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2011年3月18日金曜日

前を向いて歩こう&中国語の方言の発音変化について (mixi05-u459989-201103180044)

ミクシ内で書かれた旧おかあつ日記を紹介します。
前を向いて歩こう&中国語の方言の発音変化について
2011年03月18日00:44
どうなるかわからないけど、水槽にも水が入ったというし、電源の調達にも目処がついたという話も出ていた。 最初はデモ隊の排除用の放水車を使っていたそうだけど、特殊火災用の自衛隊の消防車も活動を始めたとあった。 依然として大変な状況であると思うけど、もう対策もなく爆発するのみだ! という感じは多少脱出した感がある。

ニュースばかり見ていると、何も出来なくなってしまう。 心配ではあるが、起こる物は起こる、起こらない物は起こらない。 とにかく将来の事に目を向けよう。



今日は用を済まして、少しだけ散歩してきた。 僕は以前、北京語と上海語がまったく違う言語なのだと思っていたのだが、何かあちこちで話を聞いていると、上海の言葉が、僕が思っていたよりも、ずっと北京語に近いことを思った。 また多くの単語は、子音・母音の入れ替えが予測出来ると、理解できる事に気がついた。 ...と同時に、昆明の言葉で聞き覚えがあっても意味のわからなかった言葉の意味が、頭の中で結像しはじめる感覚を持ち始めた。

昆明語と雲南語が結構違うことを思う。 昆明語は、ガーガー言っていて発音がはっきりしていて、割と聞き取りやすいのだけど、雲南語全般を見渡すと、何だかよくわからない発音がいっぱいあって謎のことが多い。 (宿舎のおばさんの悪夢の思い出が蘇ってくる) だけど、北京に行ってから、何となく変化のパターンを読み取れる感じを持つようになった。



こういうページがあった。

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http://www.yunnan.jp/lang.htm

<もっと雲南語を知りたい人のために> 雲南省各地で、雲南語を使ったコメディドラマ「東寺街・西寺塔」や有名なアニメや映画を雲南語に吹き替えた「開心蒙太奇」などのVCDがVCD・DVD販売店で売られているので、それで勉強するといいでしょう。
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昆明語のビデオがあるというのは聞き捨てなら無い。
取り敢えず、これはチェックしておこう、と思う。



僕は、この5年間で、タイ語・イサーン語・ラオ語を勉強してきた。 実に辛い毎日だったが、何故か僕はそれを我慢するモチベーションを持ちつづけて、何故か学習が続いた。

タイ語とラオ語は近い言語だ。 だが、タイ語とラオ語の間には少なくない違いがある。 そして、イサーン語を学ぶ為には、タイ語とラオ語の両方に高度に精通している必要がある。イサーン語を学ぶのは決して簡単ではない。

イサーン語を学ぶと、地域による発音の変化に敏感になる。 タイとラオで共に同じ語源の単語であって、地域によって微妙に発音が変化するのだが、その変化のパターンにかなり高い法則性が見つかるのだ。 地域によって好きな音や嫌いな音がある。 ティンがピンになったり、チャがサになったり、ディがリーになったりという、一定の法則を持った変化が起こる。

僕は、この発音変化の研究に一番長い時間を使っていて、一番苦労したところでもある。



ところで、僕は最近、このタイ語ラオ語間の発音の変化の法則が、実は中国語の方言間の変化の法則と非常に似ているという事に気がついた。 この変化の当てはまり方は、中国語の場合、微妙に違うのだけど、かなり高い比率で、応用出来ることに気がついた。

例えば、昆明語のザイナティー(どこですか?)は、この法則で説明できる。 ラオ語の方言の中でティとリや、スィ・ティの入れ替わりがよく出てくる。 ムアバーンルック(遅くに帰宅)がムアバーンドゥックに変わる事がある。 ここに、ラ行とダ行の入れ替わりが観察出来る。 ザイナティーが、在哪里 ザイナーリ の発音だとすると、ラオ語とタイ語の発音変化と同様に、タ行とラ行の入れ替わりとみなすことが出来る。 この法則は他の例の説明にも使えるので、未知の方言を聞いたときに意味を推測することが可能になる。

中国語には、語尾をはっきり発音したく無い人がいるらしい。 例えば、地铁 は ディーティエなのだけど、 北京でもほとんどの人がディーティと読むような気がしている。 これを見て思ったのだが、昆明には、等朋友(友達を待つ ダンポンヨウ)を ダーポンヨウと読む人が居るのだ。 このパターンで置き換えていくと、雲南語で謎だった言葉が、非常に高い確率で意味を持ってくる様になるのだ。 例えば、雪の「シュエ」が 「シュー」に、 说の「シュオ」が「シュー」に変化する。 この法則も使える。

その方法を使うと、地方に出向いたとき、自分の普通語を相手に聞き取ってもらいやすくなる。 何か喋って相手が聞き取ってくれなかった時、更に正確な普通語の発音を心がけると、逆に印象が悪くなることがある。 相手が普通語が苦手なことがあるからだ。もっとも、下手に相手の発音に合わせようとすると、逆に印象を悪くすることもある。 だからイナカモンは難しい。

都会の人は、相手が自分と違うことになれているので、相手にあわせる必要がなく、実に楽だ。

コメント一覧
アツシ   2011年03月18日 02:09
いつも日記拝見してます!

僕は東京に住んでるんで、今回の原発事故の現状をどう捉えて、どうリアクションするか、に結構過敏になってるんですが、いろんな人がいろんなコト言う中で先日の記事は参考になりました。他にも何個か「信頼にできる」という感覚を持てる記事や意見を書く人がい何人かいて、それらの人達の見解や予測を総合して、自分も推測して暫定対処のレベルを検討するという、なかなか心休まらない日々です・・・。

>ニュースばかり見ていると、何も出来なくなってしまう。 心配ではあるが、
>起こる物は起こる、起こらない物は起こらない。 とにかく将来の事に目を向けよう。

きわめて同感です!(笑)
おかあつ   2011年03月18日 02:19
> いつも日記拝見してます!

いつもいい加減な事ばかり書いてご迷惑をお掛けしております。

原発も大変ですが、落ち着いて考えてみると、地震と津波だけで15000人亡くなったという話で、被災した方たちに対する言葉が見つかりません。原発が臨界して爆発しなかっただけでもよし、とはとても言い難い状況です。 今後しばらくの間は電気もメタメタでしょうし、当分は大変ですね...。

お互い頑張りましょう。
nhat   2011年03月18日 22:01
>僕は以前、北京語と上海語がまったく違う言語なのだと思っていたのだが、何かあちこちで話を聞いていると、上海の言葉が、僕が思っていたよりも、ずっと北京語に近いことを思った。

非漢語系の単語は多くないんですか?
ぼくは上海語については全然知らないのですが。

台湾語、ビン南語については本当に非漢語系の単語と思われるのも多いですよ。
たとえば台湾語、ビン南語で「あし」は「kha」,「AとB 」「私とあなた」 などの「と」は「 kap 」, 「美しい」は「 sui 」といいますが、これらの「kha」,「 kap 」,「 sui 」はタイ語系の単語かもしれないとぼくは思っています。

上海語にはそういうのは少ないんですかね?

おかあつ   2011年03月18日 23:19
え゛ーーーーーーーーーーーーーーーー!






そうなんだ。



すげぇ語学センス。

しかもすげぇスピード。
nhat   2011年03月18日 23:54
いえ、台湾語は3年近く前からやってるんですよ。ゆっくり学んでいるので3年やってるわりにはたいしたことないですけど.

しかも知り合いに 「台湾語には非漢語系の単語がたくさんある!」と前から言っている人がいるので、ラオ語やタイ語を始めてその単語を見た時 気付きやすかっただけです

その知り合いに「あし」,「と」,「美しい」がラオ語やタイ語でなんて言うかを知らせたら大喜びしてくれました
おかあつ   2011年03月19日 01:01
代名詞とか知りたいかも。 もっと他に同じ言葉がいっぱいあるんだろうな... それがラオ語かタイ語か、それ以外のタイ語・ラオ語の方言なのか見たら、すごい面白いことがわかりそう。
nhat   2011年03月20日 18:15
台湾語で

「 これ = che 」,「 それ、あれ = he 」,
「 この = chit 」,「 その、あの = hit 」,「 どこ、どの = to 」,
「 ここ = chia 」, 「 そこ、あそこ = hia 」,
「 わたし = goa 」,「 あなた = li 」,「 かれ、かのじょ = i 」,「 私たち(相手を含まない) = gun 」,「 あなたたち = lin 」, 「 彼ら、彼女たち = in 」, 「 私たち(相手を含む) = lan 」,
「 誰 = siang, siaN-lang(siaN=何)(lang=人) 」,
「 自分 = ka-ti 」

と言います。
nhat   2011年03月20日 18:31
台湾語の「何」は「siaN」以外にも「saN」,「siaN-mih」,「sim-mih」があります。(他にもまだあるかも知れません)

「siaN」,「saN」などの母音の後の大文字のNはその母音が鼻母音であることを表します。( 「aN」は「a」の鼻母音)

そういえばベトナム西北部の黒タイ族語と白タイ族語では「何」が「サン(sangかsanかは分からない)」でした。
ラオス語の「ボーペンニャン」を 黒タイ族語と白タイ族語では「ボーペンサン」というようです。ラオス北部でもこの言い方があるらしいですね。

もしかしたら台湾語、ビン南語の「saN」,「siaN」と 黒タイ族語と白タイ族語の「サン」も関係あるかもしれないですね。
nhat   2011年03月20日 18:36
ちなみに「台湾語には非漢語系の単語がたくさんある!」と言っている知り合いによると、台湾語の「人 = lang 」は インドネシア語の「人 = orang 」(オランウータンの「オラン」)と同系の単語かもしれないそうです。
おかあつ   2011年03月20日 18:41
取り敢えず、凄い。 自分で調べたのかな。

> ラオス語の「ボーペンニャン」を 黒タイ族語と白タイ族語では「ボーペンサン」というようです。ラオス北部でもこの言い方があるらしいですね。

これ面白いな、と思いました。 教科書に書かれるような事ではないのですが、イサーン語の口語の結構乱暴な言い方で「..は誰だ?」のことを「..ペン・プーダイサン」っていう言い方があります。 サンって何なんだろうってずっと思っていたのですが、何か関連しているのかもしれないですね。

あと、サンには「あれ」という意味もあります。
だけど独立しては使わないのが不思議。
(決まり文句の「チャンサンチャンスィー」で「あれとかこれとか」 という意味。)


あとイサーン語の女性名詞につける冠詞が「イ」だけど...あまり関係なさそうな気がする。
nhat   2011年03月22日 17:25
たぶん goa=我 , li= 你 , i = 伊 だと思います。

>あとイサーン語の女性名詞につける冠詞が「イ」だけど...

イサーン語に 女性名詞や冠詞などというものがあるのですか!? ラオス語やタイ語にもありますか?
おかあつ   2011年03月23日 00:23
タイ語にはないけど、ラオ語には名詞の性別の様なものがあって、女性名詞にはイを男性名詞にはバク(マク)がつきます。

イポー(父は男性だけど、名詞としては女性名詞でイがつく)
nhat   2011年03月23日 01:05
へえ、初めて知りました! (ぼくがラオ語初心者だってバレバレですね)
おかあつ   2011年03月23日 01:08
僕も中国語初心者なのはバレバレです。

だけど、今知らないことよりも、大切なことがある。

今からどれくらい短期間にどれくらいの本質的な事を身につけられるかがずっと大切。
 
出展 2011年03月18日00:44 『前を向いて歩こう&中国語の方言の発音変化について』

著者オカアツシについて


小学生の頃からプログラミングが趣味。都内でジャズギタリストからプログラマに転身。プログラマをやめて、ラオス国境周辺で語学武者修行。12年に渡る辺境での放浪生活から生還し、都内でジャズギタリストとしてリベンジ中 ─── そういう僕が気付いた『言語と音楽』の不思議な関係についてご紹介します。

特技は、即興演奏・作曲家・エッセイスト・言語研究者・コンピュータープログラマ・話せる言語・ラオ語・タイ語(東北イサーン方言)・中国語・英語/使えるシステム/PostgreSQL 15 / React.js / Node.js 等々




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