タイ借金農家ネットワーク とは? (おかあつ)
2007年01月21日 02:33
イサーンのタクシン派=何とかキャラバンとか何とか連合とか... と言われても、管理人おかあつ的には、いまいちピンと来ていなくて、そもそもタクシン派ってどこにいるのだろうか、と疑問を持ちます。 実際、イサーンにすんでいても、見たことも聞いたこともありません。 新聞で読んだことがあるだけです。
しかも、ネット上で探している限り極めて情報は限られており(... といっても僕のタイ語力不足も大いに関係してますが) いわゆる「タクシン派」というのがどこにおり、どのような活動をしているのかは、いまいち、よく見えてきません。
そういう中、こういう記事を見つけました。 よく吟味してみないと正しいか正しくないかわかりませんが、とにかく、待ちに待った「タクシン派」についてのかなり踏み込んだ事が書かれた記事、である様な気がします。
また、タイ借金農家ネットワークと タイ貧民連合国際部 関連は不明ですが、とにかくこのあたりからよんでみたいと思います。
http://www.jrcl.net/web/frame05088c.html
この記事に関しては下に引用したいと思います。
また
http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/thailand/pdf/prj02_01.pdf
こういう記事も見つけました。 ここでもタイ借金農家について触れられているようです。 こちらは、PDFなので、引用は避けたいと思うのですが、あわせて読んでみたいと思います。
脱WTO草の根キャンペーンがシンポ かけはし2005.8.8号
公正な貿易ルールをめざす民衆の側からの対案を
タイと香港の活動家を招き新自由主義に抗する道を探る
日本農民と交流
したタイの活動家
台風が首都圏を直撃すると予報される七月二十六日、折しもWTO一般理事会ならびに農業交渉がジュネーブで南北の激突も予測される中、三十人の農民・労働者・市民が文京シビックセンターでのシンポに集まった。主催は、ATTACジャパン、平和フォーラム、日本消費者連盟、「異議あり日韓FTA」キャンペーンなどで構成される「脱WTO草の根キャンペーン全国実行委員会」。二〇〇三年初頭に結成され、現在第三期キャンペーンを展開し、草の根レベルからWTO・FTA(自由貿易協定)の問題を掘り起こし、アジアや世界の民衆と広くつながっていく活動を行ってきた。
今回、七月二十一日からタイの農業問題NGO活動家、ポンティップ・ムランジットさんを日本に招待し、WTO農業協定で農業破壊が進み、さらにFTAを乱発しているタイの民衆の状況を知り、そして日本の労働者・農民と運動的な交流をはかった。ポンティップさんは短期間ながら山形県置賜、新潟県上越市、埼玉県をまわり、特に日本の農民と交流できたことを大変喜んでいた。彼女は、タイ貧民連合国際部、ビア・カンペシーナ(農民への道)タイ国際事務局、農村再建友好協会(RRAFA)共同代表など多彩な運動に深く関わり、農村と都市をつなぐネットワークも形成してきた。
WTOと深刻化
する農業の破壊
東京でのシンポは、女性ユニオン東京の招待で来日中のWTO香港民衆アライアンス代表メーベルさんにも参加いただき、まず、脱WTO草の根キャンペーン事務局長の大野和興さんが日本側の状況提起を行った。
大野さんは、「WTO体制下で、米価がどんどん下がり、大規模化を求められて、農家は借金が増えるばかり。労働者は効率主義を押しつけられ、民営化と安全無視はJR福知山線の大事故につながった。地域でも商店街はシャッターが下りたまま、地方の村自体も衰退している。生きるも死ぬも自己責任の世の中をどう変えていけばいいのか。身の回りの所での生産や交易を結ぶだけでなく、世界との結びつき、民衆の交易も考えていかなければならない」と、提起した。
続いてポンティップさんが報告した。(要旨別掲)
香港WTO会議
と現地での闘い
WTO監視香港民衆アライアンス(HKPA)を代表してメーベルさんは、十二月十三日から開催されるWTO第六回閣僚会議に対抗する民衆行動週間と民衆フォーラムの準備状況を映像を交えて報告し、HKPAは、香港の労働組合、キリスト教系団体、学生団体、移住労働者支援組織など二十五団体で構成され、香港政府とフォーラム会場やデモ活動を要請してきたことなどを紹介した。さらに、香港政府がGATS(サービス貿易に関する協定)に関して、ゴミ収集・処理に関して自由化のオファー(申し出)がなされていることが明らかにされ、香港の中で、ゴミ収集・処理の民営化反対の運動が起きていることも話された。最後に、中国語で「WTOに抗議する」というスローガン「コン、イー、サイ、マウ(抗議世貿)」を参加者と共に唱和した。
アメリカの力を
借りるタイ政府
会場からの質問では、タイと日本とのFTA交渉が最終段階と言われる中で、タイ民衆の反応はどうか、東アジア共同体構想と主要国の軍事力強化との関係など出され、タイとの関係では、ポンティップさんが答え、アジアの中では、中国のプレゼンスが増大し、アメリカが警戒している。結局、アジア・レベルでは、どちらに依拠するのか分裂していくだろう。タイは先日ブッシュ父とライス国務長官がタイ南部を訪問している。南部でのテロ事件抑止にアメリカの力を借りることで、タイ政府はますます、アメリカ側に立つだろう。日本とタイFTAも、タイ-米国FTA交渉ばかりが注目され、あまり関心が広まっていないことを話していた。
また、参加していた北海道の農民からは、米価が引き下げられる中、現在百戸ある農家が十年後には十戸になるしかない。WTO体制下で、日本農業を残すのか、完全輸入化でよしとするのか、都市消費者にも本当は問われていることを訴えたいと話された。
WTO交渉やアジア各国とのFTA交渉の細部は、民衆から隔離されたまま、「ウィン-ウィン」(どっちも勝ち)の協定だなどと自画自賛しながら、さらなる市場の自由化が進行している。南であれ北であれ、すべての国で労働・農業・環境・食糧が危機に瀕してきている。賃金や農作物価格の下方に向かう競争は激化し、アグリ・ビジネス企業の巨大な支配は、全世界をGM作物で埋め尽くそうとしていることが、タイの報告からリアルに伝わってきた。アメリカからフリーとなるアジア共同体構想が賛美されているが、EU型のアジア共同体にはならないことを、日本帝国主義によるアジア共同体構想の真実の姿を分析することで明らかにできるだろう。(北野)
ポンティップさんの報告から
超国籍企業に対抗する計画の作成へ
タイの貧民連合は、一九九五年設立され、零細小農民、都市貧困者、漁民、労働組合で構成され、地方レベルでの行動のネットワークを連結してきた。
WTO結成から十年。二国間FTA(自由貿易協定)締結は、中国(二〇〇三年)、オーストラリア(二〇〇四年)、ニュージーランド(二〇〇五年)と次々と結び、さらにアメリカ、日本、ペルー、インドなどと交渉中である。その結果は、タイ農業の輸出型単一作物化(米、鶏肉、サトウキビ、コーンなど)であり、それ以外は中国からの大量の安い野菜の輸入が占め、市場価格も大幅に下がった。
そのため小規模農家は借金返済できず、二千万人農民の六〇%が離農し、都市に押し寄せ貧困層を形成している。さらに、オーストラリアやニュージーランドとのFTA締結では、牛乳の生産費が二倍以上となっているタイの酪農家十五万人が廃業せざるを得ないと言われる。
アグリビジネスと
GMO化の急進展
また、アメリカとのFTA交渉が続く中、WTO協定にあるTRIPS(貿易における知的所有権協定)以上の条件をアメリカはタイに押しつけようとしている。TRIPSプラスと言われるもので、動植物・人体の生命特許の自由とGMO(遺伝子組み換え有機体)輸入・栽培の解禁などである。その結果は、農民の種子へのアクセスの喪失であり、タイ有機農業の壊滅、さらにはタイの大きな輸出品ジャスミン米(香り米の一種)のアメリカ企業によるGMO化とアメリカからの安価なジャスミン米の市場流通・支配へと至る。
すでに、アメリカのアグリ・ビジネス企業モンサント社は、議会ロビー活動に二千百万ドルも注ぎ込み、その経営陣に名を連ねるキープ・ボーン上院議員が本年タイを訪れ、タイ政財界へのロビーイングを行っている。すでにタイ国内では、禁止されているGM綿花・トウモロコシが違法に栽培されているが、これが合法化されれば、モンサント社は二万トン生産されるタイ国内トウモロコシ生産から四〇億バーツ(1バーツ約二・七円)もの利益を得る。
輸出産品であるコメに対する種子マーケットをGM化で支配すれば、その利益は八〇億円と言われる。そのため、モンサントは中国政府の暗黙の協力を得て、違法のままGM米の研究栽培を進めている。
民営化と立ち退き
攻撃が吹き荒れる
タイ政府は、農民の必要なアクセスをどんどん奪ってきている。土地への規制も、農民の定義を変え、従来小農民でも土地所有できていたものが、土地への融資が認められたことで大資本への土地占有を進めている。また、水へのアクセスも、水資源が民衆のものでなく、タイ政府の支配下に置くことで、企業に売り渡そうとしてきた。
これは、ボリビアでの水民営化反対闘争の勝利のように、タイでも二年間の実施延期を勝ち取っている。同様に、森林地帯での小農民の立ち退きも強制されてきた。県境保護のため国立公園にすると言いながら農民を追い立て、大企業経営の輸出用作物栽培のプランテーションにしている。
民営化も進行し、電力が民営化され、今後、水、マスメディア、交通機関、医療、教育で予定されている。商店も中小企業三〇万人の団体が反対してきたロータスなど外資系大手スーパーがどんどん進出している。
このように東南アジアでの新自由主義政策のリーダーとなろうと、タクシン政府は新自由主義の政策を加速化しているが、アジアの農民や労働者はそれに対抗するネットワークとオルタナティブを持たなければならない。超国籍企業やアグリ・ビジネス企業は、グローバル化したネットワークを持っている。私たちも、「もう一つの世界は可能だ」と確信するグローバルなネットワークを作り、オルタナティブなアイデアで、貿易・市場を具体的に作り、行動に移していきたい。
(報告要旨、文責編集部)
共謀罪に反対する議員と市民の集い
この悪法を廃案にするまで闘いを強化しよう
七月二十六日、東京・星陵会館において「共謀罪」に反対する民主党、共産党、社民党の衆参国会議員の呼かけで「『共謀罪』に反対する超党派国会議員と市民の集いが行われ、二百人参加者があった。
政府・与党は、七月十二日、現代版・治安維持法である共謀罪やサイバー犯罪取り締まりを含む刑法改悪法案の審議を衆院法務委員会で強行した。法務省は、委員会で「組織犯罪集団」の定義を明確に規定しないまま共謀罪の対象犯罪が六百十五種類であると発言した。犯罪が実行される前に単に合意したと認定しただけで犯罪が成立したとして不当逮捕を拡大させていく悪法だ。盗聴法の改悪なども射程に入れながらスパイ・密告制度と監視社会をめざしている。廃案に向けて取り組みを強化していかなければならない。
集会には、民主党の稲見哲男、小林千代美、松野信夫、辻恵衆院議員、社民党の福島みずほ、近藤正道参院議員、共産党の井上哲士参院議員などが駆け付け、国会報告や「共謀罪」反対と決意表明を行った。
連帯アピールとして、社会保険庁職員の堀越明男さんは、公安警察による計画的な長期監視・尾行のうえで休日のチラシ配布を国家公務員法違反だとして不当逮捕(○四年三月)され、起訴攻撃を受けたことを糾弾し、「『共謀罪』の廃案とともに、公安警察の解体を実現させなければならない」と力強く訴えた。
続いて、立川防衛庁官舎イラク反戦ビラ入れで不当弾圧を受けた立川テント村の大洞俊之さんは、第二審が九月十四日、東京高裁七二五号、三時半からスタートすることを報告し、二審勝利に向けて九月三日に総決起集会を開催することを明らかにした。
さらに集会は、マスコミ関係、刑法学者、弁護士などからの発言が続いた。
継続審議に持ち
こませてはならぬ
派兵大国化を推進する小泉政権は、戦時治安弾圧型の統治支配を構築していくために共謀罪等の悪法の武器が欲しくてたまらないのである。その反動的姿勢は、郵政民営化法案に反対し罷免された滝実前法務副大臣の後任が不在であるにもかかわらず、強引に審議を開始したことに現れている。これだけではない。官僚の作文の棒読みを繰り返す南野知恵子法相の答弁に対して民主党議員が少しでも改悪法案の内容に対して質問するやいなや答弁できずに審議中断を繰り返し、あげくのはてに法案の違憲性について問われると「答える立場にない」などと開き直る始末である。
法案審議強行によって、マスコミ各社は、「相談だけで訴追、範囲は? 団体の性格や活動実態焦点」(朝日新聞)、「『話し合い』処罰に波紋 『過剰』と不安の声」「社説 危惧や不安はもっともだ」(毎日新聞)、「『共謀罪』ひそかに審議入り 『治安立法』へ条約を曲解?」(東京新聞)などの見出しを掲げながら、一斉に「共謀罪」などの危険性の具体的事例をあげながら報道を開始した。さらに共謀罪反対の立場を日本ジャーナリスト会議などマスコミ関係者、刑法学者、各地弁護士会、市民運動、労働運動が次々と表明している。
このような全国的反撃によって、七月二十九日、政府・与党は今国会の法案成立を断念すると表明させるところまで追い込むことができた。だが、政府・与党は、継続審議に持ち込もうとねらっていることは確かだ。修正を呼び水にしながらの法案の継続審議を許さない。「共謀罪」の廃案をかちとろう!八月九日、火、正午、参議院議員会館第一会議室で「『共謀罪』に反対する超党派国会議員と市民の集い」院内集会が行われる。(Y)
靖国アジア訴訟
違憲判断を避けた大阪高裁判決
【大阪】七月二十六日、大阪高裁で、韓国などアジアと日本のアジア太平洋戦争の戦争遺族らが中心になって、中園首相の靖国参拝の違憲確認などを求めた「靖国アジア訴訟」で、大阪高裁(大出晃之裁判長)は、「原告らの損害賠償の根拠はない」とし、「原告らに侵害された利益がない以上、法律関係の確認を求めることはできない」と、大阪地裁が公式参拝と確認した小泉首相の参拝が違憲かどうかの判断を避けた。
裁判長は、裁判に際して、判決理由を述べるよう求めた原告の発言を制し、「控訴棄却」だけを告げ、そそくさと法廷を後にした。
裁判には、沖縄、九州、東京などの同種の訴訟の原告や、当裁判の原告のイ・ヒジャ(李煕子)さんも韓国からかけつけた。
裁判後、原告、弁護団、傍聴人らは、大阪弁護士会館で集会を開き、上告の意志を固めた。
集会では、弁護士の加島さんは、「一審判決の、小泉の参拝は公務、を否定はしなかったが憲法判断(政教分離)からは逃げた」「小泉の違憲行為に対する司法としての怒りがない」と批判した。原告団事務局長の菱木正春さんは「小泉側の私的参拝という詭弁は認められなかった」「上告審に持ち込もう」と提案した。イ・ヒジャ(李煕子)さんは、「両親を踏みにじられた感じだ。傲慢な判決に憤懣やるかたない。国連にも訴えるつもりだ」と語り、原告団長の菅原龍憲さんも「上告は前提だ」と判決への怒りを表明した。さらに、弁護団の弁護士ら、東京原告団の辻子さん、沖縄原告団の麻生さんも発言し、今後の取り組みを誓い合った。 (H)
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しかも、ネット上で探している限り極めて情報は限られており(... といっても僕のタイ語力不足も大いに関係してますが) いわゆる「タクシン派」というのがどこにおり、どのような活動をしているのかは、いまいち、よく見えてきません。
そういう中、こういう記事を見つけました。 よく吟味してみないと正しいか正しくないかわかりませんが、とにかく、待ちに待った「タクシン派」についてのかなり踏み込んだ事が書かれた記事、である様な気がします。
また、タイ借金農家ネットワークと タイ貧民連合国際部 関連は不明ですが、とにかくこのあたりからよんでみたいと思います。
http://www.jrcl.net/web/frame05088c.html
この記事に関しては下に引用したいと思います。
また
http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/thailand/pdf/prj02_01.pdf
こういう記事も見つけました。 ここでもタイ借金農家について触れられているようです。 こちらは、PDFなので、引用は避けたいと思うのですが、あわせて読んでみたいと思います。
脱WTO草の根キャンペーンがシンポ かけはし2005.8.8号
公正な貿易ルールをめざす民衆の側からの対案を
タイと香港の活動家を招き新自由主義に抗する道を探る
日本農民と交流
したタイの活動家
台風が首都圏を直撃すると予報される七月二十六日、折しもWTO一般理事会ならびに農業交渉がジュネーブで南北の激突も予測される中、三十人の農民・労働者・市民が文京シビックセンターでのシンポに集まった。主催は、ATTACジャパン、平和フォーラム、日本消費者連盟、「異議あり日韓FTA」キャンペーンなどで構成される「脱WTO草の根キャンペーン全国実行委員会」。二〇〇三年初頭に結成され、現在第三期キャンペーンを展開し、草の根レベルからWTO・FTA(自由貿易協定)の問題を掘り起こし、アジアや世界の民衆と広くつながっていく活動を行ってきた。
今回、七月二十一日からタイの農業問題NGO活動家、ポンティップ・ムランジットさんを日本に招待し、WTO農業協定で農業破壊が進み、さらにFTAを乱発しているタイの民衆の状況を知り、そして日本の労働者・農民と運動的な交流をはかった。ポンティップさんは短期間ながら山形県置賜、新潟県上越市、埼玉県をまわり、特に日本の農民と交流できたことを大変喜んでいた。彼女は、タイ貧民連合国際部、ビア・カンペシーナ(農民への道)タイ国際事務局、農村再建友好協会(RRAFA)共同代表など多彩な運動に深く関わり、農村と都市をつなぐネットワークも形成してきた。
WTOと深刻化
する農業の破壊
東京でのシンポは、女性ユニオン東京の招待で来日中のWTO香港民衆アライアンス代表メーベルさんにも参加いただき、まず、脱WTO草の根キャンペーン事務局長の大野和興さんが日本側の状況提起を行った。
大野さんは、「WTO体制下で、米価がどんどん下がり、大規模化を求められて、農家は借金が増えるばかり。労働者は効率主義を押しつけられ、民営化と安全無視はJR福知山線の大事故につながった。地域でも商店街はシャッターが下りたまま、地方の村自体も衰退している。生きるも死ぬも自己責任の世の中をどう変えていけばいいのか。身の回りの所での生産や交易を結ぶだけでなく、世界との結びつき、民衆の交易も考えていかなければならない」と、提起した。
続いてポンティップさんが報告した。(要旨別掲)
香港WTO会議
と現地での闘い
WTO監視香港民衆アライアンス(HKPA)を代表してメーベルさんは、十二月十三日から開催されるWTO第六回閣僚会議に対抗する民衆行動週間と民衆フォーラムの準備状況を映像を交えて報告し、HKPAは、香港の労働組合、キリスト教系団体、学生団体、移住労働者支援組織など二十五団体で構成され、香港政府とフォーラム会場やデモ活動を要請してきたことなどを紹介した。さらに、香港政府がGATS(サービス貿易に関する協定)に関して、ゴミ収集・処理に関して自由化のオファー(申し出)がなされていることが明らかにされ、香港の中で、ゴミ収集・処理の民営化反対の運動が起きていることも話された。最後に、中国語で「WTOに抗議する」というスローガン「コン、イー、サイ、マウ(抗議世貿)」を参加者と共に唱和した。
アメリカの力を
借りるタイ政府
会場からの質問では、タイと日本とのFTA交渉が最終段階と言われる中で、タイ民衆の反応はどうか、東アジア共同体構想と主要国の軍事力強化との関係など出され、タイとの関係では、ポンティップさんが答え、アジアの中では、中国のプレゼンスが増大し、アメリカが警戒している。結局、アジア・レベルでは、どちらに依拠するのか分裂していくだろう。タイは先日ブッシュ父とライス国務長官がタイ南部を訪問している。南部でのテロ事件抑止にアメリカの力を借りることで、タイ政府はますます、アメリカ側に立つだろう。日本とタイFTAも、タイ-米国FTA交渉ばかりが注目され、あまり関心が広まっていないことを話していた。
また、参加していた北海道の農民からは、米価が引き下げられる中、現在百戸ある農家が十年後には十戸になるしかない。WTO体制下で、日本農業を残すのか、完全輸入化でよしとするのか、都市消費者にも本当は問われていることを訴えたいと話された。
WTO交渉やアジア各国とのFTA交渉の細部は、民衆から隔離されたまま、「ウィン-ウィン」(どっちも勝ち)の協定だなどと自画自賛しながら、さらなる市場の自由化が進行している。南であれ北であれ、すべての国で労働・農業・環境・食糧が危機に瀕してきている。賃金や農作物価格の下方に向かう競争は激化し、アグリ・ビジネス企業の巨大な支配は、全世界をGM作物で埋め尽くそうとしていることが、タイの報告からリアルに伝わってきた。アメリカからフリーとなるアジア共同体構想が賛美されているが、EU型のアジア共同体にはならないことを、日本帝国主義によるアジア共同体構想の真実の姿を分析することで明らかにできるだろう。(北野)
ポンティップさんの報告から
超国籍企業に対抗する計画の作成へ
タイの貧民連合は、一九九五年設立され、零細小農民、都市貧困者、漁民、労働組合で構成され、地方レベルでの行動のネットワークを連結してきた。
WTO結成から十年。二国間FTA(自由貿易協定)締結は、中国(二〇〇三年)、オーストラリア(二〇〇四年)、ニュージーランド(二〇〇五年)と次々と結び、さらにアメリカ、日本、ペルー、インドなどと交渉中である。その結果は、タイ農業の輸出型単一作物化(米、鶏肉、サトウキビ、コーンなど)であり、それ以外は中国からの大量の安い野菜の輸入が占め、市場価格も大幅に下がった。
そのため小規模農家は借金返済できず、二千万人農民の六〇%が離農し、都市に押し寄せ貧困層を形成している。さらに、オーストラリアやニュージーランドとのFTA締結では、牛乳の生産費が二倍以上となっているタイの酪農家十五万人が廃業せざるを得ないと言われる。
アグリビジネスと
GMO化の急進展
また、アメリカとのFTA交渉が続く中、WTO協定にあるTRIPS(貿易における知的所有権協定)以上の条件をアメリカはタイに押しつけようとしている。TRIPSプラスと言われるもので、動植物・人体の生命特許の自由とGMO(遺伝子組み換え有機体)輸入・栽培の解禁などである。その結果は、農民の種子へのアクセスの喪失であり、タイ有機農業の壊滅、さらにはタイの大きな輸出品ジャスミン米(香り米の一種)のアメリカ企業によるGMO化とアメリカからの安価なジャスミン米の市場流通・支配へと至る。
すでに、アメリカのアグリ・ビジネス企業モンサント社は、議会ロビー活動に二千百万ドルも注ぎ込み、その経営陣に名を連ねるキープ・ボーン上院議員が本年タイを訪れ、タイ政財界へのロビーイングを行っている。すでにタイ国内では、禁止されているGM綿花・トウモロコシが違法に栽培されているが、これが合法化されれば、モンサント社は二万トン生産されるタイ国内トウモロコシ生産から四〇億バーツ(1バーツ約二・七円)もの利益を得る。
輸出産品であるコメに対する種子マーケットをGM化で支配すれば、その利益は八〇億円と言われる。そのため、モンサントは中国政府の暗黙の協力を得て、違法のままGM米の研究栽培を進めている。
民営化と立ち退き
攻撃が吹き荒れる
タイ政府は、農民の必要なアクセスをどんどん奪ってきている。土地への規制も、農民の定義を変え、従来小農民でも土地所有できていたものが、土地への融資が認められたことで大資本への土地占有を進めている。また、水へのアクセスも、水資源が民衆のものでなく、タイ政府の支配下に置くことで、企業に売り渡そうとしてきた。
これは、ボリビアでの水民営化反対闘争の勝利のように、タイでも二年間の実施延期を勝ち取っている。同様に、森林地帯での小農民の立ち退きも強制されてきた。県境保護のため国立公園にすると言いながら農民を追い立て、大企業経営の輸出用作物栽培のプランテーションにしている。
民営化も進行し、電力が民営化され、今後、水、マスメディア、交通機関、医療、教育で予定されている。商店も中小企業三〇万人の団体が反対してきたロータスなど外資系大手スーパーがどんどん進出している。
このように東南アジアでの新自由主義政策のリーダーとなろうと、タクシン政府は新自由主義の政策を加速化しているが、アジアの農民や労働者はそれに対抗するネットワークとオルタナティブを持たなければならない。超国籍企業やアグリ・ビジネス企業は、グローバル化したネットワークを持っている。私たちも、「もう一つの世界は可能だ」と確信するグローバルなネットワークを作り、オルタナティブなアイデアで、貿易・市場を具体的に作り、行動に移していきたい。
(報告要旨、文責編集部)
共謀罪に反対する議員と市民の集い
この悪法を廃案にするまで闘いを強化しよう
七月二十六日、東京・星陵会館において「共謀罪」に反対する民主党、共産党、社民党の衆参国会議員の呼かけで「『共謀罪』に反対する超党派国会議員と市民の集いが行われ、二百人参加者があった。
政府・与党は、七月十二日、現代版・治安維持法である共謀罪やサイバー犯罪取り締まりを含む刑法改悪法案の審議を衆院法務委員会で強行した。法務省は、委員会で「組織犯罪集団」の定義を明確に規定しないまま共謀罪の対象犯罪が六百十五種類であると発言した。犯罪が実行される前に単に合意したと認定しただけで犯罪が成立したとして不当逮捕を拡大させていく悪法だ。盗聴法の改悪なども射程に入れながらスパイ・密告制度と監視社会をめざしている。廃案に向けて取り組みを強化していかなければならない。
集会には、民主党の稲見哲男、小林千代美、松野信夫、辻恵衆院議員、社民党の福島みずほ、近藤正道参院議員、共産党の井上哲士参院議員などが駆け付け、国会報告や「共謀罪」反対と決意表明を行った。
連帯アピールとして、社会保険庁職員の堀越明男さんは、公安警察による計画的な長期監視・尾行のうえで休日のチラシ配布を国家公務員法違反だとして不当逮捕(○四年三月)され、起訴攻撃を受けたことを糾弾し、「『共謀罪』の廃案とともに、公安警察の解体を実現させなければならない」と力強く訴えた。
続いて、立川防衛庁官舎イラク反戦ビラ入れで不当弾圧を受けた立川テント村の大洞俊之さんは、第二審が九月十四日、東京高裁七二五号、三時半からスタートすることを報告し、二審勝利に向けて九月三日に総決起集会を開催することを明らかにした。
さらに集会は、マスコミ関係、刑法学者、弁護士などからの発言が続いた。
継続審議に持ち
こませてはならぬ
派兵大国化を推進する小泉政権は、戦時治安弾圧型の統治支配を構築していくために共謀罪等の悪法の武器が欲しくてたまらないのである。その反動的姿勢は、郵政民営化法案に反対し罷免された滝実前法務副大臣の後任が不在であるにもかかわらず、強引に審議を開始したことに現れている。これだけではない。官僚の作文の棒読みを繰り返す南野知恵子法相の答弁に対して民主党議員が少しでも改悪法案の内容に対して質問するやいなや答弁できずに審議中断を繰り返し、あげくのはてに法案の違憲性について問われると「答える立場にない」などと開き直る始末である。
法案審議強行によって、マスコミ各社は、「相談だけで訴追、範囲は? 団体の性格や活動実態焦点」(朝日新聞)、「『話し合い』処罰に波紋 『過剰』と不安の声」「社説 危惧や不安はもっともだ」(毎日新聞)、「『共謀罪』ひそかに審議入り 『治安立法』へ条約を曲解?」(東京新聞)などの見出しを掲げながら、一斉に「共謀罪」などの危険性の具体的事例をあげながら報道を開始した。さらに共謀罪反対の立場を日本ジャーナリスト会議などマスコミ関係者、刑法学者、各地弁護士会、市民運動、労働運動が次々と表明している。
このような全国的反撃によって、七月二十九日、政府・与党は今国会の法案成立を断念すると表明させるところまで追い込むことができた。だが、政府・与党は、継続審議に持ち込もうとねらっていることは確かだ。修正を呼び水にしながらの法案の継続審議を許さない。「共謀罪」の廃案をかちとろう!八月九日、火、正午、参議院議員会館第一会議室で「『共謀罪』に反対する超党派国会議員と市民の集い」院内集会が行われる。(Y)
靖国アジア訴訟
違憲判断を避けた大阪高裁判決
【大阪】七月二十六日、大阪高裁で、韓国などアジアと日本のアジア太平洋戦争の戦争遺族らが中心になって、中園首相の靖国参拝の違憲確認などを求めた「靖国アジア訴訟」で、大阪高裁(大出晃之裁判長)は、「原告らの損害賠償の根拠はない」とし、「原告らに侵害された利益がない以上、法律関係の確認を求めることはできない」と、大阪地裁が公式参拝と確認した小泉首相の参拝が違憲かどうかの判断を避けた。
裁判長は、裁判に際して、判決理由を述べるよう求めた原告の発言を制し、「控訴棄却」だけを告げ、そそくさと法廷を後にした。
裁判には、沖縄、九州、東京などの同種の訴訟の原告や、当裁判の原告のイ・ヒジャ(李煕子)さんも韓国からかけつけた。
裁判後、原告、弁護団、傍聴人らは、大阪弁護士会館で集会を開き、上告の意志を固めた。
集会では、弁護士の加島さんは、「一審判決の、小泉の参拝は公務、を否定はしなかったが憲法判断(政教分離)からは逃げた」「小泉の違憲行為に対する司法としての怒りがない」と批判した。原告団事務局長の菱木正春さんは「小泉側の私的参拝という詭弁は認められなかった」「上告審に持ち込もう」と提案した。イ・ヒジャ(李煕子)さんは、「両親を踏みにじられた感じだ。傲慢な判決に憤懣やるかたない。国連にも訴えるつもりだ」と語り、原告団長の菅原龍憲さんも「上告は前提だ」と判決への怒りを表明した。さらに、弁護団の弁護士ら、東京原告団の辻子さん、沖縄原告団の麻生さんも発言し、今後の取り組みを誓い合った。 (H)
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