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2009年4月12日日曜日

管理人日記・タクシン派のデモ (isaan05-c987254-200904121036)

おかあつがミクシコミュニティータイ東北イサーン語研究会として著した記事を紹介します。
管理人日記・タクシン派のデモ (おかあつ)
2009年04月12日 10:36
閑話休題です。 最近、スアデーンのことで大騒ぎになっていますが、日本のメディアがタイ情勢をまったく理解できないことに、僕自身慣れてしまったというか、タイでこういう政変があることに飽きてしまったというか、管理人自身にとってあまり新鮮味がなくなってしまって、あまり記事を書いていません。 すみません。

そんななか、管理人の日記で恐縮なのですが、転載したいと思います。

元の日記はこちらです。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1133856014&owner_id=459989

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... この数日間異様にいろいろな新しい出来事があって、すっかり疲れてしまった。 今朝方(4月9日)寝たら夕方5時ぐらいまで寝てしまった。 14時間ぐらい寝た。 おかげで3時に閉まる電気局に行けずまた電気代を払えなかった。

夕方外からけたたましい音が聞こえてきた。 僕の部屋のある24階でもすさまじい音量が聞こえた。 何だろうと思って見てみたら、外をタクシン派のデモ隊が通っている。 大変な騒ぎになっていた。 戦勝記念塔に向かって移動中だったらしい。

今日は、サブウェイで食事をして、ソイ22にあるサトーンサウナに行った。 サウナに着いたときもう22時過ぎていたけど、聞けば営業時間が延長されていて24時まで開いているとのことで、ちょっとうれしかった。 実は前は150バーツ(430円ぐらい)だったのだけど、30バーツ値上がりして180バーツ(500円ぐらい)になっていた。 値上がりと同時にいろいろと経営の改善をしたみたいで、きっとその一環として営業時間が延ばしたのだと思う。 営業時間が延びただけでなく、サービスフルーツもよくなってたし、設備がいくつか修理されてきれいになっていた。

サウナにはテレビが置いてある。 テレビでちょうどタクシン派のデモの模様を中継していた。 タクシン派は戦勝記念塔を封鎖しており、あたりは一面タクシン派のイメージカラーである赤に染まっていた。 近所の病院がフル稼働で具合の悪い人を治療しているみたいだった。 タイ語力が足りなくて、何故そうなるのかまではわからなかった。 流血の衝突というような事態があったわけではないみたいだ。 でも、とにかくすごい数の人で、ひょっとして人ごみで気分が悪くなった人が出たのだろうか。

反タクシン派の宣伝がうまく行っていたので、民主化を求める知識人のデモによって汚職にまみれたタクシンが国から追放されてめでたしめでたし、と思われているけど、実際はそんな簡単な話ではない。 非常に敏腕に国の舵取りをしていたタクシンが出て行ったおかげで、タイはまた以前のように迷走している。 タクシンが出て行ったあと、政権についた後釜が何も考えずにジャイアン式でデタラメな行政を行った結果、タイ国内の膨大な人が無意味な大損をしている。 この人たちが怒っていないはずがないのだ。

この問題の本質は華僑の権力争いだ。 華僑は出身地によってまったく違った文化を持っている。 出身によって潮州・福建・客家と呼ばれるらしい。 この人たちは互いに相容れない。 しかし、タイに住んでいる以上、表向きはタイ人であると言う建前を守らなければならない。 しかし本音は自分の仲間の利益を尊重したい。

客家であるタクシンが国外の客家系華人に利益を供与した結果、タイ国内の客家でない華人が激怒した。 結果黄色いシャツを着たパンタミットという政治集団がデモを始めてあちこちを封鎖し始めた。 デモ隊は 「タイの国益に反する」とか「税金を払わなかった」というような冤罪をつけて、タクシンを攻撃し始めた。 一方タクシン派は、自分たちが客家系の華人であることを表向きに言い出せないので、イサーン人と呼ばれる貧しい農民に資金を提供して、この人たちにデモをやらせることで、反撃している。 結果的に抗争に負けてタクシンは国から追い出され、タクシンの資産は国が没収するという形で非客家系の政治家の損益と相殺されたのだと思う。

今起こっていることは間違いなく客家系の反撃だろう。 今回もまた黒幕がばれないように色々なブラフがばら撒かれるだろう。

タクシンが出て行ったおかげで、不条理な損害をこうむった人がたくさんいる。 ちなみに僕もその一人だ。 この損益をこうむった人たちは長らく怒りつづけている。 客家系はこの人たちに資金を提供することで反撃を始めたのではないかと思う。

そろそろタイ正月ソンクラーンだ。 ソンクラーン期間中はビジネスが休みになるので、目立つ大きな封鎖パフォーマンスをしても、そんなに損益が出ないと思われる。 外国人観光客が集まる時期であり国外にアピールする効果もあるだろう。 デモ隊としてはとても都合がいい。 デモ隊を影で先導している人たちは別にビジネスを持っているはずで、ビジネス的なダメージが少ないというのは、こちらにとっても好都合だ。 だからこそ、この時期を狙ったのではないだろうか。 あるいは、ひょっとして、ソンクラーンになったら、デモ隊が田舎に帰ってしまって動員数を維持できなくなったりすることもあるかもしれない。 いずれにしても、こうやって怒りをぶちまけて、すっきりしたところで、退散すると思う。

この国は、理屈よりも気持ち重視で、気に入らなければ気が済むまでぶっ壊していい。 それを国民みんなが静かに見守ってくれる。 こうやってこの国のすべての人のガス抜きが終わって落ち着いたところで、ようやく次の国のリーダーを決める準備が終わったといえるのではないか。

前はこういうことがあるとニュースに釘付けになっていたけど、もう何も見てない。 何も読まない。 あせらない。 あせらない。 というか、よくあることだ。 予定通りであり、またいつもどおり収束すると思う。 (街の人もそんなに気にしていない。 多分みんな「まぁいつものことだ」って思っていると思う。)

というか、たまに思うのだけど、問題って何故起こるのだろうか。 それはある出来事を問題と思って大騒ぎする人が出るから問題になるのではないだろうか。 「問題」に対して大騒ぎする人が現れなければ問題は問題として存在し続けることは出来ない。 世の中に存在する問題の99%は、何もしないことで解決する。 問題のもっとも効率のよい解決策は、何もしないことだ。 それでも解決しない問題だけ、がんばって解決する。 つまり、逆に見れば、問題を問題として大騒ぎする人には、何か裏があるのだ。 自分がよく事情を知らない他人の事件を、大騒ぎする人にのせられて、断罪し、懲罰を与えるような間違いは絶対に起こしてはいけない。

サウナから出てアソーク駅そばのマクドナルドに行った。 すこしだけ仕事をして、最近見つけて気に入ったエジプト料理屋に再び向かった。 本当は今日は行かないつもりだった。 だけど、シシャー(水タバコ)はどうもタバコと同じような中毒性がある。 やめられなくなってしまった。

タクシーで帰ってきた。 タクシーの運転手がプラカノン駅周辺をタクシン派が封鎖していて、参ったよ、というようなことを言っていた。 一晩中封鎖しているのだそうだ。

うわさでは近日タイ都心部を走る電車=BTSを封鎖する、とか言うことも言っているらしい。 そうなったら楽しい。 大混乱になるだろうなぁ...。 ちょっとワクワクする。 僕はそうなったら船で移動する。 この国は道が封鎖され、電車が封鎖されても、まだ運河が残っている。 これがあれば、僕はサウナに行ける。 マクドナルドにもいける。

あしたは、タイの有名なジャズ演奏を聞かせる店、サキソフォーンに行って見ようかな。 ちょうど金曜だし、ちょうど封鎖されてる戦勝記念塔のそばにあるし。
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出展 2009年04月12日 10:36 『管理人日記・タクシン派のデモ』

著者オカアツシについて


小学生の頃からプログラミングが趣味。都内でジャズギタリストからプログラマに転身。プログラマをやめて、ラオス国境周辺で語学武者修行。12年に渡る辺境での放浪生活から生還し、都内でジャズギタリストとしてリベンジ中 ─── そういう僕が気付いた『言語と音楽』の不思議な関係についてご紹介します。

特技は、即興演奏・作曲家・エッセイスト・言語研究者・コンピュータープログラマ・話せる言語・ラオ語・タイ語(東北イサーン方言)・中国語・英語/使えるシステム/PostgreSQL 15 / React.js / Node.js 等々




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