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2006年3月16日木曜日

タイの地方格差2 (mixi05-u459989-200603161427)

ミクシ内で書かれた旧おかあつ日記を紹介します。
タイの地方格差2
2006年03月16日14:27
このニュースを読んで、まず、おかしいと思うところは、実際にタイにいて、そんなにタクシンを嫌っている人がたくさんいるように見えないことだ。

テレビでは盛んにデモの風景が流されているが、実際に見たことはない。見かけることもないだろう。 それくらい冷めている。

確かにデモの集会現場まで赴けば見ることも出来るかもしれない。だが、歩きにくくて空気が悪くて交通の便の悪いバンコクのことなので、とおりがけに見かけることはない。 意識的に見ようとしなければ見ることはない。 そしてバンコクを一歩でもでたら、デモなど影すら見かけないだろう。

ごく一部での出来事なのだ。

バンコクで一番大きなデパートであるMBKにいくと、本屋さん等で反タクシン派のVCDとか良く売っているのを見るけど、買っている人や、「買ったほうがいいよ!」とかいっている人なんかついぞ見たことがない。

おそらく上から強いバイアスがかかっているのだと思う。

タイは普通に選挙不正があるので、お金あげるからデモ行動に参加してよ、とか、お金あげるから×××に投票してよ、とかそういうことは非常に一般的らしい。 また、お金をあげるから、といわれたら、みんなお金がないので、生活のために行かざるを得ないというのが実情らしい。

そうやって、誰かが反政府ムードを意図的に煽っているところがある。だからおそらくまともに選挙したら勝てないのは最初からわかっていることなのだ。 だから、野党も、選挙をボイコットするなどして、まともに選挙を行おうとしていないのだろう。

タクシンの支持基盤は地方にある。 そして、タイは非常に地方格差が激しい国だということは前回も述べたとおりだ。 ほとんどの富がバンコクに集中しているのに、ほとんどの人口が貧しい地方にあるという極端な国なのだ。その比率は1:5~1:6くらいだと聞く。 倍どころの騒ぎではない。だから、選挙をしたらタクシンは絶対に勝つ。

でも、それが民主政治の基本ではないか。

バンコクで反政府集会が盛り上がっていたとしても、それがタイ全体の意思であるわけではない。 大体、地方の人がデモをしにバンコクに行く、なんていうのは夢の様な話だ。 地方の人はバンコクで生活出来るほど裕福ではない。

タクシンは、また、貧困対策にも力を入れており、貧困から不法に日本に行ってヤクザに殺されたり麻薬付けにされたりする人を減らすような努力も行っている。 日本や西洋から見たら、非常に普通な政治家だと思う。

(タクシンは華僑の金持ちの生まれで、電話会社を持っているというのは有名な話だ。 確かに、政治家が大きな会社を持っているというのは、日本では普通ではないかもしれないが、タクシンの正規の給料が日本円で30万円しかなくて、それ以外の正規の収入はない、と聞いたら、どう思われるだろうか。)

おそらく、タクシンが辞任するようなことがあれば、タイの地方格差は更に広がり、貧困問題も進むのだろう。今ようやく3円台まで上がってきたタイバーツの価値が、また2円台前半まで落ちることもあるかもしれない。

もしこうなったとすると、見方によれば、僕ら外人にとって、より居心地の良い、より搾取しやすい、より女子供を買い取り易い、手軽に人の人生を持て遊べる国になるわけだが、反政府グループにはそういう意識はあるのだろうか。

もっとも、富裕層は絶対にそういうことにならないようになっているので、どうでも良いのだろう。


タイ・タクシン首相 一時辞任を示唆 選管、下院選の延期検討
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=13627&media_id=3

(産経新聞 - 03月16日 12:10)
 【バンコク=岩田智雄】市民グループから激しい辞任要求を受けているタイのタクシン首相は十五日、遊説先のブリラム県で地元メディアから「下院選挙後に首相指名を受けず、一時首相職を退く考えはあるか」との質問を受けたことに対し、「すべての提案を検討する。時間をかけて判断したい」と述べ、一時的な退陣の可能性を示唆した。


 首相はまた、「首相指名で後任を擁立すれば、その後首相に復帰できるのではないか」との質問に「よい提案だ」と応じたが、「群衆のやり方に屈するわけではない」と述べ、反タクシン派市民グループ「国民民主同盟」の抗議運動を受けてただちに辞任する考えはないことを強調した。


 プミポン国王の側近であるプレム枢密院議長は同日、タクシン首相と反タクシン派の双方に「国の平和を考え行動してほしい」と和解を呼びかけた。首相と国民民主同盟、野党三党の間では関係者を通じて水面下で話し合いがもたれ、妥協点を探る動きも出ている。


 タイ政府筋によると、野党側はタクシン首相に対し、選挙後に首相指名を受けないことを要求。タクシン首相はいったん退陣し、憲法改正後の再選挙で復帰するという案が選択肢として浮かんでいる。国民民主同盟は首相が政界を去ることに加え、首相の不正蓄財を調べる調査委員会の設置も求めている。


 地元メディアによると、三者代表による公式会合が十六日行われることが検討されており、タクシン首相のこの日の発言は、野党や国民民主同盟の出方を牽制(けんせい)したものとも受け取れる。


 一方、来月二日に予定される下院選挙について選挙管理委員会は十五日、立候補者約九百四十人のうち三百二十人余りが立候補資格を満たしておらず、実施の延期を検討していることを明らかにした。


 同選挙では、主要野党三党が不参加を表明、与党・タイ愛国党以外に小政党が候補者を擁立した。しかし、小政党の候補者の多くが失格する可能性が高く、いくつかの選挙区で再選挙になる恐れがある。タイでは定員(五〇〇)がそろわなければ、国会は招集できない規定になっており、選挙を強行すれば混乱にさらに拍車がかかりそうな情勢だ。


     ◇


 ■ビジネスと癒着、信頼失墜


 タイの経済成長の牽引(けんいん)役となり、二期目のスタートとなる昨年の総選挙では与党を圧勝に導いたタクシン首相。一時は企業の最高経営者(CEO)型とその政治手腕がもてはやされたが、強権的な手法や、ビジネスと政治の“癒着”で、信頼は大きく失墜しつつある。タクシン氏はなぜつまずいたのか。


 タクシン氏の曽祖父は、トウ小平、リー・クアンユー両氏らを生んだ漢民族の一派、客家出身の華人で、タイに移住後、シルク事業で成功した。タクシン氏の政治手法には、進取の気性に富んだ人生観が影響しているといわれる。


 士官学校を卒業し、警官から身を起こしたタクシン氏は通信事業などで成功を収めた。政界入りしたのは九四年。その三年後、タイでは通貨危機が発生した。


 国民が経済的疲弊を引きずっていた九八年、タクシン氏はタイ愛国党を旗揚げ。〇一年の下院選で国民の愛国心を鼓舞するとともに、農家の債務返済猶予などの公約を掲げて勝利し、首相に就任した。


 だが、反タクシン派の指導者のひとりであるチャムロン氏は、首相への評価が批判に勝っていたのは「最初の三年間だけだった」と指摘する。


 タクシン一族の事業には絶えず政治による利益誘導がうわさされてきた。首相は公務員の携帯電話手当を一気に三倍に引き上げて批判を浴びたり、外遊を通信衛星の商談に利用していると指摘されたりした。


 タクシン氏は親族に一族企業の資産を分散させているが、二十代の息子と二人の娘はタイの株長者番付の常連でもある。今年一月に一族企業親会社株をシンガポール政府系企業に売却した際には、同国史上最大の約二千二百億円にのぼる取引となって、国民の嫉妬(しっと)心を駆り立てた。


 一族企業は独立系民間テレビ局も買収し、昨年の総選挙では優先的にタイ愛国党を報道、「首相はメディアも支配している」といわれた。


 タイには「トラの背から下りる」ということわざがある。権力者は背の上にいる間は力を支配できるが、背から下りれば食われかねないという意味だ。“タクシン帝国”と呼ばれ、数年の間に権力と巨額の富を手中にした首相だが、退陣すれば不正蓄財に調査のメスが入り、すべてを失う可能性もある。


 首相の半生を描いた著書のある作家、アティワット氏は「首相はトラの背から慎重に下りる方法を考えなければならない時期に入った」と話している。(岩田智雄)


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コメント一覧
の ぐ を   2006年03月17日 20:29
ニュースをたどってきました。はじめまして。
タイは数回しか行ったことないけどすごく好きな国です。MBKとか聞くと嬉しくなります。
さてニュースの件、現地の方のお話を聞くと新聞の記事に対する考えも変わりますね。国王をすごく尊敬しているのは現地の人と話して分かったのですが、首相に関しては。。。。見たいな感じでした。なにはともあれ、無事に解決するといいですね。
おかあつ   2006年03月17日 23:49
>首相に関しては。。。。見たいな感じでした。

それは、多分バンコクで話を聞いたからだと思います。 タイは、相当 地域差があるので、いろんな人から話を聞かないとこの問題の本質は見えないと思います。

たとえば、同じバンコクでも東北地方から来た人が多い郊外近郊と、サイアムスクエア周辺では、ぜんぜんいる層が違います。だから、意見もぜんぜん変わってくると思います。

(僕だって、サイアムスクエア周辺でタクシン最高!とかふれて回る勇気はありません。)

詳しくは次のエントリーで書いてみようと思います。
 
出展 2006年03月16日14:27 『タイの地方格差2』

著者オカアツシについて


小学生の頃からプログラミングが趣味。都内でジャズギタリストからプログラマに転身。プログラマをやめて、ラオス国境周辺で語学武者修行。12年に渡る辺境での放浪生活から生還し、都内でジャズギタリストとしてリベンジ中 ─── そういう僕が気付いた『言語と音楽』の不思議な関係についてご紹介します。

特技は、即興演奏・作曲家・エッセイスト・言語研究者・コンピュータープログラマ・話せる言語・ラオ語・タイ語(東北イサーン方言)・中国語・英語/使えるシステム/PostgreSQL 15 / React.js / Node.js 等々




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