FLAGS

MENU

NOTICE

2006年7月10日月曜日

Flashコンテストについて (mixi05-u459989-200607101735)

ミクシ内で書かれた旧おかあつ日記を紹介します。
Flashコンテストについて
2006年07月10日17:35
私は、Flashも一つのメディアだと思います。そして世の中にはFlashだけではなく、他にも色々なメディアがあります。例えばCDとかDVDとかも一つのメディアではないでしょうか。

CDやDVDは今では一般的なメディアですが、もしも、そういう中で、「CD作成コンテスト!」や「DVD作成コンテスト!」などが開催されたとしたら、どう思われるでしょうか。

例えば、CD作成を競うといったところで、所詮CDは一つの記録方式でしかなくて、記録される物は、ロックからポップス・ジャズ・クラシック・音楽ばかりでなくドラマや音読など、あらゆる表現方法があります。 もしもこのCD作成コンテストに出場するとしたら、いったい何を競うのか躊躇してしまいます。

私はこのコンテストをみて、そういう躊躇を覚えました。

それは、Flashも、単に一つのメディアだからです。 「Flashを競う」というのは、突き詰めれば「CDを競う」という言葉と同義であり、何を競うのか理解しがたい感じがしたからです。

世の中に「CD作成コンテスト」が蔓延しない理由は、CDがすでに一般的なメディアだからです。 そういう中でFlashのコンテストという物は、まだ世の中の中でFlashが目新しい物・珍しい物であるからこそ、成り立つ物ではないか、と私は感じました。

Flashも普及してしまえばCDと同じであり、珍しい物ではありません。

このように、一般的にいって、日本は、技術と芸術の価値観が未分化である場合が多いような気がします。

また、Flashは一つのプログラミング環境でもあります。よって、コーディングテクニックという目に見えない部分の技術の占める比率も無視できないものがあります。 例えば、Flashで汎用3次元ライブラリを作った場合、これも評価対象となるのでしょうか。

例えば、クライアントサーバーコンポーネントを駆使した美しい図書検索システムを応募しても良い物なのでしょうか。

Flash上で表現する方法はたくさんあります。 ビデオを撮ってFLVでストリーミング再生してしまえば、映画も一つのFlashといえます。

Flash上で複数のMP3をストリーミングし同時にミキシング再生する事も出来ます。 その場合、音楽も一つのFlashといえます。このような方法を使ったFlashを応募した場合はどうなるのでしょうか。

Flashは一つのグラフィック作成ソフトですが、その表現の可能性は、静的(※1)なグラフィックだけではありません。 表現の追及という意味では上記のように多岐にわたった方法論がありえます。

私は、個人的に、このコンテストは、そういう複雑さの中で、具体的に何を競うのかが不明確な感じがしました。

(... もっとも、賞品を見ていると、このコンテストの本当の意図が透けて見えてきますが ... 。)

辛口な批判になってしまいますが、日本の、特にソフトウェア産業系の人は、まだ世の中では十分に一般的になっていないだけのコンピューターの初歩技術・専門用語を煙幕のように撒き散らし、煙幕の影に隠れて、企業の望むとおりに世の中をうごかそうとしている場合が多いように、私には思えます。

目新しい専門用語や刺激的な新技術に踊らされる事がないよう、注意が必要なのではないかと私は思いました。


※1
ここで言う静的とは、動画/静止画のことではなく、例えばゲームのようにリアルタイムに結果を計算して表示する実行毎に結果の異なる映像(=動的)と、映画のようにあらかじめ全て固定的にレンダリングした結果を表示する、実行毎に結果が変化しない方式の映像(=静的)との事を指します。



[新製品]アドビ、Flash誕生10周年記念コンテストを開催
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=59123&media_id=17

[新製品]アドビ、Flash誕生10周年記念コンテストを開催
(RBB TODAY - 07月10日 15:21)
 アドビ システムズは、同社のマルチメディアプラットフォーム「Flash」の誕生10周年記念イベント「Motion Award」を開催する。

 同イベントは、高校生以上を対象とした、Flashおよびビデオ映像クリエーターの発掘と育成を目的としたコンテスト。Flashアニメーション部門、ショートフィルム部門、Flashインタラクティブ部門、モバイル部門の4つの部門で作品を募集し、総合グランプリ1作品、各部門賞4作品、 Student Award1作品を選出する。審査員は、内山光司氏、黒田昌朗氏、佐野研二郎氏、中村勇吾氏、箭内道彦氏の5名。

 応募期間は7月24日から11月15日まで。受賞作品は12月15日に発表され、15日から17日までラフォーレ原宿にて展示される。受賞者には2007年中に出荷予定のアドビ システムズの最新製品が1製品与えられるほか、グランプリ受賞者にはさらにアドビシステムズ日本法人ホームページの1部制作業務が発注される。
コメント一覧
退会したユーザー   2006年07月10日 22:15
はじめまして。(^^

mixiニュースの
「このニュースに関する日記を書いた人」
からお邪魔しました。


> このコンテストの本当の意図...

やっぱりこれ↓だと思いますか?(^^;

「アドビシステムズ日本法人ホームページの1部制作業務の発注」
おかあつ   2006年07月10日 22:42
はじめまして (^-^)

>やっぱりこれ↓だと思いますか?(^^;
>「アドビシステムズ日本法人ホームページの1部制作業務の発注」

僕も、仕事でお金もらいますし、開発費は安く上げたいですから(^-^; それに... ある意味ボランティアじゃないのでそれはそれでいいと思うんですけどね。

色々勉強していく中で、Flashの設計思想とか、開発ビジョンの凄さを色々見ていて、その後に、こういうのをみると、なんだか意識の落差がすごくて、違和感感じてしまうんですよね。

自分も色々プログラムを組むのですが、1人の開発者として、漠然と、そう思ってしまったんです。
kikuyan   2006年07月11日 09:48
このコンテストは今回が初めてなのかな?
過去の受賞作品とかあると、ある程度方向性が見えてくるけど

Flashはまだ比較的新しい表現手段だから、テクニカルな面でも、アーティスティックな面でも、まだまだ未開拓な所がいっぱいあると思う

下手にジャンル絞るより、開発した奴も考えていなかったとんでもない物が出てくる余地残した方がいいんじゃないかな
おかあつ   2006年07月11日 15:54
Flashって「オーサリングツール」だと、私は感じるんです。 作った素材を、最終的にFlashに落とすのか、Directorに落とすのか、MPEGにレンダリングするのかで、表現方法として、どれぐらい違いがあるんだろうか、と個人的には感じています。

個人的には、固定的に表現するのであればムービーで十分なはずだと思っています。 そしてムービーにしない理由は、ネット上で公開するにあたって、ファイルサイズが大きすぎるから、だけではないでしょうか。

Flashでしか出来ない事は、「WEB上で簡単に公開できる動的なアニメーション」だけではないか、というのが私の結論です。
 
出展 2006年07月10日17:35 『Flashコンテストについて』

著者オカアツシについて


小学生の頃からプログラミングが趣味。都内でジャズギタリストからプログラマに転身。プログラマをやめて、ラオス国境周辺で語学武者修行。12年に渡る辺境での放浪生活から生還し、都内でジャズギタリストとしてリベンジ中 ─── そういう僕が気付いた『言語と音楽』の不思議な関係についてご紹介します。

特技は、即興演奏・作曲家・エッセイスト・言語研究者・コンピュータープログラマ・話せる言語・ラオ語・タイ語(東北イサーン方言)・中国語・英語/使えるシステム/PostgreSQL 15 / React.js / Node.js 等々




おかあつ日記メニューバーをリセット


©2022 オカアツシ ALL RIGHT RESERVED