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2009年5月13日水曜日

(ニュース)体育会系コンピューター技術・気合のアルゴリズム (mixi05-u459989-200905131538)

ミクシ内で書かれた旧おかあつ日記を紹介します。
(ニュース)体育会系コンピューター技術・気合のアルゴリズム
2009年05月13日15:38
日本はソフトウェア開発に弱い。 それはどう控えめに見ても否定しがたい事実だと思う。 で、日本が世界最速のCPUを開発したというニュースを見て、なんとなく、気合がすべての体育会系少年を思い出した。 遠投が得意ではるかかなたまで中継なしで送球できる彼だがどうしても、いつも、あさってな方向に投げてしまうというか。 無敵の脚力があるのに、いつも打った後三塁に走ってしまうというか。

>富士通は13日、1秒間に1280億回もの計算ができる世界最速の中央演算処理装置(CPU)の開発に成功したことを明らかにした。
(中略)
> 使い道は、2010年度末の稼働を目指す理化学研究所の次世代スーパーコンピューターが有力だ。心臓部に数万個が搭載され、新薬開発や地震予知、ロケットエンジンの設計などに威力を発揮すると見られる。一方、パソコンやデジタル家電などへの応用が実現すれば、携帯型の同時通訳装置や自動車の自動運転装置などの開発につながる可能性もあるという。

ふと思ったのだけど、「1秒間に1280億回」計算できるというのは、直列で1秒間に1280億回計算できるのだろうか。 それとも並列で1秒間に1280億回計算できる、ということなのだろうか。

直列というのはつまり、1足す1足す1足す1足す... という風に前の結果に次の結果が影響を受ける計算をひたすら処理することを言う。 それに対して並列というのは、例えば20人くらいの友達を呼んできて200回の計算分ずつ手分けして計算することで4000回の計算を処理するようなことをいう。

往々にして、難しい計算というのは並列で処理できないことが多い。 例えばロケットエンジンの熱くなった気体のシミュレーションなんかは直列的な計算が必要なんじゃないかと思う。 だから直列で1秒間に1280億回計算出来ないと、あまり便利じゃない。

で、並列に処理するなら、(極論すれば)そんなたいそうなCPUを持ってこなくても、そこらへんのPCを100台ぐらいつなげて計算させれば実は事足りる。

100台のPCをつなげて計算するプログラムを組むのがどれくらい大変なのか、わかっているのか!という声が聞こえてきそうだけど、それは8個のコアを持ったCPUでプログラムを組む大変さと、難しさは実はそんなに変わらない。 並列で処理するプログラムを書くのは、プラットフォームのいかんにかかわらず、とても難しい。

携帯同時通訳装置も、新薬開発も、地震予知も、ロケット開発も、今のCPUを駆使すれば充分実現できるはずで、実現できない理由はどちらかといえばソフトウェア的な問題なんじゃないか、という気がする。

近年、PCは廉価なPCでも充分処理速度が速い。 コンピューター技術で足かせとなっているのは、コンピューターの速度よりも、プログラマの頭の速度の方だ。 いくら遠投が得意でも、正しい方向に投げられなければ、まったく無意味なんだと思う。


(蛇足 ・ただし、自動運転装置だけは極めて重たい画像処理をリアルタイムで処理する必要があり、これだけは強力な処理パワーが必要だ。 )


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■富士通が最速CPU開発、10年ぶり日本メーカー首位
(読売新聞 - 05月13日 14:49)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=835048&media_id=20

富士通は13日、1秒間に1280億回もの計算ができる世界最速の中央演算処理装置(CPU)の開発に成功したことを明らかにした。

 CPU開発は世界最大手の米インテルや米IBMが先行しており、日本メーカーが世界最速を達成するのはやはり富士通がトップとなった1999年以来10年ぶりという。

 新型CPU「ビーナス」は微細化技術によって約2センチ角のチップ上に集積する中枢回路の数を従来の4個から8個に増やすことで高速化を実現した。計算速度は現行の最速モデルであるインテル製の約2・5倍。設計の工夫で消費電力も3分の1に抑え、省エネ性能も高めた。

 使い道は、2010年度末の稼働を目指す理化学研究所の次世代スーパーコンピューターが有力だ。心臓部に数万個が搭載され、新薬開発や地震予知、ロケットエンジンの設計などに威力を発揮すると見られる。一方、パソコンやデジタル家電などへの応用が実現すれば、携帯型の同時通訳装置や自動車の自動運転装置などの開発につながる可能性もあるという。
(2009年5月13日14時49分 読売新聞)
コメント一覧
タビビト   2009年05月14日 00:55
>日本はソフトウェア開発に弱い。 それはどう控えめに見ても否定しがたい事実だと思う。

まったくそう思います。それに加えて、企業の戦略性の弱さもあったのかもしれませんが。
私もIT系の仕事を十数年やっていますが、メインフレーム系の基盤構築として、既存のS/Wのセットアップなどがほとんどであったため、今更ながら危機感を感じてプログラミングの学び直しをしています。
 
出展 2009年05月13日15:38 『(ニュース)体育会系コンピューター技術・気合のアルゴリズム』

著者オカアツシについて


小学生の頃からプログラミングが趣味。都内でジャズギタリストからプログラマに転身。プログラマをやめて、ラオス国境周辺で語学武者修行。12年に渡る辺境での放浪生活から生還し、都内でジャズギタリストとしてリベンジ中 ─── そういう僕が気付いた『言語と音楽』の不思議な関係についてご紹介します。

特技は、即興演奏・作曲家・エッセイスト・言語研究者・コンピュータープログラマ・話せる言語・ラオ語・タイ語(東北イサーン方言)・中国語・英語/使えるシステム/PostgreSQL 15 / React.js / Node.js 等々




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