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2006年3月26日日曜日

イサーン演歌について (修正3/27) (mixi05-u459989-200603261537)

ミクシ内で書かれた旧おかあつ日記を紹介します。
イサーン演歌について (修正3/27)
2006年03月26日15:37
タイの人は演歌が好きで、毎日テレビではその時々で流行している演歌のプロモーションビデオが放映されています。

タイの演歌は普通の演歌ではなくて、タイ独特の伝統音楽の影響を受けた音楽です。

たとえば、8ビートは普通ドツタツ、ドツタツ だけど、タイ式の8ビートは、逆になっていて、ドタツツ、ドタツツです。 これは、たぶん土着のリズムの影響じゃないかとおもいます。

その演歌にも、実はバンコク式とタイ東北部イサーン式の演歌の2種類があります。 その違いは、メロディーやリズムの違いもありますが、一番大きな違いは、バンコク式はタイ語で歌い、イサーン式はイサーン語で歌う事です。

ボクはこのイサーン式演歌が好きなんです。

しかし、実はよく見てみると、バンコク人がイサーン人の真似をして歌っているイサーン演歌というものもあって、こちらは、イサーン式メロディーだけどもタイ語で歌います。

イサーン演歌とバンコク式イサーン演歌は、最初のうちは同じようにしかみえないんですが、最近、ボクは決定的な違いがあることに気がつきました。



ところで、前にもイサーンの人は見下されていると書いたけど、それがなぜなのかは、実際に見てみないとなんとも説明しがたいものがあります。

ですが、ボクはここで一つの試みとして、イサーン人が何故見下されているのか、そして、ボクが何故イサーンが好きなのか、を このイサーン演歌とバンコク式イサーン演歌の違いを説明することで浮き彫りにしてみたいと思います。


○イサーン式演歌とバンコク式イサーン演歌の違い一覧

・イサーン演歌の歌手は格好いい。 だが、かっこつけすぎててしまうので、なんか微妙にダサい。 そこが絶妙な味を醸し出しており面白い。 だが、バンコク式イサーン演歌は最初からダサくすることを狙ってしまっているので面白くない。

・バンコク式は、最初からウケを狙っている。だが、イサーン式では、あくまでも真剣である。 見ている側は、そこに思わずウケてしまう。

・逆に、イサーン式はひとたびウケを狙えば、笑いを取るためには命の1つや2つ、腕の一本や二本など厭わないほどの激しいツッコミを見せる、コテコテのドツキ系である。 バンコク式はそこまで気合が入っていない。

・イサーン式演歌は熱い。 一例を挙げれば、ギターの音色は、ディストーションではなく、あくまでも、オーバードライブ(しかも、BOSSの黄色いOD-1 つまみは黒のダイアル)である。

・イサーン式は執拗なまでにきらびやかである。歌手が着る衣装のラメ、カメラにかけるシルクは常設である。 体中に金銀財宝をぶら下げて歌う勢いである。

・メロディーは、あの哀愁漂う「グリーンスリーブス」と同じドリアンスケール(教会旋法の1つ)で作られており、コミカルさの中に哀愁が漂う。 タイ式演歌はドリアンスケールではない。

・西洋音楽の影響を受けているようで、受けていない。ギターも良く見ると、あくまでも昔ながらのイサーン式ギターにピックアップをつけたものであり、西洋式ギターではない。

・イサーン人の踊りは伝統舞踏の影響で異常にスムーズであるが、バンコク人の踊りはリズミカルである。

・イサーン式には女性の失恋の歌が多い。 失恋する歌では、これ以上はないほどの悲惨な状況がかかれる。 必ず土砂降りの雨が降っており、電気の無い真っ暗なところで、ずぶぬれになって泣くイメージシーンが出てくる。 それはさすがにやり過ぎだろう、というくらいで、ちょっと笑ってしまう。

・イサーン式演歌では男性のロリコンが公認されている。 オジサンが若い女の子に恋をする歌が結構ある。

・イサーン式は浮気をしてしまう男が、バレて女にぶっ飛ばされる、というストーリーを歌ったものを良く見かける。 もともと一夫多妻制があった影響だと思われる。バンコク式にはない。

・イサーン式の演歌のプロモーションビデオに出てくる女の子は質素でありながら、かつ色っぽい感じの子が多い。 バンコク式では最初からダサさを狙っている反動でおばさんとか子供が多い。

・イサーン人の歌には貧困やそれを乗り越えた愛を歌った真摯な悲しい歌が多いが、バンコク人の歌にはそれが無い。



以上です。 すこしでも、イサーンの良さが伝わったら幸いです。

... イサーンの演歌はちょっとダサいんだけど、音にウソが無くて、なんともいい味が出てるっていうか...。 バンコク式イサーン演歌にはそういう微妙さが無くて面白くない様な気がする。
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出展 2006年03月26日15:37 『イサーン演歌について (修正3/27)』

著者オカアツシについて


小学生の頃からプログラミングが趣味。都内でジャズギタリストからプログラマに転身。プログラマをやめて、ラオス国境周辺で語学武者修行。12年に渡る辺境での放浪生活から生還し、都内でジャズギタリストとしてリベンジ中 ─── そういう僕が気付いた『言語と音楽』の不思議な関係についてご紹介します。

特技は、即興演奏・作曲家・エッセイスト・言語研究者・コンピュータープログラマ・話せる言語・ラオ語・タイ語(東北イサーン方言)・中国語・英語/使えるシステム/PostgreSQL 15 / React.js / Node.js 等々




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