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2010年12月30日木曜日

波がある (mixi05-u459989-201012301408)

ミクシ内で書かれた旧おかあつ日記を紹介します。
波がある
2010年12月30日14:08
何か違和感の苦しみに波があって、ある日はあまり違和感を感じないけど、今日はものすごく違和感を感じる。 違和感っていうのは、何か耳にする言葉がどうしても中国語に聞こえない違和感だ。 大学周辺でしゃべってる言葉と、僕が居る下町で僕が普段聞いている言葉が、どうしても同じ言語に聞こえない。 同じ言語とは到底思えない。 当然、何言っているかさっぱりわからない。

昨日は大学周辺まで行ってスケートを滑ってきた。 実は、最近3000円でインラインスケート靴を買ったのだ。 安物だがひょっとすると僕が日本で30000円出して買った靴よりいい靴だ。 この靴を持って大学まで行ってきた。 大学構内は石畳になっていてスケート靴がとてもよく滑る。 だから近所の子供がたくさん来ていてここでスケートを滑っているのだ。

疲れて座っていたら、隣にある親子連れが来て、親子で喋っている。 この親子が話している言葉は、一言残らず聞こえる。 もっとも聞こえても理解できるとは限らないのだが、とにかく「今言った『○○○』って何ですか?」って質問できる程度に言葉が聞き取れる。

ところが下町の宿舎に帰ると、宿舎のおばさんが僕に色々話しかけてくるのだが、おばさんが僕に話している言語が中国語だと僕にはどうしても思えない。 理解できないだけじゃなくて、そもそも何を言っているのか聞き取れない。 だから「今言った『○○○』って何ですか?」という質問すら、不可能だ。 頭に来るのが、「今言った『○○○』って何ですか?」って質問すると、こっちが言ったことを向こうは聞き取れないのか理解できないのかしらないが、返答が帰ってこない。 コミュニケーションが成立してない。 これが非常に腹立たしい。

最近思ったのだが、僕が住んでいる昆明の昆明人の人が言うことは、僕は実は非常に聞き取りやすいということに気がついた。 僕が言うことがどんなになまっていても昆明の人はどういう訳か知らないが、聞き取ってくれる。 最近知ったところによると、宿舎のおばさんは、昆明の人じゃないのだ。 発音とか言い回しとかが全然同じじゃなくて、かなり悩む。 でも学校の果敢族の人は、この宿舎のおばちゃんとツーカーで話が出来る。

授業に出席するのは、一週間100元で、1200円だ。 だけど僕はそのお金を払っていないので、出席できない。 当然だが、それくらい払って出席してもいいだろうと思っている。 だけど、僕が出席すると初級一班に編入することになることがわかっていて、このクラスを教えている先生の発音が僕は非常に苦手なのだ。 僕はこの先生の発音を聞いているだけで、ものすごく混乱してくる。 僕が聞いているCDや大学周辺の人が話している言語と同じ言語を教えているとは、とても思えない。 聞くところによると四川省出身なのだそうで、もちろん発音が悪いよとか言っても先生を怒らせるだけだし、非常に迷っている。

実はこのクラスの上のクラスの先生は昆明の人で、確かにこの先生はかなーり昆明訛りが入っているのだけど、僕は昆明訛りはどういう訳か非常に聞き取りやすい上、僕がボロボロの発音で話してもこれもどういう訳かみんな聞き取ってくれるので、話しやすい。



僕は今、DICO'S というハンバーガー屋の無料インターネットで日記を書いている。 ここはネットが使えるので、学校の生徒がよくノートパソコンを片手にやって来る。 今こうして日記を書いていたら、例の学校に居るダイヤイ族の友達が来た。 この人の事を僕は密かに「听力(聴力)の鬼」と呼んでいる。 相手がどんなに訛っていても即座に相手が何を言おうとしているのか聞き取ってしまう。

彼に、僕が昨日宿舎のおばさんから聞いた謎のフレーズ「ターパンヨウ」ってどういう意味だかわかる?って聞いたら、即答「あー『等朋友(ダンポンヨウ)』だよ」と言われた。 僕が聞き捨てで口真似した狂いのある発音を聞くだけで、何言ってるか理解するまでに 0.1秒かかってない。

恐るべし ...听力の鬼...。

何 食ったらこんなによく聞こえるようになるんだろうか。
彼はシップソンバンナーに半年位住んでいたそうだけど、
シップソンバンナーに何か秘密の食べ物があるに違いない。

# ところで「ター」が「待つ」っていう意味だというところ、どういう訳かラオ語と同じだ、とも思った。
コメント一覧
ZINZIN   2010年12月30日 15:49
中国語の地方のなまりにも親和性の差がでるんですね。
もしかしたら昆明にルーツあり?
まはヴぃーら   2010年12月30日 17:04
昔、セーリー・タイの構成員が雲南省に逃げた時、高床式の家を探した。なぜならそれは必ずタイ族の家で、暖かくもてなしてくれたからだ、という話がチット・プーミサックの本にあったけど、ということは言葉が通じたわけで、中国化したタイ系民族がいるのでは。
ちなみに大理の語源はタイ・ルーです。
おかあつ   2010年12月30日 18:10
> ちなみに大理の語源はタイ・ルーです。

絶対にそんなことないと思うなぁ... ダイルーには 傣族っていう元々ある呼び名があるし... それに 大 って発音が da で dai じゃないし... 「大理の語源はタイルーだという説がある」っていうならわかるけど、恐らく決定的な証拠を見つけるのは無理なんじゃないかなぁ...。



前も話したと思うんですが、本を読んで理解出来る事なんて、ほとんど存在しないです。 何故かといえば、逆もまた然りだと思うからです。 「本を読みすぎ」と言ったら「じゃぁどうすりゃいいんだ」って思うかもしれないですが、逆のパターンを見ると、非常にうんざりするものです。

日本についてタイで出版されている本を読んで、僕にあれこれ質問してくるタイの人が友達に居るんですが、結構ウンザリします。 本には興味本位ばかりの事が書かれていて、日本人の僕が読むと「んなこと、あるか!」って 思うようなことばかり書かれているんですが、本が好きな彼は、それを疑うことなく思いっきり信じちゃうんですよね。 そういう状況を見ると「本を読みすぎるのってよくない」って一目で理解できると思います。

特にチットプーミサックの本ってものすごく偏っているので、読みすぎるのは危険です。

普通のタイ人は、本を書く根気なんかないですし、本を書く根気があるタイ人っていうのは、普通のタイ人じゃないです。 こういう事を言っているのをタイ人が聞いたら絶対に怒ると思うんですが、僕は、素人学者みたいな人がその辺にゴロゴロ居る日本人と比べて、素直にそう思います。
まはヴぃーら   2010年12月31日 00:10
daの語源が古代中国語のdaiという説があるんだけど、、、

「本の読みすぎ」については心当たりがあります。
タイ華人の56%が潮州系、という統計があるんだけど、
バンコクでも東京でも会うバンコク人皆が口をそろえて

「おじいさんが潮州人」と答える。

別に怒るポイントじゃないんだけど、「半分弱いるはずの福建・客家・広東どこ行ったぁ!」と家探ししたい気分になります。
僕の主観ではバンコク人の9割が「タイ人名を持った潮州人」です。
おかあつ   2010年12月31日 01:34
>> ちなみに大理の語源はタイ・ルーです。
>絶対にそんなことないと思うなぁ...

さっきダイヤイの人に聞いたら、わからないって言われました。 彼の100歳近いおばあさんの話によると、雲南省は昔全部タイダイ国だったんだというそうです。 だからひょっとしたら大理の語源がダイルーだっていうことも、ありえるのかもしれないです。 一方、大理人の言葉は、ダイ語とは全然違うので聞いてもさっぱりわからないそうで、ダイルーの人とは別の人たち見たいです。

何か疑問があったら、書いてください。直接聞いてみます。
おかあつ   2010年12月31日 01:37
> 別に怒るポイントじゃないんだけど、「半分弱いるはずの福建・客家・広東どこ行ったぁ!」

僕もはっきりとは知らないんですが、客家系の人はチェンマイ周辺に多いって聞いたことがあります。 チェンマイの人がたくさん居るので、せっかくなので、これも聞いてみます。

あ、そういえば潮州は広東省の中にあるって聞いたので、潮州人っていえばつまり、広東人だとも言えるのかもしれない気がします。

おかあつ   2010年12月31日 01:42
ZINZIN2さん
>もしかしたら昆明にルーツあり?

昆明の人の言うことは、大理の人の言うことに比べたらわかりやすい様な気もするのですが、でもやっぱりすごく難しいです。 「聴力の鬼」に言わせると、宿舎のおばさんが話している言葉は、普通語半分、雲南語半分まぜこぜなんだそうで、両方わからないと何言ってるかわからない、ともいわれました。

これまた「聴力の鬼」の話によると、果敢族の人が話す言葉は、元々雲南語にものすごく似ているんだそうで、彼らが宿舎のおばさんと話せるのは、当たり前だとも言っていました。

一筋縄でいかないです。 本当に。
まはヴぃーら   2010年12月31日 02:28
>雲南省は昔全部タイダイ国だったんだというそうです。

それはもしかして南詔国のことかもしれません。
あと、「孟」がつく地名、雲南に多くないですか?
これはタイ語のmwang(国)の当て字らしいです。

あと質問じゃないけど、客家が多いと聞いてハジャイに行ったことがあります。確かに「客家郷党会館」みたいな名前の建物はあったけど、そこの前に食堂出してるおじいさんと筆談で「あなたは客家ですか?」と訊いたら見事な筆跡で「我是潮人」と答えが返ってきました。
こんな感じでリアルで客家人を未だに知りません。

>あ、そういえば潮州は広東省の中にあるって聞いたので、潮州人っていえばつまり、広東人だとも言えるのかもしれない気がします。

それが微妙に違うらしいんです。ただ、広東の潮州人は広東語も喋るので、多分見分けがつかないと思います。で、バンコク華人の共通語は潮州語とややこしい。
おかあつ   2010年12月31日 12:39
> あと、「孟」がつく地名、雲南に多くないですか?
> これはタイ語のmwang(国)の当て字らしいです。

... これは...例えばムワンラーですね。 えーと...漢字でどうやって書いたっけ...。 僕は中国語が喋れないので、タイ語やラオ語で普段話をしているので、耳にするこの辺の地名は全部、中国名じゃなくて語源の方の名前に変換されている様です。


> それが微妙に違うらしいんです。ただ、広東の潮州人は広東語も喋るので、多分見分けがつかないと思います。で、バンコク華人の共通語は潮州語とややこしい。

広東人っていうのは地名に基づく名前で、潮州人っていうのは特定の民族の名前なんだって潮州の人から聞いたことあります。 だから広東人は必ずしも潮州人ではなく、潮州人は必ず広東人である筈です。 だから、統計では、広東人の中に潮州人が含まれてしまっているのかもしれません。 そうなって居ないとしたら、何か間違ってます。


>南詔国

このキーワード、本当に有難うございます。 このキーワードで検索したらおもしろそうな話がゴソゴソ出てきました。

http://cn.bing.com/search?q=%E5%8D%97%E8%A9%94%E5%9B%BD
http://www.google.com/search?q=%E5%8D%97%E8%A9%94%E5%9B%BD

これを「聴力の鬼」に見せたらものすごく喜びそうです。 タイダイ国の情報は西側ではほとんど伏せられているので、彼自身非常に謎に思っているみたいです。 おばあさんから聞いた話が唯一の情報みたいですが、ここに書いてあることは、このおばあさんの話とかなり一致しそうです。


でも、日本語で書いてある事は、中国語で説明されている事と、何かパッと見、ずいぶん違いますね...。
http://baike.baidu.com/view/36407.htm
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E8%A9%94



何だろうなぁ。


イ族とかワ族とかダイ族とか言う言葉には、何か神秘的な不思議な人たちみたいな印象ありますが、本来の意味は、要するに、日本語で言う所の、九州男児とか、東京者とか、秋田美人とか、そういう言葉と一致する言い方な訳じゃないかと思うのです。

で、普段、僕は、そういう人たちと話している訳ですが、日本語の記事を読むと、そういう人たちが激怒しそうな勘違いが思い切り書いてあるというか、丸で人について書いてある感じが全くしないんですよね。

まったく直感に基づいていない理解から、起こす推論っていうのは、ほとんどの場合外れていると思うのです。 実際、日本人である僕が、こうして目の前で見ていることは、日本人が文章にして書いている事と、ほとんどの場合、一致しません。

何故なのかよく考えるのですが、それは、日本人の持っているほとんどの知識が、実際の経験や実際に行った調査に基づいておらず、書物に基づいているからではないでしょうか。 日本人は間違った事が書いてある本を読んで、更に間違った推論を発展させ、更に本を書きます。 こうやって、日本人は世界から取り残されていく訳です。

僕が中学生だった時、僕は歴史・社会の先生が嫌いだったのですが、それは何故かというと、直感的に考えて、まったく意味のある事を教えている気がしなかったからです。「1982年の5月に隣の田中のおばちゃんがダンナを殴った、それ以降、鈴木のおじさんは田中のおばちゃんに頭が上がらなくなった」と言う話なら忘れないですが「ア族がいてイ族がいて555年に戦争になって、ウ族がエ国を統一し、オ時代が始まった」って言われても、何の事かさっぱりわからないのです。

その文章には、ア族っていうのがどういう人たちなのか、イ族の性格はどうなのか、という背景がまったくないからです。

シャン族がビルマ人の一派だという見解は、言語学的に見てまったくありえない推論ですが、何故か日本人はしばしばそう考えているみたいです。 これぞ、正に、本を読むだけで現実を直視しない弊害だと僕は思います。 まるで伝言ゲームの様にどんどんと現実から見解が乖離してしまうのです。

...

> 確かに「客家郷党会館」みたいな名前の建物はあったけど、そこの前に食堂出してるおじいさんと筆談で「あなたは客家ですか?」と訊いたら見事な筆跡で「我是潮人」と答えが返ってきました。こんな感じでリアルで客家人を未だに知りません。

むつかしいものですが、ほとんどの人は本当のことを言いません。だから質問してもほとんどの場合、本当のことを知ることは出来ないかもしれません。 よく観察するしかないと思います。

この辺は「人間力」の本質に関わってくるところだと僕は思います。 難しいですが、本物の人間力をつけること... これこそが僕が語学を勉強する理由で、語学を通じて本物の人間力を身に付けたいと、僕は思います。
 
出展 2010年12月30日14:08 『波がある』

著者オカアツシについて


小学生の頃からプログラミングが趣味。都内でジャズギタリストからプログラマに転身。プログラマをやめて、ラオス国境周辺で語学武者修行。12年に渡る辺境での放浪生活から生還し、都内でジャズギタリストとしてリベンジ中 ─── そういう僕が気付いた『言語と音楽』の不思議な関係についてご紹介します。

特技は、即興演奏・作曲家・エッセイスト・言語研究者・コンピュータープログラマ・話せる言語・ラオ語・タイ語(東北イサーン方言)・中国語・英語/使えるシステム/PostgreSQL 15 / React.js / Node.js 等々




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