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2019年8月23日金曜日

#わざとぶつかる人 (oka01-xeltjrdhvcpmlxgp)

最近の日本には、雑踏でわざと人にぶつかる人がいるのだそうだ。とても日本らしいことだ。何故かというと、外国ではわざとぶつかろうとしてもみんな避けてしまうのでぶつかれないからだ。外国にはボーっと歩いている人がいないので、ぶつかろうとしてもぶつかれない。わざとぶつかる ─── ぼーっと歩いている人がたくさんいる日本ならではのことだ。日本人は常に『ぶつかろうと思えばぶつかれる』ような歩き方をしているのだ。


僕は2005年から12年間タイ〜ラオス〜中国南部で過ごしたが、ぶつかる人は何故ぶつかるのかについてすこし思う所があるので解説してみたい。

ぶつかる人とグーグルで検索
世の中には色々な人がいて色々なことを考えているので「これがぶつかる唯一の理由だ!」というはっきりした理由が見つかることはないだろう。中には特定の女性を狙い撃ちで近づいてきてぶつかる人もいるようだ。 ─── 世の中には色々な人がいる。だから僕がこれから書くことが全ての事例に常に適用できるとは思えないが、僕が個人的に常に強く思っていることがあるので以下で書いてみようと思う。

白状すると 実は僕がわざとぶつかるおじさんなのだ。

実は僕もよく、物凄い勢いでぶつかる寸前まで近づくことがある。女性にも男性にもお年寄りにも子供にも大人にもやる。

何故そんなことをするのか。

威嚇している訳でも、脅しているわけでも、ストレス発散でもなんでもない。

それくらいの気迫で近づかないとみんな人が近づいていることに気が付かないからだ。

ぶつかるおじさんの独白

僕は東京の街中で育った。大人になってからも世界中のあちこちの大都市を歩いた。それで思うのだが、とにかく東京を歩く人はちっとも人を避けない

ちぃっっっともよけない。

僕にしてみれば街を歩く人全員がわざとぶつかる人にしか見えない。

渋谷駅の様に通路が左側通行になって分かれている駅は多少よいのだが、東京駅や品川駅など通路がわかれていない駅では、人は雑多な方向に歩いているので周りをよく見ていないとすぐ人と衝突する。

だがこういう雑踏で、周囲にきちんと配慮をしながら譲りあったり避けあったりして歩いている人はごく稀だ。みな「ボケーーー」っと歩いており、全く周囲を見ていない。周りを見なければぶつかるのは当然だ。

『このまま行ったらどちらかが避けないと必ずぶつかる』・・・そのようなシチュエーションのとき、もちろん避けられるなら避ける。だが避けない人の方が圧倒的に多いので、こちらが避ける一方になってしまってとてもストレスが溜まるのも事実なのだ。

避けたくても避けられない場合もある。人には様々な事情がある。避ける方向に更に人がいた場合や、次に進む進路によってそちらに避けたら次の右折ポイントを逃してしまう等々の避けたくても避けられないシチュエーションにいる場合もある。だが避けない人々は決してそれを察してくれない。何があっても無人の野を征く勇者のように直進するのみだ。

そこで僕が考えたのは、ぶつかりそうな人を見つけたらかなり速めに歩いて、ぶつかりそうな気迫を見せながら近づくことだ。要するにフェイントだ。すると6割くらいの人は気付いて避けてくれる。とはいえ残り3割くらいの人はそれでも気付かない。更に1割くらいの人は驚いて判断を誤り、こちらが避けた方向に吸い込まれる様に方向転換しぶつかる。よってあまり良いアイデアでもないのだが、自分がどうしても避けたくない場面ではやむを得ず使う。

例えば、大勢が自動改札から退出している時間帯に自動改札から入場したい場合など、どうやっても人の流れを遮って歩くことになる。だが日本には相手の動きを読んで予めぶつからない方向に方向転換する様な機敏な歩行者はほとんどいないので、このフェイントを使って自動改札に入っていく必要がある。特に双方向型自動改札ではタイミングよく通行主導権を奪わない限り駅構内に入場することもできない為、このテクニックが多用されることになる。

しかし何故、人は避けないのだろうか。

「それが普通だって。おかしいのはお前だ。」

「お前も空気読めないやつだな。」

 ─── 何と言われようとおかしいものはおかしい。

僕はそういいたかった。
 
僕は東京で育って東京で暮らすなかで、こういう「避けない東京の人々」に常に違和感を持っていた。

外国の人との比較

その後、僕は外国に行ってあちこちの街を歩いたのだが、僕が衝撃を受けたのは外国では子供からお年寄りまでみな周りをよく見て人を避けて歩いていることだ。

特にタイのバンコクの人々の周囲に対する配慮が高いことには特筆すべきものがあり、日本では考えられないような大変な混雑の中でもとても歩きやすかった。 恐らく雑踏に暴走したトラックが突っ込んでも、ぶつかる人はいないだろう。それ程に周囲をよく見ている。歩きスマホをしながら背後から来た人も避ける勢いだ。実際に僕はそういう女性を何度もみた。

ネットで日本人の意見を見ていると「中国人は人を避けない」と中国人に異義を申し立てている人がいた。彼らは確かに背後からきた人は避けない。だが前方から来た人については極めて機敏に避ける傾向がある。たしかに背後から近づいたときに道を譲ってくれることは稀だが、前方の注意力の高さは特筆すべきものがある。


これは中国で起きた事故の映像らしい。高速道路で停止するドライバーのマナーの悪さは最悪だが、ギリギリで衝突を回避したトラックドライバーの回避反応の的確さは特筆に値する。日本だったら当然の様に衝突して大事故になっていただろう。日本人と比べてしまうと外国の人達の危機回避能力は非常に高いのが普通だ。世界的に見るとむしろ高いのが普通で、回避能力が極端に低いのは日本人の方なのだ。

ちなみにこういう『前方で起きた事故をどうやってか衝突回避した中国ドライバー』の映像はたくさんあるので、検索してみるとよい。

客観的に見ると中国人が他人を避けないからぶつかるのではなく、日本人が他人を避けていないからこそぶつかるのだ。

日本人のぶつかりやすさを羽田空港で体験しよう

日本人が他人とぶつかりやすいということを手軽に観察できる場所がある。それは羽田空港だ。

羽田空港は(2019年現在)国際ターミナルと国内ターミナルの2つに分かれている。国際ターミナルのほうが敷地が狭く国際ターミナルはいつも混んでいる。国内ターミナルは非常に広いので国際ターミナル同じ程度の人数がいる筈だが人はまばらな感じがする。

国際ターミナルビルは常に外国人でごった返している。だが人と衝突することは極めて稀だ。

ところが外人が少ない国内ターミナルに一歩でも足を踏み入れると、即座に人とぶつかるのだ。

「これだけ人影まばらな国内ターミナルで、どうやったら人とぶつかれるのか。」

僕は何度も自分に問いかけた。

だがぶつかるものはぶつかるのだ。

彼らをよく観察してみると「これだけ広い人影まばらなフロアを歩くのに、何故わざわざよりによってここまでこちらに接近するのか」というほどに近づいてきて「そちらに歩いたら明らかにぶつかるだろう」と明らかな方向に方向転換してぶつかっている。恐らく周囲の状況を全く見ていないのではないか、と思う。 また「衝突を避けるため他人と適切な距離を保つべきだ」という感覚自体が欠落している様にも思う。

まるで吸い込まれるように近づいてきてぶつかるのだ。

避けない人の特徴

避けない人はしばしば非常に厚いメガネを掛けている。恐らくだが視力が弱いのだ。だから配慮が足りないのではなく、配慮しようとしても見えないのではないか。だがそう思って人々を観察していると、厚いメガネを掛けている人でも避ける人は避けているのだ。恐らく意識の持ちようという面は大きいのではないか。

あともうひとつ気付いたことは、避けない人は避ける動作を起こす距離が非常に短い。

外国の人は2〜3mの距離まで近づいた段階で少し進路を変えることで衝突を回避する。だが日本人の避けない人はよく観察してみると避けないのでは決してなく単に避ける距離が非常に短いようだ。彼らはぎりぎり2〜30cmの距離まで近づくとスッと肩を引いて避けることが多い。だが更によく観察してみると更にそのなかでも10人中2〜3人は2〜30cmの距離まで近づいても避けない。つまり避ける間もなく衝突する。

いずれにせよ「避けない人」は周囲の動きをよく見ていない・・・ということは言えそうだ。

外国の人は動きを読んで全体の流れを見ているのに対して、日本人は周囲の動きを全く見ていない。


ガラパゴスの希少種と同じ行動パターンの日本人

ガラパゴス島の希少種は外敵を見たことがないので、人間を見ても恐れずに近づいてくるのだそうだ  ─── 日本人にも全く同じことが言えるのではないだろうか。

日本は島国なので外敵が入ってこない。だから他人を避ける習慣自体がなくなってしまったのではないか。

だがいくら島国でも、大都市には色々な人がたくさんいる。いくらガラパゴス島でも都市部には外敵がたくさんいるのだ。だからこそガラパゴス島の住民各位お互いが気持ちよく過ごせるよう、それぞれが周囲に配慮をして頂けたら幸いと思う次第であります。

江戸しぐさについて

「江戸しぐさ」という言葉がある。僕は「江戸しぐさ」がとても好きなのだが、ネットを検索してみると江戸しぐさに反論を唱えている人がたくさん見つかる。多くの意見は「江戸しぐさは嘘で歴史的な客観性がない」等々のことを訴えている。

僕は言いたい。

「嘘かどうかはどうでもいい。いいことだからやれ!」

マナーが悪いことに何の言い訳もいらない。

実際のところ江戸で江戸しぐさをきちんとやる人など1万人に1人もいない。

だけどぶつかって痛い思いをするのは自分なのだ。

そして何より 相手も痛い思いをする





著者オカアツシについて


小学生の頃からプログラミングが趣味。都内でジャズギタリストからプログラマに転身。プログラマをやめて、ラオス国境周辺で語学武者修行。12年に渡る辺境での放浪生活から生還し、都内でジャズギタリストとしてリベンジ中 ─── そういう僕が気付いた『言語と音楽』の不思議な関係についてご紹介します。

特技は、即興演奏・作曲家・エッセイスト・言語研究者・コンピュータープログラマ・話せる言語・ラオ語・タイ語(東北イサーン方言)・中国語・英語/使えるシステム/PostgreSQL 15 / React.js / Node.js 等々




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