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2012年1月7日土曜日

足を怪我して、ラオ語について考える。 (mixi05-u459989-201201071842)

ミクシ内で書かれた旧おかあつ日記を紹介します。
足を怪我して、ラオ語について考える。
2012年01月07日18:42
昨日足を怪我した。痛みが激しくて歩けない。事の顛末は以下の通りである。 僕は普段海外で最も怪我をする確率が高いと言われているバイクを乗り回している。だからバイクで怪我をするというなら、わかるのだが、そうではなかった。 昨日、バイクの名義変更をする為に、ウドンタニー県県庁所在地周辺にある、ต.ม. (トーモー)こと、入国管理局に行って住民票を作ってきた。 入国管理局は、椅子が雑多に並べられており、足場が悪かった。 椅子を避けながら入ろうとしたら、突如、足首がバランスを崩し、足首が内側に折れ曲がる様に、グキッとなった。 そうしたら、変にそちらの足に体重がかかってしまい、非常に痛くなってしまい、歩けなくなった。

それだけである。 何故足首がバランスを崩し、何故またそちら側に体重を載せてしまったのか、全く思い出せない。何故そんなことになったのか、全くわからない。一瞬の出来事だった。 何故また、こんな部屋の中で、こんな大怪我をするのか、自分をして理解に苦しむ。

年末、食中毒を起こして、ひたすら部屋で寝ていたのだが、4日にようやっと治った。これでまた自由になれると思ったら、間髪おかず、足を怪我してしまい、どこにも行けなくなった。 近所のセブンイレブンに行くのも難儀する勢いである。

取り敢えず来週の水曜日に名義変更が終わるので、次からビエンチャンに行くときは、国境をバイクでスーッと通りすぎるだけで済むようになる。 ビエンチャンは交通費が高いのだが、自前のバイクを用意する事で、問題解決である。 これで気兼ねなくどこにでも行ける。 ビエンチャンは不便な街だが、バイクがあると、実は外国人があまり来ないような地域のあちこちに、サウナやバーが散在するので、ここに遊びに行くことが出来るようになる。 安いゲストハウスも、バイクでしかいけない様な場所にたくさん存在する。そればかりか、ラオスという国はとても小さいので、バイクで地方の村をめぐるという楽しい遊びも出来るようになる。

健康でさえあれば、たくさんの楽しいことがある。

だが足を怪我してしまったので、どこにも行けない。



さて、タイで、外人がバイクを買って名義変更するとか、そういう面倒くさい手続きは、普通、タイ人の恋人がやるものだが、僕の場合、幸か不幸か恋人がいないので、自分でやることになる。 これを自分でやる外人というのは、(しかもウドンタニーなどという辺境の地でやる外人は)非常に珍しく、あちこちで、珍しがられた。

今イサーン語が話せるようになって、思うのだが、ウドンタニーで仕事をするなら、イサーン語が話せること(最低限聞いて理解出来ること)は、必須条件である。 話せないと大変な不自由がある。ウドン市内の人は、タイ語も半分、ラオ語も半分で、定着して話しているので、タイ語とラオ語の両方が判らないと、何を言っているか判らない。だからと思って、頑張って勉強したわけだが、外人がイサーン語が話せるということは、大変に珍しいことであり、驚かれたり、呆れられたり、色々な人に色々な事を言われる。

この状況というのは、実はバンコクでも同じなのかも知れないとも思う。 日本人はバンコクに来て、タイ人のプロパガンダに乗せられて、一生懸命標準タイ語を学ぶけど、タイ人にとって毒にも薬にもなる人間として、タイ人と本当に対等に付き合うためには、イサーン語を学ぶべきだと思う。 標準タイ語というのは、あくまでタイ人の持っている建前であって、タイ人が自分の都合のいいところだけを凝縮している面がある。 そんな都合の良い点だけ見せられても、対等には付き合えないし、面白くない。 外人が何語を話そうと勝手である。 日本人は別にタイ人のしもべではないのだから、タイ人が見せたくない、見られたくないと思っているところを、かいつまむように学んだって、構わない筈なのだ。 僕は、断言するが、大多数のタイ人にとって、タイ語よりもラオ語の方がずっと理解が容易い。

ラオ語が話せると、各地のどこに行っても、まるで地元の人のように扱ってくれて、みんなとても親切に迎えてくれて、家族の様に親切にしてくれる。 もちろんこちらも、家族であるかのように気を使わなければいけないのだけど。



と言っても、まともなラオ語の教科書が一冊もない、この状況で、ラオ語を独学で学ぶのは不可能と言っても良い。 最近、僕はユニバーサルなラオ語の声調表記法を自分で発明した。 これを使うと、方言を含めて、曖昧さなく声調を表現できる。 他の全ての教科書で使われている成長表記を包含しているので、教科書間の表記のブレも説明できる。 これについては、いつか本を書いてみたいと思っている。



実はその表記法というのは、単にラオ語の声調を高中低で表すだけの話なのだ。 多くの教科書では、声調を番号で表している。 番号で表すと、ラオ語の声調は厳密に言って8つ現れる。声調の番号の振り方は、教科書によって千差万別様々な流派が存在し、統一感が全くない。 そこで、番号を使わずに、高中低の三文字で声調を表すという方法を考えだした。

ラオ語は歌を歌うように流れる様に発音するので、話の中で音程が激しく上下する。 そういう中で声調を聞き分けるのは、あるコツが必要だ。 そのコツがわかれば、どんなに声が裏返ってしまおうが、必ず聞き分けられる。 そのコツというのは、つまりどんなラオ語の方言でも、必ず音程が3つ存在するということだ。 その音程は高中低と三つ存在する。

この音程の組み合わせ方は、方言によって色々とあるのだが、大別すると8つにわけられる。これを声調と呼ぶ。

1 中低
2 中中
3 中高
4 低中
5 高中
6 中低
7 中高(短)
8 低中(短)

実は上記の発音で話す人は、ほとんど居ない。一応ビエンチャン標準ラオ語の人がこの発音で話すとされているのだが、実際に聞いてみると、こんなシンプルな規則では割り切れない例外がたくさん存在する。これらの例外の多くは恐らくタイ語の影響であるとおかあつは考えている。(つまりラオ語の声調規則と、タイ語の声調規則と矛盾する時、タイ語の声調規則を優先しているのではないか。)

一方、ラオ・イサーン方言は、上記の表に一定の処理を加えることで、簡単に導き出せ、比較的例外が少ない。

1 低低
2 中中
3 高中
4 低中
5 高中
6 低低
7 中高(短)
8 低中(短)

同様にして、他の地域の方言も、声調表を導き出すことが可能。

この1~8の番号の振り方は、数ある番号の振り方の中でも、色々な方言を表すのに都合が良い。(また、多くの英語の教科書と共通でもある。)



・文末の声調は自由に変更できる。

だから耳で聞きとった単語を自分で使う時、文末で聞きとった単語の声調は当てにならない。
例:ເອງ (エーン 自分自身という意味)語尾によく現れる。 本来1だが、多くの場合5で発音される。



lom の色々

転ぶ
ラオ(ビエンチャン) ລົ້ມ 高中
ラオ(イサーン) ລົ້ມ 高中
タイ ล้ม 中高


ラオ(ビエンチャン) ລົມ 中高
ラオ(イサーン) ລົມ 高中
タイ ลม 無

( 但しイサーンの人は タイ語のลมを しばしば 中高 と言い間違える。 イサーンでは中高の発音が無く 高中しか持たない為、声調記号なしと第二声調記号と声調が混同する事により、錯綜している。)


ຮົ່ມ ラオ 中中 ( ラオ語は ຮ を ハとして読むので、ロムではなくホムに変わる。)
ร่ม タイ 高中



聞くだけで一発でイサーン語に聞こえる正しい数字の発音

・電話番号や物の値段をこの発音で読むと、高ポイント。(だけど、この読み方をするときの場の設定が大切。)逆に、バンコクのモーターサイの運ちゃんの発音をよく聞いて、この発音が聞こえたら、その人は9割方イサーンの人。

0 タイ seu:n 低中 / ラオ seu:n 低中
1 タイ neung 無 / ラオ neung 中中
2 タイ sao:ng 低中 / ラオ sao:ng 低中
3 タイ sa:m 低中 / ラオ sa:m 低中
4 タイ sii 無 / ラオ sii 中中
5 タイ haa 高中 / ラオ haa 低低
6 タイ hok 低 / ラオ hok 高
7 タイ cet 低 / ラオ ked 高 (※)
8 タイ pea:d 低低 / ラオ pea:d 低低
9 タイ kau 高中 / ラオ kau 高中
10 タイ sip 低 / ラオ sip 高

※ イサーンの人は、多くの場合 เจ と発音せず、เก と発音する。 ビエンチャンも同じ。



足が痛いので、散歩に行けない。
だからプログラミングが捗らない。
何かだらだらと色々書いたが、このままアップする。


コメント一覧
ちえぞう   2012年01月07日 18:55
タイトルでバイクかと思いました
とは言え、捻挫のたぐいも長引くことがあります故お大事に。
おかあつ   2012年01月07日 19:02
有難うございます…。

なんつーか、バイクとかそういうものは、緊張して気をつけて注意しているから、案外大丈夫というか… 油断している時が危ないというか…

僕、車を何度かぶつけたことがあるのだけど、いつも、決まって駐車場。エライ勢いで飛ばしてきて到着・緊張がとけて一息ついた時に、超目の前にある縁石にバンパーをぶつけたりする。

しかし何で、部屋の中でこんなつまらない怪我するかな…。
よっちゃん@Chonburi   2012年01月07日 19:34
あらまッ、災難続きですね。
でも、良い休養になるとポジティブにとらえましょ。

私も専らバイクで移動が多いんですけど、暮れの30日にお寺近くに四千キロ点検に行った帰り、ランシットでエンストです。
モーターサイのお兄ちゃんに足で押してもらいながら、二キロほど先の修理屋に行きました。
なんと点検のオイル交換で抜いただけで入れ替えてない、お陰でパーツがいかれてなんやかんやで三千五百バーツほどもかかりましたよ。
今日お寺に行く用事があったので、駄目もとでバイク屋のがめつそうなかみさんに交渉したら、あっさり修理代を補填してくれました。
あんまり意外の出来事に、思わず半分返しました。
人を見かけで判断したら駄目ですね(笑)
モダン・ペイズリー   2012年01月07日 19:57
お大事にして下さい
 
出展 2012年01月07日18:42 『足を怪我して、ラオ語について考える。』

著者オカアツシについて


小学生の頃からプログラミングが趣味。都内でジャズギタリストからプログラマに転身。プログラマをやめて、ラオス国境周辺で語学武者修行。12年に渡る辺境での放浪生活から生還し、都内でジャズギタリストとしてリベンジ中 ─── そういう僕が気付いた『言語と音楽』の不思議な関係についてご紹介します。

特技は、即興演奏・作曲家・エッセイスト・言語研究者・コンピュータープログラマ・話せる言語・ラオ語・タイ語(東北イサーン方言)・中国語・英語/使えるシステム/PostgreSQL 15 / React.js / Node.js 等々




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