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2013年6月26日水曜日

雲南語について2 (oka01d-epicuhleplkkfpsc)

雲南省昆明に来て一週間たった。大分雲南語に慣れた様な気がする。前は一言も聞き取れなかったが今は1割位は聞き取れる様になった。大きな進歩だ。だが実際のところ、これでは全く太刀打ちできない。笑ってごまかすのも最初の2~3回は通じるけど、4回目位からはさすがに飽きられてしまう。
※ おかあつは2013年6月21日に中国・昆明に来ました。中国からはbloggerにアクセスすることが出来無い為、この日記は、あらかじめ別に書きためたものを後日中国の国外からアップロードした物です。
とにかく雲南語は聞き取るのが物凄く難しい。しかも僕は標準語すら全くの初級レベルで基礎単語すらかなり危うい。にも関わらず、何故か雲南語に興味を持ったので、とにかく耳を慣らすことが必要だと思った。 耳を慣らすだけの為に雲南語を話す方々の家にホームステイする訳にも行かない。 一番いいのは、雲南語のドラマみたいなものがあればよいのだけど…。

そういえば以前、ネットで検索していたら、雲南語のドラマに興味を持ってコレクトしている変わった日本人を見たことがあった。この方の話によって、雲南語の映画や喜劇が存在するらしい、という事を知った。

今僕は、雲南に居るわけだから、恐らく雲南喜劇が売られているお店があるのだろう。そこで今日午前中、散歩がてら店を探してみた。そうしたら駅の側に、雲南VCD専門店という、願ってもみなかった素晴らしいお店を見つけてしまった。 雲南喜劇や、イ族の音楽など、雲南文化のオンパレードの様なお店だった。

中でも濃厚なオーラを発している謎のVCDを見つけた。それが上述の写真で示したVCD喜劇である。強烈なインパクトの登場人物集合写真…。節々からほとばしる名作の予感…。

先程見てみた。予想に違わない素晴らしい雲南語の嵐であった。しかも願っても見なかった字幕が付いている。 これなら発音の差を簡単に調べられる! 自分はラオ・イサーン語を勉強している時、字幕など何もなかったので、音感だけを頼りに発音差をいっこいっこ拾って行くという非常に時間の掛かる方法を使うしかなかった。だが字幕があれば、この作業を一気に端折ることが出来る。

(…ただこうやって楽をすると、字幕がないと何も聞き取れない、いくら勉強しても聞き取れるようにならないという、暗黒の泥沼に陥る。やはり自分の耳で拾い起こさないと、実力にならない。)

喜劇は二枚買ったのだが1枚は非常に北京語に近い方言を話していた。恐らくだけどこれは、タイで例えるなら「シヤンイサーン」の様なものなのではないか。 タイ東北の喜劇シヤンイサーンの中では、3割ほどは標準語であるタイ語で、残りの7割くらいを方言であるラオイサーン語で、混ぜながら標準的に話している。この様に2つの方言を同時に切り替えながら話すことをコードスイッチング(Code-switching)と呼ぶ(※)。恐らくこの雲南喜劇で話している言語もコードスイッチングだろう。

※ コードスイッチング http://en.wikipedia.org/wiki/Code-switching

そしてもう一枚は、僕の期待通り「バリバリ」雲南語だった。

改めて聴いてみると、色々面白い事に気付いた。

算命(suan ming) の suan を shuan と発音していた。一方 吃饭( chi fan )は、ci fan と発音する。単に zh ch sh が zi ci si に訛るという単純な法則ではないみたいだった。 什么(shen me)を sen me と発音しないことは前から思っていた。この様に雲南の人達は、南部訛りとしては非常に例外的なことに、案外と巻舌音 sh をかなりはっきり話しており、その事を不思議に思っていたが、自分の思い違いかも知れない、とも思っていた。これは思い違いではなかったようだ。

話している内容は、ともかく、リズムやスピードで笑いを取る雲南喜劇は、非常に音楽的で、僕の好みにピッタリだった。とにかく、これを使って、耳を慣らしてみる。

しかし、ピンイン表を使って発音の練習をしていると、ラオ語にしても、タイ語にしても、かなりごまかしてしゃべっていることが、どうしても判明してしまう。 中国語を勉強すると、やっぱり基礎練習は大切だと再確認させられる。

きちんと文字に起こして、きちんと口を動かして、素早く間違いなく発音できる様に練習する事が必要と思った。 取り敢えず、今の僕の課題は「ペットピントーン」(ラオイサーン語の喜劇)だ。ペットピントーンが、一番自分が普段聞いているラオ語の発音と近い。

シヤンイサーンのラオ語もいいけど、若干タイ語の影響が強く、ウドン市内の街っぽい話し方のところがある。シーコンソーのニターンコムは、録画しているのがロイエット県の方なのだそうで、ほとんど100%ラオ語なのだけど、微妙に発音や言い回しが僕が知っている発音と違う。その点、ペットピントーンは、出演者数人が恐らくノンカイ出身かそれに準ずる出身の方と思われ、発音が自分の知っている発音とほぼ同じなのできちんと練習するに値する。

雲南語が話せる様になると、恐らくだけどビエンチャンに居る中国人と話が出来る様になる筈だ。ラオのビエンチャンに居る華僑の方からそういう話を伺ったことがある。ビエンチャンの中国人は物凄く保守的で殆ど仲良く話をしてくれないのだけど、もし雲南語が話せるようになったら、すこし違った世界が見える様になるかも知れない。

ちなみに北部ウドムサイの中国人は、ほぼ全員雲南人と聞く。以前知人を訪ねて遊びに行った時、普通に昆明と同じように中国語が通じたので、驚いた事があった。

現在の僕の目標は、ラオ喜劇のステージに立てる程度の話術を身につける事だ。それが出来る様になってどうなるのかは、僕もよくわからないが、それは何か自分にとって非常に大切なことな様な気がする。

著者オカアツシについて


小学生の頃からプログラミングが趣味。都内でジャズギタリストからプログラマに転身。プログラマをやめて、ラオス国境周辺で語学武者修行。12年に渡る辺境での放浪生活から生還し、都内でジャズギタリストとしてリベンジ中 ─── そういう僕が気付いた『言語と音楽』の不思議な関係についてご紹介します。

特技は、即興演奏・作曲家・エッセイスト・言語研究者・コンピュータープログラマ・話せる言語・ラオ語・タイ語(東北イサーン方言)・中国語・英語/使えるシステム/PostgreSQL 15 / React.js / Node.js 等々




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