格
2008年04月27日18:42
ユースホステルに泊まると、最初つらいけど、だんだん慣れてきて、ようやっと慣れて面白くなったな、と思うときには、チェックアウトの日になってしまうのが、常だ。
8:05 2008/04/27 (ドイツ時間で AM1:05)
今日、スターバックスでカプチーノを二杯飲んだせいか、頭が冴えてしまって眠れない。
今日、知り合ったイランの人が遊びに行こうと誘ってくれたのだけど、習慣からか、どうしてもスターバックスに行って考え事をしたかった。 イランの人は近所でイランパーティーがあるということを知っていてとても興味深かった。残念だけど断って、スターバックスに向けて歩き始めた。
今日は土曜日で天気も良く街のあちこちで散歩をしたりサイクリングをしたりする人がたくさんいた。 僕はとても散歩が好きで、いつも散歩しながら考え事をする習慣がある。しかし、東京でも有数の工業地帯である我が街Kでは、散歩の場所探しにとても苦労する。 散歩コースの豊富さは横浜さえ比較にならないほどで、こんなに散歩する場所がたくさんある街というのは、素晴らしいと思う。 スターバックスには直行せず、しばらく散歩することにした。
ビクトリーモニュメントがあり、ビクトリーモニュメントを中心として森のような公園が整備されているのに気が付いた。 この一帯の美しさは筆舌に尽くしがたい。 色と配置がとても調和が取れている。 まるでマックのデスクトップのようだ。 それに比べて、東京はウィンドウズのように調和が取れていないように思う。
なんというか、砂と石の色のバランスもきちんと神経が行き届いていることを感じる。形や配置にも同じ事を感じる。絶対的な安定感があり、背後に幾何学的なリズムを感じる。 ベルリンだって、古い街とはいえ戦災があっただろうし、僕が見ているものもそんなに古いものではないはずだと思う。 東京もとても新しい街だ。 伝統の短さに関しては対等のはずなのに、ベルリンのほうが美しいのは、何故なのかと思う。
今日は天気が最高に良く、大陸独特な果てしなく遠くまでつながるドイツの青空がたとえようも無く美しかった。 その極上の背景の上に、緑の森と芝生と、調和の取れた石造りの建築があり、その中を自転車と子犬と散歩する老人が漂っていた。
スターバックスについて、日記を書いたりした。 何で、こんなに感じが悪いのか色々考えたが、確かに理由は色々ある。 しかし、やっぱり最大の感じの悪い理由は英語を話していることじゃないかと思い当たる。 では、ドイツ語を話せばよいのだが、問題は、ドイツ語の学習がとても難しいことなのだ。 ドイツ語の教科書を開くと必ず、冠詞のことが最初に出てくる。 それが理解できず、というか理解できても具体的な例が思い浮かばず、いきなり行き詰まってしまう。
ドイツ人の友達に「冠詞は全て省いても通じる」という事を聞いた。 ドイツ人がいうのだから間違いが無いと思う。 この言葉は僕にすごく大きな示唆を与えてくれた。 普通、言葉を話すときというのは、単語から覚えると思う。 たくさんの馴染みの単語がそろってから、少しずつ文法的な感覚=こういう配置はおかしいとか、こういう配置にすると意味が変わるとか、そういったものが身についてくるのだと思う。 下手な話、文法を知らなくても、単語を全部知っていれば、コミュニケーションは取れる。 実は単語を覚えるときは、単語の性別も覚えなければいけない。 これがさらに話を複雑にしているのだけど、これも恐らく、後から少しずつ覚えていくのが理想的であるように思える。
そういう風に考えていくと、単語と動詞と形容詞だけ、とにかくたくさん覚えれば、とにかく英語を話さないでも済むようになるのではないかと閃いた。 そこで、とにかくひたすら単語を勉強する事にした。 この作戦はすごく成功だったみたいで、なんとなく、頭の中で大きな変化が起こったことを感じた。
色々と調べて暗記をしているうちに頭の中で何かが起こった。 突然、ぱっと閃いて、何か頭の中で「格」の意味がつながった。 ロシア語もそうだったのだけど、「格」というものの理解がとても難しい。 格というのは、日本語の「てにをは」のような存在で、これらのドイツ語・ロシア語・ギリシャ語などの「屈折語」と呼ばれる言語では、日本語のようなシステマティックな構造になっておらず、独特な変化をする。 これがややこしい。
しかも、このドイツ語の格は、日本語の教科書だと、ドイツ語の教科書やギリシャ語・ロシア語の教科書とぜんぜんちがう呼び方をするので、話がこんぐらかってくる。 しかも、他の言語でも色々な派閥があって、物によって日本語の名前がバラバラなので、さらにこんぐらかって来る。
ちなみに、格の一覧と意味は次のとおりだ。 見出しは、英語の名前・日本語の名前、ただし、()括弧の中はロシア語で一般的な名前) []括弧の中はドイツ語で一般的な名前。 説明はwikipediaから転載
・nominative case 主格 [1格]
名詞・代名詞の格のひとつであり、典型的には名詞や代名詞(冠詞・形容詞の場合は修飾する名詞)が文の主語ないし主語と同格の補語(属詞)になる場合に使用される。主格以外の格は斜格と呼ばれる。 また、しばしば呼格を兼ねており、人・物への呼びかけなどにも使用される。
・ accusative case 対格 [4格]
名詞がもつ格のひとつで、主格対格型言語の場合、他動詞の直接目的語を標識する場合に用いられる。例えば日本語の場合、「を」が該当する。
・dative 与格 [3格]
名詞や代名詞における文法格である。与格は一般に動詞の間接目的を標示する。日本語では主に「に」で表される。
・genitive (生格) 属格 [2格]
名詞・代名詞の格の一つで、主に所有を表す。
・ instrumental case (造格) 具格
名詞の格の一つで、道具・手段を表す。スラヴ語派では造格という。 サンスクリットにおいては独立の格形を保っているが、古典ギリシア語では与格に、ラテン語では奪格に吸収された。
・locative case (前置格) 処格
名詞・形容詞の格の一つで、場所を示す。 所格、地格、位格、依格、於格などともいう。
◇
おなじものなのにこんなにたくさん呼び方がある。 まとめてみれば、たったこれだけのことだ。 とても酷い状況だと思う。 特にドイツ語の教科書が酷い。 日本語でかかれたドイツ語の教科書で勉強すると、英語でかかれたドイツ語の教科書の意味がさっぱりわからなくなる。 また、その後、ギリシャ語やロシア語を勉強したとき、おなじものに違う名前がつくため、とても理解が困難になる。 しかもドイツ語の一般的な教科書の順番と違うため、さらに混乱に拍車をかける。 しかも、現地の教科書で一般的な順番とぜんぜん違う順番なので、さらに混乱は頂点を極める。(上記の表はちゃんと現地の表に合わせてある)
この表をみれば、なんてことは無いのだけど、この表を作るのに、子一時間かかってしまった。 一番いいのは、英語の名前だけを使うことだ。 だけど、日本語を話す日本人としては、そうも行かないので、この表を見て悪戦苦闘する事になる。
この格 case というシステムは、とても古いのだそうで、元々は、サンスクリット語から来ているということを、日英バイリンガルのJさんから聞いたことがあった。 Jさんは、アメリカで学生時代、古代サンスクリット語・古代ギリシャ語が専攻だったのだけど、その後、色々有って、日本に渡り、日本で日本語を使ってロシア語を勉強したといっていた。 その時、名前はみんな違うけど、同じだということに気が付いて、とても驚いた、ということを話していた。
学問の異なるジャンル間での交流がもっと望まれる、ということがいわれて久しいけど、実現したという話もほとんど聞かなかった。 これがこうして、wikipedia の元で実現しているということは、とてもいいことだと思った。 しかし、同時に日本人の学問の未成熟さも露呈していると思う。
◇
おなかが減ったので、近くにあったサブウェイに行った。 せっかくドイツにいても、僕の語学スキルではこれぐらいしか入れる場所が無いのだ。 それでも、僕は、英語を話さないでとにかくドイツ語でがんばってみようと思った。 考えてみれば、サブウェイというのは、サンドウィッチの中身の具についてあれこれと注文をつけなくてはいけないという意味で、結構ハイレベルな店ではあった。 でも、注文する内容はよく知っているので、比較的不安は無かった。
どもりまくり、つまりまくりだったけど、善戦した。 通じたし、英語を話したときみたいに、ツンケンされなかった。 当たり前の様に通じた。 それがなんとも意外な感じがしたし、また、とても嬉しかった。
そういえば、スターバックスで二杯目のカプチーノを頼むとき、簡単なものだったけど、ドイツ語で注文していたのだ。 ただの カプチーノ、ビッテ だけだったけど、英語でいうより、遙かにスムーズだった。
教訓「英語は世界の共通語だけど、気持ち的にはそうでもない。」
8:05 2008/04/27 (ドイツ時間で AM1:05)
今日、スターバックスでカプチーノを二杯飲んだせいか、頭が冴えてしまって眠れない。
今日、知り合ったイランの人が遊びに行こうと誘ってくれたのだけど、習慣からか、どうしてもスターバックスに行って考え事をしたかった。 イランの人は近所でイランパーティーがあるということを知っていてとても興味深かった。残念だけど断って、スターバックスに向けて歩き始めた。
今日は土曜日で天気も良く街のあちこちで散歩をしたりサイクリングをしたりする人がたくさんいた。 僕はとても散歩が好きで、いつも散歩しながら考え事をする習慣がある。しかし、東京でも有数の工業地帯である我が街Kでは、散歩の場所探しにとても苦労する。 散歩コースの豊富さは横浜さえ比較にならないほどで、こんなに散歩する場所がたくさんある街というのは、素晴らしいと思う。 スターバックスには直行せず、しばらく散歩することにした。
ビクトリーモニュメントがあり、ビクトリーモニュメントを中心として森のような公園が整備されているのに気が付いた。 この一帯の美しさは筆舌に尽くしがたい。 色と配置がとても調和が取れている。 まるでマックのデスクトップのようだ。 それに比べて、東京はウィンドウズのように調和が取れていないように思う。
なんというか、砂と石の色のバランスもきちんと神経が行き届いていることを感じる。形や配置にも同じ事を感じる。絶対的な安定感があり、背後に幾何学的なリズムを感じる。 ベルリンだって、古い街とはいえ戦災があっただろうし、僕が見ているものもそんなに古いものではないはずだと思う。 東京もとても新しい街だ。 伝統の短さに関しては対等のはずなのに、ベルリンのほうが美しいのは、何故なのかと思う。
今日は天気が最高に良く、大陸独特な果てしなく遠くまでつながるドイツの青空がたとえようも無く美しかった。 その極上の背景の上に、緑の森と芝生と、調和の取れた石造りの建築があり、その中を自転車と子犬と散歩する老人が漂っていた。
スターバックスについて、日記を書いたりした。 何で、こんなに感じが悪いのか色々考えたが、確かに理由は色々ある。 しかし、やっぱり最大の感じの悪い理由は英語を話していることじゃないかと思い当たる。 では、ドイツ語を話せばよいのだが、問題は、ドイツ語の学習がとても難しいことなのだ。 ドイツ語の教科書を開くと必ず、冠詞のことが最初に出てくる。 それが理解できず、というか理解できても具体的な例が思い浮かばず、いきなり行き詰まってしまう。
ドイツ人の友達に「冠詞は全て省いても通じる」という事を聞いた。 ドイツ人がいうのだから間違いが無いと思う。 この言葉は僕にすごく大きな示唆を与えてくれた。 普通、言葉を話すときというのは、単語から覚えると思う。 たくさんの馴染みの単語がそろってから、少しずつ文法的な感覚=こういう配置はおかしいとか、こういう配置にすると意味が変わるとか、そういったものが身についてくるのだと思う。 下手な話、文法を知らなくても、単語を全部知っていれば、コミュニケーションは取れる。 実は単語を覚えるときは、単語の性別も覚えなければいけない。 これがさらに話を複雑にしているのだけど、これも恐らく、後から少しずつ覚えていくのが理想的であるように思える。
そういう風に考えていくと、単語と動詞と形容詞だけ、とにかくたくさん覚えれば、とにかく英語を話さないでも済むようになるのではないかと閃いた。 そこで、とにかくひたすら単語を勉強する事にした。 この作戦はすごく成功だったみたいで、なんとなく、頭の中で大きな変化が起こったことを感じた。
色々と調べて暗記をしているうちに頭の中で何かが起こった。 突然、ぱっと閃いて、何か頭の中で「格」の意味がつながった。 ロシア語もそうだったのだけど、「格」というものの理解がとても難しい。 格というのは、日本語の「てにをは」のような存在で、これらのドイツ語・ロシア語・ギリシャ語などの「屈折語」と呼ばれる言語では、日本語のようなシステマティックな構造になっておらず、独特な変化をする。 これがややこしい。
しかも、このドイツ語の格は、日本語の教科書だと、ドイツ語の教科書やギリシャ語・ロシア語の教科書とぜんぜんちがう呼び方をするので、話がこんぐらかってくる。 しかも、他の言語でも色々な派閥があって、物によって日本語の名前がバラバラなので、さらにこんぐらかって来る。
ちなみに、格の一覧と意味は次のとおりだ。 見出しは、英語の名前・日本語の名前、ただし、()括弧の中はロシア語で一般的な名前) []括弧の中はドイツ語で一般的な名前。 説明はwikipediaから転載
・nominative case 主格 [1格]
名詞・代名詞の格のひとつであり、典型的には名詞や代名詞(冠詞・形容詞の場合は修飾する名詞)が文の主語ないし主語と同格の補語(属詞)になる場合に使用される。主格以外の格は斜格と呼ばれる。 また、しばしば呼格を兼ねており、人・物への呼びかけなどにも使用される。
・ accusative case 対格 [4格]
名詞がもつ格のひとつで、主格対格型言語の場合、他動詞の直接目的語を標識する場合に用いられる。例えば日本語の場合、「を」が該当する。
・dative 与格 [3格]
名詞や代名詞における文法格である。与格は一般に動詞の間接目的を標示する。日本語では主に「に」で表される。
・genitive (生格) 属格 [2格]
名詞・代名詞の格の一つで、主に所有を表す。
・ instrumental case (造格) 具格
名詞の格の一つで、道具・手段を表す。スラヴ語派では造格という。 サンスクリットにおいては独立の格形を保っているが、古典ギリシア語では与格に、ラテン語では奪格に吸収された。
・locative case (前置格) 処格
名詞・形容詞の格の一つで、場所を示す。 所格、地格、位格、依格、於格などともいう。
◇
おなじものなのにこんなにたくさん呼び方がある。 まとめてみれば、たったこれだけのことだ。 とても酷い状況だと思う。 特にドイツ語の教科書が酷い。 日本語でかかれたドイツ語の教科書で勉強すると、英語でかかれたドイツ語の教科書の意味がさっぱりわからなくなる。 また、その後、ギリシャ語やロシア語を勉強したとき、おなじものに違う名前がつくため、とても理解が困難になる。 しかもドイツ語の一般的な教科書の順番と違うため、さらに混乱に拍車をかける。 しかも、現地の教科書で一般的な順番とぜんぜん違う順番なので、さらに混乱は頂点を極める。(上記の表はちゃんと現地の表に合わせてある)
この表をみれば、なんてことは無いのだけど、この表を作るのに、子一時間かかってしまった。 一番いいのは、英語の名前だけを使うことだ。 だけど、日本語を話す日本人としては、そうも行かないので、この表を見て悪戦苦闘する事になる。
この格 case というシステムは、とても古いのだそうで、元々は、サンスクリット語から来ているということを、日英バイリンガルのJさんから聞いたことがあった。 Jさんは、アメリカで学生時代、古代サンスクリット語・古代ギリシャ語が専攻だったのだけど、その後、色々有って、日本に渡り、日本で日本語を使ってロシア語を勉強したといっていた。 その時、名前はみんな違うけど、同じだということに気が付いて、とても驚いた、ということを話していた。
学問の異なるジャンル間での交流がもっと望まれる、ということがいわれて久しいけど、実現したという話もほとんど聞かなかった。 これがこうして、wikipedia の元で実現しているということは、とてもいいことだと思った。 しかし、同時に日本人の学問の未成熟さも露呈していると思う。
◇
おなかが減ったので、近くにあったサブウェイに行った。 せっかくドイツにいても、僕の語学スキルではこれぐらいしか入れる場所が無いのだ。 それでも、僕は、英語を話さないでとにかくドイツ語でがんばってみようと思った。 考えてみれば、サブウェイというのは、サンドウィッチの中身の具についてあれこれと注文をつけなくてはいけないという意味で、結構ハイレベルな店ではあった。 でも、注文する内容はよく知っているので、比較的不安は無かった。
どもりまくり、つまりまくりだったけど、善戦した。 通じたし、英語を話したときみたいに、ツンケンされなかった。 当たり前の様に通じた。 それがなんとも意外な感じがしたし、また、とても嬉しかった。
そういえば、スターバックスで二杯目のカプチーノを頼むとき、簡単なものだったけど、ドイツ語で注文していたのだ。 ただの カプチーノ、ビッテ だけだったけど、英語でいうより、遙かにスムーズだった。
教訓「英語は世界の共通語だけど、気持ち的にはそうでもない。」
コメント一覧
クレ 2008年04月28日 00:22
まずは単語・・・
そうかもしれないですねえ。
そうかもしれないですねえ。