タイで暗殺未遂事件…反タクシン派指導者狙い銃撃、3人負傷 (おかあつ)
2009年04月19日 05:26
■タイで暗殺未遂事件…反タクシン派指導者狙い銃撃、3人負傷
(読売新聞 - 04月17日 21:07)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=812011&media_id=20
以上のニュースについて書いた日記の転載ですが、よろしければご笑覧いただけたらと思います。
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今週、赤シャツ軍団が都心部を選挙して軍隊と衝突しそうになったニュースがあった。 これは、いよいよ手詰まり感が強くなってきたタクシンが、農政に不満を持っている東北部のイサーン人に国外から資金やノウハウを提供して一揆を起こさせることで、アビシット政権にダメージを与え、帰国への手がかりを作ろうとする目的があったと考えられる。
もっとも、武器を持たない農民が一揆を起こしたぐらいで、武装した軍を完全制圧できるわけがない。 多分タクシンの狙いは衝突による死者だったのではないかと思う。 アピシット政権下で軍事衝突が起こって東北人に死者でも出れば、アピシット政権の国際的な評価が悪化することは避けられないからだ。 ある意味では、今回タクシンはイサーン人を捨て駒として使ったといえる。
一方で、今回のデモ騒動で、東北地方のイサーン人(タクシン派)は、相当すっきりしただろう。 黄色シャツのパンタミット(PAD)が都心で散々暴れて世界中に大迷惑をかけた挙句、自分たちの要望をむりやりに通したことは、記憶に新しい。 これに対して、東北の人(赤シャツ)は、何故都心部は何でも言いたい放題で、何で自分たちの意見は完全無視なのかと面白く思っていなかった。 しかし、今回のデモで自分たちも心地よい一撃を加えてすっきりしただろう。
そもそも東北部のタクシン派(イサーン人)と呼ばれている人たちは、もともとそんなにタクシンが好きなわけではない。 タクシンは、農政がとても優秀だった。 しかしタクシン以外の政治家は、極端に農政がチャランポランだったので、タクシン以外の政治家を選びようが無かっただけだ。 (僕は、軍事政権のジャイアン式チャランポランな農政で大損をこうむったので、良く知ってる。)
そんななか、新しい首相のアピシットになってからは、非常に農政がよくなってきていたようだ。 だから東北のイサーン人はもうタクシンじゃなくてもいい、と思い始めている。 つまり、東北地方のタクシン派は、もういくらタクシンがたきつけても動かない。 だからタクシンは、もうイサーン人を使えない。
タクシンもそれに気がついているだろう。 一方、ソンティ率いるパンタミット(PAD)も空港を閉鎖したことで相当評判が悪くなっているので、パンタミットももう以前のような大規模なデモは起こせないだろう。
そんななか、このニュースをみると、タクシンもソンティも持ち駒が少なくなって来ているのだろう、いよいよ露骨になってきた感がある。
この問題の本質は華僑の派閥争い、または、ソンティとタクシンの私怨だろうと僕は思っている。 これまでは、問題の本当の理由をさまざまなブラフで隠してきていた。 反タクシン派は何故デモを起こすのかといえば、それは 「タクシンは汚職がひどいから」 「株を外国に売ったから」 「脱税したから」「東北人が不正な選挙をしたから」 というように色々言ってきたが、これらはどれもブラフで微妙に事実と異なる。 一方、タクシンはタクシンで、これまでは東北地方の農民の支持を背景にした民主主義をブラフにして色々なことをしてきた。
タイがそのことに気がついていないわけはない。 しかし、タイは何も言わなかった。 タイは、これまでそういう、感情のいさかいから来る大爆発をそっと見守ってきたといえる。 こうやって怒りが収まって自然に収束するのを待っていた。 しかし、彼らの問題はエスカレートする一方で、収まる気配はない。
恐らく、ソンティ・タクシンのどちらも、もう先行きは長くないだろう。 タイでは、怒りのその先にあるものは破滅だけだからだ。
タイは微笑みの国と呼ばれるが、逆に見ると、「怒ったら負け」の国だ。 どんなに大きな問題があろうと、どんなにその理由が不条理であろうと、怒った人が悪人とみなされる。 怒った人が常に負けるのだ。 つまり、ソンティもタクシンもカンカンに怒っていているが、このまま行けば最終的にどちらもタイから見放されて、負けだろう。
ソンティもタクシンも、華僑で100%タイ人じゃない。 外国からやってきたビジネスに長けて優秀な彼らは、タイでよく働き、タイにいいように使われ、最終的に用が済んで捨てられる。 タイ国は、今まで、彼らのやるビジネスが合法だろうが非合法だろうが、何でも優しく許してきたが、近い将来、その手を静かにそっと握って、手の中の彼らを握りつぶすだろう。
タイっていうのは、実に人を使うのがうまい国だと思う。
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■タイで暗殺未遂事件…反タクシン派指導者狙い銃撃、3人負傷
(読売新聞 - 04月17日 21:07)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=812011&media_id=20
【バンコク=田原徳容】タイのバンコクで17日朝、反タクシン元首相派勢力「市民民主化同盟(PAD)」指導者の一人、ソンティ・リムトンクン氏(61)の乗用車が武装グループの銃撃を受け、ソンティ氏と側近ら計3人が負傷した。
バンコクはタクシン派の反政府デモが収まったが、依然、非常事態宣言下にある。警察は暗殺未遂事件とみており、両派の対立はさらに先鋭化しそうだ。
警察などによると、ソンティ氏は運営する放送局に向かう途中、ガソリンスタンドで襲われた。グループは4人以上と見られ、複数の自動小銃を100発以上発砲し、逃走したという。PAD幹部は、手口などから軍や警察関係者の犯行との見方を示した。
(読売新聞 - 04月17日 21:07)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=812011&media_id=20
以上のニュースについて書いた日記の転載ですが、よろしければご笑覧いただけたらと思います。
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今週、赤シャツ軍団が都心部を選挙して軍隊と衝突しそうになったニュースがあった。 これは、いよいよ手詰まり感が強くなってきたタクシンが、農政に不満を持っている東北部のイサーン人に国外から資金やノウハウを提供して一揆を起こさせることで、アビシット政権にダメージを与え、帰国への手がかりを作ろうとする目的があったと考えられる。
もっとも、武器を持たない農民が一揆を起こしたぐらいで、武装した軍を完全制圧できるわけがない。 多分タクシンの狙いは衝突による死者だったのではないかと思う。 アピシット政権下で軍事衝突が起こって東北人に死者でも出れば、アピシット政権の国際的な評価が悪化することは避けられないからだ。 ある意味では、今回タクシンはイサーン人を捨て駒として使ったといえる。
一方で、今回のデモ騒動で、東北地方のイサーン人(タクシン派)は、相当すっきりしただろう。 黄色シャツのパンタミット(PAD)が都心で散々暴れて世界中に大迷惑をかけた挙句、自分たちの要望をむりやりに通したことは、記憶に新しい。 これに対して、東北の人(赤シャツ)は、何故都心部は何でも言いたい放題で、何で自分たちの意見は完全無視なのかと面白く思っていなかった。 しかし、今回のデモで自分たちも心地よい一撃を加えてすっきりしただろう。
そもそも東北部のタクシン派(イサーン人)と呼ばれている人たちは、もともとそんなにタクシンが好きなわけではない。 タクシンは、農政がとても優秀だった。 しかしタクシン以外の政治家は、極端に農政がチャランポランだったので、タクシン以外の政治家を選びようが無かっただけだ。 (僕は、軍事政権のジャイアン式チャランポランな農政で大損をこうむったので、良く知ってる。)
そんななか、新しい首相のアピシットになってからは、非常に農政がよくなってきていたようだ。 だから東北のイサーン人はもうタクシンじゃなくてもいい、と思い始めている。 つまり、東北地方のタクシン派は、もういくらタクシンがたきつけても動かない。 だからタクシンは、もうイサーン人を使えない。
タクシンもそれに気がついているだろう。 一方、ソンティ率いるパンタミット(PAD)も空港を閉鎖したことで相当評判が悪くなっているので、パンタミットももう以前のような大規模なデモは起こせないだろう。
そんななか、このニュースをみると、タクシンもソンティも持ち駒が少なくなって来ているのだろう、いよいよ露骨になってきた感がある。
この問題の本質は華僑の派閥争い、または、ソンティとタクシンの私怨だろうと僕は思っている。 これまでは、問題の本当の理由をさまざまなブラフで隠してきていた。 反タクシン派は何故デモを起こすのかといえば、それは 「タクシンは汚職がひどいから」 「株を外国に売ったから」 「脱税したから」「東北人が不正な選挙をしたから」 というように色々言ってきたが、これらはどれもブラフで微妙に事実と異なる。 一方、タクシンはタクシンで、これまでは東北地方の農民の支持を背景にした民主主義をブラフにして色々なことをしてきた。
タイがそのことに気がついていないわけはない。 しかし、タイは何も言わなかった。 タイは、これまでそういう、感情のいさかいから来る大爆発をそっと見守ってきたといえる。 こうやって怒りが収まって自然に収束するのを待っていた。 しかし、彼らの問題はエスカレートする一方で、収まる気配はない。
恐らく、ソンティ・タクシンのどちらも、もう先行きは長くないだろう。 タイでは、怒りのその先にあるものは破滅だけだからだ。
タイは微笑みの国と呼ばれるが、逆に見ると、「怒ったら負け」の国だ。 どんなに大きな問題があろうと、どんなにその理由が不条理であろうと、怒った人が悪人とみなされる。 怒った人が常に負けるのだ。 つまり、ソンティもタクシンもカンカンに怒っていているが、このまま行けば最終的にどちらもタイから見放されて、負けだろう。
ソンティもタクシンも、華僑で100%タイ人じゃない。 外国からやってきたビジネスに長けて優秀な彼らは、タイでよく働き、タイにいいように使われ、最終的に用が済んで捨てられる。 タイ国は、今まで、彼らのやるビジネスが合法だろうが非合法だろうが、何でも優しく許してきたが、近い将来、その手を静かにそっと握って、手の中の彼らを握りつぶすだろう。
タイっていうのは、実に人を使うのがうまい国だと思う。
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■タイで暗殺未遂事件…反タクシン派指導者狙い銃撃、3人負傷
(読売新聞 - 04月17日 21:07)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=812011&media_id=20
【バンコク=田原徳容】タイのバンコクで17日朝、反タクシン元首相派勢力「市民民主化同盟(PAD)」指導者の一人、ソンティ・リムトンクン氏(61)の乗用車が武装グループの銃撃を受け、ソンティ氏と側近ら計3人が負傷した。
バンコクはタクシン派の反政府デモが収まったが、依然、非常事態宣言下にある。警察は暗殺未遂事件とみており、両派の対立はさらに先鋭化しそうだ。
警察などによると、ソンティ氏は運営する放送局に向かう途中、ガソリンスタンドで襲われた。グループは4人以上と見られ、複数の自動小銃を100発以上発砲し、逃走したという。PAD幹部は、手口などから軍や警察関係者の犯行との見方を示した。
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