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2021年3月16日火曜日

アルゼンチン野菜の啖呵売り、口上テクノ化について ─── 縦乗りを克服しようシリーズその41 (oka01-fodqypvrdjdjyxoh)

僕は普段ネットを見る時は日本語を使わず英語だけでネットを見るようにしています。日本にいると外国語を使う機会はほとんどないので、普段から出来るだけ使うようにしないとどんどん忘れてしまうからです。それで最近見つけた面白いビデオで、アルゼンチンの野菜売りの女性のセリフを音楽化したビデオがあります。これは面白いだけでなく色々な勉強にもなりますので今回御紹介したいと思います。 

聞くだけで書き取ってみよう

この女性が喋っている言語はスペイン語です。スペイン語は子音と母音が交互に現われるため発音が日本人に馴染みやすい面があります。しかし日本語にはないリエゾンと呼ばれる連続する単語の発音の変化があり、聞き取りは決して簡単ではありません。

リエゾンはスペイン語だけでなく英語やフランス語などの日本語以外の多くの言語に現れます。リエゾンに慣れ親しむことはこれらの言語に慣れる最短経路とも言えます。なので今回慣れてみましょう。

まずこのビデオで意味を考えずに聞くだけで書き起こしてみてください。

この後に答えを書きます。答えを見る前にできるだけ自力で全てを出来るだけ正確に書き起こしてみて下さい。そして頑張って書き起こした物と答えを比べてみることで、どこを聞き間違えたかを確認してみます。

聞き取ったものと答えを比べてみよう

Llegó la verdura dura, esta verga sí está dura.
La verdura dura esta verga sí está dura.
¡Hey! Llegaron los que apretamos, chupamos, mamamos, pelamos, raspamos, mordemos, comemos, tragamos y después, la cagamos. ¡Hey, la verdura!


クレジット(但し上記にはやや修正を加えてあります。)
https://www.facebook.com/OsoGamingZ/videos/2309436722612496

日本語とその他の言語の発音の違い

実は僕自身もこの文章が何を意味しているかは知りません。しかしこれを書き起こしたものと比べるとしばしば単語の区切りを聞き取り間違えていることが多い、という事に気付かれたのではないか、と思います。

日本語とその他の言語の最も大きな違いはリズムです。日本語のリズムは頭にアクセントがあるため、最初に聞こえたアクセントを必ず単語の開始地点として解釈する習慣があります。しかし外国語はしばしば単語の音節の2つ目3つ目にアクセントがあるので、日本人が外国語を聞き取ろうとするとしばしばアクセントの前の音節を聞き逃ししてしまい、単語の途中から文を聞き始めてしまいます。これによって日本人は外国語を聞いた時「何を言っているかすらもさっぱり聞き取れない」という状況に陥ります。

そのことは次の記事で説明しました。

英語と日本語の発音の違い
数字の発音の仕方とリエゾン

外国語での方言

Llegó の部分を僕は『イェゴ』と聞き取ったのですが、Google Translate にかけてみると『ジェゴ』と発音していることがわかります。僕はこれを聞いて恐らく(ありがちなパターンとして)バルセロナのスペイン語とアルゼンチンのスペイン語と発音が違うのではないか、と思いました。何故ならばJ (R/L)の発音は世界中どこに行っても、しばしば地域や民族によって揺れて入れ替わるからです。

調べてみたところ、ここでその発音差について説明されていることを見つけました。
https://iwillteachyoualanguage.com/learn/spanish/spanish-tips/spanish-ll-pronunciation

そういえば僕が以前ドイツに滞在していたときバルセロナから留学していたカタルーニャ人の方と仲良くなって色々なことを喋ったことがありましたが、彼の名前はやや特殊で Lluiba と先頭のLを2つ続けて綴りました。彼のことをみなルイーバさんと呼んでいました。人によっては『スペルを見るだけで彼がカタルーニャ人だとわかる』といっていた人もいました。何故ならその人の名は  最初にLLと2つのLがつくカタルーニャ地方独特な綴りを使うからだ、と聞きましたが確かなことは僕にはわかりません。しかし今思うとその人の名は実は ルイーバさんではなく、ジュイーバさんだったのかも知れないな、と思います。

外国語の言い回し

英語であちこちの掲示板の書き込みを見ていたら、スペイン語では『la verdura dura(硬い野菜)』というものは不味くて食えないものの代名詞として多用される、と言及されているのを見かけました。恐らくその硬い野菜と何か違うものを掛け合わせて違うことを言おうとしているのではないかと思われます。

世界的に有名なスペイン語の名詞

中に chupamos チュパモスという単語が出てきました。… そういえば昔「チュッパチャップス」というキャンディーがあったのを思い出しました。調べてみたところスペインの会社だということがわかりました。チュパモスは舐めるという意味なのだそうです。だからキャンディーの会社なのですね。

解明できなかった発音変化について

僕がわからなかったのは ラカガモス!の前に言ってるフェンテです。『フェンテ』と発音しているのに、ネイティブで書き起こしている方々はみんな揃って después (デスポエス)と書き取っています。意味はこれで正しい様ですが、恐らくここに何らかの発音変化がここにある筈ではないか、と思います。ネットであちこち調べ回ったのですが、その発音変化のルールはわかりませんでした。

この野菜売りの翻訳について

上記の文章をグーグル翻訳に掛けてみました。
Google Translate

外国の音楽のミュージシャンを目指すということについて

もし南米音楽のミュージシャンを志すならステージ上でこの野菜売りの女性が目の前で喋っているのと同じ覚悟で演奏しなければ本物とはいえないのではないか、と僕は思います。島国でのうのうと平和に暮らす軟弱な日本人がこの女性と共演した日には完膚なきまで言い負かされて討ち取られ何も言い返せずに終了するでしょう。いつこの女性と出会っても討ち取られないだけの緊張感を持って練習に励みたいと思います。


追記:アルゼンチンの野菜売り女性の横顔

偶然この女性を他の方がビデオに撮ってアップロードしているのを見つけました。

強烈なインパクトですが負けないようにがんばりましょう!

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著者オカアツシについて


小学生の頃からプログラミングが趣味。都内でジャズギタリストからプログラマに転身。プログラマをやめて、ラオス国境周辺で語学武者修行。12年に渡る辺境での放浪生活から生還し、都内でジャズギタリストとしてリベンジ中 ─── そういう僕が気付いた『言語と音楽』の不思議な関係についてご紹介します。

特技は、即興演奏・作曲家・エッセイスト・言語研究者・コンピュータープログラマ・話せる言語・ラオ語・タイ語(東北イサーン方言)・中国語・英語/使えるシステム/PostgreSQL 15 / React.js / Node.js 等々




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