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2000年11月22日水曜日

今日、学校に中退することを告げる為に電話したのだ。 (oka01-wtrlpxtxvuvqwrsh)

筆者は、1999年から2000年までTという夜間大学に通ったが、仕事と勉強を両立させる大きな犠牲と、お金を払って大学に行く大きな犠牲と、大学に行って得られる小さなメリットを天秤に掛けて、最終的に中退する事を決めた。その後、再度A大を受験し合格したのだが…。

この記事は、当時の経緯を述べた手記である。



2000年11月22日 03:01

今日、学校に中退することを告げる為に電話したのだ。

非常にかけるのがおっくうだった。また、何でやめるのかとか、学校の職員の人たちに「逃げるのは良くない」とか、やめないで頑張りなさいとかいって何かしら励まされたりするのではないかと思って、気持ちが重かったのだ。また、電話をかけなければいけない二部学生課の人たちには「ある事件」があって、迷惑をかけたと言うか...世話になったと言うか...こっちがいい迷惑...というか...

その事を書いてみたいと思う。それは、今年の初めの事だ。

僕の通っていた大学には生徒の間で非常に評判の悪いY先生という英語の先生がいる。英語の授業は何人かの先生の中から自由に選択する事が出来る。去年Y先生ではない先生の授業を受けてあまりの退屈さに出席を止めてしまった苦い思い出があったので、評判の悪さはともかくY先生の授業を受けてみようかな...と思いたった。Y先生の授業を受けた事のある周囲の人は、僕にやめる事を薦めた。だが、僕は人の評判をあまり気にしない。自分の目で見て良ければいいし、駄目なら駄目だ...という考え方があったので、とにかく授業に一度出てそれから考え様と思った。

取り敢えず授業に出てみたら、この大学では一番英語に詳しいようだった。僕の知らない事も話していたし、この先生だったらいいかな...と言う感じだった。それで、授業をとる事を決めた。

ところが、周りの人に話したら、「悪い事は言わないから止めたほうがいい」というのだ。あの先生は性格が悪すぎる...と言うのだ。僕は、「そんな事は知った事か...英語に詳しければそれでいいのだ。頭が良くても不器用な人...なんていくらでもいる物だ」と思ったので、暖かい周りの心配を、振り切った。

一回目の授業の事...きっと、僕の疑問も晴らしてくれるに違いないと思い、質問を用意して、勇んで授業に出席した。授業中、教科書の中で自分の質問と関連した話題の部分にあたったので、早速質問してみた。ところが、どうも話がかみ合わないのだ。

わからない...と言う事は何かを思い違えてつじつまが合わなくなっているからなのだ。で、その思い違いを一生懸命Y先生に伝えようとしたが、どうも、わかってくれない。挙句の果てに「君は何かを勘違いしている」といって、授業に戻ってしまった。僕は、残念だった。それはそうだ。何かを勘違いしているからこそわからないんだから。非常に気分が悪かったが、まあいいや...とおもって、そのままやり過ごした。

なんとなく、みんながこの先生を悪く言う理由がわかってきた。この先生は、人の話を受け入れないのだ。日本語訳のレッスンをしている時でも、絶対に「よく出来た」と言わない。実際に良く出来たかどうかは別にして頑張った事を認めることは重要な事だ。努力を評価するからこそ、やる気が出てもっと伸びるのだ。ところが、この先生はそれが無い。「そこの『は』は、『が』の方がいいね」みたいな、どうでもいい事を指摘しては生徒に嫌な顔をさせている。

また、別にネイティブスピーカじゃないのだからそれは別に構わないのだが先生の発音は決して上手ではなかった。しかし、朗読の授業中に一人の人の発音をしつこく難解も修正するのは生徒のやる気を削いでいるようにしか見えなかった。いわゆる「つるし上げ」というのだろうか。

問題点をあげていけばきりが無いのだが総論すると、「アメリカ人的自己主張」と「人の話をきかない」を取り違えているのだ。(ちなみに後で聞いたことなんだけど、英語の授業だから、アメリカ風にテンポ良く授業を進めているとの事らしい)でも、僕はアメリカにいるときそんな風に人の話を聞かない人は見たことが無い。

で、授業の続きの話...僕が日本語訳をする番が回ってきて、actuallyという単語の訳をする事になった。actuallyという単語は(他にも書いたかもしれないけど)とても僕にとっては思い出の深い単語だ。アメリカにいる時、僕に絶大な影響を与えたAndrew氏からin factとactuallyの違いを教えてもらった事があった...

で、訳したら、例によって、つまらない批評を聞かされた。「そこの『実は』は、『本当は』の方がいいな」とかいって。(どんな違いがあるっていうの!?)それまでに、大分降り積もっていたフラストレーションが爆発して、たまたま手にもっていたシャープペンシルを黒板に投げつけて怒って教室を出てきてしまった。当たり前だ。こっちはお金を払ってきているのである。そんな、無意味なお説教にわざわざ高額なお金を払っている訳ではない。

「自分より詳しい人間がいるかもしれない...って考えた事ないの?」と僕は言った。要するにいろんな人がいろんな意見や見方をもっているのが当然なのに...っていうことなのだ。

で、教室を出てきた後、その足で学生課に苦情を言いに行ったのだ。教室で起こった事件の一部始終を詳しく話したし、文章まで起して陳情した。でも、結局、僕のほうが危険人物扱いになってしまった。学生課の人が言うには、要するに、そんな苦情を言いに来た人は僕が初めてで、Y先生のそんな悪い評判も初めて聞いた・・・という事なのだ。

結局...悪いのは先生じゃないくて生徒なんだ...と思った。みんな、授業に何か目標をもってここで何かをマスターする...という意識を持っていないのだ。つまらない授業は「頭を低くして、嵐が過ぎ去るのを待つ」ように我慢する。そういう姿勢が授業をつまらなくしているのだ。そういう変な授業を淘汰するような行動が出てこないから、話がおかしくなってくるのだ。

僕は絶対にそんなのはおかしい...と思うので、みんなにこの考えを話してみるんだけど、「そんなもんだよ...」っていわれる。(やっぱり僕が悪いのかな...と思ってしまう)

でも、僕ははっきりとした目標を持っている。30歳になるまでに、「これ」と「これ」と「これ」を絶対にマスターして「こう」なりたい...という目標を持っている。

学校の授業に出る事が学びと結びついていないとしたら、卒業の資格をとる為だけにそんな「莫大なお金と労力」を費やしてしまうのは本当は危険な事なのだ。

何かを得るということは、何かを犠牲にすると言う事だと思う。例えば、ギター上手くなりたい時は、ひたすら地味な練習を必要とする。友達と飲みに行ったり、楽しい事を我慢して、練習する。友達と楽しく飲みに行ったり、楽しい遊園地に行ったりしないと、どこか、気持ちがくすんでくる。なんか、暗くなってくる。そうすると、なんか、ゆとりがなくなってきて、なんとなく人にもやさしく出来なくなってきたりする。

でも、友達と飲みに行けない代りに、誰かと一緒の時間を過ごすときに言葉では言い表せない深い感動を伴ったコミュニケーションが可能となる。寒い冬に友達とコタツに入りながら、みかん食べながら、HOW MY HEARTS SINGを弾いた時の心の温かさ...これは、どう考えても10回遊園地に行った時に得られる、気持ちのゆとりの合計よりも大きい。

犠牲にするもの以上の何かが得られるから、敢えて犠牲を払うのだ。だから、何も得られないものに対して犠牲を払うのは、深刻な内面的破壊なのだ。

僕は、卒業しても新卒と同じように普通に就職できるわけではない。学校に行くのは飽くまでも、直接人に訴える事の出来る実力(スキル)をつける為でなければならないのだ。実力というと、とかくすぐに役立つ「EXCELが使えます」とかそういう事で捉えられがちだけど、そういうのではなくて広い意味での実力だ。僕は実力をつけないと「やばい事」になる。また、僕は実力をつけることに興味があるのだ。

話を元に戻すと..

そんなことがあったので、二部学生課に電話をかけるのがおっくうだったのだ。でも、頑張ってかけた。そうしたら、非常に意外な展開が待っていた。

二部学生課のBさんと話した。で、本当は「お金が無いからやめます」って言おうと思っていたんだけど、口が滑ってA大に受かったと話してしまった。そうしたら...

「君は本当は(そういう)いい大学に行ったほうがイイのよ」だって。

意外と判ってくれてたんだな...と思った。ものすごく意外な言葉だったし、また、非常にうれしかった。

2000/11/22 03:01

更新記録
公開 2013-08-21T19:23:00+09:00

著者オカアツシについて


小学生の頃からプログラミングが趣味。都内でジャズギタリストからプログラマに転身。プログラマをやめて、ラオス国境周辺で語学武者修行。12年に渡る辺境での放浪生活から生還し、都内でジャズギタリストとしてリベンジ中 ─── そういう僕が気付いた『言語と音楽』の不思議な関係についてご紹介します。

特技は、即興演奏・作曲家・エッセイスト・言語研究者・コンピュータープログラマ・話せる言語・ラオ語・タイ語(東北イサーン方言)・中国語・英語/使えるシステム/PostgreSQL 15 / React.js / Node.js 等々




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