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2007年5月8日火曜日

trilingual (mixi05-u459989-200705081423)

ミクシ内で書かれた旧おかあつ日記を紹介します。
trilingual
2007年05月08日14:23
僕は、今まで、英語を勉強して、タイ語を勉強して、ラオス語もちょっと勉強して... というのは、ただの趣味だったのだけど、これが、いまや仕事になってしまった。 だから、ちゃんときちんと違いを含めて勉強しないといけないな... と思う。

何故かと言うと次のような問題があるからだ。

タイ語と英語は、文法的にかなり似ているところがあると、僕は思う。 タイ語も英語も、中学校の時に習う、SVOやSVOO・SVOCに似たような文法構造があって、これをマスターしていれば、ほぼ同じ様な感覚で話せる。

と こ ろ が 。

時折、全体の構造が真逆になることがあって、これが、ものすごく厄介なのだ。

一番良く間違えるのが、why の位置で、 英語だったら、

「何でそういうことするの!?」
why do you do like this?

となる。

タイ語は英語と違って転置が起こらないけど、もっとも英語も口語ではあまり転置させないので、普通は、

why you do like this?

となる。 で、ここからが問題なんだけど、

タイ語だと、

クンタムベープニータンマイ?
(you do like this , why ?)

と、疑問詞の位置が、すっかり全然違うところに来てしまう。
(らしい。 聞いているとこちらの方がよく聞く言い方なのでそちらの方が正式なのだと思う。僕はタイ語を正式に勉強した事が無いのでひょっとしたら違うのかもしれない。)

そうすると、タイ語でずっと話していて、突然英語を話すときなんかに、ものすごく混乱する。

you ... do ... like ... this ... (内心:あ!やべぇ! why 言い忘れた! もう遅いわ! えーい仕方が無い!)why?

となってしまって、英語がどうにもこうにも、しどろもどろになってしまう。


一番困るのが、条件句で、

It is not very hot if you eat it with cabbage.

ターキンカッ(プ)パッ(ク)コーチャマイペッ(ト)タウライ
if eat with cabbage then will not hot very much.

タイ語と英語だと文全体の言う順番が真逆になってしまう。

タイ語を話しなれた後で、英語を話すと、この順番の頭の切り替えが、ものすごく難しい。 これも、条件句を先にいっちゃってから 「...あ!」 と思っても後の祭り、ということがものすごく多い。

形容詞も困る。

そういえば、バンコクでは、タクシーメーターという名前のメーター式タクシーが沢山走っている※。 ここは突っ込みどころです。 「... 何でやねん。 普通『メータータクシー』やろが!」 違うのです。 タイ語は、形容詞が必ず後ろに来る言葉なので、タクシーメーターで正しいのです。

※昔バンコクのタクシーはメーターがついていなくて、運転手と交渉する必要があったそうで、トラブルが多かったようです。ということでメーターつきのタクシーだ、明示的に書いているそうです。

というわけで、これも、とても困る。 例えば、

英語
  long haired guy

タイ語
  プーシャイポムヤーオ
  (guy hair long)

と全く順番が変ってしまうので、とても困る。

僕は、頭の中で、タイ語は日本語と順序が逆、と覚えていて、これで慣れてしまっているのだけど、英語は、形容詞が手前に来るケースが多くて、ここを突如戻すのがかなり神経を使う。

ところで、日本語は、

日本語
  髪の長い男
  ( hair long guy )

だから、タイ語とも英語とも全然違う。

ホント言葉って難しい。


これは、普段から、『タイ語だと「xxx」 英語だと「xxx」日本語だと「xxx」』という風に 言い換えなれるように気をつけていないと、すぐ、この「言ってから、あ!」 アンチパターンに陥ってしまう。


しかし「三ヶ国語話せまーす! フランスイタリア英語でーす!」という人は、お気楽なもんだよな。 どれも、ココまでは違わないもん。 タイ日英は、単語系統も全然違うし、文法も随分違うし、ものすごく難しい。

※ ただ全然違うと言っても、日泰は微妙に似ているところがあって、さっきのタイ語「マイペットタウライ」=「いくらも辛くない」というように、この「いくらも ~ でない」という言い方がタイ語にもあったりするところは凄く似てる。

※※ ところが、タイ語には、どこからどうやって同じになったのか知れないけど、英語とも近い単語が結構ある。 例は忘れてしまった。

※※※ そういえば、フランス語はタイ語と同じで形容詞が後ろに来るという話を聞いたことがあるけど、本当かな。


※※※※ タイ語には「花火」「ドクマイファイ(花火)」 と、中国語を媒体として日本語と共通であることを強く匂わせる単語が結構ある。 タイ語が語源だったら、「ファイドクマイ」という風に修飾する言葉が後ろになるはずだから、多分タイ語じゃなくて中国語が語源なのだと思う。 ひょっとしたら、中国人って外国に行くと自国文化の名称を「そのまんま」現地語に直訳して意味不明な言葉を自作する事があるから、これもその一種なのかな...。 なんだっけ... 飲茶の料理の名前とかで凄い意味不明な英語の名前のヤツ、結構あったような … 忘れてしまった。


昨日、イギリス人でお店のコック長を勤めている人と一緒に、ビールを飲んでいる時、タイ語の話になった。 そのとき、英語圏の人に「主語を省略する」言い方を教えるのが、ものすごく難しいという事を知った。

これは、

ハイドゥームビヤ
let ( him ) drink beer

という使役の言い方の事を教えようとした時だった。

主体となる名称が無くても、文脈から推定できる時は普通言わない、というノリがつかめないらしかった。

これもまた余談だけど、ロシア語を勉強しているとき、ロシア語も日本語と同じように、主語を省略して話す場合がとても多いのだと知ったときは、とても驚いた。

ひょっとしたら、ロシア人に、このタイ語の主語省略の事を説明するとスッと理解するのかもしれない。

( もっともロシア語は、動詞が 主語の性別、人称、時制によって、凄まじい複雑さで変化するので、主語をいちいち言わなくても、主語が何であるかは確実に言い当てる事が出来るのだそうだ。 だからちょっと違うかもしれない。)

それに、英語では、普通そういう言い方はせずに、違った切り口でいう事が多いものだ。 色々な理由で、この言い方になじめないようだった。


考えないといけない事が沢山あって、いつまで書いても終わらないや...。 今日は、この辺りで一旦辞めにしよう。
コメント一覧
ジャコビ   2007年05月08日 14:50
どこかでおかあつさんも書いてたと思うんですが、言葉はその国の文化を如実に反映しますね。日本語を話すイタリア人の友人は、「日本語を習い始めた時、後ろに向かって歩いている夢を見た」と言っていました。
竹風鈴   2007年05月08日 16:13
>フランス語はタイ語と同じで・・・

仏、伊、葡などラテン語系はそうだと思います。
スペイン語を話そうとちょこっとがんばったことがありますが、やはり形容詞が後ろにつきます。
 例)カサ・ブランカ=家・白い=白い家


インドネシア語もそうなので、実は私にとっては結構体になじんでる感覚があります。
 例)オラン・ウタン=人・森=森の人
   (あの類人猿のオランウータンのことです。^。^)



おかあつ   2007年05月08日 22:38
ジャコビさん、
>日本語を話すイタリア人の友人は、「日本語を習い始めた時、後ろに向かって歩いている夢を見た」と言っていました。

いや、ほんとに、特に、西洋⇔東洋越えコースは、格別に難しいです。 天と地がひっくり返るような違いがありますもん。

竹風鈴さん、
>例)カサ・ブランカ=家・白い=白い家

へー!へー!へー! w(’o’)w


>例)オラン・ウタン=人・森=森の人

おーーーー! へーへーへー! w(’O’)w


英語って、 前から修飾するパターンと、後ろから修飾するパターンと、混在してますが、あれってナンなんでしょう。

ジャコビ   2007年05月08日 23:31
英語は、様々なインド・ヨーロッパ語の雑居状態なんだと聞いた事がありますが、それに関係しているのでしょうか?確かに、文法的な例外が異様に多い言葉ではあります。
 
出展 2007年05月08日14:23 『trilingual』

著者オカアツシについて


小学生の頃からプログラミングが趣味。都内でジャズギタリストからプログラマに転身。プログラマをやめて、ラオス国境周辺で語学武者修行。12年に渡る辺境での放浪生活から生還し、都内でジャズギタリストとしてリベンジ中 ─── そういう僕が気付いた『言語と音楽』の不思議な関係についてご紹介します。

特技は、即興演奏・作曲家・エッセイスト・言語研究者・コンピュータープログラマ・話せる言語・ラオ語・タイ語(東北イサーン方言)・中国語・英語/使えるシステム/PostgreSQL 15 / React.js / Node.js 等々




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