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2011年4月9日土曜日

北京の片思い (mixi05-u459989-201104092057)

ミクシ内で書かれた旧おかあつ日記を紹介します。
北京の片思い
2011年04月09日20:57
はっきりした確証を持っていないのだが、文末に添付した記事を読んで、漠然とこういう事を思った。

中国語・中国文化等々「中国」という言葉の意味は、実は北京とそれ以外の地域とで全く意味が違うのではないか。 北京が「中国」と言った場合、それはいわゆる中国国土全土の事を指しているが、北京以外の地域で中国と言った場合、「中国」は恐らく北京だけを指している。そんな北京の片思いを思った。

国をまとめる為に尽力して必死に闘っているのに、何故かどうして嫌われてしまう北京。『中国』の為に必死に頑張っているのに、いつのまにか日本にお株を取られてしまう北京。「日本」は何故か世界中から好かれるのに「中国」は何故か世界から嫌われてしまう北京。 こんなにしているのに嫌われてしまうのが不思議でしかたがない北京。 そんなやっかみから、北京の人は思わず「『中国』は日本より優れている」と言いたくなってしまう北京。 北京以外の中国に住む人は、日本より『中国(北京)』の方が優れているだなど、誰も思っていない。 北京以外の人たちは、僕等は『中国(北京)人』だ、などと誰も思っていない。 むしろ嫌われ者の北京と一緒くたにされて迷惑顔だ。

三週間かけて中国を旅して思ったが、中国は実に面白くなかった。 全く面白くなかった。 異様なまでに面白くなかった。 不思議なほどに面白くなかった。 何故面白くないのか、僕はずっと不思議だった。 しかしこの面白くなかった理由は、ひょっとすると、この「北京シンドローム」が原因なのではないか。

どの街も大変な発展の仕方だったが、どこも漠然とした不気味さが漂っている。どの街に行っても、目にするものは、どれもこれもピカピカの「偽北京」だった。どの街も「人が住む街」という気配が全く感じられなかった。 食べ物屋もない。 飲み物屋もない。 新しい街に行ったら、その街の郷土料理が食べたかったが、そんな店もない。 あるのはKFCとマクドナルドだけ。 全てが破壊し尽くされ、全てが北京風に改造されていた。 言葉も北京風に改造され、文化の香りのする草の木一本生えていない。 北京が莫大なお金を支出し大変な苦労をして街を近代化したのに、誰も感謝していないという現実。

いつの間にか気がつけば、『中国人』が中国から逃げていく。 いつの間にか気がつけば、日本のポップス、日本のアニメ、日本の車、日本に対する憧れが育ってしまい、北京はそっちのけになってしまう。いくら反日教育をしても、いくら日本カルチャーの取り締まりをしても、すぐに日本大好きに戻ってしまう。

今回僕が旅した中で、中国南部の街・昆明が唯一、人間が生き残っている街だと思った。 だけど昆明もいずれ、他の街の様に「偽北京化」されてしまうのだろうか。


タイの人と日本の人が持っていて、北京の人が持っていない物は、他の文化に対する配慮だと思う。 タイでも、ラオ系住民に対する差別は激しいが、食べ物・音楽・文化など、差別しつつもそれを受け入れ、お互いに混ざりあっているところがある。 日本人も、頑固で差別的で居る様に見えるが、相手の考えを無条件で全て受け入れて手厚くもてなす、タイ人とはまた違った柔軟さがある。

北京もそれをやろうとしているのだが、どうも他者を柔らかく受け入れる柔軟さというか、器用さというかを持っておらず、どうしても固くなって、結局押し付け親切的な形になってしまうところがある。

僕は、北京の古くて重厚な文化や、一本道を入るとタイムスリップしたかの様な古い長屋が続いた路地が続くところなど、大好きだ。実際僕は、中国の街のなかで北京が一番好きだ。 だけど、北京の人の柔軟性のなさ、堅物さというのは、確かに感じる。 これこそが、北京の人が感じている課題なのではないだろうか。

何となくそんなことを思った。


http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0128&f=national_0128_152.shtml
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0625&f=national_0625_049.shtml

コメント一覧
おかあつ   2011年04月09日 21:03
いかん... プログラムを書こうとしたら、また日記が出来上がってしまった...。
タビビト   2011年04月09日 21:55
自分ではなかなか気が付かない事柄を教えてくれて、ありがとうございます。

日本が高感度No1.!なんだか平均的日本人の実感とはかなり異なりますね。え~、俺達、そんなに好かれてるのか~(疑)。

もしそうならありがたいことです。期待を裏切らないよう、自分の持ち場でがんばります。
 
出展 2011年04月09日20:57 『北京の片思い』

著者オカアツシについて


小学生の頃からプログラミングが趣味。都内でジャズギタリストからプログラマに転身。プログラマをやめて、ラオス国境周辺で語学武者修行。12年に渡る辺境での放浪生活から生還し、都内でジャズギタリストとしてリベンジ中 ─── そういう僕が気付いた『言語と音楽』の不思議な関係についてご紹介します。

特技は、即興演奏・作曲家・エッセイスト・言語研究者・コンピュータープログラマ・話せる言語・ラオ語・タイ語(東北イサーン方言)・中国語・英語/使えるシステム/PostgreSQL 15 / React.js / Node.js 等々




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