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2012年4月7日土曜日

タイ東北イサーン地方ウドンタニー県に住む難しさ (oka01-zpwegkdfusrvbmqk)

タイの東北地方ウドンタニーは、誰もが2つ3つの言語を同時に話すのが当たり前な多民族居住地域である。タイ国内なのにタイ語が通じない事も稀ではない。この多民族居住地域・ウドンタニー県に住む難しさを、この地方の方言イサーン語を話す事が出来る筆者が語る。

筆者おかあつは、タイの東北地方・イサーン地方のラオスとの国境にほど近いウドンタニー県に住んでいる。この街は国境に近いこともあり複数の民族が入り交じりながら生活している。 この地域の殆どの住民はラオ民族だ。ラオ民族は、タイ国内で一般的にイサーン人と呼ばれている。これはイサーン地方に住んでいる人という意味だが、イサーン民族という民族が居る訳ではなく、ラオ民族以外にも沢山の民族が住んでいる。

住んでいる民族は、ざっくり3割が潮州人・2割がベトナム系(ユアン人)4割がラオ人という感覚だ。残りの1割がプータイ族・ニョー族といったマイノリティー系で占められている感覚だ。この比率は、ウドンタニー市内から出て、農村地帯になると大きく変化する。農村地帯では、9割がラオ民族である。タイなのにタイ族が住んでいないことを疑問に思われるかも知れない。実際住んでいない。これが本音と建前が交錯する国境の街独特な雰囲気だ。

 さてタイ民族すら住んで居ないようなタイ深東北のウドンタニー。本来日本人にとって無用な場所である。だが何故かこのウドンタニーに日本人の観光客が集まってくるのである。それは何故かというと、ウドンタニーには、マニアの間で有名な置屋街(売春宿街)があるからだ。

もともとウドンタニーという街は、ベトナム戦争時にアメリカ軍のキャンプが作られた事がきっかけで出来上がった街だという。恐らく当時、駐留しているアメリカ軍を相手に商売する華僑が移り住むようになり、街の規模が大きくなったのだろう。この時に、軍人を相手にする歓楽街が出来たらしい。

戦争が終わり、軍人たちも母国に帰っていったが、街は残った。歓楽街もそのまま残ったのだ。青春時代をウドンタニーで過ごした西洋人は非常に多いらしく、そういった西洋人が戦争が終わった今でもウドンタニーに戻ってきて盛んに同窓会を開いている。加えてウドンタニーはタイの中でも気候が比較的涼しく過ごしやすく、冬もさほど寒くない為、仕事をリタイヤした西洋人が思い出の地ウドンタニーに戻ってきて、長期滞在する人が多い。そういう西洋人が歓楽街を利用する。或いは最初から歓楽街を目的にウドンタニーにやってくる。

国境の街というのは、しばしば隣国から色々な形で出稼ぎに来るもので、当然の様に売春目的でこの街にやってくる女性も多い。彼らの賃金は往々にして安い。当然売春宿も非常に安価である。

この売春宿を目当てに日本人が集まってくるのだ。

ウドンタニーにやってくる日本人のほとんどが男性であるのは、この売春宿の顧客だからである。 売春が目的でウドンタニーに来るのも、それはひとつの価値観であり筆者が否定するものではない。彼らは多くの場合、ウドンタニー人の素朴な人柄を気に入り、多くの場合ウドンタニーに長期滞在する。彼らは、あわよくば現地の女性と仲良くなって…と期待するのである。

だが、ここに大きな落とし穴がある。

そもそも、ウドンタニー社会に溶け込むことは、イギリスやアメリカなどの先進社会に溶けこむのよりもずっと難しい面がある。複雑な多民族環境であり、多言語環境である。ウドンタニー社会に住む人のほとんどが、最低でも二ヶ国語・多くの人は三ヶ国語・四ヶ国語話す事も稀ではない。顔や行動パターンから出身民族を見ぬく技術が必須だ。ところが殊に日本人は、こういう複雑な民族背景に対処する事がとても苦手だ。多くの場合、言葉がわからないばかりか、民族の違いすら見ぬくことが出来無い。これではナンパなどムリである。

加えてラオ人独特なわかりにくさがある。ラオ人は日本人とは容姿も言葉も全く異なるが、一方で日本人と酷似しているところがある。言ってみれば日本人よりも日本人らしい。それは、本音と建前を使い分けるところであったり、婉曲な表現を好むところであったり、遠慮や配慮を大切にする文化であったり、人情や心象を大切にする文化であったりする。こういう日本人以上にはっきりとした「和」の概念を持つ為、ウドンタニーにやってくる全く異なる文化・言語を持った部外者を優しく受け止めてくれる包容力を持つ一方、部外者からは本心がつかみにくい。好かれていると思ったら実は激しく嫌われいた、ということも少なくない。言葉にしないところを空気で読み取る。そんな「空気コミュニケーション」が大切なラオ文化。空気が読めない人は、隠然と社会から排除されていく機構も日本そっくりである。

もとより女目当てで来るような語学素人の日本人が、手に追える問題ではない。

往々にして田舎出身の素朴で可愛らしいラオ人は、どういう理由によってかわからないが、口が非常に達者でコミュニケーション力が極端に高い人間が多い。筆者はこの人達が話す方言を勉強している都合上、この人達が普段どんなことをつぶやいているのか知っている。その可愛らしい容姿と、単刀直入滑舌闊達天衣無縫のマシンガンの様な話しぶりの落差には、毎度毎度目眩がするような驚きを感じる。

そうでなくても空気読みが苦手で、コミュニケーション力が全般的に低めの日本人が、マトモに相手をして勝てる相手ではないのである。

さて、筆者おかあつは、空気読みは天性の能力ではなく、後天的に身につける事が出来る能力だと考えている。ウドンタニー社会へ適応するに当たって必須の能力である空気読み能力。無類の空気読めない人間であるおかあつにとって、どの様に空気読み能力を高めるかが最大の課題だった。未だに空気読みは得意ではないが、以前ほどは大きな失敗はしなくなった。どうやったら空気読み能力を高めることが出来るのか。これについては機会を改めて語ることにしたい。


おまけ:空気読みチャレンジ!
ラオ口頭伝承・実写版 ニターンコム- 「草競馬」 -【นิทานก้อม เรื่อง แข่งม้า】
実はこの話、真意が理解出来ないように婉曲な表現に置き換えられている。つまり、ラオ語がわからなくても、意味がわかる人にはわかる。ラオ語がわかっても、意味がわからない人にはわからない。さぁ! あなたは、ラオ人の空気読みを超えられるか!

改めて見て思ったが、ホントにこの話おバカだな…


関連記事:タイ東北弁イサーン語とは
更新記録:
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