オフビートで思考する語学 とは私がツイッター上で語学/音楽のリズムでのリズムについて発言する時に使っているハッシュタグです。今回はこの オフビートで思考する語学 についてこの場をお借りして御紹介させて頂けましたら幸いです。
ハッシュタグ #オフビートで思考する語学 とは
上記がそのハッシュタグへのURLリンクになっています。
私は2005年から2017年まで12年間、海外を放浪していました。特に私は、タイ東北〜ラオスに住んでいる少数民族『ラオ族』が話す言語『ラオ語』の方言と民謡に興味を持ちました。
ラオ語と出会った時、私はラオ語のリズムが日本語と全く違うこと、そしてそのリズムが私が好きな音楽のジャンル「ジャズ」のリズムと似ていることに気付きました。
しかし何処が違うのか、その正体をはっきりつかみとることはできませんでした。私はその正体を知るために10年以上ものあいだ放浪し続けました ─── 最終的にその違いをはっきり理解することなく日本に帰国しました。
しかし私は、放浪中に私自身に起きていた私自身の変化に気付いていなかったのです。
私が帰国して一番最初に気付いたことは、山手線の車内アナウンスがとても気持ち悪いことでした。何故こんなに明らかに間違っている奇妙な発言を、毎日毎日耳にしても何も思わないのか ─── それをとても不思議な感覚で耳にしたことを覚えています。
その後私は、次々に私自身に起こった違いに気付いていきました。
私が気付いたことで特に衝撃的だったことは、ジャズの演奏を聴いたその最初の音で、その演奏が日本人の演奏かそうでないかを即座に判別が付けることができることでした。
私が日本に帰国してまずやったことは、ジャズのセッションのお店に行ったことでした。学生時代には毎週通っていた高田馬場イントロに、楽器を持って久しぶりに入った時の衝撃を私は忘れません。
何故なら、ホストバンドが三三七拍子を演奏していたからです。 私は最初にこれを聴いた時、てっきり冗談でやっているのだと思い爆笑しました。 それでこれは傑作だ!と思い、同意を求めようと周囲を見回しました。すると、誰も笑っていませんでした。
『あれ、全部三三七拍子だと思ってたわ…。』
— 岡敦🇯🇵 (@ats4u) April 29, 2023
Credit : https://t.co/6Ml37Aq8MC pic.twitter.com/CedFtTjdJp
彼らは、大真面目にジャズで三三七拍子を演奏していました。しかし、それが三三七拍子だと気付いている人は誰もいませんでした。
もちろんジャズで三三七拍子を演奏していけない理由は、なにもありません ─── しかし何かがおかしい。その理由は一体何なのか。
ここからが私の長い旅の始まりでした。
ジャズのリズムと三三七拍子のリズムには『両立しない何か』があることに私は気付いたのです ─── しかし、その『両立しない何か』とは一体何なのか…それを突き止めることは容易ではありませんでした。
2017年の出来事でした ─── この文章を書いている今は、2023年です。今私は、その両立しない何かが『末子音』の存在だと気付いています。
末子音を持たない日本語
※ 日本語と末子音の関係に関しまして詳しくは
末子音がない日本語 ─── 縦乗りを克服しようシリーズその22 で御紹介致しました。
10年以上私はタイ語だけを話して生活してきましたが、タイ語にははっきりした末子音があります。タイ語では、末子音をはっきりと発音できない限り、単語を正しく聴き取ることが出来ないのです。そのタイ語の視点から見れば、日本語には末子音がありません。
(※ 実際には私が話せるのはラオ語ですが、ラオ語はタイではタイ語の方言だと考えられている為、広い意味でタイ語とします。)
ところが日本の学者達は、日本語には末子音があると考えているらしいことを知り、私は再度仰天しました。学者ともあろうものが、自分が話す言語に対して客観性を失っていることがあるのだろうか ─── あるのです。
私は長らく悩みました。
私がたどり着いた結論は次の通りです。
───
日本人は、末子音を聴き分けることが出来ないだけでなく、末子音の存在すら認識できない。
衝撃的でしたが、これは客観的な観察から正しい様でした。
私は(非常に下品な表現であることは重々承知ですが)このことを次の様に表現しています。
日本人の見えない犬のうんこ
私は(非常に下品な表現であることは重々承知ですが)このことを次の様に表現しています。
その表現とは日本人の見えない犬のうんこ です。
私はしまいには、それをつまみ上げ、鼻先に吊るして、口の中に放り込んでしまうのですが、それでも気付かない彼らは更にモグモグ口を動かして、それを食べてしまっているのです。にも関わらず彼はその存在に気付くことがありません。
これはタイ語に限った話ではありません。英語・フランス語・ドイツ語・スペイン語・イタリア語 ・・・ 地球上の主要な言語は必ずと言っていいほど末子音を持っています。
外国語を話す時、末子音はとても大切です。末子音がはっきり発音できないと、運動能力が劣っており、頭が悪い人だと思われてしまうため、末子音の発音の正確さにはかなり気を使います。
しかし日本人は、末子音が認識できず、末子音をはっきり発音出来ないだけでなく、末子音が発音出来ないことを悪いことだとも思っていない。そもそも末子音がそこにあるということ自体が認識できないのです。
─── これが日本人の見えない犬のうんこです。
日本人と末子音の話をしていると、その末子音がはっきりと発音できないという事の是非自体を覆そうとして、最終的に末子音が認識できないことを正当化してしまい、何も変わらずに終わるのです。
犬のうんこは誰にとっても必ず汚いものです。末子音もそれと似ています。 末子音がはっきり発音できないことは、誰が考えてもとても恥ずかしいことなのです。ところが日本人と末子音の話をすると、それを全面的に拒絶したくなる…という現象が起こるようです。
この奇妙さは、末子音を犬のうんこに置き換えて説明するととても理解しやすくなります。 ─── 犬のうんこの話をしているのに「犬のうんこのどこが汚いんですか?」「犬のうんこなんてどこにあるんですか?」「そもそも何故あなたは犬のうんこをそうやって毛嫌いするんですか?」「そういうことを言ったら犬のうんこに失礼ではないのですか?」という様な話の展開になって、必ず犬のうんこなどという汚らわしいものが存在する筈がない ─── という結論に到達してしまうのです。
末子音の存在 ─── これを 日本人の見えない犬のうんこと表現することに、私は些かの躊躇も感じません。
日本人が外国語を聴き取れない理由は常に共通
日本人が聴き取れない発音は、フランス語/タイ語/英語/等々の言語の違いに関わらず、常に同じです。聴き取れないポイントは、次のようにまとめることができます。
-
強拍の後に付く末子音
このリズムは、一般的にスコッチスナップと呼ばれています。 -
強拍の前に付く末子音
このリズムには一般的な名称はありません。私は個人的にこれのことをアフリカン・スナップと呼んでいます。 -
強拍の前に弱起として現れる主語・動詞・助動詞などを含む節
これは私が尻合わせと呼んでいるリズム構成です。日本人は頭合わせで発音することから認識がずれて聴き取れない。
これらがどこにあるかを説明するために、私は近年ビデオを使って説明することを試みています。
日本語のリズムの盲点を見える化したビデオ
私はこれまで、日本人が音楽上で聴き取れないリズムがあること、そしてそれが英語が聴き取れない根本的な理由であることを示すビデオをいくつか作成してツイッター上で紹介しました。
これらのビデオは、ツイッター上で「 #オフビートで思考する語学 」と検索することで見つけることが出来るようになっています。
【日本人は裏拍を無視する】ハイスクール・ミュージカルのテーマソングには、オフビートから始まるリズムが現れます。しかし日本人には『1拍目オンビートから文章を解釈する。その前にある音は全て無視する。』という習慣がある為、そこに音があることに気付きません。
— 岡敦🇯🇵 (@ats4u) October 11, 2022
その地点を図示しました。 pic.twitter.com/s7Aufw4RCf
【日本人はオフビートが聴き取れない】 日本人が英語が聴き取れない理由は音楽のリズムの認識の違いと深い関係があります。
— 岡敦🇯🇵 (@ats4u) April 1, 2023
日本人がリズム上聴き取れない部位を見える化しました。#オフビートで思考する語学
Credit: Tape Machine の Boomerang Feauturing MIa Pfirrman
https://t.co/6GtW6DqEX4 pic.twitter.com/QzFHwUtoJm
終わりに
今回は、私が語学/音楽とリズムの関係について気付いたことについて #オフビートで思考する語学 というツイッター上のハッシュタグを使って発表している件に関して御紹介させて頂きました。
もし宜しければ御笑覧下さい…。
更新記録:
タイトルを<<オフビートで思考する語学>>から<<『オフビートで思考する語学』について>>に変更しました。 (Sun, 08 Oct 2023 23:38:31 +0900)
『何の躊躇も』→『些かの躊躇も』に修正しました。(Mon, 09 Oct 2023 15:26:31 +0900)