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2024年6月18日火曜日

岡敦縦乗り克服の記録 ─── 縦乗りを克服しようシリーズその62 (oka01-jqkthkmtzwcvmokm)

私はこれまで、日本人独特な違和感のあるリズムを縦乗りと名付けそれを言語化することで矯正する方法を模索するという趣旨で様々な記事を書いてきました。特にどうやったらジャズ独特なグルーヴを演奏することが出来るのかに重点を置いて、様々なリズム理論を構築してきました。

今回はそれを実際に音にしてみた記録を時系列に沿って御紹介致します。

2021年6月7日

どうやったらDAW上で綺麗にスイングするジャズのリズムを入力することが出来るか ─── そういう極めて困難な命題を解決する為に私は、本当にいろいろな方法を試してきました。

2021年に遂に私は、ある程度スイングするベースラインを入力する事に成功しました。

それ以前も、そしてそれ以降も、何度も何度も究極のベースライン入力方法を見つける為にトライアンドエラーを繰り返しました。

そのなかでもこの日に入力出来たベースラインの完成度は非常に高く、その後の数年はどうやっても、これを超える方法を見つけることが出来ませんでした。

当時のメモによると、私は、Abletonの既存の機能に依存せずに、自力で Ableton のピアノロール上に3x3x3のグリッドを作成し、それを元に Abletonの特徴的な機能のひとつ『グルーヴ』を作成し、それを利用してベース音の打点の位置を自動調整したとありました。当時のメモには、次の様に書き記されていました。

【Ableton 11 + Kontakt でジャズのバッキングトラックを作るテスト】

  • 1~2コーラス=ステップ入力(グルーヴ手動調整)
  • 3~4コーラス=ステップ入力(グルーヴ自動調整)
  • 5~6コーラス=リアルタイム入力(グルーヴ調整なし)

やっとここまできました…。たったこれだけのことなのですが、ある程度自然な感じのグルーヴを持ったバッキングトラックを作るためのワークフローを考え出すまでにずっとこのことだけを考え続けて2か月近く掛かりました…。

ところどころつっかえたり間違えたりする部分を修正するワークフローを考えたら実際の作成作業にかかれます。

その後私は、ベースの打点の裏拍からの距離が n/9=1/(3*3) や n/27=1/(3*3*3) や n/91=1/(3*3*3*2) など 1/(3の倍数) になっている時に綺麗にバウンスすることに気付きました。これを私は 1/3^n 理論と呼ぶことにしました。以降、これを応用して様々な入力方法を試すようになりました。

2024年2月17日

理論に従ってオンビートの位置を移動させる事を模索し始めた頃のビデオです。

Ableton の弱起設定機能を使ってコントラバスの打点を正確に1/9早く演奏させたところ、ほぼ期待通りのグルーヴを得る事が出来ました。

これは私が考案した 3^n グルーヴ理論を応用することで感覚によらずに数値的にグルーヴを正確に入力することにより実現したものです。

一般的なスイングの入力方法では、スイングした裏拍の位置を1/3よりも後方に移動できません。また多くのDAWでは、表拍を規定位置よりも前方に移動させる事が出来ません。この制約に苦しみ始めた頃の作品です。

2024年3月4日

前回は 1/9 のずれで試したのですが、依然として違和感があったので1/27で試した時のビデオです。

【1/3^n 理論の応用】前回 1/9 単位のずれのあるグルーヴを作成し一定の成果を収めましたが、私にはどうしても違和感が残っていました。 昨日ふと思いついて 1/27 単位のずれに拡張して試してみた所、良い感じになりました。これがその実験結果です。

各サブディヴジョンで2ずつずらす(2/3+2/9+2/27)と良い感じになる事を発見しました。

2024年4月24日

1/27のずれをつけた上で Groove Agent の Jazz Essencial のドラムパターンを乗せたものです。

Jazz Essencial のドラムパターンは裏拍が安定しておらず、どうしても縦乗り臭くなる問題が気になり始めた頃のビデオです。

2024年5月14日 (No.1 200BPM)

『裏拍が安定しており表拍が動くことでニュアンスを付けるという事が確実に実行できていればグルーヴする。』という事を考え、それを実際に演奏で実現して録音するという事を始めたビデオです。

これをグルーヴを理解した人同士で集まって演奏する事は容易いことですが、DAWのステップ入力とオーバーダビングなどの機械的作業だけを使って単独で演奏するということは極めて困難な事です。

特にDAWがもたらすレイテンシーは常に頭痛の種であり、1ms以下の超低レイテンシーでもグルーヴを演奏する事は困難になります。

それをただ単にメトロノームとビデオ撮影で実現するという一番簡単な解決策で妥協することにしたビデオです。

格好悪いですが、とにかくこれなら録音出来ます。

この日私はテンポを変えて10本ほどのビデオを撮影しました。

2024年5月14日 (No.2 240BPM)

もう数年にわたって裏拍メトロノーム練習を続けており、慣れているつもりではあるのですが、それでも気を抜くとオンビートスリップストリームが起こってしまうのです。

裏拍基準の演奏を行う為の最も簡単な方法は、日本語を捨ててしまうことです。日本語を話すことを考えなければ、英語に頭を切り替える事は容易いです。

頭が日本語にどっぷりと使った状態のままで、即座に英語に頭を切り替えるということは、極めて難しいことだと私は思うのです。

しかし日本に住んでいる以上、日本語を捨てるということは極めて難しいことです。 日本語の独特な発想というものがあり、日本人はこれから外れたものを理解できないからです。

今、私がやっている様に、裏拍基準の音楽というものを言語化して目の前で見せても、それが何なのか理解できないばかりか、それがそこに存在することすら認識出来ないほどです。

ここで私が日本語を捨ててしまえば、それは確実に、完全なコミュニケーション放棄として観察されるはずです。

2024年5月14日 (No.3 300BPM)

裏拍にメトロノームを合わせた状態で300BPMにテンポを上げて演奏したバージョンです。

2024年5月14日 (No.4 400BPM)

裏拍にメトロノームを合わせた状態で400BPMにテンポを上げて演奏したバージョンです。これくらいから安定しなくなってきます。まだ練習が必要です。

2024年6月16日

初めてDAW上でグルーヴを録音することに成功したビデオです。

【1/3^n 理論を更に発展】遂に「オフビートレコーディング」を実現しました。 8分音符1つ早く録音します。4拍目の裏拍を1拍目頭(つまり8分音符8つ目を1拍目頭)に移動して録音します。

MIDIと同期する難しさや、レイテンシ問題を、オフビートレコーディングという新しく考えた手法で解決することを思いつき、実際に試してみたビデオです。

この方法を使うとクオンタイズで裏拍が手軽に揃えられるだけでなく、表拍の位置が自由に移動出来る様になります。

今まではベース音をVST音源を利用して入力していたのですが、遂にフレットレス・ウクレレベースを弾いて生音を録音してみました。

録音してみて気付いたのですが、裏拍が揃っていれば、表拍はよろけていても違和感がありません。むしろよろけていると味わいが出てきます。表拍はよろけていても、裏拍は揃っていれば、さほど問題にならないということが証明できました。

ウクレレベースを正確に弾くのは難しいのです。難しいからといって、神経質にピッチを合わせて表拍をいくらきっちり合わせても、どんどん縦乗りになっていくだけなのです。ピッチがずれていても表拍がずれていてもいい ─── 裏拍があっていればグルーヴするのです。裏拍が綺麗に揃っていれば、他のずれは味わいになります。

それを証明出来ました。

結論

今後も改善していく予定です。

新しく発見されたグルーヴを録音する手法とその実験結果をこの記事に追記していきます。

どうぞ今後共に宜しく御願い致します。

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著者オカアツシについて


小学生の頃からプログラミングが趣味。都内でジャズギタリストからプログラマに転身。プログラマをやめて、ラオス国境周辺で語学武者修行。12年に渡る辺境での放浪生活から生還し、都内でジャズギタリストとしてリベンジ中 ─── そういう僕が気付いた『言語と音楽』の不思議な関係についてご紹介します。

特技は、即興演奏・作曲家・エッセイスト・言語研究者・コンピュータープログラマ・話せる言語・ラオ語・タイ語(東北イサーン方言)・中国語・英語/使えるシステム/PostgreSQL 15 / React.js / Node.js 等々




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