タイの東北部に僕がよく知るTという街がある。奥地の中の更に奥地にある街だ。僕はその街から40kmくらいの場所に住んでいたので比較的よく知っている街だ。この街は、ベトナム戦争時に多くのベトナム移民がやってきたことで知られる街で、街の住民の9割位はベトナム系移民だ。
ベトナム系意味の彼らはタイで「コン・ユアン(=ユアンの人)」と呼ばれている。ユアンという呼び名がどういう由来を持っているのか、はっきりしたことはわかっていないが、恐らく中国語でベトナム(越南・ユエナン)=という単語から転じて定着したのではないか、という説がある。中国語とベトナム語は共通の単語が多いので、ひょっとしたらベトナム語でもユエナンと呼ぶのかも知れない、とも思うが、はっきりしない。
ベトナムも多民族で、国と固有の民族が結びついていない。 よって『ベトナム人』と言っても人によって民族的に大きなバラツキがある。南部の方がタイ系の民族が住んでいると耳にしたことがあるが、寡聞にしてはっきりしない。国境向こうのラオスの首都のビエンチャンに行くと、やはりベトナム系の移民がたくさん住んでいる。だが明らかに顔の特徴が違う上、話し方(方言の訛り方)も全然違うので、恐らく民族的には全然別な人らではないか。
僕が個人的に思うのは、ユアンの人たちは目元に特徴があることだ。ユアンの人は大抵つり目で目の間がほとんどくぼんでない。タイ東北のラオ系住民は目が丸く、目と目の間が深くくぼんで サングラスをかけると鼻から浮いてしまう程だ。よって、ユアンの人らとラオの人らの判別は、顔を見ただけで即座につく。
ラオ系民とユアン系住民は、仲が極めて悪い。どちらもタイという国家の中ではマイノリティーだ。だが人口が違う為、どちらが『差別』なのか判別しづらいところがある。ラオ系はタイ国内で50%前後の人口を締めている一方、ユアン系は人口が非常に少ない。ユアン系は商売をしている事が多く、ラオ系住民を激しく差別している一方、ラオ系はそういうユアン系商人を激しく差別しており、まともな人間扱いを与えることはまずない。
僕はラオ系の人から、「T街に住んでいるユアン系は、国民証の番号が特殊なのだ」という話を聞いた。国民証の番号を見ればその人がユアン系かどうか判別がつくという。
だが先日僕は、ある事情通の友達から「実は国民証の番号付けの法則を理解してさえいれば、国民証を見るだけで、その人の出身民族を当てることが出来る」という話を聞いた。その人の両親がタイ人かどうか、移民かどうか、タイ生まれかどうか、それらは全て国民証の番号を見ることで判別することが出来る、という。(つまり僕は、国民証の番号が差別化されているのはユアン系の人らに限らないということに、その時点でようやく気付いた。)
なお、この国民証番号の付け方に法則があるという事実は、僕が知る限りだが、タイの人の間でもあまり知られていない。その理由は恐らく、単なる無知だけで はない。それは地元民にとって、顔や話し方などで容易にその人の民族・出身が判別できてしまうことにもよる。つまり、その人の民族・出身を知りたいとして も、わざわざ国民証番号を見るまでもないという場合がほとんどだからだ。「国民証を見るまでもない」ばかりか、尋ねる必要性すらない。顔を見ればわかることだ。
この国民証番号の差別を知った時、非常に不愉快だった。国民証番号で民族差別されている…? 国を挙げた差別行為ではないか。 僕の脳裏に「タイ人にはなりたくない、タイはこういう面が未だに後進国で、未だに差別が根絶できないのだ…。」という考えが一瞬だけよぎった。そして「日本はそういうことはないな」という結論が一瞬だけ脳裏に現れ、次の瞬間、ハッとある事に気付いて愕然とした。
日本も全く同じなのだ・・・・・・!!
その国の権力者にしてみれば、その国の国民の民族組成は、最重要の情報だ。権力者は自国の民族組成を完全に把握する必要がある。一方で、自国の民族組成は、最重要機密でもある筈だ。民族組成の情報は、出来るだけ外部に漏らしたくない。外国は愚か、その自国民に対してすらも秘密なのではないだろうか。
民族組成が重要な情報だからこそ、タイの権力者は、国民証番号に「知っている人だけがわかる」ような民族を見抜く仕掛けを作ったのではないだろうか。これと同じものが恐らく日本にもある筈だ。
ここで更に僕は、ふとある事に思い当たった。それは差別撤廃が権力集中を推し進める為に有利に働くのではないか、ということだ。その国の権力者の民族情報は、最重要機密の中でも最高クラスの機密の筈だ。何故なら、往々にして、国の権力を司る人は、実はその国のマイノリティーであることが珍しくないからだ。
大抵の国は『差別撤廃』に力を入れている。差別とは、民族の違いを明らかにすることだ。民族の違いをはっきりさせて記録することが国是であるはずなのに、何故『差別撤廃』・・・すなわち、民族の差を曖昧にすることに力を入れるのだろうか。それはひょっとしたら、権力者たちが、自分らの民族情報を撹乱して国民から隠す為ではないのか・・・・。
日本にも部落・朝鮮・穢多・非人・アイヌ・等々の様々な差別がある。日本政府はこれの廃止に躍起になっている。差別は悪いことだと教える教育にも力を入れている。学校でも差別は悪いことだと習う。
だが僕はここで、差別は決して悪くないことだ、ということを主張してみたい。差別はコミュニティー全体に強い方向性を与え、怠慢や欺瞞などの社会にとって害悪となりうる行為を繰り返す悪質な常習犯を排除することが可能になり、結果的に産業や経済の発展を加速する。
僕自身、貧民街の出身であり、貧困層出身である。自分の力ではどうにもならない社会的な地位によって差別的に扱われて悔しい思いを何度もしてきた。だが僕は差別を克服して、成功もしてきた。よって、差別に対して比較的肯定的である。自力で差別を跳ね返すことが出来るなら、自分が差別しても問題はない。
よって今回は、朝鮮差別をより強力に推し進めるべきである、という論を繰り広げてみたい。
現在の日本の朝鮮差別は効率が悪く、全くの的外れな差別と言わざるを得ない。日本の差別は、差別としてあるべき体裁すらなしていない。日本の差別をより正しい差別へ導く為には、まず日本に住む朝鮮人=在日朝鮮人の民族組成をより細かく研究する必要があろう。
まず日本人がひとつ知らねばならない事は、「在日朝鮮人」と呼ばれるグループは単一の民族ではない、ということだ。朝鮮半島は多民族居住地域だ。在日=それは「朝鮮半島を経由して渡来した」という程度の意味合いでしかなく、具体的に特定の民族を指さない。
では朝鮮半島の民族組成にはどの様なものがあるのだろうか。朝鮮半島の民族組成を調べる為には、朝鮮語の方言の分布などを研究することも有用だと思われる。何故なら、方言は緩やかに特定の民族と結びついている事が多いからだ。
朝鮮語の方言は大きく分けて東北方言・西北方言・中部方言・東南方言・西南方言・済州方言の6つ存在する。(ウィキペディア(日本語) / ウィキペディア(英語) より)
- 東北方言
- 咸鏡道方言 (Hamgyŏng)
- 六鎮方言 (Ryukchin)
- 西北方言
- 平安道方言 (P'yŏng'an)
- 中部方言
- 黄海道方言 (西北方言) (Hwanghae)
- ソウル方言 (京畿道方言) (Gyeonggi)
- 嶺東方言 (Yeongdong)
- 春川方言 (Chungcheong)
- 東南方言
- 慶尚道方言 (Gyeongsang)
- 西南方言
- 全羅道方言 (Jeolla)
- 済州方言
- 済州方言(Jeju)
日本敗戦前は、朝鮮から日本に何度も何度も人が渡っている。元々、日本敗戦前、朝鮮半島は日本国だった。つまりビザがなくとも合法的に日本に出稼ぎに来ることが可能だった。つまり今よりもずっと頻繁に渡来してきた筈だ。だが朝鮮半島から日本に人が渡ってきたのは、何も敗戦前の出稼ぎ労働者だけではない。歴史的に見ると、明治時代よりも前・遡ること紀元前の昔から、朝鮮半島から日本に時代を超えて何度も人が渡ってきていることが既に明らかになっている。
詳細はウィキペディアなどで確認していただくこととして、詳細に踏み込む前に、ここでひとつだけ明らかにいえることがある。 それはつまり、日本国内で「朝鮮人」と一律に呼ばれている人らも、日本に渡ってきた年代、日本に渡ってきた理由・日本に渡ってきた経路、日本に渡ってくる前に住んでいた地域によって、民族に大きなバラツキが見られる、ということだ。
つまり少なくとも1つの事が言える。日本に渡ってきて日本国に迷惑を掛けている粗悪で低民度な朝鮮人を叩き潰す為には、今現在朝鮮人と呼ばれている人たちの民族組成を明らかにする必要がある、ということだ。現在は一律に「朝鮮人」と呼ばれている人らのなかにも、実は日本国にとって有益な人らもいる。朝鮮人と呼ばれる人らの中にも日本国に尽くしている人がいる。にも関わらず、同じ朝鮮人と呼ばれる人らに日本国に迷惑を掛ける輩が混ざっているが為に、差別されてしまう。そんな日本にとって有益な朝鮮人が差別され、日本国に思う存分尽くすことが出来ないということは、日本国としても不利益なことである。
この問題に対処する為に、朝鮮人と呼ばれている人たちの民族的な内訳をもっと徹底的に分析すべきだ。日本国に迷惑を掛けている粗悪な朝鮮人の民族組成を明らかにし、徹底的に狙い撃ちにする。そして真面目に日本に尽くしている朝鮮人をきちんと分離し、彼らに対する誤爆を可能な限りゼロ%に近づける。そんな努力、それが日本国をより豊かで強い国として成長させるのではないか。
次回は、日本の国境付近の政治分析を兼ねて、チェジュ・対馬・壱岐島・山口県西部に住んでいる歴史的な豪族とその民族組成を分析してみたい。