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2008年11月8日土曜日

心の安らぎ...สงบ (mixi05-u459989-200811081536)

ミクシ内で書かれた旧おかあつ日記を紹介します。
心の安らぎ...สงบ
2008年11月08日15:36
ALC にこういう日記があるのを発見した
http://kaigai.alc.co.jp/world/hitomi/2008/03/348.html

すごく文章がしっかりしていて頭が良い方なんだなと思った。 どうやらこの方はバンコクに住んでタイ語力も普通の日本人よりずっと高いみたいだ。 でも読んでいるとなんかイライラする。 何故だろう。 僕はこれまでバンコクに住む日本男性についてのイライラを想定していろいろなことを書いてきたけど、それとはまた別な感じのイライラだ。 でも、考えてみると、これはなんというかこの人にだけではなく日本女性全般に感じるイライラでもある。

何故なのか考えてみた。 日本女性って、全般的に、凄く価値観が金銭的・物質的な面に偏っているところがあるような気がする。 先日もあるタイで働く日本女性とお会いしたことがあったのだけど同じ印象を持った。

http://kaigai.alc.co.jp/world/hitomi/2008/09/post_25.html

この日記を読んでも思うけど、僕はこの日本に行く女の子がどういう風に不安がっているのかわかる。 だけど著者はこの不安を金銭的・物質的な視点を通して理解していることを感じる。 女の子が感じている不安はそういう数値的なものじゃない。



僕はこの日記の中のJさんの話していることの方がよほどよくわかるし、何故Jさんがムキになってまくし立てるのかも非常によくわかる。 田舎(イサーン)には精神的な安らぎを求める文化が残っている。 これはこの日記の著者が考えているような「田舎のくらし」とは全然別なものだ。 ところがこれを著者は「都会というのはそういうものだ」という一言で片付けてしまっている。 そこが物足りない。

สงบ サ(ン)ゴップ sangop って言う言葉がある。 これは心の落ち着きを表す言葉で、田舎独特の言いまわしである様な気がする。 (タイ語の辞書にも載っているけど、僕がこの言葉をはじめて聞いたのは実はタイ国内じゃなくてラオスでだった※。) これは実は、ただのひとつの言葉を超えて、哲学といえるほどの重みを持っているように感じる。

僕は、東京生まれの東京育ち、東京以外は一切知らない都会っ子で、6歳の頃からパソコンショップに出入り、趣味はプログラミング、時を同じくしてジャズやYMOとかアースウィンドアンドファイヤーが大好きで---というような都会っ子の極みの様な人生を送ってきたので、都会っ子という意味で言えばこの著者よりもずっと都会っ子だ。

しかしだからといって僕は田舎を見下したりはしない。 このサゴップという言葉にはとても素晴らしいものがあり、そこには尊敬できるものがある。 これは田舎だけではない。 これこそがタイ人の心の奥底にある基本的な考え方であると感じる。

でもみんなそこまで踏み込まない。



誰でも自分の精神が崩壊してしまわないように、どこかで自分を守ろうとする本能があるのだと思う。 これ以上深く踏みこんだら自分が壊れると感じる限界があるのだと思う。 しかしその限界というのは実は虚像なのだ。 実は、その限界を超えてみると案外なんていうこともなく、慣れてしまえばそっちの方が普通に感じたりするものだ。

僕的には、これこそが語学の奥義であるように思える。 文字を覚えたり単語を覚えたりするのではなく。


※ タイ語とラオス語は、非常に近い言語で文法は若干違うものの、単語などは共通するものが多い。 スペイン語・ポルトガル語の関係と似ている。 タイの東北地方は百数十年前までラオスの領土だったため、生活上はタイ語ではなくラオス語を話している。 僕は、上記のエピソードから、漠然と、このサゴップという考え方が、タイの都心では失われている様子を感じる。


コメント一覧
ナム   2008年11月08日 18:29
タイにいると日本女性が客観的に見えてきますよね。
サンゴップという言葉知りませんでした。
どんな綴りですか?

おかあつさんが「タイ人」と言うとき、「イサーン人」とほぼ同意ととらえていいのでしょうか?

おかあつ   2008年11月09日 00:41
>どんな綴りですか?
สงบ です。

>おかあつさんが「タイ人」と言うとき、「イサーン人」とほぼ同意ととらえていいのでしょうか?

そういうわけではないのですが、日本人が「タイ人」って言っている実体は存在しないっていうことを思うのです。

タイ人って考えてみれば凄くはっきりしない言葉です。 タイ国籍を持っている人という意味で行けばタイ人はタイ人なんですが、言葉や文化で考えてみるとタイ人ってはっきりしたものは実はないような気がします。

中には、バンコク人の他、華僑の末裔とかイサーン系、チェンマイ系、スコタイ系、南部系、宗教も仏教の人もいれば、イスラムの人、ヒンズーの人もいて、ゴチャゴチャです。 バンコク人って言われている人もよく見てみれば、多くの人は華僑の影響が強く、それがあのバンコク人独特な活発な感じのフレーバーにつながっているような気がします。 しかし、そういうバンコク人ばかりでなく、色黒なラオ系の雰囲気が強い人も居ます。 こういう人もバンコクで生まれ育てばタイ語しか話さないですし、文化的にはバンコク人です。

要するに、この人たち、それぞれ全然性格が違うんです。

だから「タイ人は○○○だね」ってひとくくりに話すのは凄く違和感を感じます。
ナム   2008年11月09日 22:29
おかあつさん、レスありがとうございます。

初めからタイ語で書いてあったのですね。
パソコンで見てわかりました。
携帯から見ていたので、タイ語が見えませんでした。
どうも失礼しました。

うちのTHAI-ENGLISH STUDENT DICTIONARY にはありませんでした。
富田竹二郎クラスので見ればきっとのっているのでしょうが、引っ越しのどさくさで見つかりませんでした。
見つかったら引いてみます。
小さなラオス語辞典もどこかにあったので、さがしてみたいと思いました。


タイ人もいろいろいるようですね。
言葉も地域によってかなりちがうようですね。
タイ人同士でも地元の言葉で話されるとよくわからなかったりするようです。

ちなみに、北と東北のタイ人は友人がいたのでイメージがわくのですが、南はいったこともないのでよくわかりません。きっとずいぶんちがうのでしょうね。

いちおうプーケットにだけは行きましたが、あまりに観光客相手のぼったくり地域だったのでがっかりした覚えがあります。
人間は他の地域にくらべても極めていいかげんだった感じがしました。




おかあつ   2008年11月09日 23:51
自分も「最強に詳しい」とはとても言いがたいので、なんとも言いがたいのですが、

>いちおうプーケットにだけは行きましたが、あまりに観光客相手のぼったくり地域だったのでがっかりした覚えがあります。

こういうボッタクリがたくさんいる地域っていうのは、要するに華僑がたくさん居る地域なんだと思います。 で、この華僑がまた人によって全然違ってて、プーケットとかに居る華僑はまたほかの地域にいる華僑とまたぜんぜん雰囲気が違うんですよ。

あの野菜とか果物とかをカービングするのは (多分ですが) この人たちの特技です。 白い服を着てお祭りするのもこの人たちじゃないでしょうか。 キンチェー(中国式の断食)をするのもこの人たちじゃないかって思います。 僕、南部以外でキンチェーする人って見たことがないです。 聞くところによるとイサーンでもキンチェーする人が居るって聞いたことあるんですが、見たこと無いです。 多分この人たちは普段話している言葉も他の人たちとちょっと違う中国語なんだと思います。



タイ語の辞書はこれがいいです。
http://www.pdicthai.com/~pdicthai/

無料で使える上、ボキャブラリー量は他のどの辞書よりも多いです。 体験的に思うんですが、タイ語の紙の辞書は間違っていることが多くてとても使いづらいです。

また、PDIC形式のタイ語辞書データはあちこちに無料で落ちてます。 最近新たに「工業用語辞書」というものを入れたんですが、無料なのに凄まじいボキャブラリ量で、すごい武器です。

おかあつ   2008年11月09日 23:59
>人間は他の地域にくらべても極めていいかげんだった感じがしました。

タイ人って結構いい加減じゃないんですよ。

そういうことする人って、相手が外国人で自分たちの習慣を知らないことを知ってるので、そこにつけこんでいい加減なことをするんです。つまり、外国人は、いい加減なことされても判別付かなくて「これがタイ人かよ!?タイ人はしょうがねぇなぁ!」って思ってあきらめてくれるのを知っているので、安心していい加減なことをするんです。

また、こういうことをする人って、普通のタイ人は一切相手にしないようなどうしようもない人のことが多いです。
ナム   2008年11月10日 10:04
おかあつさん、

けっこうな辞書をご紹介くださりどうもありがとうございます。
時代が変わってきましたねぇ。


>こういうボッタクリがたくさんいる地域っていうのは、要するに華僑がたくさん居る地域なんだと思います。


たしかにプーケットは中国人だらけでした。
プーケットタウンですが。
ホテルで大声で話すからうるさくて。

タイ人には文句を言った方がいいんですかぁ。
いつもこれがタイなんだとあきらめておりました。
際限なくつけこんでくるところはあります。

おかあつ   2008年11月10日 13:34
>たしかにプーケットは中国人だらけでした。 プーケットタウンですが。
そうです、そうです。
僕もプーケットタウンに行ったことがあるんです。
プーケットタウンの風景を頭に浮かべながらコメントを書いてました。

PC辞書はすごいです。 語学勉強革命じゃないかっていうくらい勉強が簡単になりました。
 
出展 2008年11月08日15:36 『心の安らぎ...สงบ』

著者オカアツシについて


小学生の頃からプログラミングが趣味。都内でジャズギタリストからプログラマに転身。プログラマをやめて、ラオス国境周辺で語学武者修行。12年に渡る辺境での放浪生活から生還し、都内でジャズギタリストとしてリベンジ中 ─── そういう僕が気付いた『言語と音楽』の不思議な関係についてご紹介します。

特技は、即興演奏・作曲家・エッセイスト・言語研究者・コンピュータープログラマ・話せる言語・ラオ語・タイ語(東北イサーン方言)・中国語・英語/使えるシステム/PostgreSQL 15 / React.js / Node.js 等々




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