半音階ドレミは、ドレミの改良版です。普通のドレミでは、半音を ド♯(ドのシャープ) シ♭(シのフラット)などと長い名前がついていますが、半音階ドレミはこれらの半音についてもド・レ・ミなどと同じような1音で言い切れる名前をつけます。こうすることによって、普通のドレミでは正しく読むことができない全ての音程を正しい音程で読もうというのが、半音階ドレミの趣旨です。今回はこの半音階ドレミについて説明したいと思います。
半音階ドレミとは
半音階ドレミは日本では全く無名です。海外でも決して『非常に有名』という訳ではありません。しかし音程を学ぶのに便利なため世界中に根強い支持者がいます。
半音階ドレミはいくつかの流派がありますが、現在ネット上で最もよく見かけるのはアーロン・シェアラー式です。これは一般的なドレミの母音を入れ替えることで♯・♭を表現する方式で、ドレミに馴染みがあると比較的学びやすいという特徴があります。
アーロン・シェアラーは1919年生まれのクラシックギター奏者で米国クラシックギター教育の父と呼ばれ幅広い支持を得ている奏者です。
アーロン・シェアラーの著書 1990年発売の Learning the Classic Guitar, Part 2 でアーロン・シェアラーは半音階ドレミを説明しています。
ここでご紹介する半音階ドレミは アーロン・シェアラー版を私が若干拡張したものです。拡張アーロンシェアラー版は、オリジナルのアーロン・シェアラー版との基本的な互換性を維持しながら、複雑な転調を多く含むジャズ理論の学習を行うために必要な三重・四重変化記号(トリプル ♭♯・クワデュープル ♭♯)を追加し整理したものです。
ビデオで覚える半音階ドレミ
私が作った練習用ビデオがあります。独自開発したコンピューターによる音声自動歌唱読み上げアプリケションを利用し、全音名と考えうる全ての音程を網羅的に読み上げたビデオです。約1時間30分聞き流すだけでだいたいの概略を頭に入れることができます。
またこれらの内容は全てPDFでも公開されています。
これらの資料は英語で作成されています。
そこでこれから、日本語で簡単な説明をしてみたいと思います。
音名
♮ナチュラル
- 音名のナチュラルは普通のドレミと同じです。
- シは英語の発音に習ってティに変えます。
- レはRとLの発音を区別する為ウェに変えます。
(Rをワ行に割り当てる理由はこちらを参照)
ド・ウェ・ミ・ファ・ソ・ラ・ティ・ド
♭フラット
- 母音をエに変えます。
- 既に母音がエの時はアに変えます。
デ・ウェ・メ・フェ・セ・レ・テ・デ
♯シャープ
- 母音をイに変えます
- 既に母音がイの時はアに変えます。
ディ・ウィ・マ・フィ・スィ・リ・タ・ディ
𝄫 ダブルフラット
- 母音をダウに変えます。
ダウ・ワウ・マウ・ファウ・サウ・ラウ・タウ・ダウ
𝄪 ダブルシャープ
母音をアイに変えます。
ダイ・ワイ・マイ・ファイ・サイ・ライ・タイ・ダイ
♭𝄫 トリプルフラット
- 母音をアエに変えます。
ダエ・ワエ・マエ・ファエ・サエ・ラエ・タエ・ダエ
♯𝄪 トリプルシャープ
母音をアオに変えます。
ダオ・ワオ・マオ・ファオ・サオ・ラオ・タオ・ダオ
基礎練習
半音階(クロマチックスケール)
上行: ド・ディ・ウェ・ウィ・ミ・ファ・フィ・ソ・シ・ラ・リ・ティ・ド
下降: ド・ティ・テ・ラ・レ・ソ・セ・ファ・ミ・メ・ウェ・ワ・ド
全音階(ダイアトニックスケール)
フラット
ド・ウェ・ミ・ファ・ソ・ラ・ティ・ド|ド・ティ・ラ・ソ・ファ・ミ・レ・ド
ファ・ソ・ラ・テ・ド・ウェ・ミ・ファ|ファ・ミ・ウェ・ド・テ・ラ・ソ・ファ
テ・ド・ウェ・メ・ファ・ソ・ラ・テ|テ・ラ・ソ・ファ・メ・ウェ・ド・テ
メ・ファ・ソ・レ・テ・ド・ウェ・メ|メ・ウェ・ド・テ・レ・ソ・ファ・メ
レ・テ・ド・ウェ・メ・ファ・ソ・レ|レ・ソ・ファ・メ・ウェ・ド・テ・レ
ワ・メ・ファ・セ・レ・テ・ド・ワ|ワ・ド・テ・レ・セ・ファ・メ・ワ
セ・レ・テ・デ・ウェ・メ・ファ・セ|セ・ファ・メ・ウェ・デ・テ・レ・セ
シャープ
ド・ウェ・ミ・ファ・ソ・ラ・ティ・ド|ド・ティ・ラ・ソ・ファ・ミ・レ・ド
ソ・ラ・ティ・ド・ウェ・ミ・フィ・ソ|ソ・フィ・ミ・ウェ・ド・ティ・ラ・ソ
ウェ・ミ・フィ・ソ・ラ・ティ・ディ・ウェ|ウェ・ディ・ティ・レ・ソ・フィ・ミ・ウェ
ラ・ティ・ディ・ウェ・ミ・フィ・スィ・ラ|ラ・スィ・フィ・ミ・ウェ・ディ・ティ・ラ
ミ・フィ・スィ・ラ・ティ・ディ・ウィ・ミ|ミ・ウィ・ディ・ティ・ラ・スィ・フィ・ミ
ティ・ディ・ウィ・ミ・フィ・スィ・リ・ティ|ティ・リ・スィ・フィ・ミ・ウィ・ディ・ティ
フィ・スィ・リ・ティ・ディ・ウィ・マ・フィ|フィ・マ・ウィ・ディ・ティ・リ・スィ・フィ
応用練習
ここまで慣れたらビデオや教科書を使って更に高度な音階練習をしてみましょう。
ビデオ版教科書
教科書
ビデオ版教科書を何度も聞いて耳を慣らしつつ、教科書を使って音名を確認して行きましょう。
まとめ
駆け足でしたが半音階ドレミ・クロマチック・ソルフェージュを御紹介させて頂きました。
御質問御要望等々御座いましたら オカアツシ(フェースブック)或いは オカアツシ(ツイッター)までどうぞお気軽にメッセージ頂けましたら幸いです。