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2005年11月16日水曜日

Jさんと 西洋文化/東洋文化の違いを語った (mixi05-u459989-200511160213)

ミクシ内で書かれた旧おかあつ日記を紹介します。
Jさんと 西洋文化/東洋文化の違いを語った
2005年11月16日02:13
私の友達はユニークな人が多いのですが、その中にアメリカ人のJさんという人がいます。

Jさんは日本語が上手、というかほとんどネイティブと違いはありません。(むしろ口がワルいと言うほど良く話します)

かつて古代言語学を専攻したとかで、今でも方々の文化について研究しており、ヨーロッパ文化もアジア文化も両方理解できる、という稀有な人です。

世界で色々な人をみてきましたが、こういう人は早々には出会いません。

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そのJさんから 電話がかかってきました。 それで最初はラオスで見たブランド品の話をしていました。 以下どのように話が進んだのか箇条書きに...

・ラオスではブランド品が無茶無茶な破格で売られている。

・大体それらは偽物なのだが、本物を作っている工場で働いていた中国人が帰国して偽物を作っているので、レベルが高いらしいとのこと。

・ブランド品の値段なんて儚いものだと思うことが沢山あった。 あるところで 100円なのが、あるところではほとんど同じものが100000円なのだ。

・僕は香港で多くのお金持ちが、ブランド品に身を固めて歩いているのを沢山見た。 だが、それらは、社会的な信用を得るための手段であって、そのブランドの趣向が好きだ、という価値観に基づいているわけではないのだ、という事を話した。 そして、その価値観はそういうはかないブランド品の値段というものの上に成り立っているということも話した。


・アジアは恥の文化、ヨーロッパは罪悪感の文化なんだ、と指摘。 だから、アジア人は、人が見ていなければ「まぁいいや」と悪いことをしてしまい、ヨーロッパ人は罪悪感にもとづいて悪いことをしないことがある。

・アジアは価値観が相対的で、ヨーロッパは絶対的なのではないか、と指摘

・そういえば、ヨーロッパでは ブランド品が好きだったら、地味に隠れた場所で使ったりすることがある、と指摘。

・ヨーロッパが、まぁ全員が全員そうでは無いけれど、少なくとも香港のように露骨に見えるような、人に見せることを最大目的(見得?)とした使い方はしない、と指摘。 それは日本もかつてそうだったと、指摘。

・ヨーロッパでは、自分の満足の為にお金を払うことがありえると、と指摘。 例えば、そのデザインが好きであればそれに10万円払っても良い、というのは自分の気持ちの満足感を得るためのものであって、人に見せることを目的としていない。 そういう自分の気持ちの為にお金を使う、という文化が日本には無いのではないか、と指摘。


・例えば中国人はアメリカに留学すると哲学とかは絶対に勉強しない。 工学など 具体的にお金儲けのための知識しか得ようとしない。 それと関連があるのではないか、と指摘。

・例えば日本人はロックンロール等のポップカルチャーでもものすごく追求する。 そういうところはすばらしいのだ、と指摘。

・それは、「すでにあるもの」に限られる、と指摘。 例えば、ジャズでも古いものは既に何が良い何が悪いという結論が出尽くしている。 極論すると、だから良さを数値化できる。 そういうものに関してはそれがうまく働く。 だが「まだないもの」に関してはそれが働かない。 どれが良いのか、どれが良くないのか、というのは未知であり、これから決まることである。 そういう状況であると、全員で足を引っ張り合う状況に陥りがちである、と指摘。


・ヨーロッパは 「イデア」をはじめ、考える技術としての概念、哲学を考えるという文化がある。 日本にはそういう文化が無いから仕方が無いのだ、と指摘。 頭の中にあるものは一つの抽象的なイデアである。 日常的にあるものはその具体例である。 そういう理想的なものを考える文化が日本にはないのではないか、と指摘。

・しかし、昔の職人... 例えば刀職人/すし職人など... は明らかに理想を考えている。 だからこそ、「そんな寿司は、寿司じゃねぇ」的な職人の語り口が生まれるのではないか、と指摘。 車などはそのもっとも典型的な例では無いだろうか。 良い車とはどういう車か。 そういう理想的なイメージを考える。 日本にはそういう一面もある。



・日本には見えないものにお金を払う文化が無い、と指摘。 アメリカには例えばその辺のホームレスにもお金を渡すことがある。またストリートミュージシャンにお金を渡すことも少なくない。 そういった無形の資産にお金をはらう文化は社会を活性化させると思う。

・それは、アメリカではなく、古くは古代ギリシャ ホメロスの時代からある文化なのだと指摘。 例えば、イタリアの名家が芸術家のパトロンになって芸術を育てるということから始まって、そういう目に見えない芸術を育むことが社会の真の豊かさにつながるのだ、という発想が古代から脈々と受け継がれていると指摘。 今でも、それはスカラシップや基金という形で受け継がれている。

・日本は歴史的に見ると非常に若い国なのだ、と指摘。 その国がどうやって自分の国を考えるのか、自分の国を良くしていくのかという事についての認識が、育っていないのだと指摘。


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と2時間以上話しこんでいました。 まだ他にも沢山話したことがあるのですが... 書ききれないのでこの辺でやめて起きます。

僕は、日本がもっと、こういう日本の弱点を、民族論に流されること無く、正しく見据えて 良く考えれば もっと良い国になるのにな、と思うことが少なくないのです。
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出展 2005年11月16日02:13 『Jさんと 西洋文化/東洋文化の違いを語った』

著者オカアツシについて


小学生の頃からプログラミングが趣味。都内でジャズギタリストからプログラマに転身。プログラマをやめて、ラオス国境周辺で語学武者修行。12年に渡る辺境での放浪生活から生還し、都内でジャズギタリストとしてリベンジ中 ─── そういう僕が気付いた『言語と音楽』の不思議な関係についてご紹介します。

特技は、即興演奏・作曲家・エッセイスト・言語研究者・コンピュータープログラマ・話せる言語・ラオ語・タイ語(東北イサーン方言)・中国語・英語/使えるシステム/PostgreSQL 15 / React.js / Node.js 等々




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