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2007年12月14日金曜日

脳ミソが筋肉で出来ている (mixi05-u459989-200712142027)

ミクシ内で書かれた旧おかあつ日記を紹介します。
脳ミソが筋肉で出来ている
2007年12月14日20:27
今日は、ある用事があったので筑波まで行ってきた。 帰りは秋葉原が通り道という事で、僕の作業用マシン MacBookPro 用のメモリを買いに秋葉原で途中下車した。 僕は秋葉原にしょっちゅういっているわけではないけど、最近秋葉原って雰囲気が変わったなとは思う。 前と比べて、ブラっと店にはいったときに、ハードに詳しくない人と出会う確立が上がった様な気がする。 つい2~3年前はあまりそういうことが無かった様な気がする。 話していると、なんも知らなくて、おいおいって感じの店員とか、よくあうようになった気がする。

僕はPCにさほど詳しいわけではない。 プログラミングは得意だけど、ハードの細かい型番とかを調べたりはあまりしない。 その時に必要な情報だけ調べればそれで充分だからだ。 そんな僕だって、MacBookPro の型番が細かく分かれたりはしてない事ぐらいはわかる。 だって出てから1回しかモデルチェンジしてないし。 それぐらいは誰でも知ってるだろうって。 でも、 今日 店で、MacBookPro 用のメモリ下さい、っていったら出てきたアルバイトにお持ちの機種の型番をお願いします、って言われた。 3回聞きなおされて、3回 MacBookProですっていった後、「MacBookProって言っとるだろが!」とキレた。 そのあたりから、この店アカン... と思い始めた僕は、ちょっと気がつくのが遅かった。

それでもしばらく丁寧に話を聞いていてあげたんだけど、おいおい、って感じになってきたので、店を出てきてしまった。 前その店で買い物したことがあって、その時はこんな雰囲気じゃなかったような気がするんだけどなぁ... と思った。



今日こんなニュースが出ていた。

  作業環境を改善せよ さもなくば日本のエンジニアは壊滅する!
  http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0709/05/news004.html

  >> 日本のソフトウェアエンジニアの作業環境は、海外企業のそれとまるで異なるとか。ほうっておくと、日本人エンジニアはいずれ、失職する恐れが……。

こういう記事を見るたびに思うんだけど、日本のソフトウェア業界って、本当に終わってる。 というか、それ以前の問題としてスタート地点にすら立ててない。 何でなのか... という事をひとつひとつあげていったらキリがないけど、一つたとえるならば、日本のソフトウェア業界って、まるで肉体労働のようだということだ。

肉体労働ってどういうことだろうか。 とにかくやることは決まっている。 それをやるのは多少力仕事で大変ではあるが、とにかく体を動かせば終わる、とにかく量があるけども、頭を使わなくていいから、とにかく頑張ればどうにかなるだろう、といったニュアンスだろうか。

本当にそうだろうか。 実をいうと、この肉体労働のようだという例えは、業界内で効率が悪いソフトウェア開発作業を説明するのによく使われる比ゆの一つだ。 でもこの例えは正しくない。 まったく肉体労働をバカにするのも程があるというものだ。 一度でも肉体労働をしたことがあれば、この意見がいかに間違った意見なのかを知る。 作業に慣れた人であれば、要領を得て労せず汗を流さずに他の人よりも早く仕事を終わらせる事ができるものだ。 ところが、経験が浅いとなかなかはかどらない。 しかしあなたは、はかどらないながらも、とにかく何も考えずにひたすら体を動かす... しかししばらくすると、業を煮やした先輩からどやされることになる。 「おいノロマ! 頭とチンコは使えるうちに使え!」 この言葉にはある真実が宿っている。 肉体労働をするときは、チンコはともかくだが、頭を使っているひとの方が圧倒的に仕事が早い。 これは間違いがない。 肉体労働であればなおの事頭を使うべきなのだ。

ところが、日本のソフトウェア業界ってどうだろう。 そんなやり方でやったら何十年立ったって終わらない、と言った様なやり方を何十年も繰り返している。 ここには肉体労働で使うような要領というものがない。



そういえば、今日、用事を済ます中で、建築関係の人と話すことがあった。

「いや、最近CADを導入しましてね...」
「へーそうなんですか!」
「でも、使い方がわからなくて、何度コンピューターを壊そうと思ったことか... 手でやったほうが速いって何回思ったか知れませんよ」
「いや、実は僕、システム屋やってるんですが、実はそれは、大企業とかでも、とてもよくある幻想なんですよ。 システムを導入したがるんですが、導入したおかげで余計効率が悪くなってしまうという... 。とんでもない本末転倒ですが実によくあるんです。」
「なるほどなぁ...」
「コンピューターって融通が利かないですからね...。 でも、単純作業は物凄く得意でしょう?」
「そうなんですよ! 今まで帳票を全部手書きで電卓と取っ組み合いで仕事してたんですが、EXCEL使うようになってから 一瞬で終わるようになりましたからね!」
「そうです! だから、バランスを見ていいところを選んで使うことが大切なんです!」
「仕事にコンピューターを使えば98%は一瞬で終わりますからね... 。 」
「...ところが その残りの2%に二週間かかったりしてね!」
「そうそう!」
「でもその2%を一度作っちゃえば、98%はいつでも一瞬で終わるんですよね」



話が終わってからなんとなく考えた。 2% かぁ... そういえば、と思った。 コンピューターって、一番大切な「ちょっと」を終わらせてしまえば、一気に全自動化出来る。 これが大きな魅力じゃないかと思う。 ところが、その「ちょっと」が物凄く大変で、この「ちょっと」を作るのに何ヶ月もかかったりする。

しかしこの「ちょっと」の威力は物凄いものがあって、「ちょっと」を終わらせてさえしまえば、それまで何年もかけていた作業が一瞬で終わるようになったりする。 しかも何度でも何度でも好きなときに一瞬で終わらせることができる。

これってコンピューターを使う時の醍醐味だよな、と思う。 そして同時に、これがまさにプログラミングという作業の真髄なのではないかと思う。 そう、その「ちょっと」というのはプログラミングのことなのだ。



しかし、コンピューターが普及すればするほど、不思議なほどに、こういう発想を見かけなくなっていくような気がする。 コンピューターを使って自動化できることなんて、こんなに少なくないはずなのだ。

よいプログラマは何か仕事にとりかかるとき、手作業をする前に、まずプログラムを書いて自動化できないかどうか考える。 ところが、近頃は、誰も彼も、プログラマですら、とにかく何でも手作業で終わらせようとする。

仕事が出来る人は、仕事自体を、プログラムで解決しやすいように変えてしまうものだ。 プログラムの威力を知っているから、多少仕事の内容を変えてでもプログラムを使って仕事を終わらせようとする。 でも仕事が遅い人はその考える時間を惜しんで、ひたすら手作業で仕事をする。 今時肉体労働をする人だって、もう少し要領を考えるだろうに ... しかし日本のソフトウェア業界ではこういうレベルの低いプログラマが、一般レベルなのだ。



ソフトウェア業界では、大体どこの職場にも、無口で無表情、愛想は最悪、 ところが、仕事をやらせると、大抵、みんなが悪戦苦闘している中でまっさきに仕事を完了して、席でボケっとして鼻をほじりながらオフィスで堂々とエロマンガを読みつつ居眠りしているようなヘンなヤツがひとりぐらいはいる。 これがまさしく典型的な有能なプログラマだ。 ところがほとんどの職場では、こういう能力・才能のあるヤツが職場の隅に追いやられて、カラオケがうまくて愛想がよくてちょっとファッションセンスが決まっている、実は仕事が遅くて使えないダメプログラマが職場でハバを効かせている。 この変なプログラマは扱いづらいかもしれないがファッションセンスが決まっているプログラマの100倍は働く。 ところが往々にしてこの変なプログラマは隅っこに追いやられがちである。 そうである限り、日本のソフトウェア業界はいつまでたってもダメなままだろう。

上のページで言われているような 「作業環境を改善せよ」っていうのは、こういう能力のある変なプログラマをこころゆくまで孤立させて集中出来る環境を与えるということだ。 ここまで出来る心意気のある会社が日本にあるかって。

大体、プログラムというのは、入力する事自体はそんなに多くなかったりするものだ。 原稿用紙2~3枚で収まる程度、って言ったら極端なたとえかもしれないけど、感覚的にはそういう
感じがある。 ところが、この原稿用紙2~3枚を埋めるのが大変な作業なのだ。

この原稿用紙2~3枚を埋めるのに、人手はあまり要らない。 むしろ、人が多ければ多いほど、混乱して、進まなくなるものだ。 これは、短編小説を5~6人で協力して執筆している状況に良く似ている。 1人で5ヶ月かかるからといって、5人で1ヶ月で終わるとは限らないのだ。

優秀な熟練したプログラマというのは、実に手早く仕事を終わらせる。 プログラマは自分で仕事をせずにコンピューターに仕事をさせることを考えるからだ。 更に優秀な人はプログラムを自動的に書くプログラムだって書いてしまう。 何でも自動化してしまう。 プログラムを書いた後、仕事はコンピューターが済ませる。 仕事をしている間、本人は鼻くそをほじってぼんやりとイスに座っていたりする。 だからこそ、プログラマは仕事が速いのだ。

でも、日本のソフトウェア業界(特に最近のネット系企業)は、実によく働く「勤勉な」プログラマが大好きなんだよな...。 誤解が内容に言っておくけど、それは決していい事ではない。 勤勉なプログラマは仕事が遅いのだ。 その勘違いは、いつまでたっても変わらない。


P.S.
ちなみに、僕は、ソフトウェア業界ってひとくくりにしちゃったけど、 ネット系企業の人がバカにする業務系プログラマ=COBOLやJCLを使って仕事をするような人の方は、熟練して生産効率が高いと感じる。 この人たちは流通業界・金融業会のヘビーデューティーな仕事で鍛えられていて、実に仕事が良くできる。

上記の様なレベルの低さっていうのは、極最近現れたネット系の企業に特徴ではないかと思う。 ネット系の仕事は始まって日が浅いので作業自体がこなれていないということもあるのかもしれないけど...。

しかも最近、あるネット系の企業が「ようやくゲーム業界に追いついた」とか言っているのをニュースで見た。 これには辟易する。 思い上がりも甚だしいと思う。 ネット系の企業がゲーム系の企業よりも、優位に立てるとしたら、オープン系の技術を使っている、というところでしかない。 ところが、ほとんどの企業は出来合いのオープン系の技術を使うだけで、独自にオープン系技術を開発するほどは技術を持っていない。 発想も柔軟じゃないし、独自開発はおろか、利用するだけでもあっぷあっぷしているのが現状なわけで、長年の経験もノウハウもソフトウェア資産も持っているゲーム系の企業においついたなんて、思い上がりも甚だしい。


過半数のエンジニア、ボーナスは「仕事に見合っている」
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=362626&media_id=34

コメント一覧
退会したユーザー   2007年12月14日 22:28
きれたところみたかった...
おかあつ   2007年12月14日 22:43
いや、優しいもんだよ。
ジャコビ   2007年12月14日 23:06
確かに、プログラマーはどのようにして仕事を効率的に、早く終わらせようとするかいつも考えていますね。でもそれ故に、わたしのプログラマーに対する不満は、人の話しを聞いていないという事なんです。

プログラマーに機能やデザインをフォトショップに説明付きで渡しても、絶対にその通りには返ってきません。しかもなぜこちらの要望通りに出来ないのか、その説明もないのです。

わたしが説明しようとすると、話の途中でせっかちに「ああ、わかったわかった」と言うので、理解したんだなと思うと、仕上がって来たものは違うものだったりします。

ただ単に、わたしが良いプログラマーに当たっていないだけなんでしょうか。

すみません、グチになってしまいました。
おかあつ   2007年12月14日 23:26
>ただ単に、わたしが良いプログラマーに当たっていないだけなんでしょうか。

それは間違いなくそうなんだと思います。 ただ、ああやって書いた手前、何言ってんだって感じなんですが、全世界で良いプログラマーがどれくらいいるかというと、1万人とか2万人ぐらいしかいないんだと思います。 全世界でです。 すごく少ないんだと思います。

しかし、よいプログラマではなくて、良い『職業プログラマ』としてみると、もうちょっと違った見方になるかもしれません。

国柄にもよるかもしれませんが(話の節々からどことなくインド人っぽい雰囲気が...) 話の途中でせっかちに切り上げるのは、あまり褒められた習慣ではないです。 わかっていると思っても、勘違いしていることもありますし、人同士なので、誤解もあるので、最後まできちんと話し合うことが大切です。 そこまでやっても絶対に齟齬が生まれるので、何度も何度も打ち合わせをし何度も設計書を交換したうえで、合意をきちんと文章として作成することが大切です。

依頼者がいて作成者がいて仕事をする場合、極端な話文章作成だけで仕事が終わっていると言っても過言じゃないくらい大切です。

これをきちんとやるかやらないか、っていうのは、良い『職業プログラマ』の一つの目安になると思います。
これをやらないプログラマはやっぱりよい職業プログラマとはいえません。

時間の関係でやらない場合も多いのですが、あくまでもこの合意のプロセスをはしょっているんだ(つまり色々とブレや齟齬が生じる可能性が高くなる) という意識を持つことは大切じゃないかと思います。


BeBe   2007年12月15日 01:01
ニュースからきました。失礼致します。

とても興味深く拝見させて頂きました。読み応えがあり、ただただ尊敬するばかりでした。(詳しくないので・・・)

また日記を読みに伺わせて頂きます。
クレ   2007年12月15日 01:30
プログラマの求人はずいぶん多いようですが、30代までしかできない仕事だと言うのは本当なんでしょうか?たぶん、SEと呼ばれる人の話ではないのでしょうが、システムの全体を構築するようなレベル以外の人は将来どうなるのでしょう?
仕事上、プログラムを実際に構築する人と、クライアントと設計書を交換し話し合う仕事を別の人が担当しあうっていうのはありなんでしょうか?
ジャコビ   2007年12月15日 02:22
正解、インド人のプログラマーです。今回は初めて自分でプログラマーを探し、仕事を依頼したので、分らない部分も多く、反省点が沢山あります。

おかあつさんの書かれている通り、わたしがクライアントと契約を交わす時には、文書での合意を必ず行ないます。スケジュールが差し迫っている場合や長い間のクライアントの場合、簡略化してメールを交わし合うだけの事もありますが、必ず何かしらのトレースは残すようにしています。

今回のプログラマーは、何も文書で送って来なかったので、簡単な確認メールをわたしから送りました。そうすると、先方はプロジェクトの内容をしっかり把握していないので、何度もやり直しをする必要が出て来てしまいました。

良い勉強になりました。
おかあつ   2007年12月15日 11:55
ジャコビさん、
>正解、インド人のプログラマーです。
(^-^;;; やっぱり

でも、なんでもそうですが... 人によりますよね... 僕は結構インドの人が好きで、以前あったインド人のプログラマは、超優秀な職業プログラマに入る人が多かった様な気がします...。

クレさん、
>30代までしかできない仕事だと言うのは本当なんでしょうか?たぶん、SEと呼ばれる人の話ではないのでしょうが、システムの全体を構築するようなレベル以外の人は将来どうなるのでしょう?

これって、典型的な筋肉プログラマの意見で、やっぱりプログラマは年齢が行っている人の方が無駄が無くて渋いプログラムを書くと僕は思います。 だいたい、プログラムを書くのにそんな体力いりません。普通。 体力が必要っていうのは、幾晩も徹夜をして、ボロボロになってもまだ仕事をして... という仕事のスタイルに呼応た異見なわけでで、 やっぱりそこに何か不合理が根付いてしまっていると思うのです。 そこで何かを考えなくてはいけないはずなんですよね...。

僕が聞いた某ゲーム会社のS社で働いているプログラマは40代だと聞きました。 こういう人が携帯上で動くRPGゲームとかをバリバリ書いていると聞いたことがあります。

今流通や金融業界でシステムを作っている主力なプログラマも40代以降の人が大半だと思います。 引継ぎが難しいプログラミングという仕事ですが、こういう団塊世代のプログラマが一気に退職してしまう事で一気に混乱してしまうのではないか、ということが危惧されているぐらいです。

>仕事上、プログラムを実際に構築する人と、クライアントと設計書を交換し話し合う仕事を別の人が担当しあうっていうのはありなんでしょうか?

実は、こういう風に分業する方がむしろ一般的で、一般的にはプログラマが直接お客と話すことはあまりありません。 こういう文章を書いたのに「何を言ってるんだ」とか思われそうですが、やっぱりいいプログラマって、人付き合いが最っ悪な場合が多いので、間に人がたたないとどうにもならないことが多い様な気がします。

でも最近は単発のWEBの仕事が増えてきているので、ちょくせつプログラマとやりあうケースも多くなっているので、こういう混乱を耳にするようになったのかもしれません。 っていうか、いつも混乱させてすみません。

BeBe様、
>また日記を読みに伺わせて頂きます。
(^-^;;;

クレ   2007年12月16日 02:05
しつこくてすみません。
実は長いこと、年齢で脳が衰えるから30代なんだと思い込んでいました。まさか体力が問題だったとは。才能も大いに関係あるのかもしれませんが、体力勝負のことでないのなら、自分の能力等身大の仕事をしていくことを考えれば、先のない仕事ってことでもないんですね。とはいえ、日本の労働環境に問題があって、立ち行かないってことはありえるのかもしれませんが。

おかあつ   2007年12月16日 02:51
>実は長いこと、年齢で脳が衰えるから30代なんだと思い込んでいました。

僕もそうでした。

僕もプログラマ30歳限界説、というのを初めて耳にしたとき、すごくショックを受けた覚えがあります。30歳を過ぎると絶対に頭が硬くなるのか... 硬くなった三十路の頭ではプログラマをやっていけないのか、と信じていました。でも、プログラマの経験が長くなるにしたがって、あぁ...なるほど... そうじゃないんだと、わかってきた感じがあります。

実際には若いプログラマが書くプログラムは無駄が多くて酷いものです。しかし、ようやくまともに書けるようになる30代になったころには、プログラマはプログラマを辞めさせられてマネージャー職につかさせられるようになります。30代過ぎてまだプログラムを組んでいると、まだプログラマをやっているのか、ぐらいなことをいう人も少なくありません。

でも、これでは優良なプログラマが育つわけが無いんです。

確かにマネージャーが増えれば、会社としては木々の枝葉が大きくなるわけで営業規模は拡大できますが、今の様に高い技術力を求められるようになると、両一辺倒ではうまく行かないと僕は思います。

一説には、現在、1人のプログラマがやる仕事の量は、20年前10人でやっていた量に相当すると言われています。ソフトウェア技術が進化して、色々な面倒なプログラミング作業を自動化できるようになったからです。昔は作業自体にとても手間がかかったので人海戦術で対処していたのですが、今ではすっかりオートメーション化されて、一人で出来るようになったのです。

こうなると、プログラミングという作業が、ますます考える事だけに特化してきます。 ますます高い技術力・経験・知識・そして考える力というものが重要になってきているといえます。

>体力勝負のことでないのなら、自分の能力等身大の仕事をしていくことを考えれば、先のない仕事ってことでもないんですね。

アメリカでは60歳になってもプログラマは専門家としての職業が確立していると聞いた事があります。プログラミングが科学として根付いているんだなと思います。そこに来ると、日本は本当にプログラミングに対する意識がとても低く、60歳でプログラミングなんかやっていたら化石の様な扱いをされてしまいます。

...

ちょっと視点を変えるのですが、汎用機系のプログラマは、随分事情が違います。汎用機というのは日立とかIBMとかが作っている大型のコンピューターのことで、金融業会・流通業界では極めて一般的です。こういう機種を対象にしたプログラミングは、仕事の量が安定していて、技術もあまりはやりすたりがないのです。 女性で仕事を続けて40歳~50歳になるまで汎用機の仕事をされているような方は珍しくないと思います。

僕がやっている※オープン系のプログラマは、はやりすたりが極端に激しく、ぼんやりしているとあっという間に時代に取り残されてしまう危険があるのですが、汎用機系はそういう危険がすくなく、仕事としてみれば、安定して稼げるとてもよい仕事だと思います。

こちらは実際仕事が体力的にハードなことも多いのですが、いずれにしても40~50代のキャリアプログラマは多いのではないでしょうか。

※オープン系
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0
クレ   2007年12月18日 00:40
いろいろ不思議に思っていたことがすっきりしました。労働環境が今後よくなることはもしかすると難しいのかもしれませんが、

>ソフトウェア技術が進化して、色々な面倒なプログラミング作業を自動化できるようになったからです

専門的能力が足りなくても、なんかしら作ることができる時代になっているのですね。

ブラック企業とかいう話を最近よく目にするのと、MIXでもその手の求人が多いので、実際どうなのかと思っていました。

詳しく教えていただいて感謝します。
おかあつ   2007年12月18日 01:59
>専門的能力が足りなくても、なんかしら作ることができる時代になっているのですね。

一瞬そう思えるのですが、実はこれは逆なんです。 作業が簡単になったことで、一人で出来る範囲の仕事が増えてしまい、より幅広い分野で高い能力が必要になっているのです。 車を買って便利になった分、忙しくなって時間がなくなるのと少し似ています。

また、見方を変えると、自動化されてしまった分専門能力が足りない人は必要なくなってしまったともいえます。

いずれにしても、より難しくなってきています。
クレ   2007年12月20日 01:47
新しく参入する人にとっては、スタート時により多くの知識が必要になってしまったってことですねえ。

今後どんなレベルの人間がどのくらいこの世界で生き残ることができるのでしょう。少数精鋭となるのでしょうか。
おかあつ   2007年12月20日 02:46
ここからはちょっと、僕の独断と偏見が入ってしまうかもしれないのですが...

>少数精鋭となるのでしょうか。
本当ならそうなるんだと思います。 でも事実にはそんなことはありません。 実際には、わかっていないお客さんが、わかっていない技術者がのたまう大言壮語が飛び交う中で右往左往しているという状態だと思います。 今は本当に混乱期だと思います。

今は、僕らはインターネットの長い歴史の中のほんの初期を過ごしているのだと思います。 僕がパソコンを始めたばかりのころは、パソコンといえば黒い板にICがたくさん並んでいて .... TK80っていうんですが、黒い板にICがたくさん並んでいる横に16進数のテンキーが付いていてそれでプログラムを組んで、それをテレビにつないでブロック崩しゲームとかをやっていた感じでした。 その頃から今までの流れを見ていると、今起こっていることに関して色々気がつくことはあります。

超個人的な意見なのですが、(あまり好きな言葉じゃないんですが) WEB2.0とか言われている技術っていうのは、高度というよりは、色々としがらみが多く落とし穴の多い技術で、あまり良くない技術だと思うのです。 経験的に、こういう土台が確立していない技術は、なにかブレークスルー的な技術が発明されると、ガラガラと音を立てて崩れ去る事が珍しくないのです。

これは確かにかなり個人的な意見ではあるのですが、とはいえ、非常に「ありがち」なのです。 長い歴史の中には「これは当分安泰だ!」というように磐石と思われたことが、びっくりするような事件によって崩れ去った... というような、まるで信じられないようなことが、しばしば起こります。 そのたびに哀れな技術者は路頭に迷ってます。

だから、正直、今から HTMLを勉強しようか ... という意見にはあまり賛同できないのです。 マスターする頃にはHTMLがなくなってしまうかもしれないからです。



ただ、技術には、ある程度「まぁこれ以上は効率化できないな」というような成熟度合いがあって、技術がいったんそこまで到達すると、技術者は安定して数をこなしていく仕事が増えてくるように思います。

例えば、COBOL と JCL という組み合わせの仕事があるのですが、これはとても古くからあるシステムで、よく枯れて完成されているので、技術者は迷うことがないのです。 いったんこういう技術が現れると、クライアントも安心して投資でき、技術者としても仕事の数が安定して増えるので、技術者の生活は安定するように思います。


技術が崩れ去ると困るのは技術者だけではないんです。 利用するお客さんにとっても大きな災難です。 折角大きなお金を投資して構築したシステムが、ある日突然、サポートされない廃れ行くシステムへ仲間入りしてしまうことになるからです。 こうして、新しい技術と旧式の技術との互換性に延々と悩まされ大きな費用を食い続けるので、とても厄介なのです。

ある意味、今はとても激しすぎる過渡期で、あまりいい時代ではないのだと思います。
クレ   2007年12月23日 02:27
現場をよく知っている方のお話を聞けてほんとよかったです。

一部の能力ある方を除いては、たいへんであれなんであれ、仕事があって生活の糧が得られるのならよしとしなければならない時代かもしれませんね。


 
出展 2007年12月14日20:27 『脳ミソが筋肉で出来ている』

著者オカアツシについて


小学生の頃からプログラミングが趣味。都内でジャズギタリストからプログラマに転身。プログラマをやめて、ラオス国境周辺で語学武者修行。12年に渡る辺境での放浪生活から生還し、都内でジャズギタリストとしてリベンジ中 ─── そういう僕が気付いた『言語と音楽』の不思議な関係についてご紹介します。

特技は、即興演奏・作曲家・エッセイスト・言語研究者・コンピュータープログラマ・話せる言語・ラオ語・タイ語(東北イサーン方言)・中国語・英語/使えるシステム/PostgreSQL 15 / React.js / Node.js 等々




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