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2008年7月20日日曜日

ジャズとエゴラッピン (mixi05-u459989-200807201601)

ミクシ内で書かれた旧おかあつ日記を紹介します。
ジャズとエゴラッピン
2008年07月20日16:01
エゴラッピンというバンドがある。 ジャズ風の音楽を演奏する日本のバンドだ。
ラジオでかかってたので、久しぶりに聴いた。

正直、聞いていて、気持ちが悪い。 いや、音楽が気持ちが悪いのではなくて、メンバーが気持ち悪いというのでもなくて、間違った日本語を見ているみたいで気持ちが悪いのだ。

間違った日本語って見ていて相当気持ち悪い。 それが何故気持ち悪いのかは、見たことがないとぜったいわからないかもしれない。 それは、面白いとか、珍しいとか、通り越して「バカ?」 って真剣に感じさせてしまうほどの、深刻なバカフレーバーをかもし出してしまう。 これは逆も同じだ。

もちろん、一生懸命話す中で、間違った日本語を話すのは、まったく構わない。 それがコミュニケーションに対する一生懸命さの表れであれば、全く問題ないのだ。

しかし、そうでない場面で、ファッションとして外国語を使っていて、しかもそれが間違っていると、憐憫を超えて怒りすら覚える。

それは、深刻なコミュニケーションの放棄に相当する。 宣戦布告と同じなのだ。



ジャズって言葉だ。 やっぱりそこには、文法と言うか語法というか、規則がある。 エゴラッピンを聞いていると、音はものすごく真剣にジャズっぽくておしゃれなのに、リズムはまるっきりジャズからかけ離れたリズムだからだ。 これが僕には「間違った日本語」みたいに聴こえて凄く気持ちが悪い。

もちろん、ジャズにも色々ある。 チャーリークリスチャン・ジャンゴラインハルトから、チャーリーパーカー、コルトレーン、からきて、ハンコック・ウェインショーターとか、アランホールスワースとかウェザーリポートとかから、ブランフォードマルサリスとか、ユリケーンとかの、最新のゴリゴリのジャズまであるけど、そんな多様な中でも共通しているものがある。 それはジャズだということだ。 そんなに多様で異なるようにみえるものでも、そこにリズムニュアンスのコミュニケーションが必ずある。 これこそがジャズのゆえんだ。 これがジャズの真髄であり、一番大切なことだ。 そこにこの世のありとあらゆる毒と陶酔が凝縮されている。

ところが、エゴラッピンには、これが全くない。
ファッションでジャズをやっているように見える。
音は超ハイクオリティーなのに、中身が空っぽに見えてしまう。



それが、僕には凄く滑稽に見える。

もちろんそういう意見もあるし、そうじゃない意見もある。 僕は両方わかる。 だけど、「これが滑稽に見える」という意見を日本人は理解できない。

それだけ。

コメント一覧
ねこ☆ミ。   2008年07月20日 16:32
エボラッピン、、、じゃなくて、エゴラッピン(EGO-WRAPPIN' )かな?

JAZZからとか、西欧からみると、滑稽に見えるんだろうなぁ。。。

エゴラッピンは、そもそもJAZZではなく、昭和歌謡のレトロさと、
おしゃれな雰囲気のバンドというのが自分の認識w
おかあつ   2008年07月20日 16:42
あ、そうなんだ。 直します。
ねこ☆ミ。   2008年07月20日 16:48
確かに、JAZZ風な曲なのに、リズムが硬いというか、息遣いというか、
コミュニケーションをして作っているリズムではないよね。

生楽器の微妙なニアンスみたいなところが出ていて、結構好きなんだけど
おかあつ   2008年07月20日 17:25
僕、ジャズはムチャムチャたくさん聴いているので、そっちでの常識感覚みたいのがあるんです。
もちろん昭和レトロの感覚も理解できるんです。

その2つの常識感の中で、違和感を感じるんですよね...。


ジャズは、リズムが常に、
  ンタカチッタカチッタカチッタカダッ...
なんですが、

日本の音楽は「どんなにファッショナブルなジャズを模しても」 常に、
  ドカチャカドカチャカ・ウチャウチャウチャウチャジャーン
なんです。

聞き比べると、いっぱつでわかりますよ。

これって言葉とムチャムチャ関連してます。

英語・フランス語・イタリア語とかのリエゾンを持ってる言葉はンタカチッ っていう音楽になるみたいです。
日本語やドイツ語はリエゾンがないので、基本的にドカチャカ系です。


でもね。

日本にもこの違いを理解してすごい音楽を造る人が居ます。
http://jp.youtube.com/watch?v=GjdWGp0tcYI

これ、聞いたとき、ビビりました。 おいおい! これ、ジャズだよ! スイングしてるよ! って思いました。 エゴラッピンより、よっぽどいいリズム出してると思います。

ジャズとかのアフタービートや裏拍の強調した音楽って、リズムがどんどんずれていくので、リズムが速くなったような不思議な錯覚=スピード感が出るんですが、この音楽、ちゃんとずれてます。 すごいズレまくってます。 (ちなみにこれをジャズの演奏者は「リズムが広い」とか「リズムが長い」とか言います)

歌詞も日本語のリズムのよさを出していて、最高です。

.. ま 内容はアレですが。
ねこ☆ミ。   2008年07月20日 17:42
ま、、、まさか、この曲が。。。

だめだ、自分のJazzレベルが低くすぎて、はっきりとスイングであると感じられないです。

一時期、Jazzを聞こうと思ってマイルス・デイビスのCDをかってきたのだけど、
よくわからなかったんだ。。。

でも、このリズムはすばらしい


まはヴぃーら   2008年07月20日 21:55
明大前にマイルスというジャズバーがあります。行きましたが、常連の老人ばかりで辛く、もう行かないことにしました。ママさんも含めて一つの村でした。
チエ   2008年07月20日 22:10
大学のころ、わたしの担当教授もエゴラッピンには違和感があるといってましたねー。
おかあつ   2008年07月21日 01:11
ねこ☆ミさん、
>一時期、Jazzを聞こうと思ってマイルス・デイビスのCDをかってきたのだけど、

とりあえずジャズ聴きたい、っていう話題になると必ず出てくるのがマイルスデイビスで、よく進められるのもマイルスデイビスのコンピレーション物だと思うので、多分そういうのを聞いたんだと思います。 それは、やっぱり有名どころの 50年代後半のものが多いと思うのですが、多分、ジャズを聴くなら90年代以降のパットメセニーとかハンコックとかの物が聴き易くていいと思います。 人によって意見が違うと思うのですが、僕が感じる ねこ☆ミさんの感覚であれば、そういう新しめの音の方がきっと好みだと思います。

http://www.amazon.co.jp/dp/B00005ELMT/

こういうヤツです。

ジョーイカルデラッツォとかもいいです。 ファーストがオススメです。

まはさん、
>行きましたが、常連の老人ばかりで辛く、もう行かないことにしました。

日本のジャズ界って本当に狭い世界なので、本当のことを言うと実に住み心地が悪くなってしまうので、あまり言いたくないんですが、日本のジャズ界って本当に保守的でガチガチです。 いつもよってたかっては「アレはジャズだ」「コレはジャズじゃない」ってやっています。 ちょっとでもストライクゾーンから外れるとアウトなのです。

僕の言うことも「あれはジャズじゃない」「これはジャズじゃない」のたぐいですが、ちがうのです。 もっと凄まじく狭いのです。 こういうところに入っていくのって、ホント辛いです。

でも、高田馬場のマイルストーンはオススメです。

チエさん、
>大学のころ、わたしの担当教授もエゴラッピンには違和感があるといってましたねー。

そうでしたか... そう思っているのが僕一人じゃないって知ってちょっと心強いです。

しかし、ひょっとしたらですが、多分英語圏の人は同じことを感じると思います。
そしてそのあとで、これが「戦後昭和歌謡風」だったのか,,,と知るんだと思います。

もちろん昭和風っていうのは、なかなかいい雰囲気ではあるんですが...


---

なんというか「うそのない音」ってあると思うんです... 例えば演歌とかって、僕はそんなに一生懸命は聞かないですが、でもそこにうそのない音って言うのが出ている様な気がします。 ジャズも基本的に演歌なので、そういうウソのない音って言うのがそこにあると思うんです。 タイの民族音楽も同じ感覚を感じます。 そういうウソのない音楽って言うのは、必ずそのリズムに、独特なコンセプトのようなものが一貫して存在するように感じます。 ズレというか、遅れというか、訛りというか、語法と言うか... が存在するのを感じます。


そういううそのない音楽って、ヘタクソが演奏しても、上手な人が演奏しても、一様に本物なんです。 音程がずれたり、ヘンだったり、という技術的な問題が合ったとしても、かならず、音楽としてきちんと成立しているんです。

僕はそういう音楽が好きなのです。 そこに加わる、上手、下手ではなく、その人がどう感じているのかが現れる音楽がすきなのです。



あるいは、きっと、音楽って「幸せだから歌う」人と、「不幸だから歌うタイプ」とあるのかなぁ、とたまに思います。 僕は幸せだから歌う人ってあまり好きになれないんですよね...
 
出展 2008年07月20日16:01 『ジャズとエゴラッピン』

著者オカアツシについて


小学生の頃からプログラミングが趣味。都内でジャズギタリストからプログラマに転身。プログラマをやめて、ラオス国境周辺で語学武者修行。12年に渡る辺境での放浪生活から生還し、都内でジャズギタリストとしてリベンジ中 ─── そういう僕が気付いた『言語と音楽』の不思議な関係についてご紹介します。

特技は、即興演奏・作曲家・エッセイスト・言語研究者・コンピュータープログラマ・話せる言語・ラオ語・タイ語(東北イサーン方言)・中国語・英語/使えるシステム/PostgreSQL 15 / React.js / Node.js 等々




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