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2013年8月10日土曜日

コミュ障がネット依存症になる理由 (oka01-xgooarskgiewecsf)

最近、日本人のネット中毒が問題になっているという。ここでいう中毒とは、それに依存し、それなしでは居られず、正常な生活に支障をきたす事を言う。しかし待って欲しい。それは本当に中毒なのだろうか。 むしろ、新しい日本人の人間関係の方法論が生まれつつあるのではないか。

日本は巨大な民族ミキサーだ。北上する黒潮と、南下する親潮に囲まれ、海流が日本の周囲を回っている為、太古の昔から人も物も日本中を激しく行き来してきた。日本人は500km〜1000kmという距離を人生の中で何度も行き来できる。海のない大陸では、そうは行かない。大陸では500kmの距離を何百年もの時間を掛けて徐々に人が移動する。(日本は、世界で最も早く庶民に旅行という習慣が定着した国でもある。)

日本では、大陸のように民族の住み分けがはっきりと分かれず、様々な民族がゴチャゴチャに混ざり合いながら生活している。海流は、この巨大なミキサーの中に、世界中から様々な流浪の少数民族を供給し続け、激しく攪拌し続ける。日本人がどこから来たのか、もはや日本人にすらわからないという混沌。

日本に生まれ、日本しか知らないと、この特殊性に気が付かないものだが、これは世界的に見て極めて珍しいことだ。日本人は、バラツキが大きい。兄弟姉妹で海外に行くと、大抵現地の人に驚かれる。「兄弟姉妹なのになんでそんなに顔が違うの?」 普通、単一民族とはもっと均一なものだ。一目見てすぐにわかる特徴を持っている。単一民族の人は、気質も風貌も考え方ももっと均一だ。そんななかで、兄弟姉妹でも個体差が大きい日本人は、しばしば大陸の単一民族の方々を面食らわせる。

日本人は、大陸人が見ると、人によって中華系に見えたり、人によって朝鮮系に見えたり、人によってタイ系に見えたり、人によってロシア系に見えたり、バラバラらしい。そんなバラバラさは、風貌だけでなく気質や考え方にも現れている。混ざりすぎて、風貌と気質が一致しない人も多い。個人によってバラバラな日本人。これは複数の民族が、日本の巨大なミキサーによって攪拌され、混血した結果ではないだろうか。

そんな住み分けがない日本人の人間関係では、大陸の人よりも難しい自己表現スキルが求められる。村人同士が既に他人・他民族同士の集団であり、考え方も違う、感性も違う、価値観も違う他人同士の集団になる。日本人は常に、他人同士の集団の中で、他人の顔色を伺いながら、息をひそめながら自分を押し殺して生活する必要がある。

よって日本は、自分にとっての真の仲間を見つける事が、非常に難しい地域と言える。

そんな日本人に取って、ネットは画期的な存在だったのではないか。距離の制約を越えて、自分の仲間を検索出来る。地理的な制約を越えて、自分と感性・価値観・考え方が共通の仲間を検索出来る。

近年日本で「ネット依存症」が問題になっているという。最近その件に関する新聞記事を多く見かけるようになった。

そんななかで見つけた以下の様な記事を見つけた。この中で「ネット依存にはうまく自己表現できない人がなりやすく、バーチャル(仮想現実)の中で自分が認められたいとの思いがある」という一文があるが、これが筆者には気になる表現だ。

往々にして、ある人間が上手く自己表現出来るか上手くできないかは、彼の周辺の人間と彼自身の相性に依る部分が多い。自己表現が上手だった人間でも、場所が変わると、急に自己表現が上手く出来なくなることもある。自己表現が下手だった人間でも、場所が変わると、急に自己表現が上手く出来る様になることもある。

自分が自然に立ち振い、それが周囲の人間に受け入れられるかどうかは、飽くまでも周囲の人間との相性に依る。運良く自然に立ち振る舞うだけで、それが周囲の人間から受け入れられて快活に過ごすことが出来る人も居るだろう。逆に運悪く、自然に振舞っても、それが周囲の人間に受け入れられず「キモい」「ウザい」等批判され、肩身の狭い思いをする事もある。 これは飽くまでも、相性の問題であり、能力の問題ではない。

※ 筆者は東南アジアで生活するなかで、日本で非モテ系とされるタイプの顔が、東南アジアではモテ系として、自信たっぷりに大手を振って歩いているところを、何度も目撃している。 場合によってはアイドル歌手としてテレビに出ていることもある。 顔の好みは、民族によって大きなばらつきがある。 日本の様に同調圧力に押し込められた画一さはない。

にも関わらず、これを能力の問題と断罪し、その責を問う風潮に対して、筆者は強い違和感を感じる。

戦後交通機関が発達し、日本社会は更に激しく攪拌される様になり、日本社会は更に複雑化した。その様ななかでネットに救いを求める子供たちを断罪するこの様な記事に対し、筆者は強い危機感を感じる。

ネット依存は、本来ネットが創りだした問題ではなく、同質であることを強制する日本人の風潮が産み出した問題ではないか。本来、個を尊重し、話し合い、お互いに違いを受け入れることで、理解を深めていくべき人間関係が、暴力的な「空気」の理論によって、有無を言わせずにすりつぶされてしまう。そんな不条理な人間関係こそが、ネット依存の本当の原因ではないのか。


参考記事
おかあつ日記『標準村 ─ 住み分けについて』
上記で何度か住み分けという言葉が出てきた。筆者がいう住み分けとは何かについて説明した記事。

おかあつ日記『ゴリラ系彼女の逆襲』
タイプの違う人とコミュニケーションする為にはどうすればよいのか。イヌ系・ネコ系・ゴリラ系に分けて、考察する人気記事。 ─── 日本人は非常にバラツキが大きい。よって日本人の全員が他人を糾弾し、日本人の全員が自分の「コミュニケーション障害」に悩むという、非常に不幸な状況になってやしないか。他人を「空気読め」と罵る不誠実な人間の側に、必ず自分を「コミュ障」と思い込む、優しく誠実な人が居る ───

おかあつ日記『空気が読めない人とは』
空気という言葉が投影機制的に利用され、暴力的に同調させるツールとして利用されている現象について。

おかあつ日記『日本独特な人間関係の面倒臭さ』
三者居れば三様の気質がある日本の人間関係。三者揃ってバラバラな事を言って全く前に進まない日本の人間関係の複雑さを小説で表現してみた。

おかあつ日記『空気を読む日本人・空気を読まない日本人』
日本人は気質のバラツキが非常に大きい。この気質のバラツキは、外国に来るとより顕著に浮き上がって見える。筆者がタイ奥地で出会った経験を小説仕立てに仕上げてみた。


【以下魚拓】

山陽新聞 [社説]青少年とネット「どう使うか」を教えよう

http://www.sanyo.oni.co.jp/news_s/news/d/2013080507440577/

 子どもたちが日ごろインターネットや携帯電話にどう接しているか、保護者や大人たちはもっと真剣に知っておくべきであろう。

 全国の中高校生10万人近くが回答した厚生労働省研究班の調査で、「病的な使用」と判定され、ネット依存が強く疑われる生徒が8・1%もいることが分かった。平日のネット使用の平均が5時間以上としたのも中学生9・0%、高校生14・4%だった。

 推計すると、ネット依存の生徒は全国で51万人超に上る可能性がある。強い依存は昼夜が逆転して睡眠障害に陥ったり、食事が不規則になったりしやすい。体調や精神状態が崩れて不登校につながる恐れもある。専門家は「結果は氷山の一角」としており、社会を挙げての早急な指導や対策が必要だ。

 内閣府の別の調査では、青少年の携帯電話所有率(2012年度)は中学生で二人に一人、小学生で4人に一人に達した。ネットの利用も長時間化し、およそ3分の1が平日2時間以上利用していた。ネット依存の“予備軍”の増加が懸念されよう。

 今後もスマートフォン(多機能携帯電話)の普及で、深夜まで無料通話アプリやゲームなどを利用する傾向は強くなるとされる。ネットや携帯電話が現代の経済や文化、生活に欠かせないのは言うまでもないが、成長期の子どもたちの利用に関しては、その功罪をきちんと見分けることが大切である。

 睡眠や食事の時間を削ってまでネットにはまるのは、それが楽しく、安心できる空間だからだろう。専門家によると、ネット依存にはうまく自己表現できない人がなりやすく、バーチャル(仮想現実)の中で自分が認められたいとの思いがあるという。

 だが、バーチャルに安住すると、リアル(現実)との区別がそのうちあいまいになり、実生活で人との“生身”のコミュニケーションがしずらくなる。そう心配する関係者は多い。

 「ネットいじめ」など誹謗(ひぼう)・中傷が横行するのも、ネットの匿名性に隠れればどんなに過激で無責任な発言でも許されるからだ。そこでは相手の反応をどう思うかとか、他者を認め思いやる気持ちは育たない。

 その結果としての現代社会の歪(ひず)みを、作家の柳田邦男さんは「ネットの中のむき出しの感情や汚い言葉をリアルな社会にそのまま持ち込んでくる傾向が広がっている」と本紙(4月19日付「現論」)で警鐘を鳴らしている。

 非出会い系サイトを介して少女が性犯罪に遭うなど、ネットが犯罪の「入り口」になる場合もある。心身への影響はもちろんだが、こうしたさまざまな弊害を踏まえた正しい付き合い方を子どもたちに身につけさせたい。

 それは、「ネット社会」とどう向き合うのかという、大人の課題でもあろう。

(2013/8/5 7:44)


ネット依存:中高生51万人が「病的な使用」

毎日新聞 2013年08月01日 20時11分(最終更新 08月01日 21時09分)
http://mainichi.jp/select/news/20130802k0000m040048000c.html

 10万人超を対象にした初の全国調査で、インターネットに没頭してしまうなど依存の疑いの強い中高生が8%いたことが、厚生労働省の研究班(代表者・大井田隆日本大教授)の調査で分かった。「ネット依存」生徒は推計で全国で約51万8000人になる。依存が強いと睡眠の不調などを訴える割合も高く、研究班は「健康に影響が出ており、学校などでネットの健全な使い方を指導する必要がある」と指摘している。

 2012年度に全国の中学・高校から計264校を抽出して調査票を送付し、179校の生徒10万1134人から回答を得た。

 パソコンやスマートフォンなどを使ったチャットやメール、オンラインゲームなどインターネットへの依存度を、米国の研究者が作成し、世界的に使われているテストで調べた。「ネットで人間関係を台無しにしたことがあるか」など8項目の質問に「はい」か「いいえ」で答えてもらうもので、「はい」が5以上だと「病的な使用で依存の疑いが強い」、3〜4は「不適切な使用」、0〜2は「適切な使用」と分類される。

 調査結果によると、依存の疑いが強い生徒は、男子約6%、女子約10%で、全体では約8%(7952人)だった。中高別では中学は約6%、高校は約9%いた。研究班はこのデータから、依存の疑いの強い全国の生徒数を推計した。不適切な使用は約16%、適切な使用は約75%だった。

 また、直近の30日間で「眠りにつきにくいことがあったか」「午前中調子が悪いことがあったか」「気分が落ち込むことがあったか」などの問いに対し、「あった」と答えた割合は依存度が高いほど多く、依存の疑いの強い生徒は適切な使用の生徒より約5〜35ポイント高かった。

 成人を対象に08年度に実施した調査では、依存の疑いが強い人の割合は約2%だった。研究班メンバーの樋口進・久里浜医療センター院長は「子供の方が大人より依存に陥りやすい可能性がある」と話している。【桐野耕一】