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2009年5月4日月曜日

ラオスから帰ってきた話1 (mixi05-u459989-200905040543)

ミクシ内で書かれた旧おかあつ日記を紹介します。
ラオスから帰ってきた話1
2009年05月04日05:43
ビザの更新にラオスに行ってきた。 いつもビザ更新旅行の時には色々なことが起こるのだけど、今回も色々なことが起こった。



とりあえず、帰ってきたら、ノートパソコンの無線LANが壊れてインターネットにつながらなくなった。 おかげで、帰ってきてからしばらくネットが使えなかった。 ノートパソコンの無線LANというのは大抵画面の裏側に無線のアンテナがついている。 だから無線LANが壊れると画面の交換が必要になる場合が多い。 で、17インチノートなので、画面の交換は高い値段につきそうだ。 実際サイアム(バンコク中心街)にあるアップルのサポートセンターに行って聞いてみたら、7~11万ぐらいかかりそうだ、という話だった。 そんなにかかるなら、そのお金を貯金して新しいノートパソコンを買ったほうがましだ、と思った。

しかし、タイ人の技術者って何であんなに態度がでかいんだろうか。 態度は山よりもデカいくせに技術は鼻くそぐらい小さい、という人が非常に多い。 今回、話していて結構イライラした。 交換するくらいなら、新しいUSBのWIFIアダプタを買えば充分じゃないか、と思ったので、パラゴンをウロウロしていたら、輸入品を中心にした品揃えのこじゃれたパソコン屋を見つけた。 ここはベルキンとかケンジントンとか渋めのグッズを中心に品揃えをしており、好感が持てた。 店員さんも商品知識が確かでなかなかよかった。 正直、バンコクでこういういい店を探すのは難しい。 パラゴンの4FにあるITCITYとかいう名前だったろうか。

ここで、ベルキンのUSB版WIFIアダプタを買った。 4500円だった。 今しがたインストールしてみたのだが、ノートパソコン付属のアンテナよりずっと感度がよくて使いやすい。 この無線LANが壊れてしまったノートパソコンは、画面の交換をしないで、このままずっとだましだまし使い倒そうと思う。



行ってから知ったけど、ラオスのタイ大使館は引っ越していた。 前は民家みたいな小さい家を大使館として使っていたけど、今度は大きくてきちんとした建物になっていた。 場所も多少行きやすい場所になったような気がする。 大使館内にコピー機も用意されていたし、巨大な待ち行列・札配りマシンも設置されていた。



また、何か知らないけど、ラオスのタイ大使館だけ、特別に今だけのプロモーション期間中らしく、ビザの更新が無料になっていた。 何て大盤振る舞いなんだろう。 今まではビザ一回分につき5~6000円取っていたのに、無料になった。 だから遠慮なく最大のトリプルビザを申請した。

しかし、相変わらず「一回2ヶ月使えるビザをトリプルで取ると6ヶ月使えるはずなのに、ビザの有効期限は何故か3ヶ月」という矛盾した設定はそのままだった。 だから結局トリプル分しか使えない。 だけど、無料なのでとりあえずダブルにせずトリプルを取った。



ラオスのタラートサオと呼ばれる朝市場で、なんと「スィアンイサーン」が全巻売られているのを見つけた。 迷わず全部買った。 違法コピー版だけど、タイ国内では結構入手困難なので、手に入れられただけでもありがたい。

「スィアンイサーン」というのは、タイ(東北イサーン地方)の新喜劇+ドリフターズをあわせたような劇団だ。 これが非常に面白い。 面白くてラオス語の勉強にもなって一石二鳥だ。 しかし若干取り扱いに注意を要する。 全編にわたってお子様の教育によろしくないネタが続出する。 また、婉曲なシモネタが満載なので、外人にとってはかなり難解でもある。 だけど、そのネタは強烈で言葉がわからなくても充分面白い。

出演者は非常に芸達者でギャグが面白いだけでなく、歌や楽器が堪能だ。 ギャグにはふんだんに音楽が取り込まれておりかなりこっている。 またストーリーがさりげなくよく考えて作りこまれており、レベルが高い。

というわけで、これの違法コピー版を見つけたはいいが、色々問題はあった。 閉口したのが5枚に1枚ぐらいの割合でウィルスが入っていたことだ。 VCDプレーヤーには何の影響も無いが、Vistaより古いXP以前のWindowsマシンに入れると気がつかないうちにウィルスをインストールされてしまう。

僕のマシンは対策が施されているのでウィルスはまったく無関係だけど、このウィルス入りのVCDには何かデータ的な不具合があるらしく、何度試してみても正常にコピーできなかった。 他にも何枚かPCでは読めないCDがあった。

他方、それ以外のVCDは快調に読めてコピーできた。




ナークというアニメ映画をみた。 これは(多分) ผีแม่นาค ピーメナークっていうタイの幽霊の現代版のような映画だと思う。 この映画が非常に良質だった。 タイ文化とかタイ人の死生観・人生観・世界観がものすごく自然に描かれていて、思ったよりもずっときれいな映画だった。

普通幽霊って言えば、突然現れて人を怖がらせたり人に取り付いて悪いことをしたり不幸を招いたりする物じゃないかと思う。 少なくとも日本ではそうではないだろうか。 西洋でもそうじゃないかと思うし、僕が聞いた話ではロシアにもそういう幽霊がたくさん居るそうだ。 ロシアでは不幸が起こるとそういう幽霊の仕業だと考える、と聞いたことがある。

ところが、タイではこれがまったく逆だ。 タイでは幽霊があちこちに住んでいて、何か悪いことが起こりそうになると、どこからとも無く幽霊が現れて助けてくれるのだそうだ。

実際タイを歩いていると、そんないつも見守っていてくれるような幽霊の存在を感じる。 タイというのは極めて恵まれた自然環境の中にあって、食べ物も豊富、衣食住で困ることも稀、地震洪水といった天災とも無縁だからではないか。 そんななかでは、タイではどこに行ってもこの幽霊がいて、天災が起こって怪我をしたりしないように守っていてくれるように感じる。 お腹がすいて困ったりしないように守ってくれる。 そんな優しい幽霊の存在を感じる。 日本にも「守護霊」なんて言い方があるけど、これはもっぱら個人についている様なものではないかと思う。 国中にみんなを守ってくれる幽霊が入り浸っている国なんて、何ていい国なんだろう。 能天気にもなろう物だと思う。

そういえば、日本にも似たような存在の物がひとつある。 神風だ。 日本は海に囲まれて海に守られている。 外国が攻めてきてもいつも海が守ってくれる。 日本人はそんな海のことを「神風」と呼ぶ。 日本人もこの点かなり能天気なのじゃないかと思う。 そして、日本人がいつも神風に守られている、と信じているように、タイもいつも幽霊が生活を守っていてくれる、ということを信じているのではないだろうか。

ピーメナークというのは、子供を亡くした女性の幽霊らしい。 このナークという映画にも子供を失った悲しみが描かれている。 こうして悲しみを知ったタイの幽霊は、見えないようにいつも人を助けているらしい。 タイの幽霊は、不幸と出会っても、日本の幽霊のように「うらめしや」とならないのだ。 日本の幽霊はいつも恨み・復讐に燃えていて、まるで現実の日本人と同じじゃないだろうか。 タイの幽霊は悲しみを知っており優しい。

加えて、この映画に出てくるピーメナークは、美人でスタイルがいい。 子供思いで優しい。 そして強い。


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出展 2009年05月04日05:43 『ラオスから帰ってきた話1』

著者オカアツシについて


小学生の頃からプログラミングが趣味。都内でジャズギタリストからプログラマに転身。プログラマをやめて、ラオス国境周辺で語学武者修行。12年に渡る辺境での放浪生活から生還し、都内でジャズギタリストとしてリベンジ中 ─── そういう僕が気付いた『言語と音楽』の不思議な関係についてご紹介します。

特技は、即興演奏・作曲家・エッセイスト・言語研究者・コンピュータープログラマ・話せる言語・ラオ語・タイ語(東北イサーン方言)・中国語・英語/使えるシステム/PostgreSQL 15 / React.js / Node.js 等々




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