※ ルークトゥンとモーラムのどこが違うのか。それはズバリ全く同じである。何故なら、イサーン(ラオ)の民族音楽=モーラムは、タイでは禁じられた音楽だからだ。イサーン人は、モーラムをルークトゥンと偽って演奏している。本物のルークトゥンは、本来モーラムとは全く雰囲気の違う音楽だが、このイサーン人が演奏するニセ・ルークトゥンとしてのモーラムが増えすぎてしまい、ルークトゥンがモーラムに乗っ取られた状態になっている。したがって昨今我々が見ているルークトゥンはモーラムそのものだ。その事を以下で細かく見ていこう。
─── テレビに出る事が有名である証なのだろうか。有名である為にはテレビが必要なのだろうか。そもそもテレビとは一体何なのだろうか。───1 初めに
モーラムとは、東南アジアに住む民族「ラオ族」の民族音楽だ。ではラオ族とは何なのだろうか。 ラオ族は、タイの東北地方に多く住んでいる。だが通常「ラオ族」という名前ではなく、タイの東北(イサーン地方)に住む東北人という意味を込め、通称「イサーン人」と言う名前で呼ばれている。タイ国内のラオ族という民族の存在は公式に認められていない。ラオ族は飽くまでもタイの東北人であるとされ、飽くまでもラオ人ではなくてタイ人とされた。だがこれが事実上、ありとあらゆるホンネとタテマエと、あらゆる軋轢を生み出している。隣国のラオスは、かつてタイの領土だったが、フランスのインドシナ侵攻により、メコン川を境界としてフランスに割譲したという経緯がある為、現在はラオスという違う国になっている。ラオスに住んでいる人は基本的にイサーンと同じラオ族だ。ラオス国内に住んでいるラオ人は300万人程度だと言われており、タイ側のイサーン地方に住んでいるラオ族は、一説によると2000万程度居ると言われている。これは、ラオ族の殆どが、ラオ族の国=ラオスではなく、タイに住んでいるという意味あいを含んでいる。これは驚くべきことではないか。
筆者は、イサーン語を勉強して、ある程度話せるようになり、ある日バンコクに来てみたら、実に、タイの首都バンコクに住んでいる人たちの実に9割程度が実はイサーン人だということに気付いた。 イサーン人は、決して人前で自分がイサーン人だということを明かすことはないが、仕草・食べ物・好み・話し方・考えかたなどから、イサーン人だという事を見抜くことが出来る。イサーン人も、当然相手がイサーン人だという事を見抜いている。自分もイサーン人、相手もイサーン人だということに気付いても、それを言葉に出すことはまずない。よって、外人がそれに気付くことはまずないだろう。当然、バンコクに住むネイティブのタイ人も、その事に気付いている。だが、それを口に出す事は差別行為でもあるので、絶対に口にすることはない。 あるイサーンの方から สับเล็กๆก็รู้ (sap lek lek ko ru「包丁を使って料理する仕草を見るだけでわかる」) という言葉をうかがった。イサーンの人と、タイの人の違いは、それ位に明らかという事だ。 表面上は、近代的なタイ人として振る舞うイサーン人。 だが大半の「タイ人」が、密かにイサーン人(≒ラオ民族)だという事は、実に皮肉なことではないか。
さて、実際に中味はラオ民族のイサーン人と、バンコクで生まれ育ったタイ人との間で一番大きな違いは、音楽の好みではないか。タイ人は、多くの場合、タイの大衆芸能音楽のルークトゥンを聞く。だがラオ人は、基本的にラオ民族音楽のモーラムしか興味がない。
ラオの民族音楽「ラム」…通称「モーラム」は、非常に完成された強烈なインパクトの音楽文化だ。 筆者の個人的な見解だが、「ラム」は「人類に残された最後のブルース」ではないか。 ブルースは、アメリカの黒人が産み出した音楽だ。 奴隷としてアメリカに渡ってきたナイジェリアの黒人が考えだしたシンプルな民謡のブルースは、トニック・ドミナント・サブドミナントの3つのコードカテゴリしか持たない極単純な12小節のコード進行だが、そこから無限のメロディーとコード進行が導きだされる。その後ブルースは、西洋音楽の影響下、ゴスペル・ロックンロール・ジャズ・フュージョン・ヘビメタ・パンク・ラップ…などの無数の音楽形態に発展した。ジャズのサックス演奏者として有名なコルトレーンが、Coltrane Plays the Blues というアルバムを発表しているのをご存知だろうか。一見するとブルースとは全く無関係な程に見える音楽が、実は全てブルースの発展として導きだされている。(ブルースの3つのコードをⅡⅤ進行や 短Ⅲ-Ⅴ進行と置き換えて発展させるのが常套手段だ。)マイルス・デイビス作曲のSolarを聞いて即座にブルースと認識できる人は少ないだろう。だがこれもブルースだ。現代の全てのポップ音楽は、全てブルースだ。現代のポップ音楽は、ブルースから逃げ出すことが出来無い。
ラムも、ブルース同様、あらゆる音楽に発展する可能性を秘めた、深い形式を持った音楽ではないか、と筆者は思う。ラムには、ブルースの様な、トニック・ドミナント・サブドミナントがなく、現代ポップ音楽とは全く違う形式とコード進行と音階を持っている。このラムこそが、現代ポップスの限界を打ち破る可能性を秘める音楽ではないか、と筆者は信じている。
バンコクに出てきたラオ族がもたらしたラムは、バンコクの音楽にも多大な影響を与えている。バンコクのルークトゥン歌手が、歌詞だけをタイ語に換えたモーラムを歌ったり、ラオ人が、バンコクの商業音楽の形態に乗ってルークトゥンの形式を踏襲したモーラムを歌ったりしている。 一般的にモーラムと言うとこのルークトゥンとの融合音楽の事を思い浮かべる方が多いのではないか。 実は、これは生のモーラムと若干異なる。これは、本来ジャズがニューヨークで生まれた激しいリズムの即興音楽だったものが、後年になってアメリカの西海岸でラテン音楽の影響を受けたジャズ=ボサノバが生まれ、現在ではむしろボサノバの方がジャズとして認識されている状況と似ている。 ボサノバの原典にラテン音楽がある事と同様に、バンコクで大型商業主義に乗って生まれてきたルークトゥンの影響を受けたモーラムにも、必ずその原典となった地方の民謡がある。原典を知ると、商業主義に乗ったルークトゥンモーラムも面白い物だ。
以下で説明するチャウィワン・シヤンサワン・シヤンラカントーンといった名歌手たちは、テレビに出演したりすることはなく、バンコクでは知られていないかも知れない。だが決してマイナーではない。恐らく、バンコクに住んで仕事をしている隠れラオ族=タイイサーン人の人達なら、十中八九知っているだろう。
筆者は、ラオにいて、テレビに出ないのに有名な人が沢山居る事を見る。日本にもテレビに出ない有名な歌手として山下達郎という歌手が居るが、ラオにはそんなテレビに出ないのに有名な歌手が沢山居る。むしろテレビに出ないのに有名な人しか居ない。 その素晴らしさが口コミだけで知られていく。その口コミはラオ語(イサーン語)でのみで語られ、ラオ語を理解しない人からはその存在は知りえない。ラムは、こうしてテレビの力を借りずに自力で発展していく。 ラムは、ラオ人のラオ人によるラオ人の為の自立した音楽だ。
イサーン人ならテレビに出ない有名なモーラム歌手を知っている。バンコクの9割方の人は、イサーン人だ。つまりバンコクの9割の人が知っている。にも関わらず、タイ好きな日本人からはこれらのラムの歌い手(ラムシン)がマイナーだと認識されている奇妙さを思う。
筆者は、漠然と思うのだが、日本人が第二次世界大戦後、マスコミの大規模なプロパガンダに乗っかった商業音楽に慣れ過ぎで、感覚が麻痺していやしないだろうか。テレビ新聞ラジオで鳴り物入りで「山田❍❍子がデビュー!YAMADA降臨!」などと誇張されて宣伝される。それを見る人は、自分が良いと思わなくても、それを人が良いと思えば、それは良いものなのだろう、という様な素朴な共感性を根拠として、良いものとして認識される。逆に「メジャーデビュー」していない音楽は、マイナーな音楽であり、聴くに値しない音楽だと認識される。 これは、音楽の楽しみ方としてピュアでない。 音楽は、本来この様な取捨選択の元で発生するものではない。日本人は、この様に他者から価値観を植えつけられる事に疑問を持たないばかりか、植えつけられる事に慣れて切ってしまい、価値観を植えつける支配者が与える物以外受け付けなくなってしまったのではないか。 日本人は敗戦後、戦後の冷戦体制を維持する事を目的とした、教育・受験・就職・テレビ・音楽・ドラマ・マンガなどが全て組み合わさった強烈な冷戦プロパガンダに晒されたのではないか。人間の最も基本的な精神的自由の根源である『音楽』は、完全に人間の手から奪い去られ、テレビの手下として奴隷のように使われていやしないか。
そもそも、音楽はテレビのものではなく、人間の物である。 その音楽が良いか悪いか判断するのは、テレビではなく、自分である。
2 お断り
筆者は、モーラムに関してもルークトゥンに関しても、完全に初心者である。全く下知識や先達のアドバイスのない状態でこの記事を書いている。よって、間違った前提を元に間違った結論を出す事が十分予想される。この記事は飽くまでも、筆者の考察の記録とし、書かれた情報の正確さは保証しないこととする。
以下、ラオ族の民族音楽であるラムについて考察する。それぞれの章に、次の形式でリンクテーブルを添付する。
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
---|---|---|---|---|
検索 | Mor lum | หมอลำ | ໝໍລຳ | モーラム |
画像 | Mor lum | หมอลำ | ໝໍລຳ | モーラム |
動画 | Mor lum | หมอลำ | ໝໍລຳ | モーラム |
ウィキ | Mor lum | หมอลำ | ໝໍລຳ | モーラム |
この記事では、各トピックについて、上記の形式で検索サイトへのリンクを提示する事にする。上記は縦軸に検索方法、横軸に検索言語を取ったグリッドになっており、各マス目はそれぞれ列タイトルで示される言語による、それぞれ行タイトルで示されるグーグル・ウィキペディア等の検索サイトへの直リンクとなっている。各トピックについて、各自この16個のリンクを順にクリックすることで、より深い情報の情報収集を行って頂きたい。
トピックについて複数の言語で検索する事は大切だ。ある事柄がタイ語・ラオ語・英語・日本語の全ての言語で説明されているとは限らない。例えば、モーラムはラオ発祥の文化だが、モーラムに関する情報は往々にしてタイ語で表記され、ラオ語で検索してもなかなかよい情報に当たらない場合が多い。一方、ラオスには地域に根付いた古い形式を色濃く残すモーラムが発展しており、これらの草の根情報は多くの場合ラオ語で表記される。また英語で検索する事も重要だ。その瞬間の気持ちの高揚感を最も重要視し、情報を収集整理して長期保存する習慣を持たないタイ人やラオ人に、文字上できちんと演奏記録を残して公開する事を期待出来無いのはしかたがないことだ。もっとも日本の80年代アーケードゲームの例を引き合いに出すまでもなく、往々にして人間は、自分たちが産み出して既に消費してしまった娯楽文化の保存に興味が無いものだ。 だが、多くのラオ文化に興味を持った外国人がモーラムについて様々な研究を行い、研究結果を英語にて文章化して残しており、これを利用することが可能だ。
モーラムに関する多くのCDは文献・資料は、ほとんどの物が入手困難だが、幸運な事に近年のインターネットの発展により、モーラム関連の情報も出まわる様になった。モーラムの良い演奏は、元々ライブ盤などと称して録音されて販売されている事が少なかったが、近年のインターネットの発展と共に、有志が個人的に録音した物がYouTubeにアップロードされる様になり、様々な地域のスタイルを家に居ながら調べることが出来る様になった。これらを利用することも可能だ。
余談だが、筆者は、ラオ語に関する日本語の記事を読む度に、そこに書かれている事の間違いの余りのひどさに目眩がする。日本人としては日本語で情報を収集したいところだが、一般的に日本語で書かれた文献は、9割方間違っていると断言しても過言ではなく、おすすめできない。残念なことだが、日本語で書かれている記事を読んだ場合、英語・タイ語・ラオ語でも同じ内容の検索を行い、内容の裏付けを取る事が必要だ。この数年、インターネット発展以降に現れた非プロの研究家のレベルも上がっており、一概に日本語での検索が良くないという訳でもなくなってきてはいるが、日本文化はどうしても「海の外の」他の文化と比較すると独自性が強く、大陸の人が常識的に知っていることに気付かず、前提知識を知らないまま、大変な勘違いをしたまま間違いが直らないというケースが多く、十分注意が必要だ。
日本人の外国事情に関するあまりにも酷い勘違いを見る度に、語学オンチで空気嫁で民族学オンチの日本人を思う。だが、筆者がそう感じる理由は、日本人の国際社会オンチ以上に、近年のインターネットの発展に依る物も大きいのかも知れない。近年のインターネットコンテンツの発展により、苦労して何十年もかけて集めた資料と同程度の貴重な資料がインターネットですぐに入手出来る様になった。筆者は本職がプログラマで、インターネット系技術は得意分野だ。そして筆者が語学を始めたのはごく最近で、インターネット以前の状況を知らない。 恐らくインターネットの出現は、これまでの先人の地道な苦労を全て陳腐化させるのに充分なインパクトがあったのではないだろうか。かくいう筆者も5年ほど前に、苦労して村々のCD店を巡り入手困難な「シーコンソーのニターンコム(ラオ口頭伝承VCD=ラオ語勉強に非常に役に立つ)」を買い集めたものだったが、今ではほとんどのエピソードがYouTubeでチェック出来る様になった。作者が自分でアップロードしているのだから、世話はない。あの時の苦労は何だったのかと感じるが、人生結果が全てである。2013年現在、各所で出回っている民族に関する知識は、そのほとんどがインターネット以前に調べられた情報に基づいており、今のインターネットを使って得られる情報と比べて相当の見劣りがするのは、仕方の無いことなのかも知れない。 ドイツやスペインなどの先進国の研究をしたかったのだが、試験で落ちて仕方なしに倍率の低いタイやラオの研究をしているといった、後ろ向きな研究者が多いからではないことを祈るばかりである。
なお多くの入手困難なCDには大抵、レーベル会社の電話番号や住所が書いてある。大抵演奏の出張サービスも行なっているからだ。もしもどうしても入手困難なVCDを入手したいのであれば直接レーベルに行って購入することも可能だ。
目次
3 モーラムとルークトゥンの違い
モーラムとは何か。これは難しい問題だと筆者は思う。筆者のある視点から見ると、モーラムとは、ルークトゥンではない音楽の事だ。 筆者はタイ・ラオの音楽事情に詳しい訳では決して無い。だが筆者は、東北タイからラオ中部にかけて滞在している関係上、モーラムと触れ合う機会が多い。よって筆者はモーラムを聞くとそれがモーラムである事がわかる。よって中部タイの芸能であるルークトゥンを聞いた時、少なくともそれがモーラムでないことだけはわかる。 そして、バンコクに滞在している日本人が言うところの「モーラム」が、本来ラオの人が普段聞いている本物のモーラムとかなり趣を異にしている事を感じる。だが一方で、筆者はルークトゥンの何たるかを知らない。 そして筆者のルークトゥンの認識は、モーラムでないタイ中部の音楽という認識があるのみだ。 今回この記事を書くに当たり、ルークトゥンとは何かをネット上で調べた。その結果、ほとんどのルークトゥンがモーラムの影響を受け、かつ歌手も東北イサーン地方出身のラオ語を話すラオ系民族であることに気付いた。 そればかりか、歌われている歌詞もラオ語であることすらも珍しくなく、果たして純粋なルークトゥンというものが存在するのか、ルークトゥンとは一体何なのかと、首をかしげざるを得なかった。
以下でネットで入手出来る情報を元に、ラオ族の民族音楽であるモーラムとは何か、タイ中央の芸能であるルークトゥンとは何か、一緒に考えていただけたら幸いである。
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3.1 バンコクの芸能・ルークトゥン
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
---|---|---|---|---|
検索 | Luk Thung | ลูกทุ่ง | ລູກທຸ່ງ | ルークトゥン |
画像 | Luk Thung | ลูกทุ่ง | ລູກທຸ່ງ | ルークトゥン |
動画 | Luk Thung | ลูกทุ่ง | ລູກທຸ່ງ | ルークトゥン |
ウィキ | Luk Thung | ลูกทุ่ง | ລູກທຸ່ງ | ルークトゥン |
筆者は、ルークトゥンに関する知識を全く持っていない。よって調べながら書いているのだが、英語や日本語で書かれたルークトゥンに関する記事を読むと、ほとんど全ての記事に於いてモーラムとルークトゥンの混同があり、読んでいて気持ちが悪い。 例えば、その一例に次のような物がある。 筆者は、英語版のウィキペディアで、ルークトゥンの代表例として次の曲がアップロードされている事に気付いた。
これは、ルークトゥンの代表としてWikipediaで紹介されていた曲である。筆者がこれを聞いてすぐに思うことは、これがルークトゥンではなくモーラムだということだ。これは、後述するラオでいうところの「ラムトゥーイ」と呼ばれる形式のモーラムそのものであり、ルークトゥンではない。だが多くの人は、これをルークトゥンと認識しており、筆者はこのことに強い違和感を感じている。 筆者のルークトゥンの認識は前述の通り、モーラムでない音楽である。この認識に基づくと、ウィキペディアのルークトゥンの項目†1†2で挙げられているルークトゥン歌手の半分以上がルークトゥン歌手ではない。
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3.1.1 ルークトゥンが内在しているラオ性の存在
ウィキペディア - タイ語版のルークトゥンの記事によるとスラポン・ソムバットチャルーン†1†2†3がルークトゥンで最も有名な歌手であるとされる。筆者は恥ずかしながらこの歌手の存在を知らなかった。今回この歌手の名曲とされるコーンポーム†4を聞いてみた。筆者は、愕然とした。驚いたのは何故かというと、スラポンの歌にはメロディーやリズム・コード進行に、ラム独特の要素が少なく、歌詞もタイ語であり、飽くまでも純粋なルークトゥンであるにも関わらず、挿入部で彼がラオ語を話していたからだ。ラオ語に全くタイ語訛りがなく、完全にラオ人が話すラオ語だ。彼は、明らかにタイ人ではなくラオ人である。 ソンポン・ソムバットチャルーンは、1930年タイ中部のスパンブリ生まれで、ナコンパトムで演奏中に銃弾に倒れ、38歳の若さで亡くなった。タイ中部のスパンブリ生まれとあるが、彼が話す言葉は明らかにタイ東北地方のラオ語だ。この歌手は中部人ではなくイサーン人(ラオ系)ではないか。タイ中央芸能の最も有名な歌手がラオ人であるという事は、驚愕に値する。 筆者は、スラポンのビデオを見て、ますますルークトゥンが何なのかわからなくなった。
ウィキの記事を詳細に読んでみると、モーラムとルークトゥンの関係について面白い示唆を与える事が書かれていた。
前述のルークトゥンのウィキペディア・タイ語版によると、タイ国内のルークトゥン市場は大きく、年間30億円規模の売上があるという。その内の実に50%が東北イサーン地方の売上という。中部と北部をあわせて35%、南部で15%という。これは、ルークトゥン・リスナーの実に半数がモーラム一本槍の東北部の住民という意味だ。ルークトゥンリスナの半数がモーラム好きなイサーン人なのに、何故リズムの躍動感に乏しく本能的な刺激の少ない中央の芸能のルークトゥンに拘る必要があるのだろうか。聞く人に東北人が多ければ、東北の音楽の要素が強くなるのは必然だ。ルークトゥンは建前上タイ中央の芸能文化だが、事実上半分がラオ文化に「毒されている」事になる。
筆者は、数少ないものの非ラオ系のタイ人の友人が居り、彼らが非モーラム系のルークトゥンを好んで聞いている事をしばしば目撃している。彼らの多くはモーラムもあわせて聞くが、それは飽くまでも主食の脇にある「おかず」であり、主食はラオ要素の少ないタイ中央のタイ語によるルークトゥンだ。 一体どこにルークトゥンとモーラムの線があるのか。
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3.1.2 戦後ジャズからルークトゥンまでの変遷
ウィキペディアによると、ルークトゥンは、元々中央タイやマレーで起こった演劇文化のリケーを母体として、第二次世界大戦中に西洋音楽の影響を受けて生まれたとあった。実際に、ルークトゥンの代表作と言われているらしい ナイワーマイルーム †1 を聴いてみた。
この演奏の発表年が調べられないのだが、恐らくは1960年代後半ではなかろうか。というのも、この演奏を聴いてみて、筆者には「後期ウェス・モンゴメリー」が思い出されてならなかったからだ。 後期ウェス・モンゴメリーというのは、ジャズ用語だ。 ジャズマニアの間の認識では、ジャズギタリスト・ウェス・モンゴメリーは、当初、強烈なオクターブ奏法を得意技とする、本来即興演奏を主体とした硬派な演奏が持ち味だったが、後期になり、硬派な即興は陰を潜めて耳障りの良いイージーリスニング的な演奏が増えた、とされる。
ここでいう初期とは、ウェス・モンゴメリーがその代表アルバムである The Incredible Jazz Guitar of Wes Montgomery†1を発表した1960年以降の事である。そして後期というのは一般的には、ウェス・モンゴメリーが Verveレコード†2 からA&Mレコード†3 に移籍して「ア・デイ・イン・ザ・ライフ†4」を発表した1967年以降の事を指す、とされる。
※ 余談だが、これらのウェスモンゴメリのアルバム記事に関する日本語の記事が無い事が筆者には滑稽に思われて仕方がない。 筆者はこれまでの経験上、日本のジャズマニアのウェスモンゴメリに関する知識のマニアックさと、その態度の傲慢さを見てきた。彼らが、こういった緻密なウェス・モンゴメリのデータベースを見て対抗意識を燃やさない訳がない。だが、ウェスモンゴメリに関するウィキ上の日本語の記事は、驚くほど少ない。このことから漠然と、傲慢で態度ばかりは山よりも大きい、かつて既存メディアで絶大な発言力を誇っていた日本のジャズマニア達が、パソコンや英語やネットに疎く、近年になって発言力を落としている事を見て取る事が出来る。
この60年代後半〜70年代ジャズを踏まえた上で、上記のルークトゥン初期作のナイワーマイルームを見てみると、録音方法・楽器の演奏方法・アレンジの仕方に至るまで、ジャズの強い影響が見える。このことから、ルークトゥン初期作はほとんどジャズである、と結論づける事も出来るのではなかろうか。
次にもう少し後の演奏を見てみる。
この演奏も録音年月が書かれておらず、調べようがない。だがポンシーの容姿から見て、初期ポンシーのビデオの録音年月から10〜20年ほど経過しているのではないか、と思われる。もしこの推論が正しければ、上記ビデオの録音年月は80年代の筈だ。この演奏を聞くと、初期ポンシーと比較してずっとジャズ色が薄まって、近頃にバンコクで耳にする(筆者の生粋タイの友人が聞いているラオ要素のない)ルークトゥンと近いものに変化している事がわかる。
次のビデオを見てみる。
このビデオはもう現在だ。ウィキによると、ポンシーは、仏歴2482年生まれ=西暦1939年生まれで、2013年の現在74歳という。 この演奏は、もう完全に間違えようのない完璧な素晴らしいルークトゥンだ。人々がこれをルークトゥンと呼ぶなら、筆者は何の不服もない。これが本物のルークトゥンである。 筆者がバンコク滞在中に耳にしたタイ人が好きなルークトゥンは、これだ。 これが100%ピュアなルークトゥンだ。
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3.1.3 ルークトゥンの主な歌手
タイ政府の公式サイト「ルークトゥンの構成要素について」†1というページを見つけた。このページに書かれていることは、恐らくルークトゥンに関するタイ政府の公式な見解ではないだろうか。このページにて、タイ中央音楽の有名歌手が紹介されていたので、調べてみた。調べてみたのは、以下の歌手だ。
ルークトゥン目次
以下順を追って紹介する。
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スラポン・ソムバットチャルーン / สุรพล สมบัติเจริญ
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ポンシー・ウォラヌット / ผ่องศรี วรนุช
英語 | タイ語 | 日本語 | |
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検索 | Pongsri Woranut | ผ่องศรี วรนุช | ポンシー・ウォラヌット |
画像 | Pongsri Woranut | ผ่องศรี วรนุช | ポンシー・ウォラヌット |
動画 | Pongsri Woranut | ผ่องศรี วรนุช | ポンシー・ウォラヌット |
ウィキ | Pongsri Woranut | ผ่องศรี วรนุช | ポンシー・ウォラヌット |
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ワイポット・ペットスパン / ไวพจน์ เพชรสุพรรณ
ワイポット・ペットスパン ไวพจน์ เพชรสุพรรณ - YouTube:
色々な曲を聞いていて、彼もまた、ラオの民族音楽を歌っている事を知った。
ラムサラワン ブンバンファイの歌 何かラオ語の歌?
※ 筆者の個人的な感想だが、ラオ民族の歌を歌っているが、何と言うか全体的にラオっぽさが低いといえばよいか、あまりラオの人独特の訛りやクセが歌い方から感じられない様に思う。歌はラオ的な文化を濃く取り入れているが、恐らくラオの人ではないのではないか。音程の取り方にリケーのニュアンスがあるので、恐らくリケー出身のルークトゥン歌手なのではないだろうか。はっきりとした確証はない。
あとで再度紹介するが本物のラムサラワンと比べると、筆者は微妙な違和感を感じる。これは筆者の思い過ごしかも知れない。 読者は、いかがお考えか。
本物のラオ人が歌うラムサラワン1 - YouTube:
本物のラオ人が歌うラムサラワン2 - YouTube:
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チナコーン クライラート / ชินกร ไกรลาศ
英語 | タイ語 | 日本語 | |
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検索 | Chinnakorn Krailat | ชินกร ไกรลาศ | チナコーン クライラート |
画像 | Chinnakorn Krailat | ชินกร ไกรลาศ | チナコーン クライラート |
動画 | Chinnakorn Krailat | ชินกร ไกรลาศ | チナコーン クライラート |
ウィキ | Chinnakorn Krailat | ชินกร ไกรลาศ | チナコーン クライラート |
恐らくタイ中央の伝統歌唱の巨匠。
ヨーヨートパロー/チナコーン・クライラート - YouTube:
大衆芸能風の舞台で歌っている場面
เพชรร่วงในสลัม ขับร้องโดยคุณชินกร ไกรลาส
テレビ出演時の様子・ヨーヨットパローを歌っている
ยอยศพระลอ - คุณชินกร ไกรลาศ กับ ร.ร. จ่านกร้อง
関連情報 タイ映画!:News
Mon Plaeng Look Toong FM มนต์เพลงลูกทุ่ง เอฟ เอ็ม モンプレーンルークトゥンエフエム という映画の中で、チナコーン氏が出演しているらしい。
映画ホームページ
Mon Plaeng Look Toong FM (2002) - Filmweb
※ 発音もメロディーも ラオ度はゼロ。恐らくタイ中央に古くから伝わる民族音楽が元になっていると思われる。
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ルンペット / รุ่งเพชร แหลมสิงห์
英語 | タイ語 | 日本語 | |
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検索 | Rungpet Laemsing | รุ่งเพชร แหลมสิงห์ | ルンペット |
画像 | Rungpet Laemsing | รุ่งเพชร แหลมสิงห์ | ルンペット |
動画 | Rungpet Laemsing | รุ่งเพชร แหลมสิงห์ | ルンペット |
ウィキ | Rungpet Laemsing | รุ่งเพชร แหลมสิงห์ | ルンペット |
เหยื่ออุทกภัย รุ่งเพชร แหลมสิงห์ - YouTube:
YouTubeにあったプレイリストが良質だ。
YouTubeにあったプレイリスト รุ่งเพชร แหลมสิงห์
ソーンキーリー・シープラチュアップ - バンコク&タイの生活&観光情報、ダコログ
この様な良いページがある。恐らくここでいうところのルンペット氏というのは、上記の歌手・ルンペット氏のことではないか。
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カムロン サムプンナーノン / คำรณ สัมบุณณานนท์
モーラムロック・หมอลำร็อค - คำรณ สัมบุณณานนท์ - YouTube:
次のページにカムロンの非常に良い解説があった。
タイ式エンタテイメントの楽しみ方 : -カムロン・サムプンナーノン
筆者は、カムロンの言葉を聴いて衝撃を受けた。カムロンが話している言葉が、イサーン語だったからだ。筆者が知っている発音と微妙に違うが、ラオ人独特の訛りやクセがあり、ラオ度が高い。
上記ブログ「タイ式エンタテイメントの楽しみ方」によると、カムロンが活動を始めたのは1935年とあった。上記のモーラムロックは、録音の感じやロック・ロカビリーの影響が聞こえる所などから、録音は恐らく1950年前後ではないかと思われる。この時代カムロンの音楽は「市井音楽」と言われていたという。その時代にバンコクの市井の人間が、イサーン語を話していたという事は、筆者にとって巨大な衝撃だ。「タイ人=バンコク人」とは一体何なのか。前述の通り、近年筆者はイサーン語が話せる様になり、バンコクに数週間滞在して気付いたのだが、バンコクに居る人の9割はイサーン人だ。タイ語を話しタイ人の様に振る舞うが、ほとんどの人が隠れイサーン人で、その事を皆知っているが口に出さないだけだ。
1950年前後の時代に、バンコクのタイ人がイサーン語を話していたとすると、今バンコク・チャオプラヤー川の西・郊外に住んでいるタイ語しか話せないタイ人も、実はかつてイサーン人だった可能性が高いと筆者には思われる。筆者は関西出身上京人の家系で、上京してからまだ100年は経っていないが、筆者は既に関西弁が話せない。このことを考えると、バンコクに上京したイサーン人が、イサーン語を忘れるまでに100年はかからないだろう。飽くまでも仮説だが、この説を突き詰めると「タイ人という存在自体が巨大な嘘」という衝撃的な結論を導き出すことになる恐れがある。
しかもカムロンの話すイサーン語には、若干クセがある。สอง(2つの)を so:ng(4) ではなく so:ng(5) と発音している。これは、ラオスのビエンチャンからルワンパバーンにかけての人が使う発音変化であり、現在のイサーン地方(ウボン・コンケン・ウドンタニー)の人は、使わない変化だ。これは一体何故なのか。このことは、筆者に強い衝撃を与えた。
この声調変化と、表記に使われる声調番号については、おかあつ日記 『ラオ語の方言の声調について』 を参照のこと。
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サーヤン サンヤー / สายัณห์ สัญญา
英語 | タイ語 | 日本語 | |
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検索 | sayan sanya | สายัณห์ สัญญา | サーヤン サンヤー |
画像 | sayan sanya | สายัณห์ สัญญา | サーヤン サンヤー |
動画 | sayan sanya | สายัณห์ สัญญา | サーヤン サンヤー |
ウィキ | sayan sanya | สายัณห์ สัญญา | サーヤン サンヤー |
ความรักเหมือนยาขม- สายัณห์ สัญญา - YouTube:
ขออยู่ด้วยคน_สายัณห์ สัญญา - YouTube:
サーヤン氏は、見かけは爽やか系でタイの人かと思ったのだが、歌ははっきりとイサーン語だった。
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スラチャイ・ソムバットチャルーン / สุรชัย สมบัติเจริญ
น้ำค้างเดือนหก - สุรชัย สมบัติเจริญ - YouTube:
※ 筆者独り言・上記の น้ำค้างเดือนหก で、ビデオの主人公が恋人に目隠しして「だーれだ」とやるシーンで、「サンヤーかな?(前述の歌手)」とボケを入れるところが、時代を感じさせる。70〜80年代の雰囲気だろうか。
[3.1.3 ルークトゥンの主な歌手]に戻る
シーチャイ・メークウィチャン / ศรีชัย เมฆวิเชียร
อ้อนจันทร์- ศรชัย เมฆวิเชียร - YouTube:
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プムプワン ドワンチャン / พุ่มพวง ดวงจันทร์
ตะวันลับฟ้า พุ่มพวง ดวงจันทร์ - YouTube:
นักร้องบ้านนอก - พุ่มพวง ดวงจันทร์ - YouTube:
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シリントラー・ニヤコン / ศิรินทรา นิยากร
英語 | タイ語 | 日本語 | |
---|---|---|---|
検索 | sirintra niyakorn | ศิรินทรา นิยากร | シリントラー・ニヤコン |
画像 | sirintra niyakorn | ศิรินทรา นิยากร | シリントラー・ニヤコン |
動画 | sirintra niyakorn | ศิรินทรา นิยากร | シリントラー・ニヤコン |
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[3.1.3 ルークトゥンの主な歌手]に戻る
パノム ノッポン / พนม นพพร
英語 | タイ語 | 日本語 | |
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検索 | panom nopporn | พนม นพพร | パノム ノッポン |
画像 | panom nopporn | พนม นพพร | パノム ノッポン |
動画 | panom nopporn | พนม นพพร | パノム ノッポン |
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ลาสาวแม่กลอง- พนม นพพร - YouTube:
[3.1.3 ルークトゥンの主な歌手]に戻る
ヨートラック サラックチャイ / ยอดรัก สลักใจ
英語 | タイ語 | 日本語 | |
---|---|---|---|
検索 | yodrak salakjai | ยอดรัก สลักใจ | ヨートラック サラックチャイ |
画像 | yodrak salakjai | ยอดรัก สลักใจ | ヨートラック サラックチャイ |
動画 | yodrak salakjai | ยอดรัก สลักใจ | ヨートラック サラックチャイ |
ウィキ | yodrak salakjai | ยอดรัก สลักใจ | ヨートラック サラックチャイ |
ยอดรัก สลักใจ - ขอบคุณแฟนเพลง - YouTube:
[3.1.3 ルークトゥンの主な歌手]に戻る
パイブン ブットラカン / ไพบูลย์ บุตรขัน
英語 | タイ語 | 日本語 | |
---|---|---|---|
検索 | paibul budrakhan | ไพบูลย์ บุตรขัน | パイブン ブットラカン |
画像 | paibul budrakhan | ไพบูลย์ บุตรขัน | パイブン ブットラカン |
動画 | paibul budrakhan | ไพบูลย์ บุตรขัน | パイブン ブットラカン |
ウィキ | paibul budrakhan | ไพบูลย์ บุตรขัน | パイブン ブットラカン |
นักร้องน้องใหม่- ครูไพบูลย์ บุตรขัน - YouTube:
[3.1.3 ルークトゥンの主な歌手]に戻る
3.2 ラオ・東北タイの音楽・モーラム
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | mor lum | หมอลำ | ໝໍລຳ | モーラム |
画像 | mor lum | หมอลำ | ໝໍລຳ | モーラム |
動画 | mor lum | หมอลำ | ໝໍລຳ | モーラム |
ウィキ | mor lum | หมอลำ | ໝໍລຳ | モーラム |
ルークトゥン・モーラムの説明に入る前に、本物のモーラムを見てみる。タイでは、東北イサーン地方〜ラオスにかけてのラオ民族の音楽の事を指して漠然とモーラムという呼称を使うが、本来モーラムとは、「モー(=専門家)」「ラム(=歌)」という2つの言葉からなる言葉で、歌手の事を指す。ケーン奏者の事はモーケーン(mor kaen/หมอแคน/ໝໍແຄນ)ピン奏者の事はモーピン(mor phin/หมอพิณ/ໝໍພິນ) 等と呼ぶ。 音楽自体の事を、正しくは「ラム」と呼びモーラムとは呼ばない。 ラムには、形態や地方によって様々な様式が存在する。
[3 モーラムとルークトゥンの違い]に戻る
3.2.1 モーラムの分類
モーラムには、地域・状況・内容・伴奏形態等々によって分けられた、非常に多くのジャンルがある。順を追ってみてみよう。[3.2 ラオ・東北タイの音楽・モーラム]に戻る
ラムローン / ลำล่อง
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | lum long | ลำล่อง | ລໍາລ່ອງ | ラムローン |
画像 | lum long | ลำล่อง | ລໍາລ່ອງ | ラムローン |
動画 | lum long | ลำล่อง | ລໍາລ່ອງ | ラムローン |
ウィキ | lum long | ลำล่อง | ລໍາລ່ອງ | ラムローン |
ラムローンとは、リズム楽器なしで西洋音楽のルバート†1の様に歌うスタイルだ。バンコクのルークトゥンでは、ラムローンは、イントロとして短く歌われるのみの場合が多いが、本来ラムローンだけでひとつの完結したスタイルだ。 非常にポピュラーなスタイルで、無数の録音が残っている。 大抵は1曲4〜5分の長さだが、非常に長い4〜5時間のストーリーをラムローンに載せて歌う物もある。この長いスタイルのことを特に「ラムルアン(話の歌=浪曲)」と呼ぶ。後述。
†1参照: ルバートとは -- 中村の考え / ルバート - Google 検索 ルバートとは
チャウィワン・カムヌーン/農民の人生 ฉวีวรรณ ดำเนิน - ชีวิตชาวนา - YouTube:
上記のチャウィワン(後述)は、恐らく最も知られたラム歌い手。特に、この農民の人生は、非常によく知られた演奏で、タイ東北の新喜劇「シヤンイサーン(後述)」でパロディーとして出てくる程に有名。
シヤンラカントーン/村人の暮らし・วีถีไทบ้านตอน1 ..ของสี คันโซ่ /ลำโดย บันลังก์ เสียงระฆังทอง - YouTube:
このシヤンラカントーン(後述)は、チャウィワンよりも世代の古い人で、若い人は知らない事が多いが、年配の方を中心に非常によく知られているラムの名人。ここではラムローンを歌っており、絶品。
アンカナーン・クンシャイ/題不明 สำนักวัฒนธรรม อังคนางค์ คุณไชย - YouTube:
アンカナーンクンシャイ(後述)も、シヤンラカントーン・チャウィワンと並んで非常に有名なラムの歌い手。
アンカナーン・クンシャイ/禁じられた愛・แอบฮักผัวเขา อังคนางค์ คุณไชย - YouTube:
若い頃のアンカナーン氏(多分)。
[3.2.1 モーラムの分類]に戻る
ラムトゥーイ / ลำเต้ย
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
---|---|---|---|---|
検索 | lum teui | ลำเต้ย | ລຳເຕີ້ຍ | ラムトゥーイ |
画像 | lum teui | ลำเต้ย | ລຳເຕີ້ຍ | ラムトゥーイ |
動画 | lum teui | ลำเต้ย | ລຳເຕີ້ຍ | ラムトゥーイ |
ウィキ | lum teui | ลำเต้ย | ລຳເຕີ້ຍ | ラムトゥーイ |
バンコクで耳にするルークトゥンモーラムの8割方はこの「ラムトゥーイ」を元にしている。速いテンポと激しいリズムの上で歌手が激しいリズムの歌を歌うのが特徴。 地域に拠らず、非常に人気が高い。
シヤンサワンのラムトゥーイ ลำเต้ย-เชียงสะหวัน - YouTube:
ラオスやタイの東北で非常に人気の高いシヤンサワンの歌うラムトゥーイ。
ヤーコーモーラム อย่าขอหมอลำ ต้อย หมอกแดง - YouTube:
RSiam所属「トイモックデーン氏」が歌うヤーコーモーラム。 ヤーコーモーラムอย่าขอหมอลำとは「モーラムをリクエストしないで!」という意味。 冒頭で女性が「ラムトゥーイお願いしまーす(เอาลำเต้ยดวยค่ะเดอ)」とリクエストしている事に呼応している。
シヤンラカントーンのラムトゥーイ ลำเต้ย บันลังก์เสียงระฆังทอง - YouTube:
名人シヤンラカントーンの歌うラムトゥーイの原型。名作。
「男のトゥーイ」バーンイェン เต้ยเกี้ยวบ่าว-บานเย็น รากแก่น - YouTube:
「ビルマと入れ替わる(?)」アンカナーンのトゥーイ เต้ย สลับ พม่า - อังคนางค์ คุณไชย - YouTube:
アンカナーンの歌うラムトゥーイ。異色だが好演奏。 この演奏は、ひょっとしたらルークトゥンの原型として歌われたものかも知れないが、不明。要調査。
※ 某「タイの地元新聞」の読者が、タイ人はドラムが下手だと言及していたのを見たことがあるが、日本人でこのタイミングで叩けるドラマーは恐らく1人も居ない。
[3.2.1 モーラムの分類]に戻る
ラムプン / ลำเพลิน
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | lum phoen | ลำเพลิน | ລຳເພີນ | ラムプン |
画像 | lum phoen | ลำเพลิน | ລຳເພີນ | ラムプン |
動画 | lum phoen | ลำเพลิน | ລຳເພີນ | ラムプン |
ウィキ | lum phoen | ลำเพลิน | ລຳເພີນ | ラムプン |
コンケンのラムプンを見る / ลำเพลินชมเมืองขอนแก่น - YouTube:
ラムトゥーイと似ているが、曲の展開やピンが使うスケール(音階)が異なるらしい。ポンラン形式で演奏されることが多いらしい。 メロディーには「マノーラの舞い」等のスタンダードの様な定番曲が数多く存在し、完全に決まっているらしい。(筆者もはっきりしたことは知らず、更なる学習が必要。)
ລຳເພີນ lam phern - YouTube:
ลายแซ็กลำเพลิน สมบัติ สิมหล้า - YouTube:
筆者はこの先生を知らなかった。凄すぎて言葉がない。
[3.2.1 モーラムの分類]に戻る
ラムルアン / ลำเรื่อง
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
---|---|---|---|---|
検索 | lum leuang | ลำเรื่อง | ລໍາເລື່ອງ | ラムルアン |
画像 | lum leuang | ลำเรื่อง | ລໍາເລື່ອງ | ラムルアン |
動画 | lum leuang | ลำเรื่อง | ລໍາເລື່ອງ | ラムルアン |
ウィキ | lum leuang | ลำเรื่อง | ລໍາເລື່ອງ | ラムルアン |
ラムルアンとは、舞台上で物語形式で語るラムローンの事。場合によっては、ラムターンヤーオと呼ばれることもあるらしい。 沢山の語り継がれた物語があるらしい。
髪の毛が良い香りの女の子
YouTubeに ラオの伝説「髪の毛が良い香りの女の子・ナーンポムホーム=ลำเรื่องนางผมหอม」の公演が全編アップロードされていた。この公演は、非常に良い。 出演者が全員、教科書通り=変則的な発音が極めて少ないラオ語(古いイサーン語かラオ語)を話しており、聞き取りやすくラオ語の学習に非常に良い。
ลำเรื่องนางผมหอม1 แอนนาอริสา - YouTube:
ナーンポムホーム全編再生プレイリスト ลำเรื่องนางผมหอม
※ このナーンポムホームの出演者は、下手をするとラオスの首都ビエンチャンの人よりも標準的なラオ語を話している。 ビエンチャンのラオ語は、筆者の独断と偏見によると、変則的な発音変化が非常に多く、若い人が話しているのはバンコク訛り(テレビの影響)で、年配の方が話しているのは古くからあるビエンチャン訛りではないか、と考えている。本物のビエンチャン訛りはかなりクセが強く、他の地域の方言の中間を取った万遍ない発音などという様な素直なものでは決して無い。
※2 筆者は知らなかったのだが、主演者のこの女性は、アンナ・アリサ という名前の歌手だそうだ。筆者は寡聞にして知らないが、顔もラオ人離れしている気がするので、ひょっとしたら外国人なのではないか。ラオ語が第二言語で話せず、きちんと習ったので、むしろ訛りのない平易なラオ語を話すのではないか、という気がしたが、更なる調査が必要。
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | Anna Alisa | แอนนาอริสา | ແອນນາອະລິສາ | アンナ・アリサ |
画像 | Anna Alisa | แอนนาอริสา | ແອນນາອະລິສາ | アンナ・アリサ |
動画 | Anna Alisa | แอนนาอริสา | ແອນນາອະລິສາ | アンナ・アリサ |
ウィキ | Anna Alisa | แอนนาอริสา | ແອນນາອະລິສາ | アンナ・アリサ |
※3 アンナアリサについて言及している方がいらっしゃった… 2005/9/5「この土日に。。。」バンコク音楽日記
ラムルアン「父の魂・母の魂」/ วิญญาณพ่อ วิญญาณแม่
「父の魂・母の魂」 - YouTube:
筆者もまだ見ておらず知らないが、名作の予感。 歌を歌っているのは、恐らくアンカナーン氏。
次のリンク先は、リストになっており、全編を自動で再生する。
ラムルアン「父の魂・母の魂(ウィンヤーンポー・ウィンヤーンメー)」
ลำเรื่อง - วิญญาณพ่อ วิญญาณแม่ 2#
リンクが切れたら次のリンク集から検索し直す。
[3.2.1 モーラムの分類]に戻る
ラムコンサワン / ลำคอนสะหวัน
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
---|---|---|---|---|
検索 | lum Khonesavanh | ลำคอนสะหวัน | ລໍາຄອນສວັນ | ラムコンサワン |
画像 | lum Khonesavanh | ลำคอนสะหวัน | ລໍາຄອນສວັນ | ラムコンサワン |
動画 | lum Khonesavanh | ลำคอนสะหวัน | ລໍາຄອນສວັນ | ラムコンサワン |
ウィキ | lum Khonesavanh | ลำคอนสะหวัน | ລໍາຄອນສວັນ | ラムコンサワン |
ラムコンサワンは、ラオスのサワンナケット県のラムで、ラオスやタイでも広く知られ、広く演奏されるラムらしい。
サワンナケット県は、メコン川を挟んでタイのムクダハン県の対岸にある。サワンナケット県は、ラオスの中でビエンチャンに次いで人口が多い県。
村の人が歌う本物のラムコンサワン3 - YouTube:
村の人が歌う本物のラムコンサワン2 - YouTube:
シヤンサワン師匠のラムコンサワン ลำคอนสะหวัน-เชียงสะหวัน - YouTube:
一緒に踊っている歌手は、恐らくのモンルディー・プロムマチャック(มลฤดี พรหมจักร )という歌手だ。 モンルディー氏の事を筆者は何も知らない。話も聞いたことが無い。だがYouTubeに沢山良い演奏がアップロードされている。ここではラムコンサワンを歌っている。 ラムプータイに有名な演奏があるらしく、沢山演奏がアップロードされている。
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ラムバーンソーク / ลำบ้านซอก
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
---|---|---|---|---|
検索 | Lam Ban Xoc | ลำบ้านซอก | ລຳບ້ານຊອກ | ラムバーンソーク |
画像 | Lam Ban Xoc | ลำบ้านซอก | ລຳບ້ານຊອກ | ラムバーンソーク |
動画 | Lam Ban Xoc | ลำบ้านซอก | ລຳບ້ານຊອກ | ラムバーンソーク |
ウィキ | Lam Ban Xoc | ลำบ้านซอก | ລຳບ້ານຊອກ | ラムバーンソーク |
ラムコンサワンの一種らしい。ウィキによると通常は儀式でのみ演奏されるという。
ノラー氏のラムバーンソーク ລຳບ້ານຊອກ ໂນລາ ເທບສູນທອນ - YouTube:
ラムバーンソーク ລຳບ້ານຊອກ ລັສມີ - YouTube:
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ラムマハサイ / ลำมหาไซ
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | Lam mahaxai | ลำมหาไซ | ລຳມະຫາໄຊ | ラムマハサイ |
画像 | Lam mahaxai | ลำมหาไซ | ລຳມະຫາໄຊ | ラムマハサイ |
動画 | Lam mahaxai | ลำมหาไซ | ລຳມະຫາໄຊ | ラムマハサイ |
ウィキ | Lam mahaxai | ลำมหาไซ | ລຳມະຫາໄຊ | ラムマハサイ |
ラムコンサワンの一種らしい。ウィキによると、最初に高音のロングトーンが付く所が特徴という。
ラムマハーサイ ลำมะหาไซ - YouTube:
ラムマハーサイ ลำมะหาไซ เชิญเที่ยวถ้ำปลาฝา - YouTube:
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ラムサラワン / ลำสาละวัน
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | lum saravanh | ลำสาละวัน | ລຳສາລະວັນ | ラムサラワン |
画像 | lum saravanh | ลำสาละวัน | ລຳສາລະວັນ | ラムサラワン |
動画 | lum saravanh | ลำสาละวัน | ລຳສາລະວັນ | ラムサラワン |
ウィキ | lum saravanh | ลำสาละวัน | ລຳສາລະວັນ | ラムサラワン |
ラオスのサラワン県発祥のラムで、ポップなメロディーと耳に残る判りやい歌詞が特徴。ラオス・タイ共に全国的に有名で、サラワン県外の人もラムサラワンを取り入れて歌う。バンコクのルークトゥン歌手が多くカバーしている。
ラムサラワン・歌シヤンサワン師匠 - YouTube:
ラムサラワン「約束を忘れないで」 歌タイ・オラタイ: สาละวัน...อย่าลืมสัญญา - YouTube:
サビで「サラワン・なんとか・サラワン」という歌詞が出てくるところがみものになっている。この「なんとか」の部分に大抵動作を表す言葉が入る。この動作の部分に入る言葉は、だいたい決まっていて、踊りながら言った通りの動作をする。
発音カナ | 発音 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 |
---|---|---|---|---|
ティアロン | tia5 long3 | เตี้ยลง | ເຕັ້ຍລົງ | 低く下がる |
トップムー | top8 meu:3 | ตบมือ | ຕົບມື | 手を叩く |
ルッククン | leuk8 keun6 | ลุกขึ้น | ລຸກຂື້ນ | 立ち上がる |
トイラン | thoi4 lang4 | ถอยหลัง | ຖອຍຫຼັງ | 後ろに下がる |
ケンディアオ | khaen4 diao2 | แขนเดี่ยว | ແຂນດ່ຽວ | 片手(で踊る) |
カーディアオ | kha:4 diao2 | ขาเดี่ยว | ຂາດ່ຽວ | 片足(で踊る) |
ラーロン | la:3 long3 | ลาลง | ລາລົງ | (恐らく「さようなら」という意味) |
※ 発音と声調番号については おかあつ日記:『ラオ語の方言の声調について』を参照
[3.2.1 モーラムの分類]に戻る
ラムタンワイ / ลำตังหวาย
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | lum tung wai | ลำตังหวาย | ລຳຕັງຫວາຍ | ラムタンワイ |
画像 | lum tung wai | ลำตังหวาย | ລຳຕັງຫວາຍ | ラムタンワイ |
動画 | lum tung wai | ลำตังหวาย | ລຳຕັງຫວາຍ | ラムタンワイ |
ウィキ | lum tung wai | ลำตังหวาย | ລຳຕັງຫວາຍ | ラムタンワイ |
ラムタンワイ・ลำตังหวาย - YouTube:
モンルディー氏のラムタンワイ・ลำตังหวาย โดย มลฤดี พรหมจักร - YouTube:
ある説によると、モン族の音楽の影響を受けたラムという。ある説によると、サワンナケット独自のラムとも聞く。タイ語・ラオ語・タイ語を通して説明が少ないので、実際に演奏する人に訊ねてみるより無い、と思われる。
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ラムプータイ / ลำภูไท
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | lum phuthai | ลำภูไท | ລຳພູໄທ | ラムプータイ |
画像 | lum phuthai | ลำภูไท | ລຳພູໄທ | ラムプータイ |
動画 | lum phuthai | ลำภูไท | ລຳພູໄທ | ラムプータイ |
ウィキ | lum phuthai | ลำภูไท | ລຳພູໄທ | ラムプータイ |
ラムプータイ・歌チャウィワン ลำภูไท แม่ฉวีวรรณ พันธุ - YouTube:
ラムプータイ・歌ヤイ・ナーヤーン ใหญ่ หน้ายาน ลำภูไท - YouTube:
ラムプータイ・歌い手不明 ลำภูไท สาวภูไทน้อยคอยแฟน - YouTube:
サコン風のラムプータイとあった
ラムプータイ・歌ジョニーオールセン ລຳພູໄທ ลำผู้ไท Jonny Olsen - YouTube:
ジョニー・オールセン氏は、西洋人のラム歌い・ケーン奏者として有名な人。型がはっきりしていてラムの違いが解りやすい。
ラムプータイとは、少数民族プータイ族の民族音楽だ。プータイ族は、タイのサコンナコン県周辺から、ラオスのサワンナケット県周辺にかけて住んでいると考えられている。
聴いてみるとわかるように、前述のラムコンサワン・ラムサラワン・ラムタンワイは、とても似ている。これらは元々近い場所で歌われているラムだ。 これらのラムは、もともとラムプータイの影響を受けているらしい。
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | Phuthai | ภูไท | ຜູໄທ | プータイ族 |
画像 | Phuthai | ภูไท | ຜູໄທ | プータイ族 |
動画 | Phuthai | ภูไท | ຜູໄທ | プータイ族 |
ウィキ | Phuthai | ภูไท | ຜູໄທ | プータイ族 |
実際、ラムの歌い手は、ラムプータイと言って、しばしばオリジナルのプータイの音楽を演奏する。 しかしラムプータイを歌うと言っても、歌詞はラオ語で歌われ、プータイ語で歌われる訳ではない。恐らくオリジナルのプータイ族の音楽とは趣がかなり異なる筈だ。
プータイ族は、どこから来たのだろうか。はっきりしたことはわかっていないらしい。 プータイ族は少数民族だが、タイで生活する中でよく見てみると、実は比較的どこにでも居る。筆者はウドンタニーに滞在する間に、プータイの人としばしば出会って話をした。ウドンタニーで仕事をしているプータイの人は、プータイ語だけでなく大抵タイ語もラオ語も話せるので、何も話さなければほとんど見分けが付かない。筆者がこれまでに出会ったウドンタニーのプータイ族の人達は大抵、隣のサコンナコン県から出稼ぎに来ている人達だった。
muriさんのプータイの話し
筆者は、上記のmuri氏が示した、プータイ語とバンコク語の発音変化表を見て、衝撃を受けた。筆者が、中国の雲南省で出会ったダイヤイ族(ミャンマーのシャン族)出身の人が教えてくれた、ダイヤイ語の発音変化と一致した為だ。ダイヤイ族は、政治的な理由によりミャンマーのシャン族と呼ばれているが、実際にはダイヤイと呼ばれるタイ族の一派で、タイ語と近い言葉を話す。ダイヤイ族の人は、ダイヤイ語という自分たちの言葉を話し、自分たちの文字も持っている。だが、ダイヤイ語は広く見るとタイ語の方言の一つで、大抵はタイ標準語も話すことが出来る。 筆者が、教えてもらった唯一のダイヤイ語のボキャブラリーは「ポメー」だった。意味は「オカマ」だ。最初に聞いた時「ポーメー(父母)」と何が違うのかわからず、しばし発音レッスンを受けた。それで解った事は、オカマのポーメーは、父母のポーメーより、大分舌の位置が喉の方に下がった発音ということだった。日本語にもタイ語標準語にも対応する発音が無い。だが、筆者はウドンタニーの奥地にいる中で、この発音を使う訛りを持った人が稀に居る事にも気付いていたので、気になっていた。 muri氏のサイトで、二重母音のウアとイヤが平坦になってエーに変わるという話を見て、筆者は、即座にこのダイヤイ語のオカマのポーメーの事を思い出した。これは恐らく、タイ語でプアミヤ(男女)という言葉が、このエー平滑化によって訛って、ポメーに変化したものではないか。だとすると、プータイ語のミヤがエー平滑化によってメーに変化したとすると、このメーは舌が喉のほうに下がったメーの筈だ。 この説が正しいとすると、プータイ族は、北部チェンマイ周辺から、山伝いに南下してきた民族という可能性が出てくる。確証は無いが。 この様に、発音変化を見ていると、大まかに民族の移動を感じることが出来るところがおもしろい。
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ラムプン / ลำพื้น
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | lam phuen | ลำพื้น | ລຳພື້ນ | ラムプン |
画像 | lam phuen | ลำพื้น | ລຳພື້ນ | ラムプン |
動画 | lam phuen | ลำพื้น | ລຳພື້ນ | ラムプン |
ウィキ | lam phuen | ลำพื้น | ລຳພື້ນ | ラムプン |
อ.หนุ่ม ภูไท ลายพิณลำพื้นโบราณ - YouTube:
ลำพื้นถวายพระพร - หมอลำจูมทอง - YouTube:
ลำพื้น ลำกกขาขาว ลำเรื่อง ลำซิ่ง - YouTube:
ラムプン 歌バーンイェンラッケーン ลำพื้นสะอื้นในอก - YouTube:
筆者は、ラムプンは、音の感じから言って、恐らくラムプータイの原型の一種なのではないかと考えているのだが、確証はない。ネットで色々と調べてみたが、はっきりした事はわからなかった。実際にサラワン県やサワンナケット県に行って、直接演奏者に訊ねてみるよりない。 ウィキによると、非常に演奏者が少なく消滅に瀕しているという。
筆者の個人的な感想だが、バーンイェンの演奏を聴いてすぐに、バーンイェンの名曲 「ニウトントーンプーバオ」 を思い出した。ニウトントーンプーバオは、モーラムだが、ラムの種別がはっきりしないと以前から思っていたのだが、これはひょっとしてこのラムプンの一種なのではないか、と思ったが確証はない。
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ラムシーパンドーン / ลำสีพันดอน
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | lum siphandon | ลำสีพันดอน | ລຳສີພັນດອນ | ラムシーパンドーン |
画像 | lum siphandon | ลำสีพันดอน | ລຳສີພັນດອນ | ラムシーパンドーン |
動画 | lum siphandon | ลำสีพันดอน | ລຳສີພັນດອນ | ラムシーパンドーン |
ウィキ | lum siphandon | ลำสีพันดอน | ລຳສີພັນດອນ | ラムシーパンドーン |
ムワイケンサムチェン ມວຍແກ້ງຊ້ຳແຈ້ງ - YouTube:
Buk-Tuh-Kee-Tah-Kup-Hin-Hae by Soemphong Pengphajun - YouTube:
ラムシーパンドーンのプレイリスト
ラオスの最南部・シーパンドーンでのみ歌われるラム。シーパンドーンとは「千の島」という意味で、ラオス最南部にあるメコン川の中にある島の事。東南アジア最後の秘境と言われ、バックパッカーに人気がある。
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | si phan don | สีพันดอน | ສີພັນດອນ | シーパンドーン |
画像 | si phan don | สีพันดอน | ສີພັນດອນ | シーパンドーン |
動画 | si phan don | สีพันดอน | ສີພັນດອນ | シーパンドーン |
ウィキ | si phan don | สีพันดอน | ສີພັນດອນ | シーパンドーン |
筆者は、縁有って、この地域に行って実際にこの演奏者達と数週間一緒に過ごした事があり、人生を変える大きな衝撃を受けた。村全体がひとつの劇団の様な村に住んでおり、村人全員がDJだったり司会者だったり歌手だったりする凄い村だった。
演奏は、大抵座って行うらしい。男性と女性が罵り合う様な内容の歌詞を歌う。歌詞には定番のスタンダードがあり、決まった物を歌う場合と、即興で歌う場合とあるらしい。
リズムは、他の地域のどのラムとも異なるという所が非常に興味深い。基本的に8ビートに近い基本リズムの上で、3連符系のライミング†1を行い、独特な節がある。奥行きがあり非常に複雑。
※ ラムシーパンドーンの事をラムシータンドーンと呼ぶ人が居るらしい。現在、正しくはシーパンドーンだが、かつてこの地方に ph を th に変化させる訛りがあったのか、他の地域に伝わる間に訛ったか、あるいは単に外国人の研究者が発音を間違えて本に書き記したか、シータンドーンと書かれている資料も多く、シータンドーンと検索しても相当数の検索結果がある。詳細不明。
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | Lam Sithandone | ลำสีทันดร | ລຳສີທັນດອນ | ラムシータンドーン |
画像 | Lam Sithandone | ลำสีทันดร | ລຳສີທັນດອນ | ラムシータンドーン |
動画 | Lam Sithandone | ลำสีทันดร | ລຳສີທັນດອນ | ラムシータンドーン |
ウィキ | Lam Sithandone | ลำสีทันดร | ລຳສີທັນດອນ | ラムシータンドーン |
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リケー / ลิเก
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | likay | ลิเก | ລິເກ | リケー |
画像 | likay | ลิเก | ລິເກ | リケー |
動画 | likay | ลิเก | ລິເກ | リケー |
ウィキ | likay | ลิเก | ລິເກ | リケー |
「プラエーク」のリケー พระเอกลิเก กุ้งสุธิราช วงศ์เทวัญ - YouTube:
ศรราม น้ำเพชร เรื่อง พ่อผู้เสียสละ 2 - YouTube:
リケーは、ラオの民族音楽=ラムではなく、マレーから伝わる舞台芸術の一つだ。タイには、このリケーの影響を強く受けたラムがあるので、ここで紹介したい。
筆者は、筆者が思う、しばしばラオの新喜劇で引き合いに出される典型的なリケーをピックアップしてみたのだが、ひょっとしたら筆者が思うリケーは、ラムの影響を受けたラム的なリケーなのかも知れない。詳細不明。
[3.2.1 モーラムの分類]に戻る
潮劇 / งิ่ว
英語 | タイ語 | ラオ語 | 中国語(簡) | 中国語(旧) | 潮州(簡) | 潮州(旧) | |
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検索 | jingju | งิ่ว | ງິວ | 京剧 | 京劇 | 潮劇 | 潮剧 |
潮劇(潮州の京劇)は、ラムではない。だがラムには、潮劇の強い影響を受けた物が多くあるので、ここで見てみたい。
ยอดรัก สลักใจ - ขอบคุณแฟนเพลง - YouTube:
潮剧 五福连-仙姬送子 - YouTube:
潮剧Z 十仙庆寿C京城会(小梅花版) - YouTube:
潮剧《苏六娘》选段(一) - YouTube:
恐らく日本人にとって「京劇」といえば、北京の文化と思われるかも知れないが、潮州の京劇・潮劇と京劇は別物と考えるべきだ。 タイのラオ文化が影響を受けているのは、飽くまでも潮州劇であって京劇ではない。潮州は、中国の中で異質な存在ではないか、と筆者は思う。文化も言葉も他の地域と大幅に違う。この違いをはっきり意識する事は、中国の文化を学ぶ上で大切なことではないか。ラオの潮州劇の影響に関しては後述。
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モーラムコーン / หมอลำกลอน
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | mor lam kon | หมอลำกลอน | ໝໍລຳກອນ | モーラムコーン |
画像 | mor lam kon | หมอลำกลอน | ໝໍລຳກອນ | モーラムコーン |
動画 | mor lam kon | หมอลำกลอน | ໝໍລຳກອນ | モーラムコーン |
ウィキ | mor lam kon | หมอลำกลอน | ໝໍລຳກອນ | モーラムコーン |
ビエンチャンのラムコーン ลำกลอน ศรีโคตรสาปเวียงจันทร์ - สุพจน์ ดาวเด่น โดย ฅนภูไท - YouTube:
ウボンラチャタニーのラムコーン หมอลำกลอนอุบล - YouTube:
モーラムコーンと言った場合、いくつか意味があるらしく、はっきりしない。一つは詩を使うラムのことらしい。「コーン(クローン)」と言うのは詩を意味する。一定の形式の詩を使うラムの事をラムコーンと呼ぶらしい。 「ラムローン・コーン」「ラムコーン・タンサン」というように、ある形式のラム+コーンという呼び方をすることもある。恐らく歌詞の内容と関係しているのではないか。 またもうひとつの意味は、いくつかの種類のラムを組み合わせる独特の形式のラムの事をラムコーンと呼ぶらしい。 ウィキペディア英語版には、男女の掛け合いの形式のラムでラムタンサン・ラムターンヤーオ・ラムトゥーイの三部で構成されるラムとあった。 実は、筆者はラムコーンという言葉を知らなかったのだが、YouTubeでラムコーンを聴いて、それが実は非常によく演奏されるラムである事に気付いた。これを聴いてハッと思いだして、シヤンイサーンの11弾を聞きなおしてみたら、同じラムが演奏されていたばかりでなく、歌手が出てくる時「モーラムコーンが来ました!」と自己申告までしていた。 ここで演奏されるラムコーンは、後者の複数のラムを組み合わせるラムコーンだった。 更なる調査が必要。
ลำกลอนประยุกต์ ใจสั่งมันส์ clip1 - YouTube:
プラユットのラムコーンのプレイリスト
ここで演奏されるラムは、ほとんどがラムトゥーイだった。
ลำกลอน สมพงษ์ มาพร นันทนา แก้วเสด็จ - YouTube:
ラオスではラムタットとも言うらしい。
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | Lam tat | ลำตัด | ລຳຕັດ | ラムタット |
画像 | Lam tat | ลำตัด | ລຳຕັດ | ラムタット |
動画 | Lam tat | ลำตัด | ລຳຕັດ | ラムタット |
ウィキ | Lam tat | ลำตัด | ລຳຕັດ | ラムタット |
ラムタットとしてひとつだけビデオがアップロードされていた。
LAMTATh ລຳຕັດ DengDuangDeune - YouTube:
※ 但し ลำตัด - Wikipedia によると、ラムタットは、マレーから来た技法だ、ともある。はっきりしたことは不明。 前述のウィキに色々書いてあるが、筆者の読解力では意味不明。
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ラムタンサン / ลำทางสั้น
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | lam tang san | ลำทางสั้น | ລຳ ທາງ ສັ້ນ | ラムタンサン |
画像 | lam tang san | ลำทางสั้น | ລຳ ທາງ ສັ້ນ | ラムタンサン |
動画 | lam tang san | ลำทางสั้น | ລຳ ທາງ ສັ້ນ | ラムタンサン |
ウィキ | lam tang san | ลำทางสั้น | ລຳ ທາງ ສັ້ນ | ラムタンサン |
短いラムという意味。 恐らく、この「チャンチャカチャンチャカ」というケーンが短く音を切って演奏することを示しているのではないか。 ※ 筆者はラムタンサンを知る前に、ラムシーパンドーンと出会ったので、気付かなかったのだが、ラムシーパンドーンの8ビートの伴奏そのものがラムタンサンなのかも知れない。
ลำล่องยาวปราถนาหาทางสวรรค์ เคน ดาเหลา - YouTube:
ラムローンヤーオと書いてあるが、コメントによるとこれは間違いで、本当はラムタンサンらしい。
ลำกลอนทางสั้น -บานเย็น รากแก่น - YouTube:
バーンイェンのラムタンサン。
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ラムターンヤーオ / ลำทางยาว
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | lam tang nyao | ลำทางยาว | ລຳທາງຍາວ | ラムターンヤーオ |
画像 | lam tang nyao | ลำทางยาว | ລຳທາງຍາວ | ラムターンヤーオ |
動画 | lam tang nyao | ลำทางยาว | ລຳທາງຍາວ | ラムターンヤーオ |
ウィキ | lam tang nyao | ลำทางยาว | ລຳທາງຍາວ | ラムターンヤーオ |
長いラムという意味。ラムヤーオは、ラムローンと同じだが、恐らくラムローンと言った場合それはラムのジャンルの名前で、ラムヤーオと言った場合は、この伴奏の方法の事を指すのだと思われるが定かではない。 筆者は、この他に「ラムノイ(小さいラム)」「ラムヤイ(大きいラム)」という言葉も聞いたことがある。これは伴奏の形式の事だと聞くが、ラムヤーオ(長いラム)とラムサン(短いラム)との関連がわからない。更なる勉強が必要。
ラムローンのล่อง は、恐らくラオ語(イサーン語)で、タイ語でร้องの事ではないか、と筆者は考えている。 タイ語で低子音+第一声調記号は、第五声調で、低子音+第二声調記号は第三声調だ。 イサーン語やラオ語では、低子音+第一声調記号は第二声調で、低子音+第二声調記号は、第五声調だ。恐らくラオ語(イサーン語)の発音を、無理矢理にタイ語の発音規則で正しく書き表す為に、低子音+第一声調記号に換えたのではないか。なお大抵の場合、タイ語の方言の間ではスペルは共通で、読み方だけが違う場合が多い。例えば、ラオ語の標準記法では、ร้องをລ່ອງと書くわけではなく、タイ語と同じように ຮ້ອງと綴り、タイ語のล่องと同様に ro:ng5 (lo:ng5) と発音する。
声調番号についてはおかあつ日記 『ラオ語の方言の声調について』を参照。
014ลำยาวล่องโขง ราตรี ศรีวิไล - YouTube:
恐らくケーンを吹いているのは、ジョニーオールセン氏。
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ラムパニャー / ผะหยา
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | lam panya | ผะหยา | ຜະຫຍາ | ラムパニャー |
画像 | lam panya | ผะหยา | ຜະຫຍາ | ラムパニャー |
動画 | lam panya | ผะหยา | ຜະຫຍາ | ラムパニャー |
ウィキ | lam panya | ผะหยา | ຜະຫຍາ | ラムパニャー |
パニャーはผหยา ผะหญา ผญ๋า とも綴るらしい。 wisdom(賢者・知恵) などを意味するらしい。
参照 パニャー -イサーンゲート(タイ語) ผญา
รำผหยาเซิ้งดอนตาล เพลงลาว - YouTube:
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ラムチョートケー / ลำโจทย์แก้
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | lam chotkae | ลำโจทย์แก้ | ລຳໂຈດແກ້ | ラムチョートケー |
画像 | lam chotkae | ลำโจทย์แก้ | ລຳໂຈດແກ້ | ラムチョートケー |
動画 | lam chotkae | ลำโจทย์แก้ | ລຳໂຈດແກ້ | ラムチョートケー |
ウィキ | lam chotkae | ลำโจทย์แก้ | ລຳໂຈດແກ້ | ラムチョートケー |
ウィキによると以前コンケンで有名だったスタイルらしい。詳細不明。
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ラムムー / หมอลำหมู่
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | mor lam mu | หมอลำหมู่ | ໝໍລຳໝູ່ | ラムムー |
画像 | mor lam mu | หมอลำหมู่ | ໝໍລຳໝູ່ | ラムムー |
動画 | mor lam mu | หมอลำหมู่ | ໝໍລຳໝູ່ | ラムムー |
ウィキ | mor lam mu | หมอลำหมู่ | ໝໍລຳໝູ່ | ラムムー |
リケーの影響を受けたラムらしい。詳細不明。
หมอลำหมู่ - YouTube:
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ラムピーファー / ลำผีฟ้า
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | lum phii faa | ลำผีฟ้า | ລຳຜີຟ້າ | ラムピーファー |
画像 | lum phii faa | ลำผีฟ้า | ລຳຜີຟ້າ | ラムピーファー |
動画 | lum phii faa | ลำผีฟ้า | ລຳຜີຟ້າ | ラムピーファー |
ウィキ | lum phii faa | ลำผีฟ้า | ລຳຜີຟ້າ | ラムピーファー |
ラムピーファーは、恐らくラムの種類ではなく、儀式として演奏するラムの事。 ウィキによると音楽的には、ラムターンヤーオと同じという。
ลำผีฟ้า - YouTube:
ピーファーとはラオ/タイに居るお化けの事。
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | phii faa | ผีฟ้า | ຜີຟ້າ | ピーファー |
画像 | phii faa | ผีฟ้า | ຜີຟ້າ | ピーファー |
動画 | phii faa | ผีฟ้า | ຜີຟ້າ | ピーファー |
ウィキ | phii faa | ผีฟ้า | ຜີຟ້າ | ピーファー |
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ポンラン / โปงลาง
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | pong lang | โปงลาง | ໂປງລາງ | ポンラン |
画像 | pong lang | โปงลาง | ໂປງລາງ | ポンラン |
動画 | pong lang | โปงลาง | ໂປງລາງ | ポンラン |
ウィキ | pong lang | โปงลาง | ໂປງລາງ | ポンラン |
ポンランは、ラムの分類のことではない。ポンランは、ラムの中で重要な楽団の種類で、ポンランと呼ばれる大きな木琴を中心にした楽団の事。 筆者が効く限りだがラムプンのスタンダード曲を演奏するらしいが、はっきりしない。
โปงลาง ดนตรีอีสาน ponglang - YouTube:
マハサラカム大学の学生の演奏 วงโปงลางศิลป์อิสาน - YouTube:
[3.2.1 モーラムの分類]に戻る
3.2.2 モーラムの主な曲・主な歌手
[3.2 ラオ・東北タイの音楽・モーラム]に戻る
パーコーヤイ / ปลาข่อใหญ่
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | paa khor yai | ปลาข่อใหญ่ | ນິທານກ້ອມ | パーコーヤイ |
画像 | paa khor yai | ปลาข่อใหญ่ | ນິທານກ້ອມ | パーコーヤイ |
動画 | paa khor yai | ปลาข่อใหญ่ | ນິທານກ້ອມ | パーコーヤイ |
ウィキ | paa khor yai | ปลาข่อใหญ่ | ນິທານກ້ອມ | パーコーヤイ |
モーラムの中でも特に有名な曲。カラオケ大会などがあると一晩に二〇回も三〇回も歌われる。ラオスやタイの国境地帯では、前述のシヤンサワンが歌うパーコーヤイが特に有名。パーコーヤイと言えばシヤンサワン、シヤンサワンと言えばパーコーヤイと言うほどに知られている。
パーコーヤイ 歌シヤンサワン ปลาคอใหญ่ เพลงลาว vcd02 - YouTube:
パーコーヤイ 歌シヤンサワン - YouTube:
パーコーヤイ 歌 アンカナー・モンコン with シヤンサワン - YouTube:
[3.2.2 モーラムの主な曲・主な歌手]に戻る
ニターンコム / นิทานก้อม
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | nithaankoom | นิทานก้อม | ນິທານກ້ອມ | ニターンコム |
画像 | nithaankoom | นิทานก้อม | ນິທານກ້ອມ | ニターンコム |
動画 | nithaankoom | นิทานก้อม | ນິທານກ້ອມ | ニターンコム |
ウィキ | nithaankoom | นิทานก้อม | ນິທານກ້ອມ | ニターンコム |
ニターンコムとはラオの口頭伝承の事だ。大変数多くの伝承が残っており興味深いが、口頭伝承であるだけにほとんどが完全な口コミだけで伝わっており、文章に残っておらず、外人には触れる機会が少ない。だが近年、この口頭伝承を素材に喜劇VCDを作られており、外人でも口頭伝承に触れる機会が得られるようになった。
数多くのニターンコームのVCDの中でもVCDレーベル・シーコンソーの作るニターンコームが特に秀逸だ。
ラオの昔話・水牛の背中でおならをした少女 - YouTube:
水牛の背中でおならをすると病気になって死んでしまうと嘘をついたおじいさん。 驚く少女。治す方法はないの?と尋ねる少女に、オジサンは治す方法を知ってるんだぜ…と。嘘を突いたおじいさんに、おじいさんが予期しなかった不幸が訪れる。
ニターンコーム นิทานก้อม ชุดที่ 1 โดย สุรสีห์ ผาธรรม - YouTube:
筆者はこの版のニターンコームがどのレーベルから発売されているのか知らない。売られているのも一度も見たことがない。ネット上では有名。スタイルはこちらのほうが古い感じがあるが、シーコンソーより少しラオ語がむずかしい。この話の内容は、ラオ語がわからないと絶対にオチが理解出来無い。そのオチの解説は、別稿として改めたいと思う。
ニターンコーム - YouTube:
YouTubeにアップロードされていたインディーズのニターンコーム。恐らく発売されている版ではない。話は上記のニターンコームと同じ事がわかるであろうか。タイ語度の混成度が高いイサーン語。
ニターンコーム 盗み花 - YouTube:
VCDレーベル・シーコンソーのニターンコムは、全部で12弾以上あり、最終的に全ての口頭伝承を語り尽くしてしまったらしい。近年はオリジナル創作昔話を作っており、それもまた非常に面白い。上記の「盗み花」は、そんな創作昔話のひとつだ。
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シヤンミヤン / เซียงเมี่ยง
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | siang miyang | เซียงเมี่ยง | ຊຽງໝ້ຽງ | シヤンミヤン |
画像 | siang miyang | เซียงเมี่ยง | ຊຽງໝ້ຽງ | シヤンミヤン |
動画 | siang miyang | เซียงเมี่ยง | ຊຽງໝ້ຽງ | シヤンミヤン |
ウィキ | siang miyang | เซียงเมี่ยง | ຊຽງໝ້ຽງ | シヤンミヤン |
シヤンミヤンは、上記のラオ昔話・ニターンコームの中の有名なシリーズだ。 賢い少年の話。ラオ版の一休さんの様な話。 上記のシーコンソーから多くのVCDが発売されている。
シヤンミヤン - YouTube:
シヤンミヤンのウソツキ - YouTube:
เซียงเมี่ยง ชุดที่2 ตอน หัวล้านชนกัน โดย สี คันโซ่ - YouTube:
シヤンミヤンの美味しくなる薬 - YouTube:
ラオ(やタイの人)は、賢いの定義が日本人と違う。日本人は知識が多いことや理論的な人を賢いと言う。だがラオ(やタイの人)は、その様な人を頭が悪い人と呼ぶ。ラオ(やタイの人)は、機転の効いた嘘や冗談で状況を素早く切り返す人を頭の良い人と見做す。上記の「シヤンミヤンのウソツキ」は、口には自身のある中年女性が、シヤンミヤンの口が上手いという話を聞きつけて挑戦したところ、シヤンミヤンに見事に嘘を切り返されて失敗する話だが、こういう価値観の違いがわからないと、ストーリーの意味が理解出来無い。
筆者には、こういうタイと日本の民族性の違いが、第二次世界大戦時に日本政府が取った行動と、タイ政府が取った行動の違いと重なって見えるのだが、読者の皆様はいかがお考えか。
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シーコンソー / สี คันโซ่
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | Sie Kunzo | สี คันโซ่ | ສີຄັນໂຊ່ | シーコンソー |
画像 | Sie Kunzo | สี คันโซ่ | ສີຄັນໂຊ່ | シーコンソー |
動画 | Sie Kunzo | สี คันโซ่ | ສີຄັນໂຊ່ | シーコンソー |
ウィキ | Sie Kunzo | สี คันโซ่ | ສີຄັນໂຊ່ | シーコンソー |
人気のあるニターンコームのVCDを発売している事でよく知られたVCDレーベル。ニターンコームだけでなく様々な歌手をプロモートもしている。
シーコンソーのFacebook アカウント
シーコンソーのYouTube アカウント
シーコンソーの作ったラオ口頭伝承VCD=ニターンコームが無料で視聴できる。
シーコンソー公式ウェブサイト
子供が滑り落ちる恐れ - YouTube:
お茶目なオジサン - YouTube:
変なオジサン - YouTube:
草競馬(18禁) - YouTube:
キノコ採り - YouTube:
婿と舅シリーズ - YouTube:
お坊さん念力を学ぶ - YouTube:
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バンラン シヤンラカントーン / บันลังก์ เสียงระฆังทอง
往年の名ラム歌手。近年シーコンソーが録音してVCDとして発売されており、力の抜けきった究極の名人技が聴ける。
ลำล่อง สองตายาย ลำโดย บันลังก์ เสียงระฆังทอง - YouTube:
最近のシヤンラカントーン - YouTube:
シヤンラカントーン氏は2010年に84歳とあったので、恐らく1926年生まれだ。
シヤンラカントーン/村人の暮らし・วีถีไทบ้านตอน1 ..ของสี คันโซ่ /ลำโดย บันลังก์ เสียงระฆังทอง - YouTube:
ลำเต้ย ชุดติดไม้ติดมือ ลำโดย บันลังก์เสียงระฆังทอง โดย สี คันโซ่ - YouTube:
ลำล่องยาว ผู้เฒ่าเลี้ยงหลาน ชุด ติดไม้ติดมือ โดยสี คันโซ่ - YouTube:
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チャウィワン・ダムヌーン / ฉวีวรรณ ดําเนิน
恐らくタイとラオで最もよく知られたラム歌い手。特に、この農民の人生は、非常によく知られた演奏で、タイ東北の新喜劇「シヤンイサーン」でパロディーとして出てくる程に有名。
チャウィワン・カムヌーン/農民の人生 ฉวีวรรณ ดำเนิน - ชีวิตชาวนา - YouTube:
ラムプータイ・歌チャウィワン ลำภูไท แม่ฉวีวรรณ พันธุ - YouTube:
最近のチャウィワン・カムヌーン by ムリさん録画 - YouTube:
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アンカナン クンシャーイ / อังคนางค์ คุณไชย
ウボン出身の名ラム歌手。 筆者は、かつてユーチューブ上でアンカナーンのラムローンやラムトゥーイなど、純粋なラムを歌っている録音を大量に見たことがあるのだが、それらは現在では削除されてしまい見ることが出来無い様だ。 筆者はこれまでにアンカナーンがラムを歌っている場面しか見たことがなかったのだが、アンカナーンは過去にバンコクでルークトゥンモーラム歌手として活動していた時期があるらしく、2013年現在ユーチューブにこれらの過去の録音がアップされている。これらも秀逸だ。これらは恐らく70〜80年代の録音らしく、ルークトゥンや当時の西洋音楽の影響が見られる。ここでは、ユーチューブにアップされている出来るだけルークトゥンの影響の少ない純粋なラムを選んでみた。
アンカナンのラムプータイ - YouTube:
ประวัติอังคนางค์ คุณไชย - YouTube:
タイのテレビでアンカナンの紹介されているもの - YouTube:
アンカナンのラムヤーオ - YouTube:
アンカナーンのラム - YouTube:
อังคนางค์ คุณไชย ลำอวยพร - YouTube:
ラムプータイルアン ลำภูไทเรื่องดาวลูกไก่ อังคนางค์ - YouTube:
ตำนานทุ่งกุลา - YouTube:
アンカナーンのラムタンワイ - YouTube:
アンカナーンのラムプータイ - YouTube:
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シヤン サワン / เซียงสะหวัน
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | siang sawan | เซียงสะหวัน | ຊຽງສະຫວັນ | シヤン サワン |
画像 | siang sawan | เซียงสะหวัน | ຊຽງສະຫວັນ | シヤン サワン |
動画 | siang sawan | เซียงสะหวัน | ຊຽງສະຫວັນ | シヤン サワン |
ウィキ | siang sawan | เซียงสะหวัน | ຊຽງສະຫວັນ | シヤン サワン |
シヤンサワンは、ラオス南部・ノンカイ・ウドンタニー・ウボンラチャタニーなどでよく知られた歌手。 このシヤンサワンが歌うパーコーヤイは特に有名で、パーコーヤイと言えばシヤンサワン、シヤンサワンと言えばパーコーヤイと言うほどに知られている。決してテクニカルな歌い手ではないが、独特な濃厚な雰囲気はシヤンサワンならでは。シヤンサワン独特のガラガラ声で威勢よく高い声でサビに突入する様は、ラオの音楽の良さが詰まっていて爽快だ。
パーコーヤイ 歌シヤンサワン ปลาคอใหญ่ เพลงลาว vcd02 - YouTube:
パーコーヤイ 歌シヤンサワン - YouTube:
シヤンサワンのラムトゥーイ ลำเต้ย-เชียงสะหวัน - YouTube:
ラムサラワン・歌シヤンサワン師匠 - YouTube:
シヤンサワン師匠のラムコンサワン ลำคอนสะหวัน-เชียงสะหวัน - YouTube:
シヤンサワンのラムシーパンドーン - YouTube:
シヤンサワンのラムプータイ - YouTube:
シヤンサワンのラムマハーサイ - YouTube:
以前はタイでもVCDを録音していたらしい。
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ジョニー オールセン / จอนนี แคนลาว
ラオスで活動するアメリカ人のケーン演奏者・ラム歌手。タイでテレビに出たこともあり、タイの有名ラオ系コメディーバンド・ポンランサオーンの第3弾でゲスト出演している。
Lum Tang Vai ລໍາຕັ່ງຫວາຍ Lao Song Khaen by Jonny Olsen - YouTube:
余談だが筆者は上記の演奏を見て衝撃を受けた。ケーンの演奏ばかりでなく、ラオ語の発音が非常に良い。
ジョニーオールセンのラムトゥーイ 「生まれる場所を間違えたガイジン」 - YouTube:
ジョニーオールセンのラムプータイ - YouTube:
ジョニーオールセンのラムサラワン - YouTube:
ジョニーオールセン・ラオの寺にて - YouTube:
ジョニーオールセンとラットリーシウィライのラムコーン - YouTube:
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バーンイェン ラッケーン / บานเย็น รากแก่น
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モンルディー・プロムマチャック / มลฤดี พรหมจักร
ตังหวายเทิดไท้นฤบดี - มลฤดี พรหมจักร - YouTube:
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ソムバット・シムラー / สมบัติ สิมหล้า
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3.3 ルークトゥン・モーラム
これまでにルークトゥンとモーラムを見てきた。 恐らくタイにやってきた日本人など外人がテレビや街中で耳にする「モーラム」は、これまで見てきたルークトゥンとモーラムを混ぜあわせた物だと思われる。恐らく、いわゆる「ルークトゥン」という音楽は、タイに住むタイの各民族の統合の象徴として、近代的な西洋音楽をベースに色々な民族音楽を混ぜあわせて作られたものではないだろうか。前述の通り、タイに住む民族の中で最も人口が多いのはラオ民族だ。必然的に、ルークトゥンに混ぜられる音楽の比率もラオの民族音楽であるモーラム(ラム)の比率が高くなる。こうしてルークトゥンに混ざるモーラムの比率が高くなり過ぎて、ルークトゥンといえばモーラムの代名詞という、現在の状況が生まれたのではないだろうか。本質的に、ルークトゥンはモーラムとは別な音楽だ。
では、どこからがモーラムでどこからがルークトゥンモーラムなのか。筆者は、次のようなガイドラインを考えてみた。
- | ルークトゥンモーラム | モーラム |
---|---|---|
商業形態 | バンコクの大規模コマーシャリズムに乗っている | 村中の冠婚葬祭で演奏される |
楽器 | 様々な電気楽器・サックス等の西洋楽器・シンセサイザー | 完全アコースティックか、利用してもエレキベース程度 |
言語 | タイ語とラオ語の混成 | 100%ラオ語/ラオ語イサーン方言 |
ガイドラインを定めても、実際には境界的な例が非常に多い。それは、意図的に境界をぼかしているからではないか。ラオとタイの境目を明らかにする事は、差別問題や民族闘争の根源であり、タブーだ。敢えて意図的にごまかしたり曖昧にしたりして表現される事が多いのではないか、と筆者には思える。よって100%モーラムでも意図的にルークトゥンと呼んだり、もうほとんど100%モーラムでも敢えてタイ語で歌ったり、申し訳程度に南部の音楽を取り入れたりして、その境目をカモフラージュするのではないだろうか。
失われつつある古い文化を惜しむ向きもあるが、複数の音楽が混ぜられたり、電子楽器が利用されたり、タイ語で歌われたりしても、音楽の根幹は揺るがないラオの伝統音楽=モーラムが一貫して流れていると感じるのは、筆者だけか。 同時に中央音楽伝統芸能としてのルークトゥンとは一線を画して決して交わらない点も見逃すべきでない。
目次
[3 モーラムとルークトゥンの違い]に戻る
シヤン・イサーン / เสียงอิสาน
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | Siang Isaan | เสียงอิสาน | ສຽງອີສານ | シヤン・イサーン |
画像 | Siang Isaan | เสียงอิสาน | ສຽງອີສານ | シヤン・イサーン |
動画 | Siang Isaan | เสียงอิสาน | ສຽງອີສານ | シヤン・イサーン |
ウィキ | Siang Isaan | เสียงอิสาน | ສຽງອີສານ | シヤン・イサーン |
タイ東北部(バンコク以外)で絶大な人気を誇る新喜劇。タイ東北発の様々な芸能文化の中でも一頭抜きん出て極めて著名。タイ全国的に広く知られている。劇中の8割はイサーン語(ラオ語の方言)を話し、ラオス人でも難なく理解出来る。ラオス国内でも極めてよく知られている。 特にシヤンイサーンは、バンコクのトップライン・ダイヤモンド社(トップライダイモン)に所属し、定期的に全国区でアルバムを発売している。ウィットに富んだ毒舌の強いスピード感のある会話が持ち味。ネタは、ラオの民話・ラオ・イサーンの往年の名歌手・等々のパロディーなどが多い。 シヤンイサーンからスピンアウトして全国区で有名になった歌手も居る。
シヤンイサーンの近年のビデオ(ノンカイ公演?) - YouTube:
シヤンイサーンのビデオはYouTubeにアップロードしてもすぐに削除されるので、各自探す事。 シヤンイサーンのビデオは、全部で20数本出ている。一桁台の頃の方が勢いがあって面白いと言われている。
シヤンイサーンのビデオを検索する
シヤンイサーンファンクラブ
公式サイト
恐らくだが、シヤンイサーンは、この様なラオ系新喜劇の先駆けではないか。 元々ラオの音楽は座って演奏する事が多いらしい。演奏する場所も「ござ」の上の場合が多い。そして、このござの事を(ウェー=舞台)という言葉で呼ぶ。 座って演奏するラオの民族音楽が現在の様な高台の舞台に立って演奏するようになったのは、潮州喜劇(潮劇)の影響ではないか、と筆者は想像しているが定かではない。だが、シヤンイサーンの第四弾などで、この潮州喜劇のパロディーが出てくる点などを見ると、そういう印象を与えると感じるのは、筆者だけか。
また同時に、この様な舞台に立って劇を演じたり演奏したりするのは、リケーの影響でもあるのではないだろうか。シヤンイサーンでも稀にリケーのパロディーが出てくるが、それはリケーの影響に依るものではないだろうか。また、後述のチュルムポーンマラカムが演じる劇は、大抵リケーと同じようなステージ衣装に身を包んだ上で演じられる。
シヤンイサーンは、村々町々を巡業するコメディー舞台だけではなく、トップラインダイヤモンド社からしばしばコメディーソングを発売している。 次のビデオは、非常に著名なシヤンイサーン発のコメディーソング。2008年頃のヒット曲。
大学の星 ดาวมหาลัย - สาวมาด เมกะแดนซ์ - YouTube:
後半の歌詞が、軽快な語呂合わせのギャグになっているところがミソ。
話者 | イサーン語 | 発音 | 日本語 |
---|---|---|---|
娘 | แม่ไม่เซนซิทีฟ | mae2 mai5 sen5 si8 thi:p6 | お母さんは、センシティブじゃない(外来語+タイ語) |
母 | มีแต่กูสิถีบมึง | mii5 tae1 ku1 si8 thi:p6 meung5 | オラがオメェを蹴るしかない (田舎語+田舎語) |
[3.3 ルークトゥン・モーラム]に戻る
ポイファイ・マーライポン / ปอยฝ้าย มาลัยพร
ポイファイは、前述シヤンイサーンのコメディアンだ。しばしばトップラインダイヤモンド社からルークトゥン・コメディーソングを発表し、人気がある。
マントントーン(『そら迎え酒やろ』)・歌ポイファイ - YouTube:
恐らくポイファイが歌った曲の中でもっとも広く知られた曲はこの曲だ。モーラムのことはほとんど知らないバンコクの人も、ポイファイの名前は知らなくても、この曲は必ず知っている。
マクレーオクラップ(『オラ好みです』) - YouTube:
マク(好き)はラオ語、レーオ(〜した)はタイラオ共通、クラップ(です)はタイ語の、タイ語とラオ語の両方が混ざった典型的なイサーン語。
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トップライン・ダイヤモンド / ท็อปไลน์ ไดมอนด์
全国区でルークトゥンモーラムをリリースしている興行会社。設立は1989年(仏歴2532年)で、ミュージックライン社からのれん分けする形で設立された、とウィキペディアには書いてあるが定かではない。
トップラインダイヤモンド公式ホームページ
余談だが、正式な名前は「トップラインダイヤモンド社」で、タイ語で「ボーリサット・トップライダイモン」だ。多少長いが、タイ語では劇中しばしば口上で何度も連呼されることもあり、通常は略さずにフルネームで呼ばれるが、何故か日本語では「トップライン社」と略して呼ばれる。
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マイタイ・チャイタワン / ไหมไทย ใจตะวัน
บ่มีสิทธิ์เหนื่อย - ไหมไทย ใจตะวัน - YouTube:
いつになったらあえるの ยามใด๋สิได้กอด : ไหมไทย ใจตะวัน - YouTube:
非常に有名なタイ東北出身のルークトゥン歌手。 筆者は、シヤンイサーン出身・トップラインダイヤモンド社所属の歌手だと思っていたのだが、現在はグラミー社に所属しているらしい。
ไหมไทยมายามเสียงอิสาน4 - YouTube:
このビデオはイヤンイサーン所属時のビデオらしい。ここにこの様なコメントが残されていた。
รู้จักเสียงอีสานเพราะชอบเสียงลำและลีลาการแสดงของไหมไทย ไหมไทยจากเสียงอีสานไปก็คงเพื่ออนาคตไม่ว่ากัน แต่เราชอบไหมไทยตรงที่ไหมไทยอยู่เสียงอีสานมากกว่า ตามความรู้สึกเราในเสียงอีสาน ณ.เวลานี้ไม่มีใครแทนที่นายได้ ไม่นึกไม่ฝันว่าจะได้เห็นนายยืนอยู่บนเวทีเสียงอีสานอีกครั้งหนึ่ง ขอบคุณนายมากที่กลับมาทำให้เราคิดถึงเสียงอีสานอันโด่งดังในอดีตอีกครั้ง สำหรับเราเสียงอีสานคือไหมไทย ไหมไทยคือเสียงอีสาน...ขอบคุณ恐らく近年(2012年?)にトップラインダイヤモンド・シヤンイサーンを離れて、グラミー社に移籍したのだろうか。 ウィキに依ると、2006年にシヤンイサーンからグラミーゴールドに移籍したとあった。 またマイタイカントリー社と同時所属とも書いてあったが、詳細不明。
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チュルムポン・マラカム / เฉลิมพล มาลาคำ
トップラインダイヤモンド社所属のルークトゥン歌手。音楽はモーラム〜ルークトゥンだが、チュルンポンマラカムというと、筆者の個人的な印象としては、きらびやかなリケーの衣装に身を包んだステージが思い出される。恐らくだが、チュルンポンマラカムは、リケーの影響が強いモーラム歌手ではないか。その分別が判別できない筆者は、更なる勉強が必要である。
ตามใจแม่เถิดน้อง เฉลิมพล มาลาคำ - YouTube:
เฉลิมพล มาลาคำ หมอลำ คอนเสิร์ต 3 - YouTube:
สะอื้นอวยพร - เฉลิมพล มาลาคำ - YouTube:
ต่อแขนต่อขา - เฉลิมพล มาลาคำ - YouTube:
ラムローンのステージ(3本・全3時間)
飯が不味くて母殺し 1 เฉลิมพล มาลาคำ ก่องข้าวน้อยฆ่าแม่ 1/3 - YouTube:
飯が不味くて母殺し 2 เฉลิมพล มาลาคำ ก่องข้าวน้อยฆ่าแม่ 2/3 - YouTube:
飯が不味くて母殺し 3 เฉลิมพล มาลาคำ ก่องข้าวน้อยฆ่าแม่ 3/3 - YouTube:
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インヨン・ヨートブアガーム / ยิ่งยง ยอดบัวงาม
タイ東北地方・シーサケット出身のルークトゥン歌手。1962年(仏歴2505年) 生まれ。
ラオ語のスペルが不明。ラオ語で検索しても全く結果がない。タイでは非常に有名だが、ラオスではほとんど知られていないらしい。
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クライソン・ルアンシー / ไกรศร เรืองศรี
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モンケーン・ケンクーン / มนต์แคน แก่นคูณ
非常に有名な歌手だが、筆者は詳しいことを知らない。 更なる勉強が必要。
วาเลนไทน์ CD3 [เต็มแผ่น] - YouTube:
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マイピロムポン / ไมค์ ภิรมย์พร
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | Mike pirompon | ไมค์ ภิรมย์พร | ໄມ ພິລົມພົນ | マイピロムポン |
画像 | Mike pirompon | ไมค์ ภิรมย์พร | ໄມ ພິລົມພົນ | マイピロムポン |
動画 | Mike pirompon | ไมค์ ภิรมย์พร | ໄມ ພິລົມພົນ | マイピロムポン |
ウィキ | Mike pirompon | ไมค์ ภิรมย์พร | ໄມ ພິລົມພົນ | マイピロムポン |
タイ東北のウドンタニー県出身のルークトゥンモーラム歌手。
クボタのイメージキャラクターとしても有名。 某著名タイ語翻訳者は、この有名歌手マイピロムポンの事を知らなかったが、タイ・クボタの社長は、マイピロムポンの偉大さを知っている。ちなみにマイピロンポンは、ウドンタニー県出身、筆者がよく知る村の出身で、筆者にとって非常に親近感がある歌手。
Kubota MV - YouTube:
このビデオが非常に秀逸。マイピロンポンの魅力を余す所無く描き、かつ日本企業が海外で頑張っている事を実感できる好CM。
อยู่ดีกินดี 45 Sec Ver. Director Cut - YouTube:
歌う曲は伝統的ラムからルークトゥンモーラム・近代的なタイロックまで非常に幅が広い。
ใจสาวหัวพัน : ไมค์ ภิรมย์พร - YouTube:
MV ข้าวของพ่อ - ไมค์ ภิรมย์พร - YouTube:
เดาใจฟ้า ไมค์ ภิรมย์พร - YouTube:
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グラミーゴールド / แกรมมี่โกลด์
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | Grammy Gold | แกรมมี่โกลด์ | ແກມມີ | グラミーゴールド |
画像 | Grammy Gold | แกรมมี่โกลด์ | ແກມມີ | グラミーゴールド |
動画 | Grammy Gold | แกรมมี่โกลด์ | ແກມມີ | グラミーゴールド |
ウィキ | Grammy Gold | แกรมมี่โกลด์ | ແກມມີ | グラミーゴールド |
1996年(仏歴2539年)設立の音楽会社。近代的なロックやテクノを取り入れた音楽を中心に発表する音楽会社。
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アールサヤーム / อาร์ สยาม
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | R-Siam | อาร์ สยาม | ອາ ສະຢາມ | アールサヤーム |
画像 | R-Siam | อาร์ สยาม | ອາ ສະຢາມ | アールサヤーム |
動画 | R-Siam | อาร์ สยาม | ອາ ສະຢາມ | アールサヤーム |
ウィキ | R-Siam | อาร์ สยาม | ອາ ສະຢາມ | アールサヤーム |
2001年(仏歴2544年)設立の音楽会社。
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サヌック・シンマート / สนุ๊ก สิงห์มาตร
RSIAM所属のルークトゥンモーラム歌手。バンコク在住の日本人がいくらサヌックシンマートをマイナーだと思っても、サヌックシンマートを知らないタイ人は居ない。100人中100人が知っている超有名人をマイナーと感じる日本人が多い不思議を筆者は思う。
ルークテワダー(神様の子) เพลงลูกเทวดา - YouTube:
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | Luk Tewada | เพลง ลูกเทวดา | ລູກເທວະດາ | ルークテワダー |
画像 | Luk Tewada | เพลง ลูกเทวดา | ລູກເທວະດາ | ルークテワダー |
動画 | Luk Tewada | เพลง ลูกเทวดา | ລູກເທວະດາ | ルークテワダー |
ウィキ | Luk Tewada | เพลง ลูกเทวดา | ລູກເທວະດາ | ルークテワダー |
イサーン地方の若者の間で大流行した曲。
独身おじさんと女子高生 - YouTube:
おじさんの間で大流行した、という訳では決してないが、コミカルで耳さわりが良いのでイサーン地方の地方ラジオ局などでよくかかる有名な曲。
僕を代わりに・歌サヌックシンマート - YouTube:
サヌックシンマートの有名曲。ルークトゥン・バラード。
この曲の正式な読みはコーペントゥアテーンで正しいが、このトゥアはイサーン語が語源なので、ตัวをトゥアと読まずラオイサーン式にトーと読む事が多く、この曲名も実際にはコーペントーテーンと読まれる場合が多い。
実際に、上記の様に綴りをかえて検索すると、少なくない人がこの曲の名前をコーペントーテーンと思っている事がわかるだろう。検索の際はグーグルの「もしかして」機能をオフにして検索する事を忘れない事。※ 「もしかして」でトーがトゥアに修正される点を見ても、これが方言では一般的な言い方とグーグルのエンジニアが認識している事がわかる。
僕を代わりに・ライブ・歌サヌックシンマート - YouTube:
上記は、コーペントーテーン・ライブ。 途中で即興で歌詞を変えている所が面白い。
กลับตาลปัตร : สนุ๊ก สิงห์มาตร - YouTube:
最近の新作曲らしい。まだ筆者の身の周りで耳にしたことはない。
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パイ・ポンサトーン / ไผ่ พงศธร
คนบ้านเดียวกัน - ไผ่ พงศธร - YouTube:
สู้เด้อพี่น้อง..ไผ่ พงศธร. - YouTube:
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タカテン・チョラダー / ตั๊กแตน ชลดา
Takatan Cholada Bok Mae Ya Ta Hak Jing - YouTube:
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ポンランサオーン / โปงลางสะออน
ポンランサオーンライブ4/ブンバンファイの再現 570 - YouTube:
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タイ・オラタイ / ต่าย อรทัย
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | Tai Oratai | ต่าย อรทัย | ຕ່າຍ ອໍລະໄທ | タイ・オラタイ |
画像 | Tai Oratai | ต่าย อรทัย | ຕ່າຍ ອໍລະໄທ | タイ・オラタイ |
動画 | Tai Oratai | ต่าย อรทัย | ຕ່າຍ ອໍລະໄທ | タイ・オラタイ |
ウィキ | Tai Oratai | ต่าย อรทัย | ຕ່າຍ ອໍລະໄທ | タイ・オラタイ |
ดอกหญ้าในป่าปูน - ต่าย อรทัย - YouTube:
เบิ่งนครพนม (HD720), ต่าย อรทัย - YouTube:
อีสานลำเพลิน ต่าย อรทัย - YouTube:
ラムサラワン「約束を忘れないで」 歌タイ・オラタイ: สาละวัน...อย่าลืมสัญญา - YouTube:
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ピー サデート / พี่ สะเดิด
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | Pee Saderd | พี่ สะเดิด | ພີ ສະເດີດ | ピー サデート |
画像 | Pee Saderd | พี่ สะเดิด | ພີ ສະເດີດ | ピー サデート |
動画 | Pee Saderd | พี่ สะเดิด | ພີ ສະເດີດ | ピー サデート |
ウィキ | Pee Saderd | พี่ สะเดิด | ພີ ສະເດີດ | ピー サデート |
モーラムにロックの要素を強く混ぜた硬派な感じが心地良い歌手。
若干古いが一番有名な曲。
短いスカートの女の子 - YouTube:
キーホイ(タニシ焼き) จี่หอย-พีสะเดิด - YouTube:
เด๊อน้องเด้อ - น้องพลับ - YouTube:
※ 2010/7/6(仏歴2553年)に 33歳とあった。つまり恐らくだが1977年(仏歴2520年)生まれではないか。これは筆者の推測で、公式には発表されていないようだ。
参照
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ブアパン・シーチャン / บัวผัน ศรีจันทร์
女性歌手・ブアパントンソー( บัวผัน ทังโส ) と、男性歌手・シーチャン・ウィーシー ( ศรีจันทร์ วีสี ) の二人組歌手ユニット。ラムトゥーイの激しいビートと派手なステージで非常に知名度が高い。
246 หมอลำซิ่ง บัวผัน-ศรีจันทร์ (1/3) - YouTube:
246 หมอลำซิ่ง บัวผัน-ศรีจันทร์ (2/3) - YouTube:
246 หมอลำซิ่ง บัวผัน-ศรีจันทร์ (3/3) - YouTube:
บัวผัน ศรีจันทร์บ้านเสียมชุดเก่า - YouTube:
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シリポン・アムパイポン / ศิริพร อำไพพงษ์
ย่านบ่อมีชาติหน้า ศิริพร อำไพพงษ์ - YouTube:
โบว์รักสีดำ - ศิริพร อำไพพงษ์ - YouTube:
ศิริพร อำไพพงษ์ สู้เพื่อน้องได้ไหม Siriporn - YouTube:
ศิริพร ชุดที่13 เจ็บที่จริงใจ - YouTube:
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ソーン・シンチャイ / ศร สินชัย
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | Sorn Sinchai | ศร สินชัย | ソーン・シンチャイ | |
画像 | Sorn Sinchai | ศร สินชัย | ソーン・シンチャイ | |
動画 | Sorn Sinchai | ศร สินชัย | ソーン・シンチャイ | |
ウィキ | Sorn Sinchai | ศร สินชัย | ソーン・シンチャイ |
3.4 タイ・ポップス
タイポップスは、ルークトゥンモーラムの影響の全く見られないものから、音楽の内容は強く西洋音楽の影響を受けつつも、演奏方法やステージの形式は飽くまでもラムの延長上として行なっているものまで、幅広い。
[3 モーラムとルークトゥンの違い]に戻る
ボディースラム / บอดี้สแลม
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
---|---|---|---|---|
検索 | Bodyslam | บอดี้สแลม | ບໍດີ້ສະແລມ | ボディースラム |
画像 | Bodyslam | บอดี้สแลม | ບໍດີ້ສະແລມ | ボディースラム |
動画 | Bodyslam | บอดี้สแลม | ບໍດີ້ສະແລມ | ボディースラム |
ウィキ | Bodyslam | บอดี้สแลม | ບໍດີ້ສະແລມ | ボディースラム |
まず最初にタイロックバンド・ボディースラムを紹介したいと思う。
ボディースラムは、2002年から活動するバンコクのロックバンドで、タイ全土で人気がある。ラオ系住民が多い筆者が滞在するウドンタニーでも絶大な人気を誇る。タイのバンドにありがちな技術の粗さが全くなく、ギタリストは非常にテクニカルだ。ワイルドかつポップな最新の現代ロックだが、マイルドで聴きやすい。歌詞はタイ人の心を歌うタイ語で、非常にファッショナブルだ。タイのロックは、緊張感に欠けるという認識は改めた方が良い。
2013年現在、全部で6枚(+α)のアルバムを発表している。
タイトル | 邦題 | 発表年 |
---|---|---|
ละอ่อน | ラオーン | 1997年 |
เทพนิยายนายเสนาะ | テップ ニヤイ ナイ サノ | 1998年3月 |
Bodyslam | ボディースラム | 2002年7月 |
Drive | ドライブ | 2003年9月 |
Believe | ビリーブ | 2005年4月 |
Save My Life | セーブマイライフ | 2007年9月 |
Play Project | プレイプロジェクト | 2009年某月 |
KRAAM | カム | 2010年6月 |
bodyslam@คอนเสิร์ตเทพ - YouTube:
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バレンタイン / วาเลนไทน์
英語 | タイ語 | ラオ語 | 日本語 | |
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検索 | Valentine | วาเลนไทน์ | ວາເລນໄທ | バレンタイン |
画像 | Valentine | วาเลนไทน์ | ວາເລນໄທ | バレンタイン |
動画 | Valentine | วาเลนไทน์ | ວາເລນໄທ | バレンタイン |
ウィキ | Valentine | วาเลนไทน์ | ວາເລນໄທ | バレンタイン |
バレンタインは、ボディスラムの様に近代的なポップスやロックを取り入れているが、それは飽くまでもルークトゥンモーラムの延長上として取り入れている事がわかる。音楽内容は近代的な物をベースにしているが、ステージ構成はルークトゥンモーラムそのものだ。 筆者はバレンタインをほとんど聞いたことがなく、詳しいことは知らない。更なる勉強が必要である。
วาเลนไทน์ CD3 [เต็มแผ่น] - YouTube:
4 総論
ここまでで見てきたように、モーラムは、ルークトゥンではない。ルークトゥンは、モーラムではない。だがルークトゥンとモーラムは混ざりあって、ルークトゥンモーラムという新しい音楽を生み出した。だがモーラムは決して消滅していない。モーラムは、今でもイサーン地方とビエンチャン〜ラオ南部で、生活の中でごく当たり前に楽しむ娯楽として生きている。それは決して遠い昔に死に絶えて博物館の中で保存されている文化ではない。
近代的な音楽と混ざり合ったルークトゥンモーラムには、その中に必ず原典となるラムがある。ルークトゥンとひとくちに言っても、それらは必ずラムサラワン風・ラムトゥーイ風・ラムプン風と言った様な原典を持っている。 そしてそれは、タイやラオの人は、当然の様にその原典の存在と種類とを聴き分けている。
音楽と同様にして、ラオはタイではない。タイはラオではない。タイ国内にあるイサーンも実際の所タイではなくラオだ。 近代的で一様に見えるタイ人にも必ず出身となる民族がある。タイ人とひとくちに言っても、それは必ず、ラオ・プータイ・ニョー・タイヤイ・タイノイ・スワイ・カメン…と言うように出身の民族がある。タイ人は当然の様にその違いを見分けている。
飽くまでも民族統合の象徴としてタイ国内の色々な民族音楽をまぜこぜにして作られたルークトゥンモーラム。しまいにはラオ民族が多くなりすぎて、ルークトゥン内にもはやラオの要素しか見えなくなってしまった。終いにルークトゥンといえばモーラムの代名詞だとすら思われている始末である。「えぇこの音楽はタイの音楽ルークトゥンで御座います」と言ってしまった建前、ラオの音楽モーラムそのままではあれだろうということで、申しわけ程度に他の民族の音楽を混ぜてお茶を濁しているだけになった今でも、ルークトゥンとモーラムは飽くまでも別な存在だ。
様々な本音と建前が交錯する中で、タイとラオの違いはあらゆるブラフで包み込まれてカモフラージュされている。隠されていても、それらはタイ・ラオ共に、当然のように見分けている。見分けていてもそれを口に出すことはないかも知れないが、見分けている。
ラオ族(イサーン人)はタイのマイノリティーなどではない。タイ国内で半数以上の人口を占める隠れたマジョリティーだ。だが「私達はタイ人で御座います」と言ってしまった建前、ラオ語をそのまま話してしまうのもあれだろうということで、申し訳程度にラオ語の語尾だけをタイ語に変えて話すイサーン人。
人は、音楽だ。音楽は、人だ。人と人の違いを見分ける感覚は、すなわち音楽の違いを見分ける感覚と等しい。
人を沢山知る事も良いだろう。音楽を沢山知る事も良いだろう。だがひとりの人間を理解する事が出来ずして、多くの人間を理解する事が出来ようか。同様にしてひとつの音楽を理解する事が出来ずして、多くの音楽を理解する事は出来無いであろう。 一つの音楽を理解せずに多くの音楽を知っても、それは何も理解していないに等しい。それでは本当に知ったことにはならない。
それらは、外人に取っては高度な知識かも知れない。だが、タイやラオの人にとっては、子供ですら知っている当然の理解である。
さて、書き残したことは多いが、ここで一旦筆を置く。筆者は、この文章を書くことによって、筆者自身の無知と無理解があからさまになる結果となった。こうして今後の無数の課題が明らかになり、ふとその膨大な課題を前に途方にくれている自分を見つけるのである。こうして書いている間にも、これまでに書いたことの間違いが見つかる始末である。この文章は、今後長い時間をかけて更新を続ける事になるであろう。 筆者が考えている今後の努力をどうか温かい目で見守って頂けたら幸いである。
関連情報
「ラオ」の所在 (<特集>東南アジア大陸部における民族間関係と「地域」の生成)
筆者がラオについて書くことは、決して新発見ではない。1998年に既に日本語で、京都大学地域研究統合情報センター所長の林行夫教授が同内容の事を論文としてまとめていらっしゃる。 筆者が述べることのほとんどは、上記の論文の内容に含まれる。ラオの政治状況・文化背景についての詳細は、論文を参照されたい。
タイとイサーン音楽とケーンとか: モーラムについて復習
タイとイサーン音楽とケーンとか: ルクトゥンとか
バンコク在住でケーンの演奏活動をしているmuri氏は、実際にモーラムの伝統を受け継いでいる人達が使っている資料に直接当たって調べており、的確で正確なレポートを多く公開している。特に口頭でしか伝えられないポンランのスタンダード曲の楽譜を、ひとつひとつ手で起こして電子媒体で文章化した功績は、もっと大きく取り上げられて良い筈だ。
更新記録:
・関連記事表示の自動化を行った。(Wed, 27 Jan 2016 01:39:16 +0700)