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2011年3月6日日曜日

別れ (mixi05-u459989-201103060115)

ミクシ内で書かれた旧おかあつ日記を紹介します。
別れ
2011年03月06日01:15
僕は倉庫を借りており、以前アパートに住んでいた時の荷物が格納されている。 僕は今、倉庫の荷物を全て処分するという目標を建てて、それに向かって着々と荷物を処分している所だ。

昨日は徹夜で荷物の整理を行った。 要らない本を7箱、ラックに入っていたCDを全てダンボールに詰めた物が5箱、倉庫から出した。 本はブックオフに持っていった。 CDは見ると愛着が込み上げてきてどうしても処分したくないという気持ちがあふれてくる。 DiscUnionに持っていくつもりなのだが、まだ決心しかねている。

そして今日は、遂にギターに着手した。 僕は、Gibson ES-175を二本持っている。 この内の一本を処分することにしたのだ。 一本は、去年購入したメイプルのES-175だ。このギターは、山野楽器が輸入代行した残りの一本だった。 メロウで非常に良い音がする。

もう一本は、以前僕が良い楽器を持っていなくて苦労していた時代、お金がなくて止むなくギタリストからプログラマに落ちぶれてしまった時、お金にまかせてヤケクソで買った92年製のES-175だった。

僕は当時、高田馬場のイントロに出入りしていた。 イントロというのはセッション屋で当時毎週土曜日になると徹夜でジャズのジャムセッションをやっているお店だ。僕は、イントロに頻繁に出入りしていた時代、 良い楽器を持っていなくて、なかなか良い音が出ず、いつも楽器で苦労していた。 セッション演奏で音色が良くないと非常に受けが悪い。 マスターにこっそり順番を後回しにされたり、ぜんぜん演奏の傾向の違うヘタクソな人と組み合わせられたりと、チクチクと意地悪をされる。 仕事も忙しく演奏が上手くいかなくて非常にイライラしていた時期だった。 そこで給料を全部つぎ込んで、僕が決して好きではない、だけど持っていると非常に受けがよかった、ES-175を、金に任せて買ったのだった。

そのギターをイントロに持っていったら、マスターの態度が打って変わってよくなって「いやー演奏上手になったね!」と言われた。 この言葉は一生忘れられないと思う。 僕はただ単に楽器を変えただけなのだ。 演奏は元のままだった。 このオヤジは一体何を聞いているのだろう、と悲しくなったことを覚えている。

僕は頭ごなしに一方的な価値観の押し付けで相手を判断してはいけないと思う。 だからこそ、そういう非常に残念な行動を見ても怒らないし、それは人によって考え方が違うし、表現の仕方も違うのだから、絶対に蔑んだり攻撃したりはしない、と思う。 だからそれから2年間ぐらい辛抱強くこのオヤジと付き合った。だけど、僕が演奏していたら、酔っ払っていきなり僕が演奏しているギターを捕んで「止めろ!」と言われた時は、さすがの僕も閉口した。 一方強烈な権威主義でもあった。 店に有名なジャズミュージシャンが来ると平身低頭、ペコペコする。 何故ここまで態度が変わるのか僕は理解に苦しんだが、それも人の考えは一緒じゃないのだから、と我慢してきた。 僕はこのオヤジに文句を言ったことは一度もないし、怒ったことも苦情を言ったことも一度もない。 だが、全てが全て、そういう感じで、非常に悩ましかった。

イントロには僕が嫌いなギターアンプ「フェンダーツイン」が置いてある。 フェンダーツインにはどんなおもしろいギターを繋いでも必ずフェンダーツインの音がする。 ガキガキの固い音になってしまうのだ。

僕はどうやったらイントロで僕の好みのメロウなクリーントーンを出せるのか、毎週毎週創意工夫していた。 成功しなかった。

(続く) 眠い...もう限界。 徹夜明けだし。


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出展 2011年03月06日01:15 『別れ』

著者オカアツシについて


小学生の頃からプログラミングが趣味。都内でジャズギタリストからプログラマに転身。プログラマをやめて、ラオス国境周辺で語学武者修行。12年に渡る辺境での放浪生活から生還し、都内でジャズギタリストとしてリベンジ中 ─── そういう僕が気付いた『言語と音楽』の不思議な関係についてご紹介します。

特技は、即興演奏・作曲家・エッセイスト・言語研究者・コンピュータープログラマ・話せる言語・ラオ語・タイ語(東北イサーン方言)・中国語・英語/使えるシステム/PostgreSQL 15 / React.js / Node.js 等々




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