ブレンダーは、簡単に言えば3次元版の「フラッシュ」だ。フラッシュは誰でも簡単に使えるインターフェースが特徴の、ウェブ用の2次元グラフィックス・アニメーションを作る定番ソフトだ。ブレンダーはいわばフラッシュの3次元版ともいえる。
だがブレンダーは、こんなに高機能なのにどうも日本であまり普及していない様である。その理由と解決策を考えてみた。
(注意:当記事は、新しいことが明らかになる度に随時更新する予定)
ブレンダーが何故、アニメ大国の日本で普及しないのか。
─── 理由はズバリ、次の通りだ。
-
画面表示が全英語。
画面操作体系が深く英語文化に根ざしており、日本語化は不可。 - ドキュメントが全部英語。
- 簡単ガイドが全部英語。
- 簡単ガイドがしばしばビデオ。
リスニングが苦手な日本人に不向き。 - しかも、操作方法が特殊で、とっつきがわるい。
- しかも、適当にいじっても使えるようにならない。
─── そう。つまり、ブレンダー攻略のキーワードはずばり、英語である。英語をマスターすれば、ブレンダーなど単なる3次元版のフラッシュである。問題は解決された。
........ P.S. それでは困る、というという読者の為に次の様な記事をご用意させて頂いた。
おかあつ日記『表意文字のハンデ ── 日本的語学オンチのその理由』
おかあつ日記『ホモフォーンと日本語 ── 日本的語学オンチのその理由2』
おかあつ日記『認知の海の向こうにあるもの』
おかあつ日記『ゴリラ系彼女の逆襲』
おかあつ日記『標準村 ─ 住み分けについて』
おかあつ日記『訛りと音楽』
上記は、日本人が英語が苦手な理由を説明した記事だ。筆者が独自に考えた理論に基づき、日本人が英語が苦手になるメカニズムを説明した上で、苦手を克服する為に必要な条件をわかりやすい日本語で説明したものである。これを読んで英語苦手を克服すれば、ブレンダーなど恐れるに足りない。ブレンダーなど単なる3次元版のフラッシュである。問題は解決された。
........ P.S.2 それでは困る、というという読者の為に、英語の聞き取り上達の決定打である次のワンポイントアドバイスをご紹介させて頂く。
リスニング上達の必♡勝♡法をここで教えちゃうぉ☆
それはとっても簡単なんだミ☆
そ・れ・は・・・
『聴こえるまで何度も聴く!』
大体10年くらいで聴こえる様になるぉ♡
わぁとってもかんたんだ!
これなら誰にでも出来るね!
問題は完全に解決された。
........ P.S.3 それでもまだ困る、というという頑固な読者の為に、以下で、取り敢えずブレンダーを快適に歩くために必要な知識を、簡単な日本語だけをつかって、ひとこと・ふたこと書いてみた。
ブレンダでは、取り敢えず「適当にいじって遊び」ながら使い方をおぼえる…という段階に到達するまでに、沢山の致命的な落とし穴が仕掛けられている。よって「適当にいじって遊ぶ」までにまず説明書をある程度熟読する必要がある。だが説明書は全部英語だ。これで挫折する。
そこで、とりえあず 「適当にいじって遊ぶ」段階にくるまでに必要なことだけに絞って、以下で説明してみたいと思う。
なお、当記事は、新しいことが明らかになる度に随時更新する予定だ。
注意1:操作方法が既存ソフトと全く違う。
ブレンダーは、内部的に独自の画面構築のプログラムライブラリを利用している為「◯◯で右クリックすると、右クリックメニューが表示され…」に代表されるような、既存ソフトの操作方法が全く通用しない。 よって何よりも先に、ブレンダの操作体系に慣れることが必要。注意2:ショートカットキーを知らないと何も出来ない。
ウィンドウズなら、全ての可能な操作はメニューバーかツールバー上のボタンとして配置されており、そこにショートカットキーやアクセラレーターキーなどが表示されているので、それを覚えれば操作の高速化が図れる。ブレンダでは、全ての可能な操作が、必ずしも画面上に表示されていない。よって予めマニュアルなどを読んでショートカットキーの配置を学習する必要がある。
注意3:スペースキーでメニュー検索。
よくあるオーサリングソフトでは SPACE で再生停止を切り替える様になっているが、ブレンダでは ALT+A がそのショートカットに相当する。ブレンダのSPACE は、メニュー検索ウィンドウが呼び出される。ウィンドウ内でコマンドを入力することで、操作可能なコマンドの一覧から必要なコマンドを検索し、実行することが可能。コマンド一覧上には、そのコマンドに対応するショートカットキーや、pythonスクリプトが表示される。注意4:メニュー位置が独特。
ブレンダでは、フレームの下部にそのフレームに関連付けられたメニューバーがある。マックやウィンドウズではメニューバーは上部に配置されるが、ブレンダでは逆となっている為、注意が必要だ。またメニューバー位置はユーザー設定によって、上部に配置することも可能であり、更に注意が必要。注意5:フレームに閉じるボタンがない。
各フレームの右上に三角マークがある。これを摘んでドラッグすると、1つのフレームが2つに分割される。だがどこにも閉じるボタンがない。閉じ方を知らないと画面がフレームだらけになって収集がつかなくなる。
フレームは閉じる事が出来ないが、他のフレームと統合する事が出来る。三角マークを掴んで他のフレーム内にドラッグ&ドロップをする事で、フレームが統合され、結果的にフレームを閉じることが出来る。クリックした後に、ドラッグを開始する方向が重要。内側だと分割、外側だと統合する。
参照
http://blender.stackexchange.com/questions/5631/how-to-close-view-windows
注意6:フレームの内容は、開いたあとに決める。
2014年現在、一般的によく知られている Eclipse や Adobe Flash などの統合環境では、フレーム(往々にしてペインなどとも呼ばれる。主ウィンドウ内のある更に小さなウィンドウ枠の事。)の内容は、開く前に決定される。即ち「スクリプトペインを開く」というメニューコマンドを選択すると、スクリプトペインが開かれ、このスクリプトペインの内容を、開いたあとで、例えばアセットペインなどの違うペインに変更することは出来ない。だがブレンダーでは、 ペインの内容はペインを開いた後で決定する。各ペインの右下には必ずペインの内容を決める選択ボックスがある。好きなときにこの選択ボックスをクリックすることで、ペインの内容を選択出来る。よって、Eclipse や Adobe Flash や Inkscape その他もろもろ世の一般的なソフトで採用されている、表示(View)というメニューコマンドが存在しない。
ちなみに筆者は、これが理解できず、馴染むまでに数カ月を要した。
赤丸で示したコンボボックスがフレームの内容を決定する。
注意7:フレームは最小化・最大化出来る。
フレーム内のどこにもボタンもメニューもないのだが、フレームは最大化・最小化出来る。ショートカットキーは CTRL+↑かCTRL+↓或いは SHIFT+SPACEで最大化・最小化を順に切り替えることが出来るようになっている。こんなん、知らんがな。
注意8:ブレンダは右手系。Zは上方向。
x方向を親指、y方向を人差し指に向けた時、z方向はどちら側に向くかを言い表す時、一般的に 右手系 左手系などと表現する。ブレンダは右手系だ。そしてデフォルトの画面では、zが上を向いており、zの値が多くなればなるほど、高く移動する。軸は色分けされている。
赤がX
緑がY
青がZ
注意9:複数選択してプロパティー設定が出来ない。
複数選択した後で、プロパティータブを利用してオブジェクトの属性変更を行うことは、近代のマックやウィンドウズなどで一般的な操作だが、ブレンダでは何故か出来ない。これを解決するためのプラグインが出回っているらしいが、詳細不明。操作のコツ
マウス操作の系統が全く違うので最大限に要注意。
左クリックで3次元カーソルの設置。(オブジェクト作成は3次元カーソル上に設置される。)
右クリックで選択。右クリックメニューは存在しない。
中央クリックで、視点移動。現在位置を中心に中心を見ながら回転する。
MOUSE WHEEL 視点の拡大縮小。現在位置に近づいたり遠ざかったりする。
右クリックのドラッグで移動開始。左クリックで位置確定。右クリックで移動中止。
移動中に x y z で移動方向の固定。2度押す事で、座標軸をグローバル系/ビュー系を切り替えることが可能。
Aで、選択解除。
Bで、選択開始。
Nでプロパティーの表示。
Tでツールシェルフ(左側シェルフ)の表示/非表示の切り替え
SHIFT+SPACEで右側のシェルフ(名前不明)の表示/非表示の切り替え
TABで 編集モードと対象モードの切り替え。激重要
この操作方法は、3D画面だけでなく、タイムライン画面などの他の画面でも共通。 重要
マウス操作は、SHIFT CTRL ALT の組み合わせで、若干違った動作を行う。
SHIFT+中央クリック 並行に視点移動。現在位置が移動する。
SHIFT+MOUSE WHEEL 視点の前後移動。拡大縮小ではなく現在位置自体が移動する。
この時、SHIFT CTRL ALT (モディファイヤキー・変更キーなどと呼ばれる)はマウスボタン押下後は、押し続ける必要はない。マウスボタン押下後、これらの SHIFT CTRL ALT キーを離しても、押下時の機能が維持される。
テンキー7 現在位置の上からの視点に切り替え。
テンキー1 現在位置の前からの視点に切り替え。
テンキー3 現在位置の右からの視点に切り替え。
他にもテンキー+数字キー+変更キーの組み合わせで色々な視点の移動が可能。
なお設定で、Emulate Numpad をオンにすると通常の数字キーで代用する事が可能。
ALT+HOME で三次元カーソル上に現在位置を移動。
☆ 空のオブジェクトに頂点を作るには、CTRL+左CLICK する。それ以外、方法がない。メニューにもない。
☆ ブレンダの動画出力は壊れている。これは、ブレンダ使いなら誰もが知っている既知バグらしい。動画出力のボタンがあっても触ってはいけない。ブレンダ使いはほぼ全員が、動画を画像として出力し自力で映像化するというワークフローを使っている。
☆ カメラを特定のポイントを映し続ける機能はない。これを実現する為、空のオブジェクトを作りカメラをそのオブジェクトに固定する、というテクニックが一般化している。(Fri, 04 Jul 2014 23:28:32 +0700)追加
☆ チュートリアルで「◯◯パラメータを設定して下さい」見たとする。自分でブレンダを起動して試して見ようと思う。だが、そのパラメータが見つからない。恐らくバージョンの問題だろう… という事で新しいバージョンをダウンロードしてインストールしてみた。だが該当のパラメータは見つからない。
そんな問題に直面した時、往々にして、マテリアルやライトを作成し直すと問題が解決する。作成し直すと、今まで見つからなかったパラメーターが現れるようになることがある。
作成したマテリアルやライトが持っているパラメーターの種類は、作成したブレンダのバージョン(正確に言うとレンダラのバージョン)に依存しているらしい。古いバージョンのブレンダで作成したマテリアルを、新しいバージョンのブレンダで開いた時、新しいブレンダが新しいパラメーターを持っていたとしても、それらは表示されず、そのマテリアルを作成した時に利用していたバージョンのブレンダが持っているパラメーターのみが表示される。つまりパラメーターの種類はオブジェクト作成時に決定される。 (Sat, 05 Jul 2014 17:33:03 +0700)追加
☆ ブレンダ内で出力されるログをアプリケーション内で表示することは出来ない。これは仕様らしい。よってpythonスクリプトでprint命令を実行してもどこにも表示されない。表示する方法はアプリケーション内で一切提供されていない。
これらのログは全て標準出力に出力されている為、コマンド画面からブレンダを起動する事によってこれを表示させる事が可能という。よって、コアなブレンダユーザーは、ブレンダをコマンド画面から起動するのが常識となっているらしい。 (Sun, 06 Jul 2014 17:02:43 +0700)
☆ 驚くべきことに、ブレンダにはカット&ペーストがない。激重要。 その代わり、Duplicate(複製 Shift+D)と Extrude (延長 E)がある。 なお、UNDO/REDOはある。
☆ 動画編集モード(通称 BME)にデータがあると、3D画像レンダリングが出来なくなる。少しでも動画編集をしたら3Dデータの出力結果が真っ黒になり、真っ黒になった理由はどこにも表示されない。 (Sat, 19 Jul 2014 22:36:24 +0700)
☆ CYCLES利用時、マテリアルでアニメーションすることが可能。だがどこにもやり方が表示されていない。やり方は次の通り:ノードエディタの値の上で右クリックすると「キーフレームを作成する」という項目が出てくるそ。れをクリックするとマテリアルキーフレームが作成される。(Sat, 19 Jul 2014 22:36:24 +0700)
☆ 微妙に裏ワザ『フライトレコーダー』= 自動キーフレーム作成をオンにセット、キーフレームタイプをLocRotにセット。CTRL+ALT+0でカメラモードにセット、アニメーション再生開始した後に、フライモードに入ると、フライモードの移動がアニメーションとして記録できる。(Sat, 19 Jul 2014 22:36:24 +0700)
☆ ブレンダのキーフレーム作成は「移動してからキーフレーム作成」の順で行うのが作法。アドビ・フラッシュでは「キーフレームを作成してから移動」と順序が逆なので、フラッシュに慣れていると意外と戸惑う。(Sat, 19 Jul 2014 22:36:24 +0700)
☆ ブレンダのUIには『アクティブフレーム』という概念がないらしい。ショートカットキーは、マウスポインタ下のウィンドウに対して有効。ウィンドウズなどの一般的なUIと異なり、マウスポインタの位置に配慮する必要がある。(Sat, 19 Jul 2014 22:36:24 +0700)
☆ 突如、オブジェクトの回転ができなくなったら Pivot Point
ボタンをチェックする。(参照1・参照2)
(Sun, 03 Mar 2019 16:23:33 +0900)
☆ ワークスペース切り替えは、CTRL+LEFT / CTRL+RIGHT
で行う。これを知らないとワークスペース切り替えタブがないワークスペースに入ったとき脱出不能になる。(Sun,
03 Mar 2019 16:56:02 +0900)
☆ ワークスペース切り替えタブは、INFO ウィンドウの中にある。(Sun, 03 Mar 2019
16:56:02 +0900)
☆
ビデオシーケンスエディタ上(VSE)にストリップがあると3D画像レンダリングが出来なくなる。動画編集をしたら必ずVSEからストリップを削除する必要がある。削除しないと以降のレンダリング出力結果が全て全透過(真っ黒)になるがエラーメッセージも警告も全く表示されないだけでなく、しばしばVSE自体がどこにも表示されていない為、この問題が発生してもその問題にとても気付きにくい。
(Thu, 25 Mar 2021 04:33:07 +0900)
☆ ボーンにIKを設定する Bone Chain タブは バージョン 2.79 から
Poseモードに移動した。https://blender.stackexchange.com/questions/142422/cant-find-bone-constraint-in-blender-2-8
(Thu, 25 Mar 2021 21:55:02 +0900)
☆
メッシュ作成時にミラーモディファイヤを使っていると、中央に着た頂点の移動ができなくなる時がある。これはミラーモディファイヤの
Clippingがオンになっていると起こる。これは本来頂点が反対側に移動することを防ぐ為の機能だが、中央線にふれるとこのバグが起動するらしい。
(Thu, 25 Mar 2021 21:55:02 +0900)
☆ ボーンの左半分にコピーする。 Shift-D
で複製し、カーソルを原点に移動したあとピリオドを押して原点にピボットポイントを設定、sx-1
で反転する。その後でArmature->Flip Names で名前を反転できる。(Fri, 26 Mar
2021 00:43:08 +0900)
☆ 2.8?からSymmetrize でボーン反転/名称反転を全て自動で行うことができる。参照
(Fri, 26 Mar 2021 00:44:04 +0900)
☆ ブレンダ2.8以上で突然オブジェクトの移動が一切出来なくなったらそれは恐らく Affect Only Origins が有効になってしまったからだ。
参照 (Sat, 03 Apr 2021 00:50:20 +0900)☆ 突然カメラビューに何も映らなくなってしまったら : まずClip 距離をチェック。これが表示しようとしているオブジェクトに対して適切な大きさになっているかを調べる。100mのオブジェクトを表示するのにClip領域が1mになっていたら当然何も表示されない。Clip距離が適切になっているかを常にチェックする。もしそれでも問題が解決しない場合は HOME キーを押す。パンがどこか全く関係のない方向に向いてしまっている時にHOMEボタンを押すとパンをリセットできる。カメラのパンをリセットする為のコマンドはショートカットキーでしか呼び出せない。参照(Sat, 03 Apr 2021 00:50:20 +0900)
随時更新予定
更新記録
(Tue, 17 Jun 2014 18:47:35 +0700) 記事作成
(Tue, 17 Jun 2014 19:09:41 +0700) 左クリックで移動確定の件を追加。
(Wed, 18 Jun 2014 12:16:09 +0700) 複数選択属性設定不可の件を追加。
(Thu, 03 Jul 2014 21:36:50 +0700) CTRL+左クリックで頂点作成を追加。動画出力の件を追加。
(Sat, 05 Jul 2014 21:09:11 +0700) 更新
(Sun, 06 Jul 2014 20:57:15 +0700) 更新
(Sat, 19 Jul 2014 22:36:24 +0700) 更新
(Sun, 03 Mar 2019 16:23:33 +0900)更新
(Thu, 25 Mar 2021 04:33:07 +0900)更新