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2011年5月26日木曜日

通じないタイ語 (mixi05-u459989-201105260158)

ミクシ内で書かれた旧おかあつ日記を紹介します。
通じないタイ語
2011年05月26日01:58
まだタイ語しか話せなかったころ、何で僕が話すタイ語が通じないのか理解に苦しむ事が何度もあった。しかし、それが何故なのか最近だんだんわかる様になってきた。

最近タイ語もラオ語も上達して、ますますラオ人(イサーン人)の見分けがはっきりつくようになった。 それは、本物のタイ人の人とも多く関わる様になった事にもよる。 本物のタイの人は、タイ語がムチャクチャ上手だ。 当たり前だが。こちらが話すタイ語のニュアンスのおかしさをギャグにしてどんどん話が進んで、話に置いていかれる。 多少タイ語が間違っていてもどんどん理解してくれて、どんどん直されて、こちらが話すスピード以上の速さで話が展開する。

イサーンの人とタイ語で話すとこうはいかない。 イサーンの人とタイ語で話すとしょっちゅう話がトンチンカンになって混乱する。 イサーン人は、タイ語がわかっている様であまりわかっていない。 イサーン人とタイ語で話すと、話が通じなくてしょっちゅうイライラする。しかし今の僕にとってこれももはや問題ではない。 僕は最近イサーン語が話せる様になったからだ。 イサーン人とイサーン語で話すと、ビックリするくらい話が通じる。これも当たり前ではある。 多少発音がまずくてもどんどん理解してくれて、どんどん直される。 やはり、こちらが話すスピード以上の速さで話が展開する。

僕のタイ語が通じないのは、僕の容姿にもよる。 僕は誰がどう見ても外人で、どうみてもタイ語を話したり、よもやイサーン語を話すなどと想像する人は居ない。 そんな僕がタイ語で話しかけると、タイの人は、驚いてもんどりうってしまう。 今日も食堂で「チャーノムイェン(ミルクティー)ください」と言ったら「んなもの、ない!」と言われたりした。 ない訳はない。「ありますよ! だって昨日飲んだから!」と言ったら「あぁそれなら」と言って「チャーノムイェン」が出てきた。 「あぁそれなら」ではないだろう、と思った。 これは要するに驚いて混乱しているのだ。 驚いて混乱しているだけなら、二度同じ問題が起こることは絶対にない。 実際このおばさんも二回めからはこういうことがなくなった。 こういうことが起こったとき、こちらもあまり過剰に反応しないほうがいい結果が出る。 放っておけばそのうち直る。 逆に無理して丁寧に話そうとしたり、あれこれ説明しようとしたりすると、余計混乱して話がこんぐらかる。


しかし、である。 何度話してもなかなかタイ語が通じない人というのが、バンコクには居る。 しまいには「外人は発音が悪い」とか言って文句をいわれる。 僕の発音は決して完璧ではない。それはわかっている。だけど理解するのには充分ではあると思う。

この人は、タイ人じゃない。 かといってイサーン人でもない。 つまり潮州人の華僑なのだ。 この人たちも、イサーン人と同じで本当はタイ人じゃない。 だけど、一応建前上「タイ人です」と言ってしまっているので、一生懸命タイ人のふりをしている。 だけどタイ語はネイティブ言語じゃないので、イサーン人と同じで、いまいち上手じゃない。



僕が今泊まっているゲストハウスのオーナーのおばさんは、僕が何度話しかけても、「あ?」「は?」と聴き直してくるので、結構疲れる。 このおばさんは、タイ語が話せない訳ではけっしてないし、普通にタイ語は話せるのだけど、発音にかなりクセがあるし、特に聞き取りにかなり難がある。 だけど、それはそういうもので、致し方のないことだ。 僕だってタイ人ではない。 僕の発音もクセが強い。 僕だって人のことは言えない。 だから、ゆっくりはっきり話すようにして、発音の事を咎められても文句は言わない。

で、このゲストハウスの受付をしているもうひとりの人は、オカマでイサーンの人だ。 しかし彼女は絶対にイサーン語を話さない。 彼女は僕がイサーン語が話せる事を知っているが、それでも絶対に話しかけてこない。 飽くまでもタイ語を話す。 タイ人で貫き通す。

タイ語(イサーン語)で「サップレックレックコルー(包丁つかって野菜を切っている所を見るだけでわかる)」 というのだけど、イサーン人は見る人が見ればすぐにイサーン人だとわかる。 僕もこの人がイサーン人だということは、すぐわかる。 だけど、それは絶対に言ってはいけない。

このオーナーとオカマの会話を毎日見ていて、色々考えさせられるものがある。 このオカマの人は、僕に絶対に深く話しかけない。 「どこ行くの?」くらいはいうけど、そこで色々世間話を始めると奇妙なくらいピタッと話を止める。 深く話すとボロが出るからだろう。 このオーナーのおばさんも同様だ。絶対に深く話さない。

この二人はいつも受付にこもって首っ引きで経理をやっているのだが、絶対に他の人を分け入らせないような雰囲気を醸し出していて、結構変な雰囲気だ。

僕はそれに気がついているけど、このゲストハウスでは、僕のタイ語ははっきりしないから、外人は話しにくい、という話になっている。 本当はそうじゃない。 だって、僕がイサーンの人にイサーン語で話しかけたら、こんなにトンチンカンなことにはならないもの。 要するに僕のタイ語がへたくそ、ということは飽くまで建前なのだ。

世の中には色々建前がある。 それを暴露するような無粋な真似をしてはならない。

僕のタイ語はへたくそということで、それでいい。

独り言終わり。

コメント一覧
nhat   2011年05月28日 00:19
ラオスに旅行に行った時、やはり旅行に来ていた4人のイサーン人(普段はバンコクに住んでる)と知り合ったのですが、バンコクで再会して一緒に遊んだ時 よく見てみると、周りに ぼく以外だれもいない時はイサーン語で話しているけど、周りに人がいる時は タイ語で話しているみたいです。
 
出展 2011年05月26日01:58 『通じないタイ語』

著者オカアツシについて


小学生の頃からプログラミングが趣味。都内でジャズギタリストからプログラマに転身。プログラマをやめて、ラオス国境周辺で語学武者修行。12年に渡る辺境での放浪生活から生還し、都内でジャズギタリストとしてリベンジ中 ─── そういう僕が気付いた『言語と音楽』の不思議な関係についてご紹介します。

特技は、即興演奏・作曲家・エッセイスト・言語研究者・コンピュータープログラマ・話せる言語・ラオ語・タイ語(東北イサーン方言)・中国語・英語/使えるシステム/PostgreSQL 15 / React.js / Node.js 等々




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