セカンドライフは儲からない (長文)
2007年09月10日13:58
セカンドライフが儲かるというのは明らかにウソだと思う。 いまどき、アクティブユーザー数が全世界あわせても50万人程度っていうのは明らかに少なすぎる。 日本だけだというならまだわかるけど、全世界でこの数字では小規模と断言しても誇張ではない。 これでは広告媒体にすらならない。
ちなみに、mixi のアクティブユーザー数は日本だけで322万人なのだそうだ。 全世界で50万人のサービスとは比較にならない。
「セカンドライフには将来性がある。」 この言葉も当たらない。 セカンドライフは、実際にアメリカでサービスインから mixi以上に長い年月を経ているわけで、それにも関わらずこの数字ということは、将来性という点から見ても明らかに欠陥があると見て間違いないだろう。
とっても派手なプロモーションが出ているみたいだ。
http://www.yomiuri.co.jp/stream/index/tvotona/otona117.htm
まるで夢の生活が待っているかのような派手なプロモーションだ。 でも、僕が直接セカンドライフで見ている限り、ほとんどの街は閑散としている。 そりゃそうだ。 アクティブユーザー数がこれだけ少ないのに、シムの開発にこれだけ膨大なお金をかけてれば、そりゃ閑散ともするだろう。
でも、そういう現実を無視して、投資ばかりがどんどん先行している。 これは経済的にみてもとても不健全な事ではないだろうかと思う。
◇
しかも、セカンドライフは、中身が空っぽだ。
例えば、ネットゲームにのめりこむと不健康という感じがするけど、mixi にのめりこんでもあまり不健康な感じがしない。それは、mixi は 現実の世界とつながりがあるからではないだろうか。
のめりこんでも健康さを保つからこそ、誰もが参加できる。 のめりこめばのめりこむほど不健康になるものでは、誰もが参加出来るというわけにはいかない。
http://namari.jugem.jp/?eid=70
プロモーションビデオでは、まるで仮想空間で自由に手足を動かせるかのように描写されている。 これはすごく違和感を覚える。 セカンドライフで、目の前で飲んだり歌ったり踊ったりする自分のアバターがしているのは、実は単なる出来合いのアニメーションの繰り返しだ。 それは「ゲーム『鉄拳』の冒頭アニメーション」を眺めているのと同じように空しい。
格闘ゲーム「鉄拳」は実際に参加して自分で直接キャラを操作し、実際に台のウラにいる生身の人間が操る敵を殴ったり出来るからこそ楽しいのであって、もしもこれがまったく操作できないアニメーションだったとしたら、それがどんなに美しくたって、空しいだけだ。
セカンドライフは、行動は直接参加できない繰り返しアニメーションでしかなく、そこにはコントロールできる要素が少なさ過ぎる。 それを眺めるのはとても空しい。 少なくとも僕はそう思った。
(実はモーションはカスタマイズ出来るので、この説明にはちょっとウソがある。 そういう場合は、行動のコントロールに必要とされるPC操作スキルが高すぎるので事実上コントロールできない、と言い換えてもいい。 シロウトにはまず無理だ。 システムとしてみても決して素晴らしいとは言い難い。)
mixi が 楽しいのは、そこにみんなが居るからだ。 しかし、セカンドライフのように操作体系がここまでマニアックに複雑化してしまうと、どうしても人によって向いている人向いていない人と出てきてしまう。 向いていない人は一度で懲りてしまい、もう二度と参加しようとは思わない。 僕は多くのチャット友をセカンドライフに招待したが、ほとんどがその操作要求スキルの高さ阻まれた。彼らはコンピューター操作が苦手ではないタイプだったが、セカンドライフの敷居の高さはそれを上回った。 これは コミュニケーションツールとしてみれば、致命的な欠陥といえないだろうか。
いまどきネットゲームだってセカンドライフよりはもう少し現実性があると思う。 僕にはウルティマオンラインで知り合った人と結婚して幸せな家庭を築いている友達が居る。
ちなみに、僕は、ウルティマオンラインも、リネージュも、パンヤも、日本製ではないという事実に、もっと日本は危機感を持つべきだと思う。
◇
セカンドライフは儲からない。
投資されたほうは儲かるだろう。
投資するほうが儲かることはなさそうだ。
人は、説明で理解しない。 失敗からこそ理解する。 だから、何を言っても失敗するまで行動は変わらないだろう。
今は、みんな、まるで、盲目の中で麻薬に酔って幻想の多幸感を持って踊っているようだ。 今はみな何も見えないからいい。 しかし、眠っている人は必ず、目が覚ます。 誰にでも思春期は必ず来る。 近い将来それは現実に起こるだろう。 冷酷な現実を知って、信じられないほどの疲弊・徒労感に襲われ、大変な苦痛を味わう。
こうやって、お金の匂いにつられてよってきたお魚がバンバンひっかかるんだろう。 これでは人を幸せにするものなんか何も生み出さない。 このまま行くところまでいってしまうと、ライブドアよりもっとひどい事になることもあるかもしれない。
甘い言葉には、充分気をつけるべきだと思う。
(終わり)
こういう記事も出ていた。
すごく良くまとまっていると思った。
日本語化で過熱するセカンドライフ,その実態は?
http://zen.seesaa.net/article/47865009.html
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「Second Lifeの可能性に賭けている」――電通の展望
(ITmediaニュース - 09月10日 12:20)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=292727&media_id=32
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0709/10/news018.html
電通がSecond Life開拓を進めている。複数の島(SIM)を確保し、企業や大学を誘致する「バーチャル東京」を8月23日にオープン。すでに東京放送(TBS)とみずほ銀行がバーチャル東京で活動を始めたほか、慶応義塾大学の参入も決まっている。
ただSecond Lifeは、日本人ユーザーが少なかったり、操作性が悪くサーバも不安定――などといった課題が指摘されており、企業が大々的に参入するには時期尚早ではとも指摘されている。
「確かにSecond Lifeには課題は多い。ユーザー数も少なく、今は広告価値もない」と、電通メディア・コンテンツ計画局企画調査部スーパーバイザーの粟飯原(あいはら)健氏も認める。それでも同社が開拓を進めるのは、Second Lifeの可能性を信じているから。「3次元仮想世界は今後進化する。その可能性に賭けている」
●なぜ電通がSecond Life
粟飯原氏がSecond Lifeを知ったのは昨年4月ごろ。国内外の投資案件を審査する粟飯原氏の部署に、米国発のビジネスの1つとして持ち込まれたという。
当時は世界の登録ユーザー数が20万程度(2007年9月10日現在は約984万)と小規模だったが、米Linden Labは日本への参入をすでに計画しており、直接会って話も聞いた。「3次元仮想世界プラットフォームはほかにもあるが、日本に進出するのはSecond Lifeが第1弾になるだろう。ビジネスの可能性を探っておこうと思った」
Second Lifeに可能性を感じた粟飯原氏は、取引先企業にも折に触れてSecond Lifeを紹介。昨年末ごろから「Second Lifeを説明してほしい」とオファーを受けることも増えてきたという。また、Second Lifeに法律面・セキュリティー面などで課題があることも分かってきた。
今年1月、同社とデジタルハリウッド大学院が共同で発足を発表した「Second Life研究会」は、興味を持つ企業に対してSecond Lifeを説明し、課題やビジネスの可能性について議論する場として生まれた。すでに90社以上が参加しているという。
8月24日にオープンした「バーチャル東京」は、研究会で議論した内容を実際に試すための実践の場、という位置付けだ。
最初に参入したTBSとみずほ銀行はそれぞれ、ユーザーコミュニティーに受け入れたもらうための仕掛け作りに重点を置き、砲丸投げなどゲームが楽しめるスタジアムを作ったり、仮想観覧車を置いたりして、訪れたユーザーに楽しんでもらえるよう配慮している。
「Second Lifeはユーザーが何でも作れる自由な場だが、何をやっていいか分からないユーザーもいる。そういうユーザーに対して、リアルな世界でも企業が果たしているような、娯楽の提供や利便性の向上、コミュニティー活動の支援などを、ユーザーと向き合いながら行っていきたい」
●3次元ネットは「企業と消費者の新たな接点」
企業にとってSecond Lifeは「海のものとも山のものともつかないものだが、消費者とダイレクトにつながる新たなコンタクトポイントで、コミュニケーションの場。企業が社会的な存在価値や意義と向き合う場所でもある」という。その新たな場に企業がどう進出し、どういった役割を果たすべきか――研究会や、バーチャル東京の運営を通じて検討を続けている。
Second Lifeにもっとも興味を持つ業種は金融業という。「金融業は、インターネットやiモードなど新しいプラットフォームが出るたびに、その上で事業展開してきた。ネットを使ったECなどは当初『クレジットカード番号を入力しても大丈夫なのか』『商品はちゃんと届くのか』などと不安に思われていたが、今は浸透している。同じことが3D仮想世界で起きる可能性がある」
3D仮想世界は、金融業だけでなく、さまざまなビジネスの可能性を広げると見る。「例えばマンションを販売する場合、3次元図を見せるために客に専用ソフトを渡すというケースがあったのだが、Second LifeならWeb上で3次元図を見せられる。製造業なら、開発中の商品のCADデータを活用してSecond Life内に商品オブジェクトを作成し、商品が完成する前に販売店の店員を教育する――といったことも可能だろう」
●「人がいない」「重い」――課題とどう向き合う
ただSecond Lifeには課題が多い。Linden Labが発表したデータによると、日本人のアクティブアバター数は2万7000(7月時点)と人気のコミュニティーサイトやMMORPGにも遠く及ばない。快適に利用するにはハイスペックなマシンが必要で、ユーザーインタフェースは複雑で使いにくい。サーバも不安定で、1つのサーバ(SIM)に同時にアクセスできるユーザーは50人程度までという極端な制限もあり、大規模なプロモーションには向かない。
「Second Lifeの現状だけを見るのなら、われわれもやらないだろう。ユーザーは少なく、操作性などにも課題は多い。今は広告価値もない。投資効果などを理詰めで考えると“超えられない壁”がある」と粟飯原氏も認める。
「だが、合理的に考えて正しい結果につながることもあれば、そうでないこともある。今後どうなるか分からないが、分からないからといって、可能性を全否定することにはつながらない。3次元には可能性を感じるし、ゆくゆく進化していくと思う。その可能性に賭けたい」
日本でSecond Lifeが一般化するまで2~3年かかると粟飯原氏は見ている。日本人ユーザーが今後増え続れば、市場としての可能性も見えてくるはず。コミュニティーが育つまで、じっくりと取り組んでいく考え。操作性やサーバの安定性については、同社からもLinden Labに改善を求めているという。
●Second Lifeは「T型フォード」
3次元仮想世界はSecond Lifeだけではない。問題が多いなら、それらを解決した別の3次元仮想世界を作ってしまう、という手もある。粟飯原氏も「Second Lifeだけにこだわっているわけではない」としつつ、日本発のオリジナルサービスを今から企画するよりは、Second Lifeを利用した方が効率がいいと見ている。
「日本発のサービスを作っても、国内だけを向いた“鎖国状態”のサービスでは世界に対するインパクトがない。だったら既に1000万ユーザーがいて世界に開かれているSecond Lifeに、日本的な改良を加えていったほうがいい」
Second Lifeは「T型フォード」だと話す。「今は日本にT型フォードが入っている状態。米国向けの車で、日本で購入できる人は少ないし、日本の田んぼの中は走りづらい、という状況だ。
だが日本は職人国家。トヨタが日本車を開発して海外に輸出したように、日本の職人は、海外から入ってきた新しいものを、さまざまに改良して世界中に輸出してきた。
Linden LabはSecond Lifeの技術仕様(API)の一部を公開していて、それを日本人は自由に変えることができる。Wiiや携帯電話などからアクセス可能にすることもできるだろう。日本向けに使いやすいものに改良できるはず」
●まずはスキージャンプ台の完成から
バーチャル東京はまだまだ構築の途上だ。9月下旬には、集客の目玉である「スキージャンプ・ペア」のジャンプ台が完成する予定。仮想美術館「東京ポップミュージアム」もオープンに向けて準備を進めている。
この2つの施設を中心に街作りを行い、企業の誘致を拡大していく計画だ。「粛々と、1歩1歩進めていきたい」
Second Lifeに“電通島” 「バーチャル東京」オープン
ちなみに、mixi のアクティブユーザー数は日本だけで322万人なのだそうだ。 全世界で50万人のサービスとは比較にならない。
「セカンドライフには将来性がある。」 この言葉も当たらない。 セカンドライフは、実際にアメリカでサービスインから mixi以上に長い年月を経ているわけで、それにも関わらずこの数字ということは、将来性という点から見ても明らかに欠陥があると見て間違いないだろう。
とっても派手なプロモーションが出ているみたいだ。
http://www.yomiuri.co.jp/stream/index/tvotona/otona117.htm
まるで夢の生活が待っているかのような派手なプロモーションだ。 でも、僕が直接セカンドライフで見ている限り、ほとんどの街は閑散としている。 そりゃそうだ。 アクティブユーザー数がこれだけ少ないのに、シムの開発にこれだけ膨大なお金をかけてれば、そりゃ閑散ともするだろう。
でも、そういう現実を無視して、投資ばかりがどんどん先行している。 これは経済的にみてもとても不健全な事ではないだろうかと思う。
◇
しかも、セカンドライフは、中身が空っぽだ。
例えば、ネットゲームにのめりこむと不健康という感じがするけど、mixi にのめりこんでもあまり不健康な感じがしない。それは、mixi は 現実の世界とつながりがあるからではないだろうか。
のめりこんでも健康さを保つからこそ、誰もが参加できる。 のめりこめばのめりこむほど不健康になるものでは、誰もが参加出来るというわけにはいかない。
http://namari.jugem.jp/?eid=70
プロモーションビデオでは、まるで仮想空間で自由に手足を動かせるかのように描写されている。 これはすごく違和感を覚える。 セカンドライフで、目の前で飲んだり歌ったり踊ったりする自分のアバターがしているのは、実は単なる出来合いのアニメーションの繰り返しだ。 それは「ゲーム『鉄拳』の冒頭アニメーション」を眺めているのと同じように空しい。
格闘ゲーム「鉄拳」は実際に参加して自分で直接キャラを操作し、実際に台のウラにいる生身の人間が操る敵を殴ったり出来るからこそ楽しいのであって、もしもこれがまったく操作できないアニメーションだったとしたら、それがどんなに美しくたって、空しいだけだ。
セカンドライフは、行動は直接参加できない繰り返しアニメーションでしかなく、そこにはコントロールできる要素が少なさ過ぎる。 それを眺めるのはとても空しい。 少なくとも僕はそう思った。
(実はモーションはカスタマイズ出来るので、この説明にはちょっとウソがある。 そういう場合は、行動のコントロールに必要とされるPC操作スキルが高すぎるので事実上コントロールできない、と言い換えてもいい。 シロウトにはまず無理だ。 システムとしてみても決して素晴らしいとは言い難い。)
mixi が 楽しいのは、そこにみんなが居るからだ。 しかし、セカンドライフのように操作体系がここまでマニアックに複雑化してしまうと、どうしても人によって向いている人向いていない人と出てきてしまう。 向いていない人は一度で懲りてしまい、もう二度と参加しようとは思わない。 僕は多くのチャット友をセカンドライフに招待したが、ほとんどがその操作要求スキルの高さ阻まれた。彼らはコンピューター操作が苦手ではないタイプだったが、セカンドライフの敷居の高さはそれを上回った。 これは コミュニケーションツールとしてみれば、致命的な欠陥といえないだろうか。
いまどきネットゲームだってセカンドライフよりはもう少し現実性があると思う。 僕にはウルティマオンラインで知り合った人と結婚して幸せな家庭を築いている友達が居る。
ちなみに、僕は、ウルティマオンラインも、リネージュも、パンヤも、日本製ではないという事実に、もっと日本は危機感を持つべきだと思う。
◇
セカンドライフは儲からない。
投資されたほうは儲かるだろう。
投資するほうが儲かることはなさそうだ。
人は、説明で理解しない。 失敗からこそ理解する。 だから、何を言っても失敗するまで行動は変わらないだろう。
今は、みんな、まるで、盲目の中で麻薬に酔って幻想の多幸感を持って踊っているようだ。 今はみな何も見えないからいい。 しかし、眠っている人は必ず、目が覚ます。 誰にでも思春期は必ず来る。 近い将来それは現実に起こるだろう。 冷酷な現実を知って、信じられないほどの疲弊・徒労感に襲われ、大変な苦痛を味わう。
こうやって、お金の匂いにつられてよってきたお魚がバンバンひっかかるんだろう。 これでは人を幸せにするものなんか何も生み出さない。 このまま行くところまでいってしまうと、ライブドアよりもっとひどい事になることもあるかもしれない。
甘い言葉には、充分気をつけるべきだと思う。
(終わり)
こういう記事も出ていた。
すごく良くまとまっていると思った。
日本語化で過熱するセカンドライフ,その実態は?
http://zen.seesaa.net/article/47865009.html
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「Second Lifeの可能性に賭けている」――電通の展望
(ITmediaニュース - 09月10日 12:20)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=292727&media_id=32
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0709/10/news018.html
電通がSecond Life開拓を進めている。複数の島(SIM)を確保し、企業や大学を誘致する「バーチャル東京」を8月23日にオープン。すでに東京放送(TBS)とみずほ銀行がバーチャル東京で活動を始めたほか、慶応義塾大学の参入も決まっている。
ただSecond Lifeは、日本人ユーザーが少なかったり、操作性が悪くサーバも不安定――などといった課題が指摘されており、企業が大々的に参入するには時期尚早ではとも指摘されている。
「確かにSecond Lifeには課題は多い。ユーザー数も少なく、今は広告価値もない」と、電通メディア・コンテンツ計画局企画調査部スーパーバイザーの粟飯原(あいはら)健氏も認める。それでも同社が開拓を進めるのは、Second Lifeの可能性を信じているから。「3次元仮想世界は今後進化する。その可能性に賭けている」
●なぜ電通がSecond Life
粟飯原氏がSecond Lifeを知ったのは昨年4月ごろ。国内外の投資案件を審査する粟飯原氏の部署に、米国発のビジネスの1つとして持ち込まれたという。
当時は世界の登録ユーザー数が20万程度(2007年9月10日現在は約984万)と小規模だったが、米Linden Labは日本への参入をすでに計画しており、直接会って話も聞いた。「3次元仮想世界プラットフォームはほかにもあるが、日本に進出するのはSecond Lifeが第1弾になるだろう。ビジネスの可能性を探っておこうと思った」
Second Lifeに可能性を感じた粟飯原氏は、取引先企業にも折に触れてSecond Lifeを紹介。昨年末ごろから「Second Lifeを説明してほしい」とオファーを受けることも増えてきたという。また、Second Lifeに法律面・セキュリティー面などで課題があることも分かってきた。
今年1月、同社とデジタルハリウッド大学院が共同で発足を発表した「Second Life研究会」は、興味を持つ企業に対してSecond Lifeを説明し、課題やビジネスの可能性について議論する場として生まれた。すでに90社以上が参加しているという。
8月24日にオープンした「バーチャル東京」は、研究会で議論した内容を実際に試すための実践の場、という位置付けだ。
最初に参入したTBSとみずほ銀行はそれぞれ、ユーザーコミュニティーに受け入れたもらうための仕掛け作りに重点を置き、砲丸投げなどゲームが楽しめるスタジアムを作ったり、仮想観覧車を置いたりして、訪れたユーザーに楽しんでもらえるよう配慮している。
「Second Lifeはユーザーが何でも作れる自由な場だが、何をやっていいか分からないユーザーもいる。そういうユーザーに対して、リアルな世界でも企業が果たしているような、娯楽の提供や利便性の向上、コミュニティー活動の支援などを、ユーザーと向き合いながら行っていきたい」
●3次元ネットは「企業と消費者の新たな接点」
企業にとってSecond Lifeは「海のものとも山のものともつかないものだが、消費者とダイレクトにつながる新たなコンタクトポイントで、コミュニケーションの場。企業が社会的な存在価値や意義と向き合う場所でもある」という。その新たな場に企業がどう進出し、どういった役割を果たすべきか――研究会や、バーチャル東京の運営を通じて検討を続けている。
Second Lifeにもっとも興味を持つ業種は金融業という。「金融業は、インターネットやiモードなど新しいプラットフォームが出るたびに、その上で事業展開してきた。ネットを使ったECなどは当初『クレジットカード番号を入力しても大丈夫なのか』『商品はちゃんと届くのか』などと不安に思われていたが、今は浸透している。同じことが3D仮想世界で起きる可能性がある」
3D仮想世界は、金融業だけでなく、さまざまなビジネスの可能性を広げると見る。「例えばマンションを販売する場合、3次元図を見せるために客に専用ソフトを渡すというケースがあったのだが、Second LifeならWeb上で3次元図を見せられる。製造業なら、開発中の商品のCADデータを活用してSecond Life内に商品オブジェクトを作成し、商品が完成する前に販売店の店員を教育する――といったことも可能だろう」
●「人がいない」「重い」――課題とどう向き合う
ただSecond Lifeには課題が多い。Linden Labが発表したデータによると、日本人のアクティブアバター数は2万7000(7月時点)と人気のコミュニティーサイトやMMORPGにも遠く及ばない。快適に利用するにはハイスペックなマシンが必要で、ユーザーインタフェースは複雑で使いにくい。サーバも不安定で、1つのサーバ(SIM)に同時にアクセスできるユーザーは50人程度までという極端な制限もあり、大規模なプロモーションには向かない。
「Second Lifeの現状だけを見るのなら、われわれもやらないだろう。ユーザーは少なく、操作性などにも課題は多い。今は広告価値もない。投資効果などを理詰めで考えると“超えられない壁”がある」と粟飯原氏も認める。
「だが、合理的に考えて正しい結果につながることもあれば、そうでないこともある。今後どうなるか分からないが、分からないからといって、可能性を全否定することにはつながらない。3次元には可能性を感じるし、ゆくゆく進化していくと思う。その可能性に賭けたい」
日本でSecond Lifeが一般化するまで2~3年かかると粟飯原氏は見ている。日本人ユーザーが今後増え続れば、市場としての可能性も見えてくるはず。コミュニティーが育つまで、じっくりと取り組んでいく考え。操作性やサーバの安定性については、同社からもLinden Labに改善を求めているという。
●Second Lifeは「T型フォード」
3次元仮想世界はSecond Lifeだけではない。問題が多いなら、それらを解決した別の3次元仮想世界を作ってしまう、という手もある。粟飯原氏も「Second Lifeだけにこだわっているわけではない」としつつ、日本発のオリジナルサービスを今から企画するよりは、Second Lifeを利用した方が効率がいいと見ている。
「日本発のサービスを作っても、国内だけを向いた“鎖国状態”のサービスでは世界に対するインパクトがない。だったら既に1000万ユーザーがいて世界に開かれているSecond Lifeに、日本的な改良を加えていったほうがいい」
Second Lifeは「T型フォード」だと話す。「今は日本にT型フォードが入っている状態。米国向けの車で、日本で購入できる人は少ないし、日本の田んぼの中は走りづらい、という状況だ。
だが日本は職人国家。トヨタが日本車を開発して海外に輸出したように、日本の職人は、海外から入ってきた新しいものを、さまざまに改良して世界中に輸出してきた。
Linden LabはSecond Lifeの技術仕様(API)の一部を公開していて、それを日本人は自由に変えることができる。Wiiや携帯電話などからアクセス可能にすることもできるだろう。日本向けに使いやすいものに改良できるはず」
●まずはスキージャンプ台の完成から
バーチャル東京はまだまだ構築の途上だ。9月下旬には、集客の目玉である「スキージャンプ・ペア」のジャンプ台が完成する予定。仮想美術館「東京ポップミュージアム」もオープンに向けて準備を進めている。
この2つの施設を中心に街作りを行い、企業の誘致を拡大していく計画だ。「粛々と、1歩1歩進めていきたい」
Second Lifeに“電通島” 「バーチャル東京」オープン
コメント一覧
ねこ☆ミ。 2007年09月10日 21:13
周りにやってる人がいないのですが、ユーザ数が少ないのですね。
リンデンドルだの3Dだの企業が出展だのメディアに取り上げられる
特性を備えてるので、実態よりも流行っているようにみえるのかも知れないですね。
電化製品を使うのが苦手な自分としては操作が難しいというのは、
ちと、敷居が高いです。
また、家の激安PCでは、処理が重いということで耐えられそうに
無いですね(^^;;;
ちょっとだけお試しログインしてみたいのですが、それも無理そう。
リンデンドルだの3Dだの企業が出展だのメディアに取り上げられる
特性を備えてるので、実態よりも流行っているようにみえるのかも知れないですね。
電化製品を使うのが苦手な自分としては操作が難しいというのは、
ちと、敷居が高いです。
また、家の激安PCでは、処理が重いということで耐えられそうに
無いですね(^^;;;
ちょっとだけお試しログインしてみたいのですが、それも無理そう。
miy 2007年11月23日 11:56
なぜ「ニコ動」は盛り上がり、「Second Life」は過疎化するのか
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0711/23/news005.html
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0711/23/news005.html
おかあつ 2007年11月24日 01:39
もうこの辺の人の言うことは聞き飽きたし、ブツブツ能書きを垂れるだけの人にも飽きた。 興味があるのは、考えることが出来て、それと同時にシステムも高レベルで作れる人のいうことだけだ。 こういう発言のいっこいっこを、どこが変なのかを指摘してもキリがないし、生産的じゃない。
僕思うんだけど、これって大きく分けていくつかの問題を含んでるよね。 とにかく システムについての無知。 次にコミュニケーションに関する無知。 最後に文化相違についての無知。
この人の説明だと、SLで日本のサイトは閑散としてることは説明できるけど、SL上の海外ディスコが結構繁盛しているのとか、説明できない。 日本だって、SLが閑散としているのに、同じような3Dバーチャル環境である、リネージュとかモンスターハンターフロンティアが大繁盛しているっていう事も説明できない。
また人間が、どうしてもコンピューター上の出来事を現実の生活上の比ゆで理解しようとする点も指摘がない。 なんで SL上で高級車を乗り回そうとするのか。 移動っていう概念がないコンピューターの世界では、高級車も自転車も必要が無いはずなのに。 持ってても意味がない。 それなのに実際にお金を払ってまで欲しがるのは、この人たちがコンピューターの世界も現実との比ゆで理解しようとしているからだ。 これは、ある種の初心者的な勘違いなのだと思う。
でも、では、コンピューター上で所有という概念が成立しないのかというと、そんなことは無い。 例えば、モンスターハンターフロンティアでは、みんな血眼になって、レアなアイテムを探し回っているんだよね。 実際手に入れると、メチャメチャ嬉しい。 このことは何故なのか良く考える必要がある。
それに、人の付き合い方って国によって全然違う。 SLはアメリカ文化だと思う。 ようするにパーティー文化なんだよね。 日本の奥ゆかしい社交文化と随分違う。 このことはどんなに考えても充分っていうことは無いと思う。 本当ならよく研究してきちんと文章にしないといけない。
このことはきちんと文章化する必要があるって常々思っている。 miy 今度会うときまでに やっておいてくれない?
僕思うんだけど、これって大きく分けていくつかの問題を含んでるよね。 とにかく システムについての無知。 次にコミュニケーションに関する無知。 最後に文化相違についての無知。
この人の説明だと、SLで日本のサイトは閑散としてることは説明できるけど、SL上の海外ディスコが結構繁盛しているのとか、説明できない。 日本だって、SLが閑散としているのに、同じような3Dバーチャル環境である、リネージュとかモンスターハンターフロンティアが大繁盛しているっていう事も説明できない。
また人間が、どうしてもコンピューター上の出来事を現実の生活上の比ゆで理解しようとする点も指摘がない。 なんで SL上で高級車を乗り回そうとするのか。 移動っていう概念がないコンピューターの世界では、高級車も自転車も必要が無いはずなのに。 持ってても意味がない。 それなのに実際にお金を払ってまで欲しがるのは、この人たちがコンピューターの世界も現実との比ゆで理解しようとしているからだ。 これは、ある種の初心者的な勘違いなのだと思う。
でも、では、コンピューター上で所有という概念が成立しないのかというと、そんなことは無い。 例えば、モンスターハンターフロンティアでは、みんな血眼になって、レアなアイテムを探し回っているんだよね。 実際手に入れると、メチャメチャ嬉しい。 このことは何故なのか良く考える必要がある。
それに、人の付き合い方って国によって全然違う。 SLはアメリカ文化だと思う。 ようするにパーティー文化なんだよね。 日本の奥ゆかしい社交文化と随分違う。 このことはどんなに考えても充分っていうことは無いと思う。 本当ならよく研究してきちんと文章にしないといけない。
このことはきちんと文章化する必要があるって常々思っている。 miy 今度会うときまでに やっておいてくれない?