(メモ) IT技術者不足と“薄利多忙”を解決できるか
2007年01月18日15:30
IT技術者不足なのだそうです...。 仕事が見つからない、と言われて久しい世の中にあるのに、僕は、仕事を探せばいくらでも見つかるという、極めて珍しい環境にいます。
ならば、仕事をすればいいだろうということなのですが... 実際には、そう出来ません。
確かに、収入にはなりますが、ソフトウェア技術者という職業に対して、せいぜい、便利な作業員といった程度の認識しかない今の世の中では、そういう考え方をしていると、仕事的にすぐに行き詰まってしまうからです。
今のように非常に技術が流動的な世の中では、次の時代にどのような技術が主流になるのか、そのためにどのような準備をするのか、というビジョンが非常に大切です。 しかし、残念な事ですが、一般的な会社がその様なビジョンを持っていることは極めて少ないのが現状です。 そんな、今の中で後先を考えずに頑張ってしまえば、簡単に新しい技術に対応できなくなり、会社もろとも燃え尽きてしまいます。 そうなれば、会社はもとより、技術者としても、次の5年を生きられなくなってしまいます。
また、ソフトウェアの開発というのは、基本的に人手がかかるものではありません。 (誤解の恐れが無ければ)どんなに大きなシステムでも、4~5人いれば、何とかなると言って構わないと思います。 それなのに、何とかならないのは、どこかに根本的な問題が解決されずに残っているからではないでしょうか。 プロジェクト成功のためには、そちらを直すことが先決であり、直さない限り、いくら人を増やしても逆効果である事が多いように思います。
プログラマが不足しているという事実以前の問題ですが 「プログラマ」を利用する会社側の意識が低いうちは、腕の良いプログラマは決してその会社に近づこうとしません。 プログラマからは、問題が起こるのが目に見えているからです。 そういうこともあわせて、人を探すべきです。
また「プログラマは大切でない。営業のほうが大切だ」という議論は、問題点のすり替えに他なりません。 営業が無ければ会社が立ち行かないのと同じ様に、プログラミングが悪ければ会社の利益は上がりません。 バグの発生率等が上がり、時間当たりの成果は減るからです。
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0701/18/news006.html
IT技術者不足と“薄利多忙”を解決できるか――LLPが仕掛けるM&A (1/2)
IT需要が好調の中、大手が最も頭を悩ませているのは技術者不足だが、その一方で中小規模のIT企業は“薄利多忙”に陥っている。そんな両者の問題を解決しようとする新たな支援事業を始めたLLP(有限責任事業組合)がある。岐路に立つIT業界に投じられた一石がどんな波紋を呼ぶか――。
2007年01月18日 07時00分 更新
IT企業にのしかかる技術者不足と“薄利多忙”
いまシステム開発を行うIT企業は、まさに猫の手も借りたいくらい忙しい状況に立たされている。それに伴い、技術者不足が一層深刻な問題となってきている。大手の場合、各社とも技術者の稼働率が90%を超え、受注を抑制せざるをえない状況に立たされているところもあるという。
システムの開発は、典型的な労働集約型の作業である。したがって、技術者不足は今後の成長の足かせになりかねない。そうした懸念から、大手はこのところ大幅な採用増を打ち出しているが、一応の仕事をこなせる技術者になるのは5~10年かかるといわれる。それでは追いつかないので、下請けへの発注を増やそうとしても国内では技術者が見つからず、各社は中国などへの委託に一斉に動いた。今ではそうしたオフショアリングにおいても技術者の奪い合いになっているという。この対策はIT業界全体として早急に手を打たないといけないところにきている。
一方、中小規模のIT企業にとっても技術者不足の悩みは大手と同様にあるが、それ以上に悩みが深いのは、仕事は忙しいもののゼネコン的な多段階下請け構造の下層に位置するところが多いため、“薄利多忙”に陥っていることだ。やっかいなのは、中小にとってその下請け構造が、好況時は薄利多忙に、不況時は受注急減に両ぶれする要因として不変的に存在することである。今のままのビジネスモデルでは将来立ち行かなくなるというのが、中小IT企業の共通の思いとしてある。さらに後継者問題やオフショアリングの脅威などがのしかかり、まさしく企業としてのネクストステージをどう描くかが問われている。
中小企業をM&Aの対象にしたLLPが出現
そんな両者の問題を相互補完することで解決の方向を見出そうと、9月に設立されたばかりのLLPが新たな支援事業を始めた。
東京・恵比寿に本拠地を置くハーネス(Harness)LLPは、IT業界専門のM&A(合併・買収)支援および各種事業支援を行う事業体で、とくに技術者不足を少しでも解消したい大手企業と、ネクストステージの選択肢の一つとして一部事業あるいは会社ごと売却しようと考えている中小企業の両者のニーズをマッチングさせ、お互いにメリットの大きいM&Aを実現させることに主眼を置いた活動を行っている。
ハーネスLLPの松倉泉理事長によると、「このところ業績が好調な大手企業では、足下の技術者不足の解消と今後の技術力強化に向けて、良いM&A案件があれば投資したいというニーズが非常に高まっています。一方、中小企業では後継者問題を抱えていたり、下請け構造から脱却して自分たちの技術力を生かせるような企業と組みたいと考える経営者が増えてきています。その両者のニーズをマッチングさせて相互補完するようなM&Aの成功例が増えてくれば、IT業界の活性化にもつながると考えました」と語る。
こうしたハーネスLLPの活動の中で特筆すべきは、従業員数十人の小規模な企業もM&Aの対象にしていることである。とかくM&Aというと大手企業同士のダイナミックな動きが目立ちがちだ。実際、M&Aの仲介業者も数多いが、それらのほとんどは株式あるいは事業の譲渡価格で1億円を下回るような小さな案件の成立に乗り出すことはまずない。譲渡価格の一定の割合が手数料報酬になるため、小さな案件ではコストパフォーマンスが低いからである。
IT技術者不足と“薄利多忙”を解決できるか――LLPが仕掛けるM&A (2/2)
ではなぜハーネスLLPがそうした小規模な企業もM&Aの対象にできるかというと、そこがLLPという事業体にした所以だ。「株式会社だとどうしても利益追求が第一義になってしまいます。私たちが目的としている中小企業のネクストステージを支援する活動のためにはLLPが最適だと考えました」(松倉理事長)
一方、これまでは中小企業の側にも、自社がM&Aの対象になるような存在ではないとの見方が定着していたようだ。中小企業庁がまとめた「中小企業白書2006年版」によると、中小企業は事業売却よりも廃業を選ぶケースが多く、その理由として「事業売却が自社に可能だと思えない」という企業が半数近くを占めた。つまり、これまで中小企業にとっては、M&Aの対象になることなど想定外だったわけである。
しかし、中小企業でも独自のノウハウやスキルを持つ人材を抱えたところは少なくない。それどころか、多くのシステム開発の実態は中小企業が支えてきたと言っていい。その意味では、ハーネスLLPの活動は中小企業が培ってきた技術力の再生といえる。
プロワーカーたちが投じた一石の波紋やいかに…
とはいえ、大手企業にとっても中小企業にとってもお互いにメリットの大きいM&Aを実現させるには、仲介する立場としてそれぞれの経営や事業内容に対する相当の“目利き”が必要だ。その点、ハーネスLLPにはIT業界のさまざまな業務で20年以上のキャリアを持つプロワーカー(独立事業主:インディペンデント・コントラクター)が名を連ねており、M&Aのみならず、経営戦略、営業戦略、ファイナンス、人事関係など幅広いニーズに対応したプロフェッショナルサービスを用意している。LLPというと、日本では複数の企業が特定の事業を行うために出資して設けるケースが大半だが、インディペンデント・コントラクターが集まって立ち上げたのも時代を先取りした格好だ。
松倉理事長が取材の最後にこう強調した。
「多段階下請け構造、技術者不足、後継者問題、オフショアリング…と、IT業界は対処すべき問題が山積しています。そうした状況を改善・改革してさらなる発展をめざすためにも、ここ2、3年で抜本的な業界再編を行う必要があると、私たちはみています。私たちの活動がそのきっかけの一つになれば嬉しいですね」
同LLPが投じた一石が、岐路に立つIT業界にどんな波紋を呼ぶか、注目したい。
(「月刊アイティセレクト」2007年2月号のトレンドフォーカス「中小IT企業のM&A支援を行う LLPの活動にみるIT業界の岐路」より)
ならば、仕事をすればいいだろうということなのですが... 実際には、そう出来ません。
確かに、収入にはなりますが、ソフトウェア技術者という職業に対して、せいぜい、便利な作業員といった程度の認識しかない今の世の中では、そういう考え方をしていると、仕事的にすぐに行き詰まってしまうからです。
今のように非常に技術が流動的な世の中では、次の時代にどのような技術が主流になるのか、そのためにどのような準備をするのか、というビジョンが非常に大切です。 しかし、残念な事ですが、一般的な会社がその様なビジョンを持っていることは極めて少ないのが現状です。 そんな、今の中で後先を考えずに頑張ってしまえば、簡単に新しい技術に対応できなくなり、会社もろとも燃え尽きてしまいます。 そうなれば、会社はもとより、技術者としても、次の5年を生きられなくなってしまいます。
また、ソフトウェアの開発というのは、基本的に人手がかかるものではありません。 (誤解の恐れが無ければ)どんなに大きなシステムでも、4~5人いれば、何とかなると言って構わないと思います。 それなのに、何とかならないのは、どこかに根本的な問題が解決されずに残っているからではないでしょうか。 プロジェクト成功のためには、そちらを直すことが先決であり、直さない限り、いくら人を増やしても逆効果である事が多いように思います。
プログラマが不足しているという事実以前の問題ですが 「プログラマ」を利用する会社側の意識が低いうちは、腕の良いプログラマは決してその会社に近づこうとしません。 プログラマからは、問題が起こるのが目に見えているからです。 そういうこともあわせて、人を探すべきです。
また「プログラマは大切でない。営業のほうが大切だ」という議論は、問題点のすり替えに他なりません。 営業が無ければ会社が立ち行かないのと同じ様に、プログラミングが悪ければ会社の利益は上がりません。 バグの発生率等が上がり、時間当たりの成果は減るからです。
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0701/18/news006.html
IT技術者不足と“薄利多忙”を解決できるか――LLPが仕掛けるM&A (1/2)
IT需要が好調の中、大手が最も頭を悩ませているのは技術者不足だが、その一方で中小規模のIT企業は“薄利多忙”に陥っている。そんな両者の問題を解決しようとする新たな支援事業を始めたLLP(有限責任事業組合)がある。岐路に立つIT業界に投じられた一石がどんな波紋を呼ぶか――。
2007年01月18日 07時00分 更新
IT企業にのしかかる技術者不足と“薄利多忙”
いまシステム開発を行うIT企業は、まさに猫の手も借りたいくらい忙しい状況に立たされている。それに伴い、技術者不足が一層深刻な問題となってきている。大手の場合、各社とも技術者の稼働率が90%を超え、受注を抑制せざるをえない状況に立たされているところもあるという。
システムの開発は、典型的な労働集約型の作業である。したがって、技術者不足は今後の成長の足かせになりかねない。そうした懸念から、大手はこのところ大幅な採用増を打ち出しているが、一応の仕事をこなせる技術者になるのは5~10年かかるといわれる。それでは追いつかないので、下請けへの発注を増やそうとしても国内では技術者が見つからず、各社は中国などへの委託に一斉に動いた。今ではそうしたオフショアリングにおいても技術者の奪い合いになっているという。この対策はIT業界全体として早急に手を打たないといけないところにきている。
一方、中小規模のIT企業にとっても技術者不足の悩みは大手と同様にあるが、それ以上に悩みが深いのは、仕事は忙しいもののゼネコン的な多段階下請け構造の下層に位置するところが多いため、“薄利多忙”に陥っていることだ。やっかいなのは、中小にとってその下請け構造が、好況時は薄利多忙に、不況時は受注急減に両ぶれする要因として不変的に存在することである。今のままのビジネスモデルでは将来立ち行かなくなるというのが、中小IT企業の共通の思いとしてある。さらに後継者問題やオフショアリングの脅威などがのしかかり、まさしく企業としてのネクストステージをどう描くかが問われている。
中小企業をM&Aの対象にしたLLPが出現
そんな両者の問題を相互補完することで解決の方向を見出そうと、9月に設立されたばかりのLLPが新たな支援事業を始めた。
東京・恵比寿に本拠地を置くハーネス(Harness)LLPは、IT業界専門のM&A(合併・買収)支援および各種事業支援を行う事業体で、とくに技術者不足を少しでも解消したい大手企業と、ネクストステージの選択肢の一つとして一部事業あるいは会社ごと売却しようと考えている中小企業の両者のニーズをマッチングさせ、お互いにメリットの大きいM&Aを実現させることに主眼を置いた活動を行っている。
ハーネスLLPの松倉泉理事長によると、「このところ業績が好調な大手企業では、足下の技術者不足の解消と今後の技術力強化に向けて、良いM&A案件があれば投資したいというニーズが非常に高まっています。一方、中小企業では後継者問題を抱えていたり、下請け構造から脱却して自分たちの技術力を生かせるような企業と組みたいと考える経営者が増えてきています。その両者のニーズをマッチングさせて相互補完するようなM&Aの成功例が増えてくれば、IT業界の活性化にもつながると考えました」と語る。
こうしたハーネスLLPの活動の中で特筆すべきは、従業員数十人の小規模な企業もM&Aの対象にしていることである。とかくM&Aというと大手企業同士のダイナミックな動きが目立ちがちだ。実際、M&Aの仲介業者も数多いが、それらのほとんどは株式あるいは事業の譲渡価格で1億円を下回るような小さな案件の成立に乗り出すことはまずない。譲渡価格の一定の割合が手数料報酬になるため、小さな案件ではコストパフォーマンスが低いからである。
IT技術者不足と“薄利多忙”を解決できるか――LLPが仕掛けるM&A (2/2)
ではなぜハーネスLLPがそうした小規模な企業もM&Aの対象にできるかというと、そこがLLPという事業体にした所以だ。「株式会社だとどうしても利益追求が第一義になってしまいます。私たちが目的としている中小企業のネクストステージを支援する活動のためにはLLPが最適だと考えました」(松倉理事長)
一方、これまでは中小企業の側にも、自社がM&Aの対象になるような存在ではないとの見方が定着していたようだ。中小企業庁がまとめた「中小企業白書2006年版」によると、中小企業は事業売却よりも廃業を選ぶケースが多く、その理由として「事業売却が自社に可能だと思えない」という企業が半数近くを占めた。つまり、これまで中小企業にとっては、M&Aの対象になることなど想定外だったわけである。
しかし、中小企業でも独自のノウハウやスキルを持つ人材を抱えたところは少なくない。それどころか、多くのシステム開発の実態は中小企業が支えてきたと言っていい。その意味では、ハーネスLLPの活動は中小企業が培ってきた技術力の再生といえる。
プロワーカーたちが投じた一石の波紋やいかに…
とはいえ、大手企業にとっても中小企業にとってもお互いにメリットの大きいM&Aを実現させるには、仲介する立場としてそれぞれの経営や事業内容に対する相当の“目利き”が必要だ。その点、ハーネスLLPにはIT業界のさまざまな業務で20年以上のキャリアを持つプロワーカー(独立事業主:インディペンデント・コントラクター)が名を連ねており、M&Aのみならず、経営戦略、営業戦略、ファイナンス、人事関係など幅広いニーズに対応したプロフェッショナルサービスを用意している。LLPというと、日本では複数の企業が特定の事業を行うために出資して設けるケースが大半だが、インディペンデント・コントラクターが集まって立ち上げたのも時代を先取りした格好だ。
松倉理事長が取材の最後にこう強調した。
「多段階下請け構造、技術者不足、後継者問題、オフショアリング…と、IT業界は対処すべき問題が山積しています。そうした状況を改善・改革してさらなる発展をめざすためにも、ここ2、3年で抜本的な業界再編を行う必要があると、私たちはみています。私たちの活動がそのきっかけの一つになれば嬉しいですね」
同LLPが投じた一石が、岐路に立つIT業界にどんな波紋を呼ぶか、注目したい。
(「月刊アイティセレクト」2007年2月号のトレンドフォーカス「中小IT企業のM&A支援を行う LLPの活動にみるIT業界の岐路」より)
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