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2008年6月4日水曜日

【素朴な感想】 技術営業 (mixi05-u459989-200806042304)

ミクシ内で書かれた旧おかあつ日記を紹介します。
【素朴な感想】 技術営業
2008年06月04日23:04
http://panasonic.jp/dc/fx500/ccd_lens.html

LUMIXのホームページをみてて思った。 これって、技術営業の模範教科書のようだ。

とかく技術というのはどんどん進歩してマニアックになっていくものだ。 もちろん技術者だってマッドサイエンティストじゃない。 何かこうすれば便利だろう、こうすればいいだろう、という着想を持って開発する。 だけど、それが高度になればなるほど、どんどん、一般の人にはわからなくなっていく。 よくなっているのに、それに気づいてもらえなくなっていく。 すごい違いがあってそれを享受しているのに、それを当たり前の様に感じてしまい、え~変わんないよ~!っていう評価を得るようになる。 これってジレンマだ。

そういうわかりにくい高性能を、子供やおじいちゃんおばあちゃんにもわかるように、わかりやすく説明することって大切だと思う。 パナソニックっていつもすごく地味だけど、こういう誰にでもわかる、わかりやすさがいつもある。


そんななかで、WINDOWS VISTAとか 失敗の典型じゃないだろうか。 すごい高性能になった。 これまでネックになっていた色々なOS上の無様な仕様が修正されている。 僕はそれがわかる。 これは何もプログラマだけに限らず、一般ユーザーにも有益だ。 VISTAを使っていれば、いろいろな面で安泰で安全だ。

だけど、未だに 一般からは VISTAのどのへんが高性能なのか、理解されてなくて、XPで充分だよ、とか、重すぎ、とか、派手過ぎとか、不要、とかいわれている。 決してそんなことはない。 VISTAは誰にとってもメリットがある。 ところがその点の説明に大失敗してしまったのがVISTAなんだと思う。 これは 技術営業失敗の典型例だ。

往々にして利点より欠点の方が目立つものだ。 利点というのは、それをどんなに苦労して開発したとしても、それが当然でしょ?という評価を受けやすいものだ。 それに対して、欠点は、すぐに批判の対象となってしまう。 だから、こうやってよさをアピールしていくことはとても大切で、その点 この LUMIXのホームページは素晴らしく、教科書の様に模範的だと思う。

コメント一覧
ねこ☆ミ。   2008年06月04日 23:21
LUMIXのホームページはよくできていると思う。

でも、どれを買ったらよいのかよくわからないです。
どれも良く見えます。

(自分には、こんなに良いデジカメは必要ないのかもしれない(^^;;;
さい   2008年06月05日 06:09
私の認識ではいわゆる一般の人向けには
技術的な説明はあまり重視されていない。
ふつうの大きな会社は、一般の人は製品の仕組みを理解できないし、
人気芸能人起用のコマーシャル等、イメージだけで売れると考えている。
逆に、一般向けではない(技術的にくわしい人)向けには
きちんと原理を説明しないと満足してもらえないと考えている。
(会社向けの製品は、額も違うし、
購入に当たってはきちんとした理由で社内の説得もいるので)

確かにこのカメラの説明は、開発のときに考えたような有利点を
一生懸命伝えようとしていると思う。
スペックのよさを、そもそもの定義から説明している。
こういう内容はふつうは会社向け製品にしかしない。

その説明をするにいたったのは、デジカメの競合製品が
あまりにも多く、価格競争も熾烈を極めていて、
本気で他社と区別化するためには何が必要かを
考えざるを得なかったのだろう。
実際には何人の人が、デジカメで撮影したときの処理時間の内訳まで
思いをはせることができるのだろうか?
また撮影のときに、ばかちょん式でとるのでなく、
カメラマンのように画角まで気をくばって取れるようになるのだろうか。
この説明でどこまで製品の付加価値が上がったのか、興味深い。
おかあつ   2008年06月05日 13:05
>さい
>こういう内容はふつうは会社向け製品にしかしない。

それは違うと思うよ。

パナソニックは、カメラ以外の分野でその本領を発揮していると思う。 例えば、洗濯機とか冷蔵庫とかにもいちいち「電気代、こんなにお得!その秘密はロータリーコンプレッサー!」とか書いてある。 あまりにもよく見かけるので意識しないけど、これも技術営業のひとつだと思う。

パナソニックは、こういう「能書き」を製品に貼り付けて販売してる。 買っちゃったらみないわけで、不思議に思った。 それを パナソニックの人に聞いたら、これは初期ロット10000台ぐらいのものに貼り付けることになっているらしい。 店頭に置かれるサンプルがほとんど初期ロット10000台から採用されるからなんだそうだ。 その能書きには、小難しさとは無縁なサザエさんが踊っていたり、スポーツ選手だったりして、なじみやすさを強調してる。

>カメラマンのように画角まで気をくばって取れるようになるのだろうか。

僕はカシオのカメラを使ってるけど、画角は気になるぐらいは狭い。 結構離れないと全部が入らない。 だから充分魅力的だと思う。 そういえば、海外のルミックスのコマーシャルが結構面白い。 パーティーの写真を撮ろうとして、全体が入らないので離れようと後ろに下がったら壁にぶつかって家が壊れちゃうんだけど、このカメラのよさを上手にアピールしていると思った。

>実際には何人の人が、デジカメで撮影したときの処理時間の内訳まで思いをはせることができるのだろうか?

これも遅いカメラはイライラするぐらいは遅いからね...。 遅いと連写できないし、子供とか処理してる時間の間に走っていっちゃったりするからね。



例えばVISTAだけど、 XPとほとんど同じだよ、とかそういう風に言われている。 だけど、端的に言って、VISTAさえ使っていればウィルスバスターを使わなくても ウィルスに感染する機会が激減する。 なぜか。

これは車にエアバッグがついてるかついてないかぐらい違うわけだけど、これが一般の人に無関係かといえば、無関係とはいえない。 とても重要だ。 でもこの違いを説明するのに「VISTAではエレベーションシステムを採用しています。」とかやっちゃうと、知らん顔されちゃう。 だけど、これはユーザーにとってとても重要なことで、上手に説明しないといけない。

技術的なことがユーザーの利益に強く関係しているということは、珍しいことじゃない。

>ふつうの大きな会社は、一般の人は製品の仕組みを理解できないし、
>人気芸能人起用のコマーシャル等、イメージだけで売れると考えている。

パナソニックがえらいところは、そういう人気芸能人が技術営業をしているところだと思う。
スポーツ選手が「○○コンバーターの威力!」とかニッコリ笑顔で語る。
それを技術営業と感じさせること無く、みごと両立してる。


男性が女性にプロポーズするのに目に見えないよさをアピールするようなものだ。「僕は見かけは悪いですが、XX卒で収入がこんなにあります!」 見かけに惑わされないサイは、きっと中身で選ぶことだろう。

 
出展 2008年06月04日23:04 『【素朴な感想】 技術営業』

著者オカアツシについて


小学生の頃からプログラミングが趣味。都内でジャズギタリストからプログラマに転身。プログラマをやめて、ラオス国境周辺で語学武者修行。12年に渡る辺境での放浪生活から生還し、都内でジャズギタリストとしてリベンジ中 ─── そういう僕が気付いた『言語と音楽』の不思議な関係についてご紹介します。

特技は、即興演奏・作曲家・エッセイスト・言語研究者・コンピュータープログラマ・話せる言語・ラオ語・タイ語(東北イサーン方言)・中国語・英語/使えるシステム/PostgreSQL 15 / React.js / Node.js 等々




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