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2013年6月26日水曜日

食中毒になって政治を考える (oka01-mczcrbhbbzpzmpky)

昆明に来て大体1週間経った。前来た時3ヶ月勉強して一度もなった事がなかったのだが、食中毒になったみたいで下痢になった。 前来た時は雪が降る位寒かったので、そういうこともなかったのかも知れないが、今回初めて暑い時期に来たので、細菌が増えやすいのかも知れない。外に出られない。
※ おかあつは2013年6月21日に中国・昆明に来ました。中国からはbloggerにアクセスすることが出来無い為、この日記は、あらかじめ別に書きためたものを後日中国の国外からアップロードした物です。
食中毒になってふと思ったのだが、昆明で病気になったらどの病院がいいのか知らない。延安医院という大きな病院があるのだが、ここがいいのだろうか。 昆明は日本人が非常に少ない。全部あわせても100人程度しかいないらしい。他の日本人の方々は、病院に行く時どこに行くのだろうか。

前に昆明に来た時は、ずっと北京語の勉強をしていたので、ほとんどプログラミングをしていなかったのだが、今アイデアがあって少しだけ作業をした。簡単なFirefoxのextensionを作った。作業は終わった。

ある程度の本格的な作業をして思ったのだが、中国国内は案外とプログラミング環境が良くない事に気付いた。なんといっても google に繋がりにくいのが大きい。bingは、文学的な検索(語学とか歴史とか)をする場合は、かなり精度の良い結果を出すが、技術的な検索にはあまり向いていない。

一番気になるのが検索結果に stackoverflow が入ってこない事だ。 殆どまともな情報を乗せていない、しょぼくてうだつの上がらないハッカー用掲示板みたいなサイトしか検索結果に出てこない。これでは調べられない。

Googleも一応使えるのだが、アクセススピードに制限が入ってるみたいで、3回に1回くらい接続に非常に時間が掛かる。他にもウィキなどの海外サイトにも多少アクセス制限が入っている様で、キーワードによってはアクセス出来無い事がある。

2013年、ウィキとグーグルの存在は、大きい。確かにグーグルには良い面・悪い面両方ある。だがこれまでは先進国で大学に行かなければ絶対に得られなかった様な高度な知識に手軽に触れることが出来るという、何者にも代えがたいメリットがある。 特にコンピューター系の情報は、動きが非常に速いので、大学に行くよりもウィキとグーグルで調べたほうが質の良い情報が得られる場合が多い。

もしも本格的な情報を収集したいと考えたら、中国から出る以外に方法がない。こういう基礎的な情報に制限を掛けている中国政府の意図は一体何なのだろう。

もしも国内の技術力・新技術開発力・新製品開発力を高めて競争力を高めることが目的なら、情報はむしろ公開したほうが良い筈だ。 それを制限しているということは、競争力を高めることよりも高い優先を持った何かの目的がある筈だ。

昆明でブラブラしていて思ったのだが、中国は政治的な安定が案外と良くない様な気もする。「反乱分子・使用禁止」みたいな張り紙がしてあるコピー屋さんなどを、未だに見かける。それはひょっとしたら昆明だけなのかも知れないが、そういう店はある。

しかも昆明は、かつて内戦の舞台だったこともあるらしい。 これが奇妙な事に、中国語のサイトではこのことが説明されているのに、海外のサイトでは全く説明されていないという奇妙にも気付いた。 この昆明での民主政治運動のことを一二一運動と呼んだとか。 一二一通りという道があるくらいで、一二一通りには一二一通りの由来を説明した看板も立っている。 微妙な反共的な香りのする看板だった。

タイも似たような事をしているが、地方の権力者が力をつけすぎると、中央の権力者のいう事をだんだんと聞かなくなってくるので、それを妨害する目的で技術情報に制約をかけているという事はないのだろうか。

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恐らくグーグルとウィキは、技術力向上に大きな役割を果たす様な気がする。 僕は以前中国に来る前、プログラマとして中国から来た人達と仕事をする機会が非常に多かった。その時の彼らの卓越した情報収集力・英語力・日本語力・技術力を見ていたので、彼らを尊敬していた。

だが中国国内でこれだけ情報が制約されている事を見ると、彼らは中国の中でかなり例外的な存在だということを思った。彼らは恐らく中国国内で収集できる情報の限界を知っているので、海外に出てきたのではないだろうか。

僕は、京浜工業地帯で育ったので、日本人の技術力の高さをよく知っている。まず平均的なレベルが高い。そして他の人より飛び抜けてレベルが高い人たちの、最高レベルの高さが違う。仕事に対して非常に厳しい姿勢を崩さない。

僕は、10代の頃に、そういう高レベルな工業地帯にノコノコと入っていって、仕事を探していた。そんな僕の仕事に対する姿勢の甘さを罵られ、バカにされ仲間にも入れてもらえなかった苦い経験がある。

そんな僕は昆明で複雑な思いをする。今僕は昆明に居る。で、そこらじゅうに走り回っている電気自転車を見る。この電気自転車のボディーのほとんどがパチモンと即座にわかる。 見ると、そのボディーが元々ホンダのマジェスティーのものであろうこと等々、かなり具体的にどうパチったかまで見えてくる。恐らく日本のバイクメーカーは、かつて中国に工場を作り、そこで金型を使ってFRPボディーを圧縮成型をしていたのだろう。中国人の誰かが、その金型をパチって来て、この電気自転車用に流用している事が、はっきりと見て取れる。 京浜工業地帯の金型技術屋の職人ド根性を見ていた僕は非常に複雑な思いがする。

「あぁパチモンしか作れない中国人」と思わないことはない。だが、恐らく本質はそこにない。 もしも中国が本当にパチモンでない本物の金型を作る必要があれば、恐らく政府は、もっと情報制限を緩めて国内の技術力向上に努めた筈だ。だが政府はそういう判断をしていない。何故か。

恐らくだが技術力を上げずに、生産力と消費を拡大しようとしているのではないか。一般的に、技術力が上がると、その地域の政治力も同時に上がる。地方の政治力が上がると現中央政権が不安定になる。すると既得権益が失われる。そこで中国政府は、日本の工場を積極的に誘致して、そこから金型などの生産ノウハウをパチって、技術力をつけることなく生産力だけを上げようとしたのではないだろうか。

技術開発は大抵金がかかるが、日本人の様に地道に努力して技術開発し、地道に働いて技術料を支払う民族は、どちらかというと世界的にみても稀な存在だ。特にアジアでは、可能な限りタダ乗りで済ませるのが常識だ。 それに関して民度が低いといおうがマナーが悪いといおうが、それが現実だ。しかも、それは特に中国に限った問題ではなく、ヨーロッパでも同じ事だ。

技術をパチらせて生産力をつけて(これを格好良い言葉で呼ぶと『技術移転』と呼ぶらしい)経済発展させ、そこに投資して金儲けをする、というのは、実は既に日本で起こっていた事らしい。アメリカは、わざとアメリカの自動車産業のノウハウを日本に持ってきて、日本人がそれをパチって、世界規模の産業になったという前例がある。 こうやってアメリカは、次々に色々な国に技術をパチらせて、経済的に発展させて、投資して金儲けして、経済が頭打ちになったら捨てる、ということを繰り返してきたのではないだろうか。


中国政府は、どちらかというと今は日本と仲良くしたいのではないだろうか。中国を核にしたアジア経済圏に日本が取り込まれると、大きく発展する。

だが中国政府(?)は、日本の挑発に乗っている様だ。挑発に乗ってしまえば、日本を中国の経済圏に取り込みにくくなる。だが中国政府は、挑発に乗ってしまっているし、挑発に乗るだけでなく、反日デモなどを煽動することで、日本の挑発を手伝っている様相すらある。恐らく日本政府の中にも、中国政府の中にも、アメリカの指示で動く人達がたくさん紛れているのだろう。

恐らくだが、中国を昔のアメリカのような消費大国に仕立て上げて周囲の産業を儲けさせようとする人達と、中国と日本を仲違いさせてそこに武器を売って儲けようとする人達が、喧嘩をしているところなのではないか。

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僕は、プログラマで技術屋だ。 だから技術の進んだ国に行って、そこで仕事をして儲けるのが、僕の基本的スタンスだ。僕は最初、中国が経済的に大きく発展し、技術も発展するので、そこで仕事をすべきだろうと思っていた。だけど、これはある面から見ると、間違っていた様な気もする。恐らくだけど、中国は経済的に大きく発展する事はあっても、技術的に大きく発展する事はないような気がする。 それは政治的に見ても技術的に見ても、そう感じる。

中国人は、地域や民族の差はあれ、全般的に日本人ほど辛抱強くない。日本人の様に、自分の幸せを犠牲にしてでも絶対に何かを成し遂げようとするタイプの人は、少ない。よもや中国にそういう極めて志の高い人が居たとしても、中国国内ではその志の高さが生かせるチャンスはない。

中国には、技術発展や経済発展よりも、むしろ人として家族と一緒に過ごす時間・友と一緒に過ごす時間を大切にして、人生について深く考えながら、ゆっくりと人生を過ごすことに価値観を持っている人が多い様に僕は思う。

それは日本人がとうの昔に失って、もう二度と取り返しのつかなくなったものばかりだ。

いつか、日本と中国が、他国の都合に振り回されることなく、人間的・哲学的・技術的に尊敬しあって仲良く出来る日がこないものか。

著者オカアツシについて


小学生の頃からプログラミングが趣味。都内でジャズギタリストからプログラマに転身。プログラマをやめて、ラオス国境周辺で語学武者修行。12年に渡る辺境での放浪生活から生還し、都内でジャズギタリストとしてリベンジ中 ─── そういう僕が気付いた『言語と音楽』の不思議な関係についてご紹介します。

特技は、即興演奏・作曲家・エッセイスト・言語研究者・コンピュータープログラマ・話せる言語・ラオ語・タイ語(東北イサーン方言)・中国語・英語/使えるシステム/PostgreSQL 15 / React.js / Node.js 等々




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