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2008年10月22日水曜日

頭の悪いタイ人 (isaan05-c987254-200810220800)

おかあつがミクシコミュニティータイ東北イサーン語研究会として著した記事を紹介します。
頭の悪いタイ人 (おかあつ)
2008年10月22日 08:00
外部ブログに書いたエントリなんですが、こちらにもコピーします。

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頭の悪いタイ人
http://ipoo.namjai.cc/e3323.html

いきなりだけど、僕にウソをつくのは非常に難しい。 多くの人がそう思っているらしいし、実際難しいんだと思う。何でかというと、僕は妙に小ざかしく頭が回るからだ。適当に言いあしらったり都合の悪いことを隠したりすると、妙に鼻が利くので、あっという間にウソを見つけ出してしまう。しかもベラベラとよくしゃべるので、あっという間にみんなにそれを知らしめてしまう。 実に扱いづらい男だと自分でも思う。

しかし 「何でそんなこともわかってくれるんだ」とか「そこまで自分の気持ちをわかってくれたことはない」とか、そういった最大限の賛辞を僕に送ってくれる人もたくさんいる。 そういう人は、いい人である。

こうも言える。 何かを隠している人・何か別な本心を持っている人にとっては、僕は悪い人なのではないか。 都合が悪いのではないか。



で、自分で言うのもなんだけど僕はどうもタイ人の常識や考え方を普通の日本人よりもずっと詳しくよく知っているらしい。僕はタイに来てまだ3年ちょっと ... その内1年は日本で過ごしたので、実質2年ちょっとしかタイで過ごしていない。だけど、タイ人の考え方をよく理解していると思う。

タイ人の考え方って、日本人が思っているほど変ではない。 タイ人っていうのは、知れば知るほど結構普通の考え方をしている。 ただ住んでいる場所や状況が日本と違うだけだ。 でも、99%の日本人がタイ人が思っていることをちゃんとわかっていない。 何でか。

タイ人は、日本人と比べると「パーソナルスキル」が桁違いに高い人が多いからだと思う。

パーソナルスキルという言葉をご存知だろうか。 色々な定義があるが、自分と考え方が違う人とコミュニケーションをとる技術ともいえる。タイ人というのは、陸続きで多くの国に囲まれ、常に外国人とコミュニケーションをとっている。更に、同じタイ人といえども外国人といえるくらい多様な民族がいる。 文化も習慣も言葉も違う人たちが一緒の国に住んでいる。更には日本よりもずっと多くのヨーロッパ人が暮らしているので日常的に多くのヨーロッパ人とも会話する。このように日常的に外国人と接することによって、元々パーソナルスキルが非常に高い人が多いのである。

そんなタイ人と比べて、海に囲まれ日本人だけしか知らない日本人というのは、まるで無菌室で育った赤ん坊の様なものだ。 タイ人にとって日本人を思い通りに動かすのは赤子の手をひねるより簡単なのである。

僕はどうやら普通の日本人よりずっとタイ語が上手いらしい。 僕の顔は誰がどう見ても絶対に間違えないような日本人の顔をしているらしく、多くのタイ人が僕を日本人だと期待して話しかけてくる。 ところが、僕のタイ語を一言聞くと、多くのタイ人は青ざめて逃げていく。


これくらいタイ語が上手いとあまりタイ人から歓迎されないのかもしれない。 だが、そんな僕を普通のタイ人として気にせずに話しかけてくる人もいる。こういう人たちは、極めて「タイ人らしく」ない。 いわゆる日本人が思っている適当でチャランポランなタイ人ではない。 実に普通だ。下手すると日本人と話しているのとほとんど変わらないのではないか、と感じることすらある。 普通のタイ人は結構厳しい。普通のタイ人は結構ニコニコしない。 といいうか、こっちの方が普通の一般市民のタイ人なんだと思う。

日本人に近づきたがるタイ人というのは、独特だと僕は思う。 確かに、日本人に近づきたがるようなタイ人という人種が存在する。これは確実に普通のタイ人とは絶対に違う。 しかし、それは騙しているのとも違う、本心を隠しているのとも違う、微妙な蜜月関係なのだ。本心は隠している、 もっとも彼らが本心を日本人に打ち明けたところで、日本人には理解できないので、最初からあきらめているのである。だからといって、それを責めたりもしない。 自分のことはわかってもらえていないそのままで、その日本人を愛すことができる懐の大きさがある。このバランス感覚こそが僕には、実にタイ人らしく見える。

そういう大局的な見方をしているタイ人の視点に、日本人はどうやっても到達できない。 何を考えているのか気がつけない。タイ人がいくら説明しても言うところを納得できない日本人。 時にはタイ人をバカだノロマだと罵る日本人。実はわかっていないのは日本人なのだが、それを責めずに「そうタイ人はバカなのだ」と日本人の意見を否定せず、あくまでも日本人の立場に立とうとする優しいタイ人。 それでありながら、鶏舎にニワトリを追い込むように、優しく人をあつかうしなやかさがタイ人にはある。 それに気がつかない日本人。日本人とは、正に子供のようだと僕は思う。

タイ語が話せる日本人は結構居る。 しかし、タイ人の考え方を理解している人はあまりいない。

タイ語に「プーッタイルールアン พูดไทยรู้เรื่อง」っていう言いかたがある。ルールアンというのは、状況がきちんと飲み込めている状態を表す言い方で、つまりはタイ語がわかっているという意味だ。 ここで「プーッタイペン พูดไทยเป็น=タイ語が話せる」 とはいわないのだ。つまりタイ語が話せるという能力と、きちんと状況が飲み込めているかどうか、をきちんと言い分けているのだ。というわけで、タイ語が話せるけど訳がわかってない、という日本人は、ムチャムチャ多いと思う。

タイ人というのは、そういう風な見方をしているものだ。

ところで、実は日本人がタイ人の考え方を理解してしまうと、むしろ都合が悪いと思っているタイ人がいる。 これもまた事実なのだ。 これが僕に話しかけると青ざめて逃げていくタイ人だ。


再度いうけど、僕を騙すのは非常に難しい。 どういう巧妙なウソを付いても、その人の言動から微妙な矛盾点を嗅ぎ取ってウソを見抜いてしまう。 (だから僕は本心を隠したがる日本人には好かれないわけだが。)


で、僕が複雑な気持ちになるのはここだ。 僕には、日本人がこころのそこから信じているタイ人が日本人に対して付いているウソが見抜けてしまうのだ。このとき、タイ人が何故そういうウソを付くのかも、日本人をどうやって騙したのかも、これまで、どういうウソをついてきたのかも全部僕には見抜けてしまう。 そして更に僕を複雑な気持ちにするのは、そのウソを暴露するとそのタイ人はおろか、その日本人までもが不幸になってしまう、という事実だ。日本人は騙されて幸せなのだ。 この事実を目の当たりにする時、実に実に複雑な気持ちになる。

オレは違う、アタイも違う、と思われるだろうか。 ここでブログを書いている人の90%ぐらいは、この矛盾点に気がついて無いんじゃないかと思う。(この点について、TLSの社長であるポンパン先生こそが冷酷に現実を認識できる数少ない日本人の1人なのだと僕は思う。 )

何故こういうことになるんだろうか。


こういう風にタイ人が考えていることを、ひとつひとつ日本人がわかる日本語で解き明かしていけたら、多少面白いブログになるだろうか。 いや、結構、読みたくない耳の痛いブログになるはずだ。 書かないほうがいいのかもしれない。

しかし、実は僕は日本人と話していても、かなり強い違和感を感じるようになってしまった。日本人が言う色々な意見が、実は勘違いなのだ、ということを何とかしてわからせたい。 説明したくてしかたが無いのである。それは誰もが理解できることのはずだ。 難しいことではない。 しかし理解できないのだ。 何故か。 何故ならば要するに理解したくないからだ。理解できないのは「耳が痛い」からなのだ。

このブログはそういう耳の痛いブログになるだろう。
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出展 2008年10月22日 08:00 『頭の悪いタイ人』

著者オカアツシについて


小学生の頃からプログラミングが趣味。都内でジャズギタリストからプログラマに転身。プログラマをやめて、ラオス国境周辺で語学武者修行。12年に渡る辺境での放浪生活から生還し、都内でジャズギタリストとしてリベンジ中 ─── そういう僕が気付いた『言語と音楽』の不思議な関係についてご紹介します。

特技は、即興演奏・作曲家・エッセイスト・言語研究者・コンピュータープログラマ・話せる言語・ラオ語・タイ語(東北イサーン方言)・中国語・英語/使えるシステム/PostgreSQL 15 / React.js / Node.js 等々




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