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2010年9月27日月曜日

領土問題(町内会版) (mixi05-u459989-201009271408)

ミクシ内で書かれた旧おかあつ日記を紹介します。
領土問題(町内会版)
2010年09月27日14:08
─── 日本の報道ではまだ主権の争いに対して客観的な視点もあるのに対して、こちらではまず「中国古来の領土」ありきという点が違いなのかと。 (ある香港在住の旧友が発した中国の報道に対する発言)

1...「領土問題って、隣のオヤジと、向こうのオヤジが、標識石をどこに置いたって喧嘩している様な物じゃないだろうか。 どちらの言い分が正しいかって見出すとキリがない。それよりは、近年ずっと黙っていたのに、何で今更日本がいきなり領土問題を持ち出して来たのか、っていうところを考えないといけない筈だよね。」



これはこういうことではないか。 隣のカミナリオヤジが、「戦後ここに土地を買って引っ越してきたとき、地主の目の前で俺が標識石を置いたんだ」とか言ったと思うと、向こうのハゲオヤジが「俺はその地主の甥だ! じっさんが死ぬとき俺に『この土地を守ってくれ』と遺言したんだ!」とか言ったりして。

で、近所のおばさんたちが「何十年も同じ町内会に住んで仲良くしていたのに何を今更...」とかうわさしていたかと思うと、物知り顔の団地の奥さんが「あら佐藤さんの奥さん、知りませんの? 実はあのハゲの田中さん、妾が居るんですのよ...それが実は神成さんの前妻の娘さんで...云々」とか爆弾情報が出てきたりして。 「...で、その子供の養育費を誰が払うのかで揉めてらっしゃるんだけど、田中さんがうんといわなくて... 神成さんも、世間体もありますでしょ? だからいきおい土地の事を持ち出してらっしゃるのよ...」 とかいって。



「中国古来の領土あり」っていいよね。 もちろん往々にしてそういう話っていうのは建前だ。 じゃぁ日本が客観的な視点を持ち出しているから優れているんだろうか。 それは違う。 こちらも建前だ。

往々にして、嘘って「理論的な説明」という法衣をかぶっている。 意図的に間違った理論が混入されており、そこに隠れた意図が存在するのだが、理論という縫い目の無い美しい法衣をかぶっているので、その意図が見えない。 そういう嘘を僕は「理論嘘」と呼んでいる。 ある程度の複雑さを持った理論の間違いを見抜くのは、独特な洞察力が必要だ。 ほとんどの人は、理論嘘を見抜けない。わざと間違った理論をたくさん並べると、それだけで「あぁ何か理屈っぽいから多分あってるんだろう」みたいな感じで相手を納得させてしまう。 理論嘘にはそんなパワーがある。

元々利害関係に理論もくそもない。 どんな無茶な条件でも、相手がうんと言えば、飲ませる事が出来る。 そこには何のリーズナブルな理由も、納得がいく説明も必要ない。 どんなにリーズナブルな理由があろうと、納得がいく説明があろうと、自分が不利益を被る理由にならない。逆に、相手に不利益をかぶせようとするとき、どんなに矛盾して理論の破綻した理由であっても、相手がうんと言えば、それで充分なのだ。 (ラオの昔話には、そういった駆け引きの真理を鋭くつくような話が多々ある。)

嘘はほとんどの場合、理論的だ。 男が女とネンゴロになるとき、結婚をちらつかせようが、家を買ってあげる話が出ようが、どんなリーズナブルな理由があろうと、結婚前にネンゴロになったのは事実であって、そのあと男が逃げだそうが、何であろうが、文句は言えない。 逆もまた然りである。 不利益を被せる時に、もっともな理屈なんか存在しない。



2...「領土問題って考えてみれば、ヤクザの肩引きみたいなところがあるよね。」

領土問題って考えてみれば、ヤクザの肩引きみたいなところがある。 たくさん路地がある小さな街にヤクザがたくさん居たとする。 肩がぶつかるとケンカになるので、みんな肩を引きながらすれ違う。 そういう状況下では、ヤクザが肩を引かなければ確実に衝突する。 肩がぶつかれば確実にケンカが発生する。 この街でケンカが発生したということは、どちらかのヤクザが肩を引かなかったということだ。 つまり肩を引かないことで因縁をつけたわけである。 何故そのヤクザは肩を引かなかったのだろうか。 そこに何か理由があるはずだ。

領土問題ってこういう状況と似ている。 領土問題というのは、国と国がぶつかりあっている場所な訳で、どちらかが肩を引かなければ確実に衝突する。 領土問題が勃発するときは、必ずどちらかが肩を引かなかった訳で、それは常に意図的なものだ。 何故、今、肩を引かなかったのだろうか。 そこには必ず理由がある。

先日カンボジアとタイの間で緊張が高まって銃撃戦が起こったりしたけど、あれもいい例だ。 元々タクシンがカンボジアと上手に交渉して緊張を下げて安定させていたのに、タクシンを追い出したかと思うと、新政府はカンボジアに対して急に強攻策を打ち出し始めた。

タイって実は軍が大きな権力を持っている国だけど、タイ国内が平和で安全になってしまうと、勢い「軍はあまり必要が無い」という事になってしまって、軍の権力が削がれてしまう。 軍が権力を集める為には多少政治状況が不安定な必要がある。 だからわざと緊張を高めていると考えられる。 相手を挑発して怒ったカンボジアが攻めてきてそれをタイ軍がやっつければ、軍はやっぱり必要なんだ、という話になる。ウルトラマンよろしく「やっぱタイ軍すげー」という話になって、タイ軍を尊敬する。

もちろん「理論嘘」で武装することも忘れていない。 タイも複雑な歴史背景とかを持ち出している。 頭のいい人はそういう難しい問題の解析に夢中になって取り組み始めるので、あっという間に全体像を見失ってしまう。 頭のいい人ほど騙しやすいものだ。 ネンゴロの男女と同じ。 不利益を飲まされるのに、合理的な理由なんてありえない。 理論的な男程、ダメな女に騙されやすい物だ。 それは俺か。

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P.S.

ビエンチャンにて... 昨夜、1週間ちょっと毎日顔を合わしていた人が僕をダマしている事のはっきりしたシッポをつかんだ。 今までも怪しいとずっと思っていたのだけど、昨夜ウソだということがはっきりした。 こちらがついたウソに乗ってしまったのだ。 今日、そのことを追求したら、まだとぼけているので、こっちも使いたくなかったけど、必殺技を出した。 従業員全員の前でウソの証拠を披露したのだ。 かなりダメージを与えた筈だ。

あぁあ。 何か飽きた。

もうビエンチャンも出よう。

何かラオって何なんだろうかと思う。

みんなでダマしあいバカしあいばかりやってて。

ま、それは日本も同じか。

P.S.2

「イサーンが好きです」とか「ラオス語勉強してます」とか「イサーン語を勉強しています」とか、言う日本人は多い。 僕よりラオ語が上手な人もいっぱい居る。 だけど、ラオ人のこういう政治駆け引きの上手さと、真っ向から取っ組み合って、ドロドロになって戦っている日本人ってほとんど見たことがない。 ラオ語が上手に喋れる様な頭のいい人程、ラオ人にあっさりダマされて、いいように使われてしまう。 タイ語を勉強している人なんて、もっとそうだよね。

で、みんな、そんなドロドロになって戦っている僕を見て「マニアックだ」とか「難解だ」とか「ウチワネタだ」とか「説明が下手だ」とか言って敬遠するんだよね。

さてね。
コメント一覧
うう   2010年09月27日 16:18
損得が発生しない程度の友達なら、
ウソも笑い話ですけどね…。
あたしはラオス人ではないですが、
国が違う人と一緒に仕事となると、
「ウソに対する罪悪感」のレベルの差とか、
「ついても仕方がないウソ」の許容範囲の差に
メロメロになります…。
つーか、今、メロメロにされてます。あーあ。

素朴な疑問。
おかあつさんは、
どうしてそんなにドロドロになってまで、
戦うんですか?
あたしは敬遠じゃなく、
逆にそこに興味がわきます。

さい   2010年09月29日 23:00
おかくんは
今が売り時だね
おかあつ   2010年10月01日 18:18
>おかあつさんは、どうしてそんなにドロドロになってまで、戦うんですか?

多分そっちの方が普通だと思うからです。

日本って例えば何か商品を発注するときとかでも、大抵手付金を払わないでも取り寄せてくれるじゃないですか。 あれってタイとかだとありえないですよね。 日本って知らない人でもある程度信用出来るんですよね。

多分これがまさに日本のものすごく特殊なところで、多分世界中どこに行ってもこんなことが出来る国って無いような気がします。

それに慣れきっていると、タイどころかどこにも行けないと思うのです。 だから、こっちの方法でグチャグチャになるまで慣れていれば、どこにでも行けると思うんです。(多分、ヨーロッパとかアメリカとかいう、もっと巧妙な嘘がはびこっている場所にも)

日本人って世界中どこに行っても「○○人は適当だ」「○○人はバカだ」って言います。 それって実は「日本人が世界的にも稀に見る几帳面な民族なんだ」という事の裏返しなんですが、みんなそれに気がつかないんですよね。

おかあつ   2010年10月01日 18:19
>おかくんは今が売り時だね
何を売んねん
さい   2010年10月05日 10:57
おかくんを
スポンサーとか
嫁とか
投資家とかに
 
出展 2010年09月27日14:08 『領土問題(町内会版)』

著者オカアツシについて


小学生の頃からプログラミングが趣味。都内でジャズギタリストからプログラマに転身。プログラマをやめて、ラオス国境周辺で語学武者修行。12年に渡る辺境での放浪生活から生還し、都内でジャズギタリストとしてリベンジ中 ─── そういう僕が気付いた『言語と音楽』の不思議な関係についてご紹介します。

特技は、即興演奏・作曲家・エッセイスト・言語研究者・コンピュータープログラマ・話せる言語・ラオ語・タイ語(東北イサーン方言)・中国語・英語/使えるシステム/PostgreSQL 15 / React.js / Node.js 等々




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