするフレームワークの存在が必要になる。

現在 Lambda Music Sequencer はバッファリングアルゴリズムが3つの行程にわかれている。
  • 小節単位・LISPのシンボルリストバッファ
  • 小節単位・MIDI情報バッファ
  • ブロック単位・MIDI情報バッファ
これらのバッファは全てパターン周期ごとに分けて管理されている。これらを周期をまたがって縦断的に処理することは非常に難しい。

考えられる解決策はいくつかある
  1. これらの内部バッファを操作するインターフェースを追加する
  2. これらの内部バッファを全て連結してしまう
  3. 各バッファ生成ルーチンに対して、異なる周期のバッファ位置を参照バッファとして参照する為のインターフェースを追加する。
1の解決策がもっとも直接的な方法だが、内部バッファの処理順番をきちんと整理して外部に公開する必要がある。実装が非常に複雑になる恐れがある。実装は恐らく非常に難しい。

2は必要になる変更量が非常に大きい。またバッファリング処理が実行される度に全てのイベント位置をシフトする必要が発生するため、負荷が高くなる可能性がある。

3は縦断的に処理するという面から見てやや劣るが、現在の実装との差異が小さく、かつ必要十分な機能の提供が可能だ。

恐らく3の手法を取ることになるだろう。

2020年7月16日木曜日

関西人は新しく東京に来た関西人が嫌い (oka01-hfodkywauhfovyuw)

関西人は、新しく東京に来た関西人が嫌い… これは僕自身の事なのかも知れない。

僕は星野源が嫌いだ。嫌いというよりも見ていて色々と気持ち悪い。だが彼を気持ち悪く感じる理由がなかなか言語化できない。

星野源は関東人だリズムは強烈に縦乗りだ。これが気持ち悪い理由は、彼がネイティブで縦乗りではないからだ。縦乗りは関西のリズムだが、彼は関東人なのに関西人のリズムを演奏する。そこに浅ましく損得勘定を計算している姿が垣間見られるから気持ち悪い。関西人に尻尾を振って媚を売る気持ち悪い関東人だから気持ち悪い。

また逆から見れば、下手糞なエセ関西弁を話す関東人だから気持ち悪いという見方もできる。 縦乗りには縦乗りが持っている関西独特な世界観が存在するが、彼の音楽はそれを理解しておらずむしろ否定している。だから気持ちが悪いという見方も出来る。

僕が関西人が嫌いなのは、恐らく僕が関西から来た人間だからだ。だがしばらく東京に住んでいる関西人が来たばかりの関西人が嫌いなことに対して、僕は逆に来たばかりの関西人のほうがずっと馴染みやすくやや東京滞在歴が長い関西人の方に苛立ちを感じることが多い…という違いがある。

関西から来たばかりの人は、僕が100%関西に切り替えて話しかけるだけでよいので、話がとてもシンプルだ。

だが関西から来て長く関東弁を話したがるタイプの関西人は色々と難しい。完全に関東人扱いも出来ないし、とはいえ関西人扱いしてもむくれてしまう。僕が完全に関西人と気付いているにも関わらず、彼は関西人であることを執拗に隠そうとする。これがものすごく面倒くさい。




2020年7月8日水曜日

関西弁と縦乗り ─── 縦乗りを克服しようシリーズその20 (oka01-jwarbrfzxhdcxpch)


関西弁のリズムは縦乗りだ。次のリズム譜を見て欲しい。


日本語のアクセントは頭に来るのは当たり前と思われるかも知れない。しかし実は、日本語の関西弁以外の各種方言ではしばしばアクセントは頭に来ない。例えば私のネイティブ方言の関東弁ではアクセントはしばしば後ろにくる。



「なんでやねん」を関東弁で言えば「なんでですか」になると思われるかも知れない。しかし関東弁がネイティブの人々が「なんでですか」という表現を使うことはまずない。

関西弁と関東弁の違いというとイントネーションの違いが主に挙げられる。しかしよく観察してみるとイントネーション以上にリズムのとり方に大きな違いがあることに気づく。この違いはとてもはっきりしたものだ。

その違いとは関西弁には弱起がないが関東弁にはあるという点だ。みなイントネーションの違いに意識が向いていても、リズムの違いにまでは意識が向いていないことが多く、ここが盲点になっている場合が多い。

そのリズムの違いはしばしば、ジャズのアドリブにも色濃く現れる。それはアドリブのリズムを聞くだけでその人が関西人か関東人か聞き分けることができるほどにはっきりしている。場合によっては曲が始まる前にテンポを出してカウントをしているそのカウントのとり方を聞くだけで関西人か関東人か区別が付くこともある。

関西人であることはジャズを演奏する上で大きな弱点となる。この関西弁のリズムの取り方は、関東弁だけでなく東北/九州の方言・欧米・アフリカ・東南アジアの各種言語と全く違うリズムの取り方だからだ。このリズムの取り方で外国語を発音するるとほぼ通じない。またこのリズムの違いがはっきり聞き取れていないと、外国語を聞き取ることも難しい。言語のリズムは音楽を演奏するリズムにも色濃く反映されれる ─── この頭乗りのリズムは外国の人達に難解な印象を与える。このリズムで音楽を演奏しても外国の人達に訴えることはとても難しい。 ─── そしてこのリズムは関西外の人に対してほとんど訴求力がない。

関東弁の中の関西リズムに関西人は気付かない。だが関東人は必ず気付いている。だがそれを言葉として出してしまえば大変な失礼に当たることである以上、それを指摘することは絶対にない。

何故こういうことが起こるのだろうか。

ここでは、関東弁と関西弁のリズムの違いをリズム譜やビデオなどを使って確認していこうと思う。

2020年7月7日火曜日

タイミングでニュアンスをつけて音に重みを出そう! ─── 縦乗りを克服しようシリーズその19(oka01-neurlqdoenstjruz)


こんな小さな子供が叩いているのに大人顔負けの音の重み!こんな小さな子供が叩いてるだけなのに明らかに日本人が演奏するのとは違った響き方をしていることがわかります。何故この様な違いが生まれるのでしょうか。

2020年7月3日金曜日

黒人教会音楽を聴け! (oka01-hwhyxztufaghkelq)

現代ジャズピアニストのリズムは全て例外なく黒人教会音楽のリズムメソッドの上に構築されている。パットメセニーもブラッド・メルドーもケニー・カークランドもラーシュ・ヤンソンもジョー・パスもボボ・ステンソンもビル・エヴァンスもジャズと名のつく全てのミュージシャンは全員例外なく、黒人教会音楽のリズムメソッドの上にその理論基盤を置いている ─── 黒人文化に敬意を示さないのは、その段階で既にジャズマンとして失格だ。


僕が言っていることはオタク外人が集まって「日本文化が好きです!」「アニソンさいこー」「やっぱ東方でしょwww」等々のたまう中に突入し、「テメェ日本文化の真髄は北島三郎だろ!」「新沼謙治を聴け!」「日本好きのくせに三橋美智也すら知らないのか!?」という様な事を言っているのと同じだ  ─── 問題は、それを極端と思うかどうかだ。

日本人でも三橋美智也を知らない人はいる。以前ある黒人のジャズギタリストの人に僕が好きなゴスペルミュージシャンの名を何人かあげたら、ひとりも知らなかった。ラオ人でもサーティット・トンチャン/バンラン・シヤン・ラカントーン/ペッピントーン等々の過去の偉大なミュージシャンを若い人は知らないことが多い  ─── だがそれを知らなくとも全ての音楽の手法は、必ず過去の偉人の影響を受けて成り立っている。

外人がアニソンをやりたいとする。外人がアニソン独特な雰囲気を出すためには、アニソンの骨格となっている日本の60〜70年代の歌謡曲や演歌を知らなければならない。アニソンの場合、それがパロディーになっていたりすることも稀でない。「真面目に始めなさいよ!」という言葉の元となったものがらき☆すたではなく怪物君のテーマにあるということを知らなければアニソンは作れない。

同じことはジャズにもいえる。アメリカ人でない者がジャズを演奏したいなら、ジャズの元となった1920年以降のアメリカの古い映画音楽も知らなければいけないし、これらのポピュラー音楽の元となった音楽が後期のクラシック音楽であり、そのクラシック音楽が北欧の民族音楽だったことも知らなければならないし、これらを奴隷解放後に職を求めてニューヨークにやってきたアフリカ系アメリカ人ミュージシャンが演奏したことで今のジャズの形が出来たことも知らなければいけない。

そして彼らアフリカ系アメリカ人のミュージシャンが演奏していたのが黒人教会音楽だったことを知らなければいけない。

現代黒人教会音楽(ゴスペル)

ゴスペルというと古くさくてつまらない音楽と思われる方が多いかも知れないが、その認識は間違っている。日本でゴスペルが紹介された70〜80年代以降もゴスペルはメジャーシーンから隠れて進化を続けている。今ではR&B/ブルース/ジャズ/ヒップホップ/ファンク/ロック/ヘビメタなどのゴスペルから発展したあらゆるジャンルの音楽の発展成果を更に取り入れて、オルタネイト/ミクスチュア/フュージョン系とでもいうべきボーダーレスな音楽に変貌している。


※ 以下少しずつ執筆予定:

カーク・フランクリン






アンソニー・ブラウン







結論

縦乗り(2分音符強調)が面白くない理由は、それが邦楽のリズムだからではなく、それが劣化した邦楽のリズムだからだ。邦楽は本来、古来からある奥の深い複雑なリズムを持っている。だが日本人の演奏するジャズやポップスのリズムはしばしば無理解から単純化されて大幅に省略されている。邦楽のリズム・洋楽のリズムの双方に対する理解不足、それが縦乗りだ。



更新履歴:
結論を加筆(Sat, 04 Jul 2020 08:06:48 +0900)


著者オカアツシについて


小学生の頃からプログラミングが趣味。都内でジャズギタリストからプログラマに転身。プログラマをやめて、ラオス国境周辺で語学武者修行。12年に渡る辺境での放浪生活から生還し、都内でジャズギタリストとしてリベンジ中 ─── そういう僕が気付いた『言語と音楽』の不思議な関係についてご紹介します。

特技は、即興演奏・作曲家・エッセイスト・言語研究者・コンピュータープログラマ・話せる言語・ラオ語・タイ語(東北イサーン方言)・中国語・英語/使えるシステム/PostgreSQL 15 / React.js / Node.js 等々




おかあつ日記メニューバーをリセット


©2022 オカアツシ ALL RIGHT RESERVED