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2012年8月19日日曜日

訛りと音楽 (oka01-yfosqnwoxbmxpduc)

外国語を学習するに当たって、訛り耐性は大切である。訛り耐性とは何か、訛り耐性は何故重要なのか、訛り耐性を強化する為にはどうすればよいのか、考察してみる。

目次



1.英語の外国語訛り

筆者は以前、短期間だがドイツに滞在したことがある。滞在期間はたったの一ヶ月だった。旧東ベルリンに行きドイツ語教室にも通った。授業はたったの5日間で、しかも丁度メーデーに差し掛かった事で、正味3日間しか授業がなかった。

その時に宿泊した宿舎には、ドイツ近隣の留学生が沢山寝泊まりしていた為、色々な国の人と話す機会があった。筆者のドイツ語力はほぼ0であった。それ以前に全く勉強したことがなかったからだ。殆どの留学生は英語が話せたので、結局英語を話すことになった。

筆者は、英語が多少話せるので殆どの学生と意思疎通が出来たが、生徒は9割方英語圏外の人だったので、みな英語が非常に流暢とは言いがたかった。

筆者のルームメートは、スイス出身の人だった。スイスはフランス部・イタリヤ部・ドイツ部・ネイティブスイス部等、いくつかの部分に分かれているそうだが、ルームメートになった人は、イタリヤ部から来たスイスの人だった。そして、彼の恋人は、ノルウェーから来た人だった。

その二人と一緒に居て英語で色々と話しあった時、僕はイタリヤ語がネイティブの彼の言う事は全て聞き取れたのだが、ノルウェーから来た彼女の言う事はあまりよく聞き取れなかった。 聞き馴染みのない発音が混ざっていて、何を言っているのか全く判別がつかないこともしばしばあった。だがイタリヤ語の彼は、そのノルウェーの女の子が何を言っているのか、一言漏らさず聞き取れている様だった。

勿論正しくない英語を話している訳だから、理解出来無いのは、正にそのノルウェーの女の子の英語の強い訛りが原因なのだが、そうは言っても誰もが間違った英語を話している訳だから、間違った英語を話すのを辞めろ、というわけにもいかない。 しかも人によっては特に困難なく聞き取れてしまう訳だから尚更だ。

学校には、他にもスペイン・フランス・ノルウェー・スウェーデン・アメリカ・イギリス・アイルランド等々、あらゆる地域の人が居り、彼らと英語で話す機会に恵まれた。それぞれ、自分にとって聞き取りやすい発音、聞き取りにくい発音があった。僕にとって一番聞き取りやすい英語はスペインの人・アメリカの人が話す英語だったが、ノルウェーの人が話す英語は、聞き取りにくいと感じた。



2.中国語の国内の訛り

筆者が昆明の華僑学校で中国語を勉強していた時のことだ。僕が通った華僑学校は、中国語科だけではなく普通科も併設しており、普通科には普通に高校生が来て数学などの科目を勉強していた為、中国語が普通に話せる学生が沢山滞在していた。 ところが筆者には、彼らの話す中国語が一切聞き取れなかった。 これは大変なフラストレーションだった。二人きりで話す時は、何を言っているか聞き取れるのだが、4〜5人集まって談笑しはじめると、もうサッパリ何を言っているのか聞き取れない。

だがそんな混乱の中にいた僕も、何かが変だと徐々に気がつくようになった。 ある日、昆明には珍しく雪が降った。昆明は普段非常に温かいので、学校の宿舎には暖房設備がなく風呂もお湯が出ない場合が多い。よって筆者は雪降る中、冷水で風呂を浴びるという苦行の様な学生生活を送ることになったのだが、ともかく、学生達は珍しい雪を見て大騒ぎになった。ある学生が外に飛び出て、校舎の中に居る学生に向かって大声で叫んだ。「シャーシュー!シャーシュー!」

そばで聞いていた僕は、「シャーシュー」の意味が全く理解出来なかった。だが折しも学校には非常に訛りに強いタイ系の少数民族出身の友達が居たので、彼に何と言っているか通訳してもらった。彼曰く「…僕もよくわからないが、多分 下雪=xia xue のはずだと思う。」という答だった。つまり恐らくだが、彼らの話す中国語には、ue という発音がなく、u: に変わる方言を話しているのだ。

とにかく学校で使っている音声教材の人が話す言語と、その周りの人が話している言語とが、まるで同じ言語の様な気がしないのだった。 そんなことを考えていたある日も、部屋に居たら外を学生がお喋りしながら通り過ぎた。「ビエプスシューーー!」 昆明に居ると、しばしばこの「プスシュー」という発音を耳にするのだが、これが一体元々何の音が訛ってこの音になったのか、筆者には全く皆目検討がつかなかった。 ある日ふと、この「ビエプスシューが 别说=bie shuo=言わないで!」という意味だと気付いた。 つまり有気音の子音に付いている気音(フーという音)が、全て舌擦音の「スー」という音に変化する、という法則で訛っているらしいことに気付いたのだ。 同時に加えて二重母音の uo が u: に変わるという法則も見て取れる。この様に複合で変化すると、外部人にとって元の発音を復元するのは極めて困難な作業となる。


3.ラオ語・タイ語での訛り

僕は、上記の昆明での方言地獄体験をする前に、タイでラオ語の方言を研究していた。昆明の方言の様に、子音/母音の入れ替わりで方言が発生するパターンは、ラオ語の方言で極めて一般的だ。

タイ語で「出来ない」を「マイダイ」という。 イサーン語(ラオ語)では「ボダイ」という。この二つの言い方の間に色々なバリエーションがある。例えば、ミャンマーの東側地域に住んでいるダイヤイ人(シャン州に住むシャン人)は、タイ民族の一派だ。ダイヤイ語で「出来無い」を「アムライ」というらしい。中国の南部に住むダイルー人のダイルー語では「マーライ」という。この例を見ると、方言が、ダとラの入れ替わりによって起こる事が漠然と観察される。他にも沢山の単語でダとラの入れ替わりが見つかる。

「ダ⇔ラ」以外にも「サ⇔タ」「マ⇔バ」などの入れ替わりがある。これらの入れ替わりが、地方によって現れたり消えたりすることで方言が構成される。こうして言葉がグラデーションの様に地域によって少しずつ変化していき、最終的に違う言語になってしまう。 詳しくは、おかあつ日記 : 『ラオ語田舎弁の子音・母音の発音変化まとめ』 を参照。

つまりこの入れ替わりパターンが頭に入っていると、未知の方言を話す人と出会った時でも、大体何を言っているか推測補完して理解出来る可能性が上がる。このスキルは、外国語を学ぶ時、非常に重要な能力となる。

4.日本語の特殊性

日本語にも3で説明した子音の入れ替わりにより発生する方言があるが、日本の方言は3の様な単純な入れ替わりでは説明出来ない変則的な発音変化の法則が多いのではないだろうか、と筆者は感じている。筆者は、日本語のネイティブスピーカーであり、この日本の発音変化に馴染みがあるが、ラオ語・英語・中国語・タイ語の筆者がこれまで学んできた言語には、自分の言葉の訛りという概念では捉えきれない要素が多いと感じる一方、ラオ語・英語・中国語・タイ語で起こる方言の発生の仕方に類似が多い。

日本語の発音の特殊性についての考察は、別項「伊豆と逗子(仮題)」として改めることとする。

5.「バカ声アウトオブ眼中現象」

人間、聞きなれない発音を聞くと「なにこいつ、バカな声だしてんだよ。」と無意識のうちに言語脳に却下されてしまい、言語として認知できない。この現象を、筆者はバカ声アウトオブ眼中現象と呼んでいる。

『プルルルル』
例えば、唇を閉じてそのまま息を口から出そうとすると「プルルルル」という音を出すことが出来る。日本語では赤ん坊をあやすおじいちゃんが「プルルル」と音を出して赤ん坊を笑わせる用途などで利用されるのみであり、実際に言語として利用される事はない。だがこれを言語上の意味を持った子音として利用する言語もある。 日本人がその様な言語を学ぶと、その民族の人が「プルルルル」と言った時、それを言葉として認識する以前に「何こいつ赤ん坊をあやしてるおじいちゃんみたいな事やってんだよ、バカじゃねぇの?」という方向に思考が向いてしまい、その音が言語脳にバカ声として却下されてしまい、それが単語であると気がつくことが出来無い。


『あっーーーー』
他にも、声門閉鎖音を子音として使う言語も少なくない。この声門閉鎖音は、日本語では子音としては認識されない。だが日本人もしばしばこの声門閉鎖音を使うところを観察できる。これはしばしば「アッーーー」と表記される。「アッーーー」という表記は日本語の正式な表記方法ではないが、しばしば女性向けの同性愛漫画などで登場人物が激しい快感や苦痛や堪えている時の音声の表現として利用される事をご存知であろうか。日本語ではこの様に喘ぎ声以上の意味を持たないこの声門閉鎖音だが、この声門閉鎖音を言語上の意味を持った子音として利用する言語もある。日本人がその様な言語を学ぶと、その民族の人が「アッーーーー」と言った時、それを言葉として認識する以前に「何こいつホモみたいな声出してるんだよ、バカじゃねぇの?」という方向に思考が向いてしまい、その音が言語脳にバカ声として却下され、それが単語であると気がつくことが出来無い。

この様に自分の言語では意味のある発音として利用されない外国語の子音・母音が、無意識の内にバカ声として脳内で処理されてしまい、それを言葉として認識出来ない現象の事を、ここではバカ声アウトオブ眼中現象と呼ぶこととする。

なおバカ声アウトオブ眼中現象は、筆者独自の用語であり、一般的な認知のある表現でない事をお断りする。仮に、このバカ声アウトオブ眼中現象という用語を学術論文などの公共文章で利用しても、読者のコンセンサスを得ることが出来無いばかりか、著者の品位を疑われる危険性を伴う事に注意頂くと共に、バカ声アウトオブ眼中現象という用語を利用した事によって生じた損失損害について筆者は一切の責任を取らない事を悪しからずご了承頂きたく存ずる次第である。




6. 何故聞き取れないのか

日本人が外国語を学ぶと、何を言っているのか聞き取ることすら出来無い、という事が多いのではないか。日本人が発音を聞きとる事が出来無い時を、詳しく分析すると、いくつかのパターンがある。
    1. その言語自体が、聞いたことのない子音を持っている時。
      その外国語を聞いている時、その外国語の子音に日本語が持っていない子音があると、「バカ声アウトオブ眼中現象」が発生し、脳はそれを子音として認識出来ずに素通りしてしまう。これは音声教材などを利用し、繰り返しその発音を聞いて、それを子音としてはっきり意識することで克服することが出来るであろう。
       
    2. 話者の訛りによって発音が変化してしまい、同じ単語として同定出来ない場合。
      例えば、日本では地域によってハ行を発音せずサ行に変化してしまう人が居るが、この様な人たちはヒトと発音せずシトと発音する事が一般的だ。だが、かつてヒトという単語をシトと発音する人に出会った事がない人が、シトという言葉を聞いても、それがヒトの事と気が付かず、悩むであろう。この様に聞き取れるが理解出来無いというパターンがこの2に該当する。
    3. 話者の訛りによって聞いたことのない発音に変化してしまった場合。
      音声教材ばかり使って勉強をしていると、標準的な発音は完璧に聞き取れるのに、街中で話している人の言う事は全く理解不能という状態に陥ることが多いのではないか。誰もが標準的で正しい発音で話しているという訳ではない。訛りによって現れる特殊な発音は、不規則で元の言語に含まれない、学習者が聞いたことのない発音である場合が多い。その様な方言は、聞きとることすら出来無いので理解出来無い。これがパターン3である。訛りによって現れる特殊な子音は、不規則な場合が多く、具体的に音声教材などで網羅的に学習することが難しい。

    出来る限り「バカ声アウトオブ眼中現象」の発生を抑え、その間違った発音を正しい発音として推測保管し、正しい発音として同定し、かつそれを理解する能力が大切になる。 この能力を訛り補完能力と呼ぶこととする。また訛り補完能力の高さを訛り耐性と呼ぶこととする。
     
    訛り強度強化は、非ネイティブスピーカーに取っては、非常に困難なことであるが、知っている発音が多い事が、訛り補完能力の訛り耐性を上げるひとつのキーポイントだと考えられる。



    7.IPAを学ぶ

    IPAを学習する事が、訛り耐性を高める為に効果があるのではないか。

    IPAとは、世界の言葉の発音を、別け隔てなく表記する事が出来る、万能発音記号である。IPAは、正式には インターナショナル・フォネティック・アルファベット ( International Phonetic Alphabet/国際音声記号)と呼ばれ、インターナショナル・フォネティック・アソシエーション(International Phonetic Association/国際音声学会) によって制定された、世界の口頭言語の音声を表記する為の標準表記とされる。(言葉は、音声だけのものではない。音声で表される口頭言語にとどまらず、文字だけで表される言語・ジェスチャー・絵・記号・などで表される言語がある。)

    IPAが作られたのは古く1897年である。以降改版が重ねられ、最新版は2005年の改版で出来たIPA2005である。IPAは、外国語研究・言語学・言語療法・演劇・歌唱・辞書作成・人口言語作成・翻訳などで応用されている。

    参考:International Phonetic Alphabet - Wikipedia, the free encyclopedia

    IPAによって制定された標準記号と発音の対応表は、公式の表が定められている。公式対応表は、インターネットから無料でダウンロードできる。

    公式表のダウンロード
    Reproduction of The International Phonetic Alphabet (2005) Fullchart

    また記号と対応した音声を、録音し圧縮したものが、ダウンロード可能である。

    録音ダウンロード
    Phonetics Handbook Downloads

    これらは、恐らく様々な言語が持っている訛りを含む子音・母音が網羅されているはずである。これらの子音・母音を学習する事で、あらゆる言語の訛り耐性を強化することが出来るのではないだろうか。

    ノルウェー訛りの英語を聞いている時出会っても、ノルウェー語の発音を予め知っており、それが英語のどの発音と結びつくのかを知ることにより、訛りによる発音の変化が発生しても、推測補完することにより同定することが出来るのではないか。

    中国の僻地からやってきた人と普通語でコミュニケーションを取るときでも、その僻地の子音母音を知っていれば、元の発音として同定することが出来るのではないか。

    また逆に、自分の発音を、相手の発音に近づけてわかりやすく話す技術にも応用することが出来るはずである。



    8.訛りと音楽

    以前アメリカでイギリス出身の英語の先生に習っていた事があった。イギリス英語とアメリカ英語ってどの辺がどう違うのか質問した所、リズムが違うという回答を得た。その時先生は歌のようなものを歌ってそれを表現していた。それを筆者なりに日本語に訳すとすれば、それはアメリカ英語はシャバダバしているが、イギリス英語はタカタカしている、とでも言うべきか。

    アメリカ英語は、三連で跳ねるジャズのリズムに似ている。シャーバダーバといつも跳ねている。もしもジャズを聞いたことがない場合は、次の検索がお勧めである。Wes Montgomery を YouTubeで検索 / John Coltrane を YouTube で検索

    アメリカ英語は、リズムが跳ねている。例えば "Wow! What a beautiful flower, it is!" … これをアメリカ英語では(まぁかなり語弊はあるが)「ワーオ! ウァッタ・ビューリ・フォーフ・ラーワ・イット・イーズ!」という風に発音する。 いつも跳ねている。 一方、イギリス英語は、あまり跳ねた読み方をしない。これもかなり語弊があるが「ウォ!ワタビュテェフォフラウアエトエズ!」という風に発音する。

    筆者が個人的に「アメリカ英語だなぁ」と思うのは、若干古いが映画Love Storyなどがアメリカ英語の雰囲気をよく醸し出しているのではないかと思う。

    GoogleでLove Storyを検索
    YouTube でLove Story を見る
    アマゾンでLove Storyを見る

    筆者が英語を学んだのはこの映画の舞台であるマサチューセッツ州ボストンである事も関係しているかも知れないが、発音に非常に聞き覚えのあるものが多く、筆者は何度も見て発音を暗記した。

    他にもニューヨークのヒップホップ文化やダンスを扱った映画 Honeyは、わかりやすく良かったと思う。

    アマゾンでHoneyを見る
    WikiでHoneyを調べる

    主役はカルフォルニア出身という事でニューヨークの話し方ではないが、出演者 Joy BryantMekhi Phiferは、ニューヨーク出身とのことなので、ある程度の現地の話し方を見ることが出来るのではないか。

    余談だが、筆者はこの映画がニューヨークが舞台という事で、出演者の多くは実際にニューヨーク方言を話しているものだとばかり思っていたのだが、実は違うらしい。この映画がリリースされた頃はまだ今ほどインターネットコンテンツが充実しておらず、調べることが出来なかったのだが、今調べてみた所によると、実は出演者の多くは西海岸出身で、ニューヨーク方言を話すわけではないらしいことがわかった。ロケも実は西海岸で行なわれた事が多かったことをインタビューで聞いていたのだが、まぁ映画とは所詮作り物の世界である事を思わざるを得なかった。この様なハリウッド映画を語学の研究素材として使う時は、注意が必要(往々にして使えないことも多い)と思わされた。

    一方イギリス英語は、筆者がまだイギリス英語をあまりきちんと学んでいないので、具体例をあまり知らないが、少なくともこういう喋り方はしないのであろう。

    筆者は、今コックニー英語と呼ばれる英語のロンドンの方言に興味がある。それは、筆者が滞在しているウドンタニー県にコックニー方言を話す人が多い事にも依る。先日、ある方がコックニー英語のコメディードラマを見て大笑いしているところを目撃したので、そのコメディードラマの題名を教えてもらった。 "Only Fools and Horses" というらしい。

    Wikiで "Only Fools and Horses" を調べる
    YouTubeで”Only Fools and Horses"を見てみる



    コックニーの酔っぱらいのオッサンによると、このコメディーで使われている言葉は全編コックニー英語であるらしい。実は筆者は、このコメディーをまだ見ていない。これからこのコメディーの解析に取り組むところである。

    日頃近所のイギリス人が話すのを聞いて、彼らの話す英語はアメリカの英語と比べ持っている音楽が違うという事をよく感じる。 話している語彙や文法は同じ英語なのだがノリが違うというか、リズムが違うというか、音楽は音楽なのだが、その音楽のジャンルが異なる気が筆者にはしてならないのである。アメリカ英語がジャズなら、イギリス英語はテクノポップスの様だ。

    言語と音楽は、実際に深く関係していることなのではないだろうか。アメリカの音楽は、それがヘビメタやロックンロールなどの白人の音楽であったとしても、黒人のゴスペルやR&Bに深く影響を受けており、切っても切り離せない関係にある。一方、イギリスは、黒人音楽の影響が小さいのではないか。 これが言葉にも影響しているのではないか。


    以下タイ語の方言と言われているイサーン語(ラオ語)の喜劇や音楽クリップである。イサーン語には、教科書・教則本・文法書・辞書などが存在しない。よって筆者は、以下のような喜劇を聞き、そこから単語や文法を拾った。

    水牛の上でおならをした少女(ラオの昔話) นิทานก้อม สาวน้อยตดใส่หลังควาย - YouTube


    競馬(ラオの昔話) นิทานก้อม เรื่อง แข่งม้า


    ラムコンサワン(ラオス・サワンナケット県の伝統音楽) ລຳຄອນສະຫວັນ lam konsawan 3 - YouTube

    こんな冴えないオッサンだが、歌を歌い始めた途端に、別人のように輝きだす。音楽だけで光っている感じ。ラオ南部の酔っぱらいのオッサン。


    チャウィワンダムナン ลำล่อง ชีวิตชาวนา โดย ฉวีวรรณ ดำเนิน - YouTube
    この人は恐らく最も有名な人で知らない人は居ないと思われる。特にこの演奏は名演。

    ラムサラワン・ລຳສາຣະວັນ..Lum Saravanh - YouTube


    参考: サウンドストリーム『ラオの民族音楽・モーラム』





    9.音楽と言語

    何故だかはわからないのだが、音楽と言葉は、極めて密接な関係にある。音楽は言語である。言語は音楽である。

    音楽と言語の密接な関係性には、証明も論理も証拠も何もない。筆者の勘である。よって「そんなものは信じられない」というなら、筆者は何も反論する事が出来無い。だがこの音に対する勘を持っている人には、同意が得られるのではないか、と筆者は思う。恐らく、この勘をどの様にして獲得するのかが、語学を学ぶ上で最も大切なことではないか。

    「言語は音楽だと? 何を偉そうにそんなことを言うのだ、言語と音楽など関係があるわけがないではないか。」と思われるであろうか。ひょっとしたら、実はまだ気がついていない大切な要素を見過ごしているだけ、ということはないのだろうか。 音楽演奏が得意な人は、大抵の場合、語学も得意だ。だが興味深いことに、語学が得意だからといって必ずしも音楽演奏が得意という訳ではない事だ。それは一体何故なのか。

    文字は、単なる意味を表す記号ではない。それは単なる意味上の表記だけではなく、その背後に音の世界が存在する。音から文字が創りだされているのである。文字から音が作り出される訳ではない。音から文字が作り出されるのである。音こそが言葉の本体であり、文字はその一部に過ぎない。 音に着目しないという事のデメリットは、日常会話として応用できないことだけではない。音に対する無理解は、知識としてみても価値のない、言葉という存在の表面をこすり取ったに過ぎない僅かな理解しか与えないのではないか。

    学校で教わる音声学など、AKB48を楽譜と歌詞だけで学ぶように面白くない。語学とは本来、爆笑するほど面白く、涙を流すほど感動的で、生きとし生けるものを震い立たせ、世の全ての男の視線を釘付けにし、男根を思いのままに震い立たせ、女の体を燃え上がらせる、人間の営みそのものであり、生きている間は二度と忘れない程、強烈に脳裏に焼き付くものである。言語は、学問ではない。飯を食らい、臭い息も吐く、生きている人間の為の、生きたツールなのである。たかだか知識が人間に何を訴えかけるであろう。 本能と直感だけで動く人間の考えに、理屈など通用しない。人間が脳で考えて話すというのは、大きな錯覚である。人間は考える股間である。 こうして、日本人を語学嫌いに仕立て上げ、大量の形骸化した知識を与えるばかりで、頭でっかちでプライドばかり高く実力を伴わない国際社会に於いて毒にも薬にもならない日本人を量産する日本の教育の罪深さを思う。



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