(ニュース)歴史は繰り返す
2008年11月12日14:15
15年前、パソコン業界が今の携帯と全く同じ様な状況だった。 世界は開かれた仕様のIBM-PC互換機が主流になりつつあった。 しかし当時国内のシェアがトップだったNECは、ひたすらユーザーを、まるで箱入り娘のように、そとを見せないように、見せないようにして、高価で性能の低いPC-9801シリーズを売りつけていたのだ。
昔は、今の様にパソコンが部品ごとに分離していなかった。 当時のパソコンは今のノートパソコンの様に一枚板だったのだ。 そんななかPC-9801はパソコンの一部をちょこっと変えただけで次々と新機種として発売していた。
グラフィックボードの仕様をちょこっと変えただけで新機種として売り出すPC-9801の売り方は、冷静に見ると非常にバカげていた。 Windowsの様な本格的なOSがない時代のはなしなだ。 新しいソフトは常に最新のPC-9801に合わせて作られていたので、ちょっとでもパソコンが古いと動かなかった。 つまり、極端な言い方をすれば、最新機種が出る度にパソコン全体を買い換える必要があった。 ユーザーはしかたなく付き合うしかなかった。 今と比べると信じられない不便さだ。
また、PC-9801は、当時、日本語を表示できる唯一のコンピューターでもあったし、ユーザーは、そんな不便なPC-9801でも仕方がなく我慢して付き合っていたのだ。
◇
そんな日本に黒船が来たのだ。 DOS/V機なんて呼ばれるIBMPC互換機だ。 これこそ、今ではどこでも手に入る普通のWindowsパソコンだ。
DOS/V機は自由だった。 グラフィックボードをアップグレードするのにパソコン全体を買い換える必要などなかった。 グラフィックボードだけを取り外して付け替えることができるからだ。 それどころか、パソコン全体を、自分で部品を買い集めて組み立てるということすらできた。 DOS/V機の方が圧倒的に便利だった。 DOS/V機は、あっというまに、PC-9801を駆逐してしまった。
それが今のパソコンだ。
◇
日本の携帯は、これと同じ状況になりつつある。 僕はしばらくまえから日本の携帯が、この破滅したPC-9801と同じ運命をたどることを予感してたのだけど、その気配はどんどん濃くなる一方だ。
日本の携帯は便利だろうか。 とんでもない。 海外の携帯の方が圧倒的に便利だ。 だって、海外の携帯はあたりまえのようにUSBメモリとして使えるし、それだけでなく、着メロをUSBで入れたり出したりすることも自由なのだ。 日本の携帯では絶対ムリだ。
それどころか、海外ではみんな当たり前の様にシムカードを何枚か持って、複数の電話番号を使い分けている。 新しい電話番号を買うのはとても簡単だ。 タイなんか、セブンイレブンで150円払えば、即、新しい電話番号を買うことができる。 これならストーカー対策も簡単だろう。 日本の携帯じゃムリだ。
他にも、メモリが30Gで8000円というこの時代に、携帯アプリが使えるメモリがたったの数百キロバイトしかないのもヘンだ。 これも携帯の回線を使わせるための、もっともらしいもったいをつけた制約じゃないかと思う。
日本のメーカーは、日本人がこういう世界の『自由な携帯』を知らないことにつけこんで、使いづらい携帯電話を利用者に売りつけていると感じる。
こういう制約って、確かに、携帯の利用者からは見えづらい。 だけど確実に利用者のお財布を軽くしている。 日本の携帯って本当にいやらしい制約が多く、ウンザリする。
こういうニュースをみるたびに、そんなオーストラリアの珍獣の様な日本の携帯業界も、ようやく終焉を迎えそうだ、と感じる。
また、早く終わってほしいと感じる。
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【コラム】 海外ケータイ上陸ラッシュに見る先進的な日本のケータイ事情
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=664588&media_id=29
アジア発のケータイが勢いを増している。2006年から日本市場に参入したLG(韓国)はドコモから「PRADA Phone」をリリースしたし、サムスン電子(韓国)は、ソフトバンクモバイルの2008年冬モデルにエース機「OMNIA」を投入。HTC(台湾)は高機能ケータイ「Touch Pro」をケータイ全キャリアに供給している。そんなアジアンケータイ熱のなか、気になるのはHTC Nippon代表デビット・コウ氏の「日本の携帯電話市場を“ガラパゴス”から脱却させたい」というコメントだ。
はて、「ガラパゴス」? いったいどういう意味なのか。ケータイジャーナリスト・石野純也さん、解説をお願いします!
「日本のケータイは独自の進化を遂げすぎたため、国内メーカーも海外競争力を持てず、海外のメーカーは参入しにくい…とされる現象ですね。特異な進化を遂げた固有種が多い南米ガラパゴス諸島になぞらえた言葉ですが、私はこの発言にはちょっと疑問を持っています。英ソニー・エリクソンが世界で1億台も売り上げたウォークマンケータイは、日本の音楽ケータイが元祖ですし、ほかにもカメラ付きケータイ、着メロ、おサイフケータイなど、日本から世界に広がったケータイの機能は数多くあります。日本のケータイシーンは、むしろ一歩先を行く。そんなとらえ方もあるでしょう」
なるほど、ケータイを進化させていく技術力には海外でも定評がある、と。しかし、世界的に見ると、日本の市場が孤立している感は否めないですよね。韓国、台湾のメーカーが日本市場をねらうのはなぜ?
「ケータイの機能が進化を遂げた日本は、高機能ケータイを使いこなせる先駆的ユーザーが多い市場なんです。そこに、アジアのメーカーは魅力を感じているんですよ。サムスンの『OMNIA』はワンセグを搭載し、絵文字メールに対応するなど、日本市場向けに完全対応しているほどです。2Gケータイでは日本の通信方式が独自で、ほぼ鎖国状態でしたが、ドコモのFOMA、auのCDMA 1X、ソフトバンクモバイルのSoftBank 3Gがスタンダードになった『3Gケータイ』時代では参入障壁も低くなっています」(同)
「iPhone 3G」が上陸し、アジアから高機能端末が続々登場している日本は、インターネットに高速接続できる3Gケータイの普及率では世界2位。ガラパゴスなんて言われつつも、実はハイスペックなケータイをとことん楽しめる国なのだ。
(R25編集部)
昔は、今の様にパソコンが部品ごとに分離していなかった。 当時のパソコンは今のノートパソコンの様に一枚板だったのだ。 そんななかPC-9801はパソコンの一部をちょこっと変えただけで次々と新機種として発売していた。
グラフィックボードの仕様をちょこっと変えただけで新機種として売り出すPC-9801の売り方は、冷静に見ると非常にバカげていた。 Windowsの様な本格的なOSがない時代のはなしなだ。 新しいソフトは常に最新のPC-9801に合わせて作られていたので、ちょっとでもパソコンが古いと動かなかった。 つまり、極端な言い方をすれば、最新機種が出る度にパソコン全体を買い換える必要があった。 ユーザーはしかたなく付き合うしかなかった。 今と比べると信じられない不便さだ。
また、PC-9801は、当時、日本語を表示できる唯一のコンピューターでもあったし、ユーザーは、そんな不便なPC-9801でも仕方がなく我慢して付き合っていたのだ。
◇
そんな日本に黒船が来たのだ。 DOS/V機なんて呼ばれるIBMPC互換機だ。 これこそ、今ではどこでも手に入る普通のWindowsパソコンだ。
DOS/V機は自由だった。 グラフィックボードをアップグレードするのにパソコン全体を買い換える必要などなかった。 グラフィックボードだけを取り外して付け替えることができるからだ。 それどころか、パソコン全体を、自分で部品を買い集めて組み立てるということすらできた。 DOS/V機の方が圧倒的に便利だった。 DOS/V機は、あっというまに、PC-9801を駆逐してしまった。
それが今のパソコンだ。
◇
日本の携帯は、これと同じ状況になりつつある。 僕はしばらくまえから日本の携帯が、この破滅したPC-9801と同じ運命をたどることを予感してたのだけど、その気配はどんどん濃くなる一方だ。
日本の携帯は便利だろうか。 とんでもない。 海外の携帯の方が圧倒的に便利だ。 だって、海外の携帯はあたりまえのようにUSBメモリとして使えるし、それだけでなく、着メロをUSBで入れたり出したりすることも自由なのだ。 日本の携帯では絶対ムリだ。
それどころか、海外ではみんな当たり前の様にシムカードを何枚か持って、複数の電話番号を使い分けている。 新しい電話番号を買うのはとても簡単だ。 タイなんか、セブンイレブンで150円払えば、即、新しい電話番号を買うことができる。 これならストーカー対策も簡単だろう。 日本の携帯じゃムリだ。
他にも、メモリが30Gで8000円というこの時代に、携帯アプリが使えるメモリがたったの数百キロバイトしかないのもヘンだ。 これも携帯の回線を使わせるための、もっともらしいもったいをつけた制約じゃないかと思う。
日本のメーカーは、日本人がこういう世界の『自由な携帯』を知らないことにつけこんで、使いづらい携帯電話を利用者に売りつけていると感じる。
こういう制約って、確かに、携帯の利用者からは見えづらい。 だけど確実に利用者のお財布を軽くしている。 日本の携帯って本当にいやらしい制約が多く、ウンザリする。
こういうニュースをみるたびに、そんなオーストラリアの珍獣の様な日本の携帯業界も、ようやく終焉を迎えそうだ、と感じる。
また、早く終わってほしいと感じる。
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【コラム】 海外ケータイ上陸ラッシュに見る先進的な日本のケータイ事情
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=664588&media_id=29
アジア発のケータイが勢いを増している。2006年から日本市場に参入したLG(韓国)はドコモから「PRADA Phone」をリリースしたし、サムスン電子(韓国)は、ソフトバンクモバイルの2008年冬モデルにエース機「OMNIA」を投入。HTC(台湾)は高機能ケータイ「Touch Pro」をケータイ全キャリアに供給している。そんなアジアンケータイ熱のなか、気になるのはHTC Nippon代表デビット・コウ氏の「日本の携帯電話市場を“ガラパゴス”から脱却させたい」というコメントだ。
はて、「ガラパゴス」? いったいどういう意味なのか。ケータイジャーナリスト・石野純也さん、解説をお願いします!
「日本のケータイは独自の進化を遂げすぎたため、国内メーカーも海外競争力を持てず、海外のメーカーは参入しにくい…とされる現象ですね。特異な進化を遂げた固有種が多い南米ガラパゴス諸島になぞらえた言葉ですが、私はこの発言にはちょっと疑問を持っています。英ソニー・エリクソンが世界で1億台も売り上げたウォークマンケータイは、日本の音楽ケータイが元祖ですし、ほかにもカメラ付きケータイ、着メロ、おサイフケータイなど、日本から世界に広がったケータイの機能は数多くあります。日本のケータイシーンは、むしろ一歩先を行く。そんなとらえ方もあるでしょう」
なるほど、ケータイを進化させていく技術力には海外でも定評がある、と。しかし、世界的に見ると、日本の市場が孤立している感は否めないですよね。韓国、台湾のメーカーが日本市場をねらうのはなぜ?
「ケータイの機能が進化を遂げた日本は、高機能ケータイを使いこなせる先駆的ユーザーが多い市場なんです。そこに、アジアのメーカーは魅力を感じているんですよ。サムスンの『OMNIA』はワンセグを搭載し、絵文字メールに対応するなど、日本市場向けに完全対応しているほどです。2Gケータイでは日本の通信方式が独自で、ほぼ鎖国状態でしたが、ドコモのFOMA、auのCDMA 1X、ソフトバンクモバイルのSoftBank 3Gがスタンダードになった『3Gケータイ』時代では参入障壁も低くなっています」(同)
「iPhone 3G」が上陸し、アジアから高機能端末が続々登場している日本は、インターネットに高速接続できる3Gケータイの普及率では世界2位。ガラパゴスなんて言われつつも、実はハイスペックなケータイをとことん楽しめる国なのだ。
(R25編集部)
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