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2010年9月2日木曜日

誰もが自分の国を一番よく知らない。 (mixi05-u459989-201009022303)

ミクシ内で書かれた旧おかあつ日記を紹介します。
誰もが自分の国を一番よく知らない。
2010年09月02日23:03
──── 誰もが差別が悪いことだと知っている。 もし差別を憎むなら、尋問すべき人物は他人ではなく自分である。 ─── おかあつの寝言より引用


外国に居る時に感じる「○○人って本当に××だよな」っていう意見のほとんどは「自分の国は××なんてことあるわけない」という幻想から来ている、と僕は思う。

実は先日次のような話を見かけた ─── 「ある1人が逃げているところ、5~6人が追いかけている。 大捕物の末、捕まった。 その後、見せしめ的にリンチかけられているのに、警察はリンチを受けた1人を捕まえるだけで、リンチに関してはお咎めなしだった」 という。 この事件を中国で目撃したJさんが、この事件について「中国らしい事件だ」って言ったのが、頭にこびりついている。 それについて色々なことを考えた。(Jさん、勝手に引用してごめんなさい。)

公安が暴力を黙認するのって、本当に中国だけの特徴だろうか。 日本では、公安が暴力を黙認することなんて、本当にないだろうか。

確かに、秋葉原の無差別殺人事件みたいに、昨今の閉塞した日本社会の中でノイローゼーになって無差別殺人に走ったという様な、単独犯に関しては、有無をいわさずに逮捕する。 秋葉原の事件などは、事件後の再発防止のため、秋葉原周辺の怪しい風情のオタクを取り締まることも余念が無い。 極めて徹底している。

相手が単独犯であれば有無をいわさずに逮捕する日本の警察でも、相手がもしもある程度の規模を持った団体に属しているとなると話は別だ。 警察も極めて政治的な行動を取る。 例えば、あるヤクザが、自分の店で、客がホステスに暴力をふるって逃げ出したなんてことになったとする。 そして、そのヤクザが、その客を追いかけて捕まえて大通りまで連行して見せしめ的にリンチにかけたとする。 それを警察が目撃したら、止めるだろうか。 止めないような気がする。 ある程度大きな商売をやっている様なヤクザであれば、当然その地元の警察の幹部とはつながっている。 そこには、暗黙の了解や事情に関わっている者のみが守る掟や落とし前が決まっている。 その掟にしたがっている限り、警察は動かない。

先日相撲部屋のヤクザとの黒い関連が取り沙汰されて大騒ぎされた。 しかし、相撲部屋とヤクザの関係などは、江戸時代から脈々と続いている日本の文化ですらある。 ところが、「国技の相撲とヤクザが関連している訳が無い、そんなことは絶対に許されない」という潔癖幻想を日本人は持っており、数年に一度、そういう事実が発覚すると、事実は何百年も続いている歴史的な文化であるにも関わらず「いつまで続くのか、角界のスキャンダル」とか言って、大騒ぎする。

もし日本の文化を何も知らない田舎者アメリカ人みたいな人が、日本に来て、たまたま、そういうヤクザの落とし前・警察の黙認を目撃したりしたら、何というだろう。 「オー日本人、野蛮です! 人権などありはしませーん!」とか言わないだろうか。 彼が国に帰って「日本は未だにリンチが文化になっており、警察もお咎め無しだ。 日本はあれだけハイテクノロジーが発展しているのに、未だに過去の野蛮な習慣を引き継いでいる」とか友達に語っていたりしたら、僕等はどう思うだろう。

もっとも、そういうアメリカだって、そういう野蛮な習慣には事欠かない。 ロサンゼルスで黒人がリンチに合っているのを警察が黙殺した事件を皮切りに暴動が起った事も、記憶に新しい。

そうやって考えてみると、上記の中国での出来事も、それが起きるまでの複雑な背景や歴史・風習・文化がからんでいる筈だ。 この一部の事件を見るだけで、安易に「中国の公安は暴力を黙認している」と結論づけることは出来ない。


誰もが、自分の国の事を一番よく知らない。

僕等が他人の国について持つ印象のひとつひとつは、全て自分の国について持っている僕等自身の幻想が引き起こす錯覚だ。

コメント一覧
あび   2010年09月03日 00:40
話の本筋から全くズレますが・・・。

最近のヤクザはお客がホステスに暴力を振るっても、リンチなんかしないのではないでしょうか。おそらく、昨今の歌舞伎町あたりのヤクザなら、その客を捕まえて警察に突き出すでしょうね。それで、被害者のホステスに優秀な弁護士を付け、並行して民事裁判を起させて賠償金をガッポリ取ります。賠償金は弁護士とホステスとヤクザで折半する。そんな感じだと思います。

ちなみに以下は、歌舞伎町で本職のヤクザ屋さんから聞いた名言です。

「カネにならないケンカはしない。」

ただの武闘派では商売にならないらしいです。

警察とヤクザの接点があるのは、性風俗店の営業許可とか、政治家絡みとかそのへんからみたいですよ。
おかあつ   2010年09月03日 01:04
> 賠償金は弁護士とホステスとヤクザで折半する。そんな感じだと思います。

ということは、つまり「日本は中国よりもずっと潜在化している」っていう事が出来るよね。 目に見える形での暴力は一切行わない。 法律を使って見えない形でケツの毛まで抜いてやる訳だよね。

そんな風に闇から闇に葬り去られるより、目の前でボコボコにされる方が勢いスッキリしてていいかもね。

こういうところ「日本らしい」よね。

目の前でボコボコにやっつけるのも「中国らしい」かもしれないけども。
どっちがいいなんて、言えないよね。



だいたいね。 大陸に於いてね。 何で公衆の面前でボコボコにするかといえば、何か大変な損害を出したりしたヤツを捕まえて弁償させても、結局金持ってないからね。 無い物は出せない。 出せないからウヤムヤにされる。 ウヤムヤにすると、みんなナメてくる。 ナメると、気をつけなくなる。 損害だすやつがさらに続出。 そんなどうにもならないことが続発するわけ。

そういう奴が多発すると、商売あがったりなんだよね。 何でコイツらのバカに付き合ったが為に俺が借金背負わなきゃアカンねん、っていう事にすぐなる。

これじゃ、自分たちを守れないもの。

そういう問題の対処法として、一番てっとり早いのが、みんなの見ている前でボコボコにすること。「俺らの商売に傷つけたらただじゃ置かんぞ」って威嚇することだよね。

ひどいやり方かもしれないけど、そうでもしないと、居直り強盗みたいな客がいっぱい来て、どんどん商売をぶっ壊して行くことになる。 どんどん責任背負わされる。スーパー無責任集団の中では、ちょっとでも責任感が強い奴がいると、周囲がよってたかって責任を押し付けにくる。 責任がないと商売は出来ない。 だけど、責任が強いと、信じられない数の人がその人を頼りにくる。 結果的に責任の強い人を潰してしまう。

法律なんてうやむやだし、警察もお金がないから動いてくれない。
そんななかじゃ暴力ぐらいしか、自分たちを守る手段がない。



何か野蛮な世界な気がするけど、世界見回すと、多かれ少なかれ、こういう所の方がずっと普通じゃないか、という気はいつもしてる。 (ひょっとしたら、日本もね。)
 
出展 2010年09月02日23:03 『誰もが自分の国を一番よく知らない。』

著者オカアツシについて


小学生の頃からプログラミングが趣味。都内でジャズギタリストからプログラマに転身。プログラマをやめて、ラオス国境周辺で語学武者修行。12年に渡る辺境での放浪生活から生還し、都内でジャズギタリストとしてリベンジ中 ─── そういう僕が気付いた『言語と音楽』の不思議な関係についてご紹介します。

特技は、即興演奏・作曲家・エッセイスト・言語研究者・コンピュータープログラマ・話せる言語・ラオ語・タイ語(東北イサーン方言)・中国語・英語/使えるシステム/PostgreSQL 15 / React.js / Node.js 等々




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